ぶつけたり、擦った記憶はないのに、ふとした時にボディについた細かい傷が気になったことはありませんか?
知らないうちに自分で傷をつけていたり、他人に傷をつけられた可能性もありますが、細かい線状の傷は洗車が原因となっていることが多いです。
そのため、今回の記事では洗車で傷がつく原因や予防法から、ついてしまった傷の対処法まで、愛車をキレイに保ちたい方に知って欲しい洗車のコツを徹底解説します。
洗車で車に傷はつくのか?
結論からいうと、誤った方法で洗車をすると車は傷つきます。
誤った方法で洗車をすると、クルマに付着している汚れなどが原因でボディに傷がついてしまいます。
洗車は定期的に行うのが理想ですが、多くの費用や手間はかけられないという人も多いかと思います。
ですが、洗車でボディに傷がついたほうが結果的に費用や手間がかかってしまうので、傷がつく原因や誤った洗車方法を見直しすることが大切です。
傷ができる原因と正しい洗車方法を知れば、自分で行う洗車でもボディの傷を防ぐことができますので、愛車を長くキレイに乗るためにしっかり把握しておきましょう。
洗車キズができる原因
クルマのボディには目に見えない小さな砂やほこりが付着しています。これらの細かい付着物が多くの場合キズの原因となります。
屋根のない駐車場や砂埃が立ちやすい場所にクルマを保管している場合は、洗車をする際に特に注意が必要です。
下記の方法で洗車をしているとキズの原因となってしまいます。
- シャンプーで洗い始めてしまう
- ゴシゴシ擦ってしまう
- 炎天下での洗車
- タオルを1枚しか使わない
- 使用しているスポンジやタオルの素材が硬い
- 自動洗車機の利用
以下ではこれら6つについて具体的にご紹介します。
誤った方法で洗車をしてしまっていないか、チェックしてみてください。
シャンプーで洗い始めてしまう
いきなりカーシャンプーを付けて洗い始めることも傷ができる原因のひとつです。
洗車前にボディを手で触ってみてください。
なにも付いていないように見える部分でも、ざらざらとした感触があると思います。
これが傷の原因となる付着物です。
いきなりシャンプーで洗い始めれば、目に見えないほどの小さな汚れとシャンプーを一緒にボディにこすり付けることになり、小さな傷ができる原因となってしまいます。
洗車傷を防ぐためには、しっかりと付着物を落としてから、シャンプーを始めてください。
ゴシゴシとボディを力強く擦ってしまう
車をキレイにしたいという一心で、力強くボディをこすって洗車をする方がいますが、ゴシゴシ洗車は傷がつく原因です。
強い力でボディをこするとスポンジの繊維がこすれ、摩擦で傷が付いてしまいます。
傷を防ぐためには柔らかく繊維の細かいスポンジを選び、表面を滑らせるように汚れを落としましょう。
炎天下や強い日差しのある晴れの日の洗車
洗車の傷を防ぐには天候も重要なポイントです。
炎天下での洗車は水の乾きが非常に早く、素早くシャンプーをしてもボディ全体を洗い終える頃には、水分がなくなってしまいます。
シャンプーを洗い流す前に水分がなくなってしまうと、せっかく浮かせた汚れが再びボディに付着し、そのまま拭き上げをすれば汚れとボディがこすれ、傷ができる原因となってしまうのです。
また、クルマの塗装は高温になると柔らかくなるため、通常よりも傷がつきやすい状態になってしまいます。
夏場の洗車は、曇りの日や陽が当たらない場所で行うか、水を使ってボディ表面温度を下げる方法を取りましょう。
タオルを1枚しか使わない
洗車でどれだけキレイにしても多少の汚れは残ってしまいます。
特に足回りやバンパーは付着物が残りやすいため、同じタオルで車全体を拭き上げると、他の場所で巻き込んだ汚れでボディを傷つけてしまいます。
傷をつけないためには、場所によって拭き上げタオルを分けることが大切です。
ボディを傷から守るためには下記のタオル分けが理想です。
- ボディ用
- 足回り用
- 窓ガラス用
出来るだけこれらの拭き上げタオルを用意しましょう。
使用しているスポンジやタオルの素材が硬い
ボディが傷つく原因として、洗車の時に使用しているタオルやスポンジが硬いことが挙げられます。
スポンジやタオルにも特徴があります。
硬くて目の荒いスポンジやタオルを使うことで、車体に摩擦が起こり大きな負担がかかります。
この摩擦が原因で、ボディが傷ついてしまいます。
硬いスポンジやタオルだと汚れが落ちやすいと考えますが、それが原因で傷を増やすことになるでしょう。
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自動洗車機の利用
自動洗車機を使うことで車に傷がつく原因にもなります。
自動洗車機は簡単に車を綺麗にできるメリットがありますが、摩擦が大きく、小さいキズがたくさん付いてしまいます。
自動洗車機についているブラシが回転することで、 ボディについた汚れを除去できます。
しかし、最近の自動洗車機に採用されているブラシは傷が入りにくいなど改良はされています。
また、車についている砂やゴミが絡まったままになっていることもあります。
この汚れが原因でボディが傷つく可能性があります。
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黒い車は傷が目立つ
黒いボディーカラーのクルマは光の反射が起こりやすいため、傷が目立ちやすい特徴があります。
「黒だから傷が付きやすい」という訳ではありませんが、同じように付いた傷でも他のカラーと比べ気になりやすいのです。
黒い車をキレイに保つためには、傷が目立ちやすいことを意識し、丁寧な洗車を心がけるようにしましょう。
傷を予め防ぐ方法
傷を防ぐためには、ボディーコーティングや正しい方法の洗車・ワックスがけが大切です。
傷の予防法を知り、愛車をキレイな状態に保ちましょう。
車をコーティングしたら本当に傷が消えるの?
大きな傷や、爪が引っかかるほどの深さがある場合は難しいですが、小さな傷であればコーティングをすることで目立たなくすることができます。
車のコーティングは、ボディにコーティング剤をまんべんなく行き渡らせることで効果が出ます。
その際に傷の中にも溶剤が浸透し、凹凸がなくなるため傷が消えたように見えるのです。
ついてしまった傷が消えてなくなる訳ではありませんが、コーティングをすることで傷が目立たなくなるだけでなく、ボディにコーティングの層が重なるため、塗装への直接のダメージを少なくする効果が期待できます。
洗車キズの防ぎ方
洗車の傷は、ボディについた汚れとこすった際に起こる摩擦の2つが大きな原因です。
傷を防ぐためには、まず洗車前に汚れを丁寧に落としましょう。
汚れが付いたままだとボディに付着物をすり込んでしまい、傷の原因となります。
汚れを落としたら、泡立てたカーシャンプーでやさしくなでるようにボディを洗います。
強くこすったり固いスポンジを使用すると摩擦が起こる原因となりますので、注意してください。
全体を洗い終えたら、キレイにシャンプーを流します。シャンプーが残ったままだと、汚れがボディに再度付着してしまいますので、流し残しがないようにしてください。
最後は拭き上げです。足回りやバンパーなど、汚れが残りやすい場所の拭き上げで巻き込ん付着物でボディを傷つけないように、場所によって拭き上げタオルを変えることが重要です。
またボディが高温になると、塗装が柔らかくなり傷が付きやすい状態になるため、洗車は陽が当たらない場所で行うことがおすすめです。
磨きキズの防ぎ方
磨きキズとはワックスやコンパウンドでボディの表面を磨いた際にできるキズのことを指します。
塗装面を汚れや雨から守ってくれるワックスですが、強い力で磨き上げるとキズの原因となってしまいます。
磨きキズを防ぐためにはボディ表面をキレイにする必要があります。またスポンジや拭き上げ用のクロスに汚れが付着してしまうことがありますので、定期的に新しいものに交換しましょう。
車をキレイに保ちたいからと頻繁にワックスがけをすると、かえって塗装を痛める原因になってしまいます。
ワックスによって適した使用頻度が異なりますので、取扱説明書やパッケージに記載されている頻度を守るようにしてください。
洗車キズを消す方法
コーティング等で傷を目立たなくすることは可能ですが、一度ついてしまった傷を消すには、塗装表面を削る必要があります。
小さな傷であれば自分で消すこともできますが、やり方によっては塗装を痛める原因にも。正しい方法を知り、作業することが大切です。
コンパウンドで磨く
コンパウンドとはクルマの研磨剤のことです。大きな傷を消すことはできませんが、表面の塗装を削り、なめらかにすることで細かい傷であれば目立たなくすることができます。
ただしコンパウンドの使用には注意が必要です。
コンパウンドに含まれている研磨剤は、使用目的によって粒の大きさが異なります。
小さな傷であれば粒子の細かいコンパウンドで十分キレイになりますので、はじめは粒子の小さいものを選びましょう。
広範囲の傷や爪がひっかかるほどの深い傷の場合は、粒子の大きいコンパウンドを使用する必要がありますが、塗装面を大きく削り取ってしまうリスクがあります。
また無理に傷を消そうと強い力をかけることは、新しい傷を作る原因になります。コンパウンドを使用する際は、優しく磨き上げるようにしてください。
車の洗車傷の防ぎ方と注意点
傷を防ぐには洗車グッズの選び方も重要です。
ボディや塗装に優しい洗車グッズを揃えることで、洗車による傷を防止することができます。
雑巾やタオルはNG!マイクロファイバーが適切
洗車の拭き上げに、使い古した雑巾やタオルを使用する方も多いと思いますが、固くごわついた素材は車の表面を傷つける原因になることがあります。
また吸水性が悪いと、ついつい強くこすってしまうでしょう。
洗車の拭き上げにはマイクロファイバーがおすすめです。
マイクロファイバーとは繊維が細かく柔らかい肌触りの合成繊維で、吸水性にも優れているため傷が付きにくい特徴があります。
カー用品店や100円ショップでも簡単に手に入れることができますので、洗車用としてマイクロファイバーのクロスを用意しておくといいでしょう。
洗車用セームタオルもおすすめ
セームとは、シカの皮をもとにつくられた非常に吸水力に優れた素材です。
本物のシカ皮で作られたセームは非常に高額ですが、最近ではカー用品店などで洗車用の人工セームタオルを安価で手に入れることができます。
セームタオルは、吸水力が優れるだけでなく「繊維が細かく柔らかい」という特徴があるため傷がつきにくく洗車の拭き上げにおすすめです。
沢山の水分を吸っても絞ることで吸水力が復活しますので、広い範囲の拭き上げが必要な洗車に適しています。
水切りワイパーはオールシリコン
洗車後にクルマ全体を拭き上げるには、手間と時間がかかります。
マイクロファイバーやセームタオルで水分を吸収させる方法が一番傷がつかない拭き上げ方法ではありますが、時間をかけられない場合には水切りワイパーの使用がおすすめです。
商品によってはワイパー部分が固いものもあるため、水切りワイパーを使用する際はボディーに与えるダメージが少ないオールシリコンの製品を選びましょう。
オールシリコンワイパーはプロスタッフ製のワイパーが使いやすくてオススメです。