セイビーで活躍する整備士の方々が、日々どんな想いで整備士として取り組んでいるかを深掘りするインタビュー企画「知ってほしい!セイビーの整備士ってこんな人」#022!
整備士の新しい働き方として注目を集める「出張整備」。
しかし、安定した職場を離れてフリーランスになることへの不安を感じている整備士の方も多いのではないでしょうか。
今回は、国産ディーラーで16年、農業機械メーカーで6年のキャリアを経て、現在は出張整備サービス「セイビー」で活躍する齊喜範明メカに、転職の決断、収入の変化、そしてフリーランス整備士としてのリアルな日常まで、包み隠さずお話を伺いました。
目次
- 整備士プロフィール
- これまでのご経歴・整備士歴を教えていただけますか?
- 国産ディーラーからメーカーへ、そしてセイビーへ。転職のきっかけは?
- メーカーでの経験は、今の仕事にどう活きていますか?
- ものづくりの技術は、出張整備でも役立っていますか?
- セイビーはどのような経緯で知ったのですか?
- 登録する際に不安や疑問はありませんでしたか?
- フリーランスになる際、ご家族の反応はいかがでしたか?
- 仕事をする上で最も大切にされていることは?
- お客様とのコミュニケーションで特に意識していることは?
- 以前の働き方と比べて、現在はどのように変わりましたか?
- フリーランスの整備士として活躍し続けるための秘訣は?
- 例えるなら、どんな人が向いていると思いますか?
- 収入面では以前と比べて変化はありましたか?
- ほぼ毎日車に触れているとのことですが、「車が嫌になった」時期はありましたか?
- セイビーに対する要望や改善してほしいことはありますか?
- 年齢を重ねていくことへの不安はありますか?
- この働き方ならではの「大変なこと」やデメリットはありますか?
- 最後に、かつての自分と同じようにキャリアに悩む整備士の方々へメッセージをお願いします。
- この度はインタビューにご協力いただき、誠にありがとうございました!
整備士プロフィール
齊喜範明(さいき のりあき)メカ
大阪府出身・在住 40代
整備士歴22年
国産ディーラーで16年、農業機械メーカーで6年勤務後、セイビーに登録。
現在はフリーランス整備士として月曜から金曜を中心に稼働中。2児の父。
これまでのご経歴・整備士歴を教えていただけますか?
経歴としては、最初に国産ディーラーで約16年働いていました。
そこでは整備現場での現場作業を中心に、後半は本部で後輩の教育や業務フロー管理なども担当していました。
その後、農業機械メーカーに転職して、大型トラクターの開発に携わる仕事を約6年やっていました。車とは離れた環境でしたが、ものづくりの現場で学べたことは大きかったです。
そして農業機械メーカーを退職してから、セイビーで出張整備の仕事を始めて、今に至ります。車以外のこともいろいろ触れるんですけど、基本的には自動車整備をメインにやらせてもらっている感じですね。
国産ディーラーからメーカーへ、そしてセイビーへ。転職のきっかけは?
ディーラー時代は、1級自動車整備士やメーカー技術認定資格、検査員など、いろんな資格を取って、そこそこ上の方まで登り詰めたんです。
でも、すごく「変わらないな」って感じることが多くて。
給料面でも、頑張ってもあまり変わらない。
将来の道筋もはっきり見えなかったんですよね。
当時は評価制度もあまり整っていなくて、
「このまま同じことを続けるのか、それともどこかで全然違う環境に飛び込むのか・・・」
そんなことを考えていました。
営業に回ったり、中古車の方に行ったりという選択肢もあったんですが、全く魅力を感じなかったんです。
最後の3〜4年はクレーム処理や高難度故障診断や教育担当もやっていたので、人に教える立場にもなっていました。
でも、ここまで来ても収入が変わらないなら、もっと違うところに行ってチャレンジしないとダメだなって思ったんです。
それで、ディーラー時代にメーカーとのやり取りも結構あったので、「メーカー側に行きたい」という思いがありました。
大阪のメーカーを探して、農業機械メーカーに転職したんです。
メーカーでの経験は、今の仕事にどう活きていますか?
メーカーでの経験は、今振り返っても正解だったと思います。
今までやってきたことに無駄はないと感じていて、ものづくりや開発の側に立てたことで、
「これって多分こういう意図で設計されてるんだな」とか、
メーカーの視点で考えられるようになりました。
リスク管理もすごくできるようになりましたね。
配線を引くにしても、安全率を今まで以上に大きく取ったり、いろんな使い方をする人がいることを前提に「どう使っても大丈夫なように取り付けないと」って考えるようになったんです。
以前はその辺の意識が薄かったので、非常に成長できたと思います。
あとは、機械を触るだけじゃなくて、ゼロから物を作るっていうスキルも身につきました。
自分で仕事をやりやすいように治具を作ったり、工具を作ったりとか。
そういうことができるようになったのは、メーカーでの経験があったからこそですね。
ものづくりの技術は、出張整備でも役立っていますか?
非常に役立ってますね(笑)
いろんな工作機械も使えるようになったので、専用の工具を作ったりとか、作業しやすいように自分で何か作ったりとか、そういうことがすごくやりやすくなりました。
特に出張整備だと、お客様の家では全部の工具を持っていけないじゃないですか。
限られた環境の中で作業するので、そういう技術が本当に役立ってます。
セイビーはどのような経緯で知ったのですか?
農業機械メーカーを辞めた後、正直、車だけじゃなくて「大体何でも触れる」っていうスタンスで仕事を探していたんです。
プロとまではいかないけど、いろんな機械において60点ぐらいの作業はできるので、「何でもできる、何でもやりたい」っていう仕事がないかなと思って探していました。
その中で「出張整備」っていうのを見つけて、「あ、車だけならありかな」と思ったんです。
ただ、正直最初は「そんな仕事ないし、金額も安いし、そこまで需要ないんじゃないかな」って思ってたんですよ(笑)
でも、セイビーにはロイヤリティがないっていうのがすごく良かったんです。
フランチャイズだとロイヤリティが発生するじゃないですか。
セイビーは登録するだけで、ある程度は自分でできそうな感じだったので、「本当かな?」って思いながらも、とりあえずやってみようかなと。
登録する際に不安や疑問はありませんでしたか?
めちゃくちゃ疑ってました(笑)
「絶対稼げないだろ」って思ってましたよ。
最初の頃って、先輩整備士の方の「想定月収」みたいなのが載ってたりして、「そんなにもらえるわけないじゃん」って思ってたんです。
でも、とりあえず1件やってみようかなっていうことで登録してみました。
そうしたら、「案件をたくさん入れれば、それなりに収入があるよ」って話を聞いて。
「でも本当にそうなるかな?」っていう不安はあったので、何度か先輩のパートナー整備士のところに同行させてもらったんです。
当時、本部で管理をされていた先輩メカの天野さんに紹介してもらって、実際に作業を見学させてもらいました。
習うとかじゃなくて、本当に見学だけ。
ボランティアで行かせてもらって、「どういう風に作業してるのか」「どれくらいたくさん作業してるのか」っていうのを、もっと突っ込んで聞きたかったんですよね。
それで、作業を見せてもらったり、売上とかまでの数字や報酬を見せてもらったりして、「ああ、結構あるんだな」って。
しかも、その時の作業を見ても「全然自分にもできる作業だし、大丈夫だな」って思えたんです。実際に現場を見て、数字も見せてもらえたことで、不安がなくなりました。それがなかったら、もしかしたら登録しても稼働してなかったかもしれないです。
そこから少しずつ枠を増やしていって、たくさん仕事を入れてもらえるようになって、今に至る感じですね。当時同行させていただいた先輩整備士の方と本部の天野さんには本当に感謝してます。
フリーランスになる際、ご家族の反応はいかがでしたか?
家族からの反対は、実はあんまりなかったんです。
多分、私が真剣な感じだったので、「やりたいならいいんじゃない」っていう感じでしたね。
すごく理解のある家族で、本当に助かってます。
仕事をする上で最も大切にされていることは?
「絶対に失敗しないこと」これに尽きますね。
失敗しないっていう思いでやることです。
工場と違って、出張整備は失敗が絶対に許されないんですよ。
傷をつけたりしたら、それがそのまま外部に出ていっちゃうし、クレームにも繋がる。
一回傷ついた信頼ってなかなか取り戻せないので、リスク管理は徹底的にやるべきだと思ってます。
どの工具があるか、どういう風にやっていくか、何が必要か。
この車の場合、このパターンとこのパターン、3パターンぐらいあるよね、っていうのを常に頭に入れて作業してます。
そうじゃないと、仕事をもらう側としてちゃんと信頼してもらえないと思うんです。
お客様とのコミュニケーションで特に意識していることは?
やっぱり、お客様とコミュニケーションが取れることは大事ですね。
いろんな人がいるので、喋れる人じゃないと厳しいと思います。
セイビーの仕組みとして、本部が案件を調整してくれますが、現場でお客様と対面するのは私たちメカなんです。
お客様の細かい要望とか、「実はこういうことも気になってて」みたいな話って、やっぱり現場で直接聞くことが多いんです。
だからこそ、ファーストコンタクトがすごく大事だと思ってます。
お客様との信頼関係は自分で築くものだっていう意識を持って、印象よく行こうっていうのは常に意識してますね。
そうすることで、リピートにも繋がりますから。
以前の働き方と比べて、現在はどのように変わりましたか?
スケジュールとしては、月曜から金曜の9時から19時ぐらいまでが基本ですね。
最初は「朝5時から24時までとか稼働しよう!」って焦ってたんですけど、さすがにそれは無理だなと思って(笑)
今は6時から20時ぐらいを基本的にカバーできる平日稼働にして、特別依頼があったら土日も入るぐらいの感じです。
基本的には土日は家族や自分の時間に当ててます。
いいところは、自分のペースでできることですね。
移動がある意味、休憩時間みたいなものなので、すごくメリハリがはっきりしてるんです。
やる時はすごく集中してやって、やらない時は休憩してる。
しかも基本1人なので、休める時は本当に休めるっていう感じです。
ディーラーとかだと、誰かがいれば誰かに気を使ったり、喋ることもあったりするじゃないですか。
それはそれでいいところもあるんですけど、今の働き方の方が自分には合ってるかなと思ってます。
フリーランスの整備士として活躍し続けるための秘訣は?
臨機応変ができないと、多分できないと思います。
本当にイレギュラーなことがすごく起きるんです。
だから、「何があっても絶対やらないとダメ」っていう覚悟が必要ですね。
諦めて帰るってことは絶対できないし、誰かに頼むこともできないので、何かしら解決しないといけないんです。
それができないと、多分ちょっとしんどいと思います。
逆に、それができれば継続して仕事をもらえるようになるので、そこはしっかりできないとダメですね。
あとは、工場と違って設備がないので、自分でうまく考えながらやらないといけない。
本当に「いかにリスク管理できるか」ですね。何が起こるかを想定して準備しておくこと。
次の現場が待ってるので、絶対に時間内に収めないとダメなんです。
整備スキルっていうよりも、「段取りをうまく回すスキル」が大事なんじゃないかなと思います。頭の中にスケジュールを入れながらも、目の前のお客様に対してしっかりと丁寧に作業を完結できるか。これは工場では経験できないことですね。
例えるなら、どんな人が向いていると思いますか?
アウトドアが好きな人、かな。
山の中に行って、ゼロから始めるようなキャンプをする人っているじゃないですか。
ああいう、不便を不便と思わなくて、むしろ楽しめる人なら、すごく合ってるんじゃないかなと思います。
「不便を楽しめる人」
それが、この仕事に向いてる人だと思いますね(笑)。
収入面では以前と比べて変化はありましたか?
ディーラー時代よりは、もちろん増えてますね。
ただ、メーカー時代と比べると同じぐらいです。
正直、そんなに変わってなくて、上昇率でいったらちょっと上がってるかもしれないですけど、横ばいからちょっとずつ右肩上がりぐらいなんですよ。
グラフで言うと、上昇率はメーカー時代の方が良かったかもしれないですね。
でも、ここは金額だけじゃなくて、いろんなことが重なってくると思うので、別にあんまり比較はしてないです。
ディーラー時代の最後の方は550万ぐらいでしたが、それよりは全然増えてます。
ほぼ毎日車に触れているとのことですが、「車が嫌になった」時期はありましたか?
セイビーを始めてから、やめたいなって思ったことはあんまりないですね。
「これだったらいいな」とは思うことはあるし、他にできることがあったら別にやってもいいかなとは思ってますけど、セイビー自体をやめたいなとは別に思ったことはないです。
車自体もそんなに嫌いじゃないですし、むしろ楽しんでやれてると思います。
他にもチャレンジしたいことがあったら挑戦するかもしれないですけど、今は特にないですね。
作業中に行き詰まったり、難しい現場に直面した時はどう乗り越えていますか?
正直、これっていうやり方はなくて、もう横の繋がりでいろんな話を聞くっていうところですね。本当に、それが一番大きいです。
マニュアルを見たりもするんですけど、正直、文字だけだと頭に入ってこなくて(笑)
やっぱり実際に経験した人から直接話を聞く方が、圧倒的に理解しやすいんですよね。
だからこそ、セイビーの横の繋がりがすごく大事なんです。
関西のメンバーとか、仲間がいるっていうのは、もともと意識してました。
絶対1人じゃ無理なので、繋がりは必ず作っとかないとマズいと思ってたんです。
お互いに情報交換したりとか、元々車をやってた仲間もいるので、困った時にすぐ相談できる環境があるっていうのは本当に心強いです。
ただ、最新技術を深く学んでアップデートっていうのは、正直できてないんですよね。
そこはちょっとヤバいなとは思ってはいます(笑)
でも、ネットで調べれば色々出てくるし、依頼が来て「これ何だろう?」ってなったら確実に調べていくので、基本的には現場に行く前に必ず下調べをしてから行きます。
ある程度調べきれる状況っていうか、今の世の中なのでなんとかそれで対応できてるかなっていうところです。
あとは、Seibii本部のみんなも色々教えてくれるんで、助かってますね。
セイビーに対する要望や改善してほしいことはありますか?
現時点ではそんなにないんですけど、案件をもっと増やして欲しいっていうのはあります(笑)
あとは、例えば今ってほとんど現場作業なんですが、もし怪我をした場合とか、骨折した場合でも受けられるような仕事を用意してもらえたらすごく助かるなって思います。
今ってゆとりが全然ない状態なんですよ。
何かあったら終わっちゃうので。生活できなくなっちゃうんです。
だから、セーフティネットになるようなものがあればいいなっていうのは思ってます。
年齢を重ねていくことへの不安はありますか?
今はまだ体力があるんですけど、ちょっと年を重ねていくと、今と同じぐらいはこなせなくなってくる時が絶対来ると思うんです。
一般企業だと、その時のために配置転換があったり、役職が変わったりするじゃないですか。
でも、フリーランスにはそういうのがないので、何か年齢を重ねた人でもできるような仕事みたいなのを用意していてもらえたら、すごく心強いっていうか、人生のプランみたいなのが立てやすくなるかなと思うんです。
例えば「15年ぐらいやってくれた人にはこういう仕事を用意してます」とか、そんなのがあればすごく目標にもなるし、やりやすくなると思うんです。
まあ、すごく欲張りなんですけど(笑)
「自分で考えなさい」って言われたらそれまでなんですけどね。
でも、そういう仕組みがあれば魅力的だなって思います。
この働き方ならではの「大変なこと」やデメリットはありますか?
やっぱり月末と月初の不安は大きいですね。
個人事業主なので年金や保険の問題もありますし、何より次の月の仕事の見込みが見えないことが不安なんです。
月の後半になっても翌月のスケジュールがまだ埋まってないと、「どれぐらい仕事が入るんだろう?」「収入はどうなるかな?」ってソワソワしちゃいます。
もちろん、これまでも後から案件を入れてもらえて、結果的には続いてるんですけど、その瞬間は「ついに来たかな、仕事がなくなる時が…」みたいな(笑)
もう数年やってるので、経験的には「急にゼロになることはない」って分かってはいるんです。
でも、やっぱり先が見えないと落ち着かない。
もう少し先の見通しが立てば、安心して目の前の仕事に集中できるのになって思いますね。
形態としては業務委託なんですけど、感覚的にはアルバイトとも社員とも違う、でも社員に近いような…そんな微妙な立ち位置なんです。
だからこそ、もう少し先まで見える安心感があれば、より前向きに仕事できるかなって思います。
最後に、かつての自分と同じようにキャリアに悩む整備士の方々へメッセージをお願いします。
やる気次第で、なんとでもなります。
収入も、働き方も、全部自分次第。
やればやるほど増えるし、やらなければ減る。
本当にシンプルで、本当に正直な世界なんです。
だからこそ、「困ってて、やってみようかな」っていう半端な気持ちじゃなくて、やると決めたら覚悟を持ってしっかりやること。
中途半端じゃ結果も中途半端です。
でも、本気でやれば、ちゃんと信頼もついてくるし、報酬もついてきます。それは保証します。
僕も最初は疑ってました、正直(笑)
「本当に稼げるのか?」「続けられるのか?」って。
でも、一歩踏み出してみたら、道が開けました。
もし将来が見えなくて悩んでいるなら。もしこのままでいいのかって迷っているなら。
一度、踏み出してみてほしいです。
この度はインタビューにご協力いただき、誠にありがとうございました!
ディーラー、メーカー、そしてフリーランスへ。
異なる環境で培った経験すべてが、今の齊喜メカを形作っていました。
「絶対に失敗しない」という覚悟と、「不便を楽しむ」というマインド。
限られた工具とタイトなスケジュールの中で、プロとしての誇りと責任感を持って一台一台に向き合う姿勢に、整備士としての覚悟を感じました。
そして何より、「やる気次第でなんとでもなる」という言葉。
最初は疑いながらも一歩踏み出した齊喜メカの経験は、今キャリアに悩む多くの整備士にとって、大きな勇気になるはずです。
齊喜メカのような、高い技術力と責任感を持ったメカニックの皆さんが現場で一台一台、丁寧に向き合ってくださるからこそ、セイビーはお客様に信頼されるサービスを提供できています。
本当にありがとうございます。
これからも、セイビーを共に盛り上げていただけることを楽しみにしています!
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