自動車に乗るためには必須である車検ですが、その制度は時代や技術に合わせて変化しており、カーオーナーの皆様に影響がある改定も度々行われています。
デジタル化への対応や検査内容の変更など、カーオーナーとして知っておくべき変更点も増えてきました。
今回はSeibiiマガジン編集部にて実施したアンケート調査をもとに、新しい車検制度の認知度と、押さえておくべきポイントを解説します。
- OBD車検とは?社内でのテレビ視聴はNG?
- 車検は満了日の2ヶ月前から受けられるようになる?
- ヘッドライトの審査で車検が通りにくくなる?
- 車検証や自賠責証明書の電子化とは?
【調査概要】
- 調査時期:2025年1月7日
- 調査方法:Yahoo!クラウドソーシングによるインターネット調査
- 有効回答数:401件
目次
新制度「OBD車検」の認知度はまだ低め
2024年10月以降に適用が始まった「OBD車検」については、認知度がまだ低い状況です。
「ある程度内容を知っている」が8.3%、「聞いたことはあるが詳細は知らない」が31.3%で、「まったく知らない」が60.5%と過半数を占めています。
OBD(On-Board Diagnostics)車検とは、車両の状態を電子的に診断する新しい検査方法です。
OBDと呼ばれる故障診断機を接続して運転支援装置や排ガス装置の異常データを読み取ります。
実施対象となる車両は現状比較的年式の新しい車が中心ですが、実施する場合はOBD検査のための追加費用がかかることがありますので注意が必要です。
TVキャンセラーと車検の関係、約4割が認知
TVキャンセラーの装着が車検に影響する可能性があることについては、「ある程度内容を知っている」が11.0%、「聞いたことはあるが詳細は知らない」が29.3%となっています。
一方で、59.8%が「まったく知らない」と回答しており、一時話題になっていましたがまだ全体での認知度は高くないようです。
TVキャンセラーとは走行中のTV視聴を可能にする装置ですが、道路運送車両の保安基準に適合しない可能性があり、車検不適合となるケースがあります。
また、交通事故の原因となる危険性も指摘されています。
テレビキャンセラーつけてる人、車検が通らない可能性!?2024年10月から始まったOBD車検の実態とは?
2024年10月から始まったOBD車検について、テレビキャンセラ-を装着していると車検に通らない可能性が示唆されております。お悩みのカーオーナーさんへ対して整備士が解説します
https://seibii.co.jp/blog/contents/tv-canceller_obd_241206
年度末の車検予約状況、半数が「知らない」
「年度末は車検の予約が取りにくい」という事実については、「まったく知らない」が50.5%と半数を占め、「ある程度内容を知っている」は19.0%にとどまりました。
「聞いたことはあるが詳細は知らない」は30.5%でした。
3月は車検時期が集中する傾向があり、予約が取りづらくなる可能性が高まります。
国土交通省の発表資料によると、通年では全国で毎月281万台の車検が実施されていますが、なんと3月は389万台と約1.3倍もの車検実施があるとのことです。
この時期に車検を控えている方は、早めの予約を検討することをお勧めします。
出典:国土交通省報道発表資料
車検満了2ヶ月前から受検可能、最も高い認知度
「車検満了日の2ヶ月前から車検が受けられる」ことについては、「ある程度内容を知っている」が50.2%と半数を超え、最も認知度の高い項目となりました。
「聞いたことはあるが詳細は知らない」32.3%と合わせると、実に82.5%が認知している計算です。
この制度を活用することで、車検切れのリスクを避けつつ、都合の良いタイミングで車検を受けることが可能です。
先述の年度末の混雑時期を避けたい場合にも、この制度を活用することをお勧めします。
ただし、こちらは令和7年4月1日施行となっているため、令和6年3月末までに車検を取得しなければならない方は適用されませんので、年度末の混雑に注意してご予約ください。
出典:国土交通省報道発表資料
車検はギリギリに受けても大丈夫?間に合わない場合の対策も紹介
本記事では、車検をギリギリに受けるデメリット・メリットを解説しています。記事後半では、車検を受けるべきタイミングや車検がギリギリで間に合わない場合の対処法もご紹介しています。
https://seibii.co.jp/blog/contents/just_in_time_shaken#mokuji4
ヘッドライト審査基準の厳格化、認知度は半数超
ヘッドライトの審査基準厳格化については、「ある程度内容を知っている」21.3%、「聞いたことはあるが詳細は知らない」32.0%と、合計53.3%が認知している結果となりました。
一方で、「まったく知らない」という回答も46.8%と高い割合を示しています。
ヘッドライトの光度や照射方向の基準が見直され、より厳格な検査が実施されるようになっています。
これまで以上にヘッドライトの交換等の費用が発生する可能性がありますのでご注意ください。
車検時のヘッドライト基準とは?2024年8月からの変更点を解説
本記事では、2024年8月より厳格化された車検におけるヘッドライトの審査方法と基準について解説しています。車検に通らないヘッドライトの特徴や車種、防止策についてご紹介しているため、これから車検を受ける方はぜひ参考にしてください。
https://seibii.co.jp/blog/contents/shaken_headlight
電子車検証への移行、3分の2が認知
電子車検証についての認知度を調査したところ、「ある程度内容を知っている」が32.8%、「聞いたことはあるが詳細は知らない」が33.8%で、合計66.6%が何らかの形で認知していることが分かりました。
「まったく知らない」は33.5%でした。
2024年に本格導入された電子車検証は、従来の紙の車検証に代わるデジタル化された証明書です。
スマートフォンなどで車検証情報の確認が可能になり、記載事項の変更手続きもオンラインで完結できるようになります。
電子化によって紛失のリスクが減少し、住所変更などの各種手続きも効率化されます。
電子車検証についての詳細はこちら(国土交通省 電子車検証 特設サイト)
また令和6年11月の法令改正により、車検証だけでなく自賠責保険の証明書もデータで交付可能となりました。
今後車検を取得された際には車検証や自賠責証明書がどのように発行されているかを確認し、紛失や不携行での運転となってしまわないようにご注意ください。
自賠責証明書のデータ交付についての詳細はこちら(日本損害保険協会)
車検トラブルを防ぐために、事前の確認と準備を
今回の調査から、車検に関する重要な制度やルールの多くが、まだ十分に認知されていない実態が明らかになりました。
これらの情報を知らないことで、以下のような場面に遭遇する可能性があります
- OBD車検対応による追加の検査費用
- TVキャンセラー装着による車検不適合
- 年度末の予約集中による希望日程での車検実施の困難
- ヘッドライト基準の厳格化による追加整備の発生
- 電子車検証制度や自賠責証明書データ交付による書類の混乱
特に、車検の予約に関しては注意が必要です。
調査結果が示すように、年度末の混雑状況についての認知度は低く、予約が取れずに車検切れとなるリスクも考えられます。
一方で、2ヶ月前から車検が受けられることを知っていれば、余裕を持った計画が可能です。
セイビーでは、これらの新制度や変更点を踏まえた最適な車検プランをご提案しています。
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