- 遠出でボディが汚れた時
- 雨が降り自動車が汚れてしまった時
など、自動車の洗車をしたくなる時って多いですよね。
ですが実際のところ「洗車の頻度はどれくらいが理想なのか」が気になる人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は自動車のプロである整備士が、理想の洗車頻度について詳しく解説していきたいと思います!
車の利用状況や保管場所によって理想の洗車頻度は変わるので、自分の状況に合わせて参考にしてみてください。
目次
理想の洗車頻度は?
洗車の頻度は使用状況などによって大きく変わりますが、1ヶ月に1回の洗車が理想です。
なぜなら最近の車はボディ表面にコーティング施工していることが多く、
- 汚れが目立たない
- 汚れにくい
- 汚れがすぐ落ちる
などのコーティングによる効果が大きいため月一回の洗車が理想の洗車頻度なのです。
逆にコーティングを施工していない車に関しては2~3週間に1回位の頻度で洗車をしても良いでしょう。
前回ワックス洗車をしたのであれば、ワックスが落ちてくるタイミングが理想の洗車頻度です。
ワックスが落ちている状態は、ボディの表面を守る層が無くなっているので色褪せの原因になってしまうことがあります。
コーティング未施工車は2~3週間に1回が洗車目安ですが、ボディの撥水状況や汚れ具合によって臨機応変に洗車タイミングを調整する必要があるでしょう。
みんなの実際の洗車頻度(平均)は?
理想の洗車頻度は先程解説したように1ヶ月に1回の頻度です。
ですが実際の自動車ユーザーの洗車頻度は理想の洗車頻度と少しズレています。
私が自動車整備士をしていくうちに分かったことですが、実際の洗車頻度は大きく3つのパターンに分かれています。
- 汚れが目立ったら洗う
- 頻繁に洗う
- ほとんど洗わない
これら3つです。
そもそも洗車するサイクルを固定化する人が少ないのが現状になります。
そのためおよその体感にはなってしまいますが、多くの人は平均1.5~2ヶ月の頻度で洗車をしていると感じます。
自動車の使用頻度に応じて決める
自動車の洗車頻度は、自動車に乗る頻度によって決めることが出来ます。
基本的な理想の洗車頻度は月に1回ですが、
- 毎日使う場合
- 週末だけ使う場合
- 新車の場合
これらの状況によって違います。
また、洗車方法も変化することがあるので、そこに関しても解説していきます。
毎日使う場合
自動車を通勤に使う人や地域的に車移動が多い人は毎日自動車に乗ると思います。
そういった人達は自動車が汚れるリスクも高いです。
そのためコーティングを掛けていても2.5~3週間に1回の頻度で洗車を行うのが良いでしょう。
頑固な汚れも多いので、手洗い洗車や洗車機で高めのコースを選択するのがおすすめです。
週末だけ使う場合
アクティビティやお出かけに使う人は週末だけ自動車に乗ることも多いですよね。
週末だけしか車に使わない場合は、理想的な頻度である月に1回の洗車が良いでしょう。
遊びに行った後で汚れが酷い場合は手洗い洗車、街乗りでそこまで汚れてない場合は洗車機など様々な方法で洗車するのが良いでしょう。
新車の場合
最近では、新車に乗っている人はコーティングをかけているケースも多いでしょう。
新車は洗車頻度も重要ですが、洗車方法にも注意しましょう。
1番の理想は、月1回の手洗い洗車で半年毎のコーティングメンテナンスも併用して行う洗車方法です。(コーティングによってメンテナンス時期は変わります)
毎回その方法を取れないということも多いと思いますが、なるべく洗車機に入れるのは控えて水流しやホコリ取りなどでキレイに保つのが良いでしょう。
自動車の保管場所によって洗車頻度を決める
洗車頻度は自動車の保管場所によっても変化していきます。
屋外駐車場で青空駐車している人と、ガレージで室内保管している人では汚れる頻度が違いますよね。
保管場所によって汚れる頻度や紫外線に当たる時間が変わるので、洗車サイクルもそれに応じて変化していきます。
屋外駐車場で保管している場合
屋外駐車場に駐車している人が一般的かと思います。
屋外駐車場にて青空駐車している人は、風で舞った砂埃や雨などの影響を受けやすいです。
そのため、汚れ具合やボディの撥水の有無によって洗車するようにしましょう。
基本的には月1回をベースとして、汚れが酷い場合や鳥のフンが落ちた場合などは洗車サイクルを早めて洗車するのが良いでしょう。
ガレージ(室内駐車場)で保管している場合
ガレージやマンションの地下駐車場などの室内保管(それに近い状態)の人は洗車頻度は比較的少なくて良いです。
目安としては、理想の洗車頻度より少し長めの1~1.5ヶ月に1回。
ですが自動車の使用頻度や使用方法によっては、洗車サイクルを崩してでも綺麗な状態を維持すると良いでしょう。
カーポートで保管している場合
カーポートに自動車を駐車している場合は洗車時期を見極めるのが難しいです。
カーポートの種類によっても変化していくとは思いますが、一般的なカーポートであれば「雨は防げるけど砂埃が防げない」というのが多いですよね。
その場合は理想の洗車頻度である1ヶ月に1回の洗車で良いでしょう。
ですが風の強い日の後や黄砂の時期には洗車サイクルを少し早めて、水洗いなどで砂埃を落として車のボディケアをするのが理想的です。
自動車ボディの色によって決める
洗車の頻度はボディの色によっても変わってきます。
カラーリングによって汚れが目立ちやすかったりするため、自身が乗っている自動車によって洗車の頻度を変える必要があります。
- 汚れが目立つ黒・白系
- ボディが派手なカラー系
- 汚れが目立ちにくいシルバー
この3つについて、適切な洗車頻度を解説していきたいと思います。
ボディが黒・白系の場合
ボディ色が黒・白系は人気色でリセールバリュー(売却時の価値)が高いということもあり、新車・中古車問わず多い色ですよね。
これらのカラーリングは汚れが目立つため、汚れ次第洗車をするという人が多いのではないでしょうか?
車を綺麗な状態で維持するのは大切ですが、黒・白系は注意が必要です。
というのも黒や白系のカラーリングは傷が目立ちやすく、頻繁に洗車をしていると洗車キズが目立ってきてしまうため、洗車頻度は月に1回ペースが良いでしょう。
これらのカラーの場合は「汚れが目立ってきたら洗車をする」というよりも
- 汚れをつきにくくする
- 汚れを落ちやすくする
といったコーティングによる処置が必要です。
コーティングをしていれば洗車の頻度も月1回で足りて、綺麗な状態を維持出来るのでおすすめです。
ボディがカラー系(赤など)の場合
カラーリングが派手な赤や青などの色の洗車時期は、理想的な洗車頻度である月1回よりも2.5~3週間など洗車タイミングを早めるのが良いです。
なぜならカラーリングが派手な自動車は、ボディが色褪せるスピードが速く紫外線に敏感です。
新車から3~5年くらいは変化に気づかないと思いますが、長年乗っていると洗車の頻度やボディのメンテナンスによる色褪せの変化は大きく現れてきます。
そのためワックス洗車など、ボディ表面を保護する目的で洗車頻度を高めるのが良いです。
ボディがシルバー系の場合
ボディがシルバー系の色の車は洗車頻度を抑えることができます。
シルバー系はその他のカラーリングと比べて、比較的汚れが目立ちにくく色褪せしにくいので洗車頻度は1.5~2ヶ月に1回くらいでも問題ありません。
月1回の洗車頻度が理想的ではありますが、シルバー系は汚れが目立ちにくいという特性を持っているので、そこまで高頻度で洗車する必要は無いでしょう。
コーティングの有無で決める
洗車の頻度はコーティングの有無によっても決めることができます。
そもそも洗車の目的は
- ボディの保護
- 見た目の維持
なのでコーティングの有無によって、適切な洗車の頻度は変わってきます。
ではコーティングの施工状況による洗車頻度の変化について見ていきましょう。
コーティングをしている場合
コーティングを施工している車は、洗車の頻度は比較的多くなくて良いでしょう。
何度も言っている様に月に1回の洗車頻度が理想的ですが、コーティング施工している車は
- 汚れがつきにくい
- 汚れが落ちやすい
などの効果があるため、洗車をする回数は少なくても良いでしょう。
ただコーティング施工車は洗車だけでなくコーティングのメンテナンスがあるため、自身が施工したコーティングのガイドラインに沿ったメンテナンスが必要です。
これを怠るとコーティングが落ちてしまったり、撥水・親水効果が落ちてしまうので注意してください。
コーティングをしていない場合
コーティング未施工の車はボディの表面が保護されていない状況なので、洗車は適切なタイミングで行う必要があります。
洗車時にワックス掛けなどをしないユーザーであれば、月に1回の洗車では足りない可能性もあるため、洗車頻度だけでなく洗車の方法にも気をつかいましょう。
おすすめの洗車方法は下記のとおりです。
- 洗車頻度は3週間~1ヶ月
- 手洗い洗車
- ワックス掛けをする(簡易ワックス可)
この洗車方法を実施することで、コーティング未施工車でもある程度のボディ表面の劣化が防げるためおすすめです。是非参考にしてみてください!
すぐ洗車が必要になるときはいつ?
ここまで洗車頻度について解説をしてきましたが、それはあくまでも「日常使いの街乗りで車の汚れがそこまで酷くない場合」を想定しています。
鳥の糞がついた時や悪路を走行した場合など、イレギュラーな汚れ方をしたときには洗車タイミングを気にせずに洗車する必要があります。
そのためここでは普段使いのときより汚れた場合の洗車方法について解説していきたいと思います。
虫の死骸やフンがついたとき
高速道路でも長期移動や田舎道を走っていると、フロントバンパーやフロントガラスのところに虫の死骸が張り付いてしまうときがあるかと思います。
また「出かけようとしたら車に鳥のフンを落とされていた…」なんてこともありますよね。
それらの場合はなるべく早く洗車しましょう。
なぜなら虫の死骸や鳥のフンは時間が立つにつれて、徐々にボディに引っ付いてしまい除去するのが困難になるからです。
ボディ全体を洗車できなくても、虫やフンがついてしまった部分だけ拭き取ったり水で洗い流すことが重要になります。
雪の中を走行したとき
雪道を走行したとき、車は予想以上に汚れていることが多いので降雪地帯から帰ってきたときはすぐに洗車するのが良いでしょう。
雪道を走行した後の洗車時、特に気をつけないといけないのが下回りです。
車の下回りに雪が付着し続けてそのまま下回りの部品を錆びさせる恐れもあります。
そのため、ボディ表面を洗車するのはもちろんのこと、下回りも重点的に洗車しましょう。
高圧洗浄機で雪と汚れを吹き飛ばすのが一番ですが、それができない場合は下回り洗浄機能がついている洗車機を活用してみるのも一つの手です。
砂利道・泥道を走ったとき
砂利道や泥道を走ったときは下回り・足回りを中心に汚れが飛び散ります。
泥は乾いて剥がれてくれますが、剥がれた後も砂埃が残り汚く見えるため、多少洗車のサイクルが崩れても洗車するのがオススメです。
放置してしまうと車の見た目の問題だけでなく、駐車場が砂だらけになってしまうのでなるべく早く洗車してあげると良いですね。
海の近くを走行したとき
海の近くを走行したときはすぐにでも洗車をするようにしましょう。
「塩害」という言葉があるように、潮風や海水は車の表面を劣化させてしまいます。
また雪と同様にボディだけでなく下回りや足回りをサビさせてしまうので、海の帰りや次の日など速やかに洗車するようにしてください。
放置してしまうのが一番良くないので「洗車機を使いたくない」という人でも、手洗い洗車までに日数が空いてしまうのであれば、洗車機を使ってでも洗車するのが良いです。
花粉・黄砂が飛ぶ季節に走るとき
花粉や黄砂が飛ぶ季節は走っていなくても車が汚れてしまいますよね。
車が汚れていると気持ち良くないので、洗車頻度を高めて洗車しても良いと思います。
ただ水洗いだけなどの簡易的な洗車はあまり良くありません。
というのも花粉や黄砂は通常の砂埃に比べて落ちにくいので、水洗いだけでは落ちきらず拭き上げ時にボディを傷つけてしまう恐れがあります。
そのため花粉や黄砂の季節は水洗いではなくシャンプー洗車をおすすめします。
洗車に関するデメリット
洗車をする目的は
- ボディの保護
- 見た目の維持
などがありますが、洗車にはデメリットも存在します。
ここまで洗車頻度や洗車タイミングについて解説してきましたが、洗車に関するデメリット中心に解説していきます。
洗車をしすぎることによるデメリット
洗車をしすぎるデメリットは「ボディに洗車キズが出る」ことです。
本体洗車とは車を保護したり、見た目を綺麗に維持するためのものですが、洗車をしすぎるとスポンジで洗っている時や拭き上げ時の細かいキズが目立ってきます。
特に洗車機で洗車すると表面の砂埃を十分に流す前に洗車が始まってしまうので、手洗い洗車と比べて洗車キズが出やすい傾向があります。
そのため洗車をしすぎるのはよく有りません。
もし洗車のしすぎで洗車キズが目立つようであれば、塗装面を磨いたりコーティングを掛け直すなどして対処するようにしましょう。
洗車をしないことによるデメリット
長期間洗車をしないデメリットは「ボディの色褪せやクリアが剥がれる」ことにあります。
長期間洗車をしていないので汚れが目立つのはもちろんですが、ワックスなどで保護されていない分、色褪せや塗装表面の劣化が始まってしまいます。
コーティング施工している場合でも洗車をしなさすぎるとコーティングが剥がれていってしまうため、ボディ表面は傷んでいくでしょう。
洗車をたくさんすることによるデメリットよりも手に負えないことが多いので、適度に洗車をしてボディの劣化を防ぐのが最善です。
洗車をしないほうがよいタイミング
洗車を行うタイミングは、 風が少なく気温が高くない時がベストと言えるでしょう。
とくに夏場であっても、曇りの日の午前中などおすすめです。
春や秋などの場合は、気温や直射日光よりも風の強さに注意することでスムーズに洗車ができます。
逆に、洗車をしない方がいいタイミングを知りたい人も多いのではないでしょうか。
ここからは、洗車をしない方がいいタイミングを紹介していきます。
日差しが強い日、ボディが高温の日
洗車をしないほうがいいタイミングは、強い日差しや車体が高温な状態です。
この状態で洗車を行うと、熱によってカーシャンプーの泡が乾燥してしまい、シミになってしまいます。
また、ワックスやコーティング剤を使用すると、ムラの原因にもつながるでしょう。
強い日差しの中での洗車は、熱中症の危険などもあります。
そのため、真夏の場合は午前中の涼しい時間に洗車しましょう。