快適なドライブには欠かせないカーエアコン。
もしも冷暖房の効きが悪くなったり、不調が続いたりした場合には、故障が心配になる方も多いでしょう。
そんな方のために今回の記事では、エアコンの故障原因をはじめ、故障個所の診断や修理方法をご紹介します。
エアコンの調子が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
エアコンが冷えない・効かないのは故障が原因かも?
気温が高くなってくるとエアコンが冷えない・効かないという車のトラブルが出てきます。
車のエアコンのクーラーが効かないのはカーエアコン自体が故障している可能性が高く、エアコン部品が動いていなかったり、各部の経年劣化が原因によるエアコンガスの漏れなどが考えられます。
ガス漏れの場合はエアコンガスを補充して一時的に応急処置することが出来ますが、エアコンガスの漏れている箇所によっては1シーズン持たずにガスが抜けきってしまうこともあるので、注意が必要です。
まずは本当にエアコンが故障して動かないのか?やエアコンガスが漏れているのか点検をすることが重要になりますので、車の冷房が効かない場合には下記のよくある症状について確認してみるとよいでしょう。
車のエアコンからぬるい風が出る!冷房が効かない! 10の原因を解説します
夏場に車のエアコンから「冷たい風が出ない」という故障症状が起きることがあります。車のエアコンは家庭用に比べて壊れやすいです。 そこで今回は車のエアコンから「冷たい風が出ない」「ぬるい風が出る」といった故障の10の原因を紹介します。
https://seibii.co.jp/blog/contents/10_cause_problem_air_conditioner/
エアコンが故障する原因
エアコンが故障する原因は、大きく分けて次の5つがあります。
- ガス漏れ
- コンプレッサーの故障
- 冷却水の不足
- サーモスタットの故障
- クーラントの不調
上記5つの故障する原因を詳しく解説していきます。
ガス漏れ
「冷気が出ない」「エアコンの効きが悪い」という場合には、エアコンガスが漏れてしまっているかもしれません。
カーエアコンは、封入されるエアコンガスを液体から気体に変えることで、気化熱を発生させ、冷たい空気を作り出しています。
つまり、エアコンガスが不足してしまえば、冷房が効かなくなってしまうのです。
では、なぜガス漏れが発生するのでしょうか。
多くの原因は、エアコンガスの通り道である配管のゴムパッキン劣化です。
カーエアコンは、振動を受け続けるため、経年劣化は避けられないと考えた方が良いでしょう。
また、飛び石や外部からの強い衝撃で配管が損傷してしまうことも。冷風が出ない不具合が発生したら、配管の確認やガスの補充を行いましょう。
エアコンコンプレッサーの故障
カーエアコンは、「圧縮」「液化」「凝縮」「蒸発」の4工程を行うことで冷気を発生させています。
このうち「圧縮」の工程を担うのがエアコンコンプレッサーです。
さらに、コンプレッサーには、気化したエアコンガスを再び循環させる役割もあり、コンプレッサーに亀裂やつまりがあるとエアコンが効かなくなってしまいます。
また、留意しておきたい点としてはコンプレッサーの寿命は10年程度であることです。
目視で確認できる不具合がなくても、機械自体が寿命を迎えれば動かなくなることもあるので、コンプレッサーが故障してしまった場合には、交換を検討しましょう。
冷却水の不足
「暖房が効かない」という場合には、冷却水が不足しているかもしれません。
カーエアコンは、冷却水の熱を利用することで、温かい空気を作り出しています。そのため冷却水が不足すると、必要な熱を確保することができず、エアコンが効かなくなってしまうのです。
また冷却水の不足は暖房の効きが悪くなるだけでなく、オーバーヒートの原因になる可能性も。
冷却水は蒸発などにより自然に減少してしまいます。定期的に点検を行い、必要に応じて補充するようにしてください。
サーモスタットの故障
「暖房が効かない」「警告灯がついている」という場合には、サーモスタットが故障しているかもしれません。
サーモスタットはエンジンが熱を持ちすぎることで起こるオーバーヒートを防ぐために、冷却水の温度を調節する役割を担っています。
冷却水の熱を利用するカーエアコンでは、このサーモスタットが壊れてしまうと空気を暖めて送り出すことができなくなってしまうのです。
非常に重要な部品の一つですが、10年・10万キロ程度が寿命とされており、経年劣化による故障は避けられないと考えた方がいいでしょう。
クーラントの不調
クーラントとは、エンジンを冷やすための冷却水です。
通常冷却水はラジエーターとエンジンの間を循環することで熱を放出していますが、ラジエーターの損傷やホースの劣化、ウォーターポンプの故障で漏れ出してしまう場合があります。
先ほどもご紹介したように、カーエアコンの暖房は冷却水の熱を利用しています。
そのため何らかの原因で冷却水が漏れてしまった場合には、エアコンが効かなくなってしまうのです。
エアコンが故障したときに確認する箇所
エアコンが故障してしまった場合には、まず故障原因の特定が必要です。
ここからは、カーエアコンに不具合が生じたときに確認してほしい場所と、確認方法をご紹介します。
ガス漏れの有無
エアコンガスが大幅に減少している場合や全く入っていない場合には、ガスが漏れている可能性が高いでしょう。
この場合蛍光剤や検知器を使用し、ガス漏れの原因となった場所を突き止める必要があります。
とはいえ一般のご家庭で専用器具を揃えているケースは少ないと思いますので、カー用品店やディーラーで確認してもらうと安心でしょう。
エアコンコンプレッサー
ガス漏れが原因でなかった場合には、エアコンコンプレッサーが正常に作動しているかを確認しましょう。
日頃からメンテナンスをする人であれば、エアコンをつけたときの音で作動の有無を確認することができます。
音での判断が難しい場合は、エンジンルームから直接作動を確認してください。
ファンモーター
ファンモーターは、エアコン内部で発生した暖気や冷気を外部へ放出する装置です。
この部品が故障していると、吹出口から正常に空気を送り出すことができなくなります。
「エアコンから風が出ない」という場合は、ファンモーターが原因の可能性が高いです。
また、耳を近づけると「ガガガ」「ギュルギュル」などの異音がする場合もあります。
フィルター
エアコンフィルターは、エアコン内部の空気が通る場所に取り付けられる部品です。
ホコリやゴミなどを取り除くことによって、キレイな空気を排出する役割を担っています。
このフィルターが異物で詰まってしまった場合には、空気の通り道が遮断されてしまい風が出にくくなる可能性があります。
一年に1回、または10,000kmに1回程度が交換目安とされていますので、しばらくフィルターの交換をしていない場合は、状態の確認を行ってください。
クーラント
クーラントは、エンジンルーム内にある「リザーバータンク」で量の確認が行えます。このタンクにはメモリとともに最低量・最大量が記されており、このメモリの間に液面がある状態が正常です。
クーラントの量が不足している場合には、補充を行いましょう。
サーモスタット
エアコンの不具合以外に水温計の警告灯が点灯している場合や、オーバーヒート・オーバークールを起こしている場合は、温度を調整するサーモスタットの故障が考えられます。
エアコン以外にも不調が発生している場合は、走行中にトラブルが起こる可能性も。
個人ではなかなか故障判断をすることが難しいので、すぐに点検・交換を行うようにしてください。
ラジエーター
ラジエーターとは、熱くなった冷却水を風に当てることで冷却する装置です。
エンジンの熱を利用しているカーエアコンでは、このラジエーターの不調が原因で適切な温度の空気がでなくなることがあります。
ラジエーター周りの故障診断には、正確な判断ができないケースが多いので、プロに依頼したほうが安心でしょう。
エアコンの修理を依頼できる場所
エアコンが故障してしまった場合、どこに修理を依頼すれば良いのでしょうか。
ここからは、修理を依頼できる場所とそれぞれの特徴をご紹介します。
整備工場
街の整備工場では、さまざまなメーカー・車種の修理に対応しています。
ただし店舗によって技術に差がありますので、日頃から利用しているような信頼のおける整備工場に依頼すると安心でしょう。
ディーラー
ディーラーでは、高品質な整備を受けることが可能です。
ただしカー用品店や整備工場と比較すると、費用が高くなる傾向があります。
カー用品店
カー用品店でもエアコンの修理が可能です。
修理内容にもよりますが、混雑していない時期であれば、すぐに対応してもらえるかもしれません。
ですが修理内容によっては対応が出来ない場合が多いので注意が必要です。
ガソリンスタンド
整備工場を併設しているガソリンスタンドであれば、エアコン修理ができる店舗もあります。
ただし、修理に必要なパーツをすぐに用意できないことも多いので、ガソリンスタンドに修理を依頼する場合は事前に確認しておくと安心でしょう。
出張整備のセイビー
エアコンが故障してしまった場合には、修理や交換が必要となりますが「忙しくてなかなか修理に出せない」という方もいるでしょう。
そんな方に是非使ってもらいたいのが出張整備のSeibiiです。
スマートフォンやパソコンから事前に予約をすれば、指定した時間に資格を持った整備士がご自宅まで出張。
簡単なエアコンガス補充やエアコンリレーの交換であればその場で整備を行うことが可能です。
時間を節約したい方や、車の持ち込みが難しい場合にはぜひ活用してください。
https://seibii.co.jp
エアコンの修理にかかる費用相場
故障原因にもよりますが、カーエアコンの修理には、安くても2〜3万円が必要です。
また、コンプレッサーなどの交換が必要な場合には10万円以上の費用がかかることもあります。
きちんと故障原因を把握して、適切な処置を行うことが大切です。
エアコンを長持ちさせる方法
カーエアコンや、冷気・暖気を作り出す装置は、時間の経過とともに劣化してしまいます。
しかし日頃から使い方に気をつけていれば、長持ちさせることも可能です。
ここからは、カーエアコンを長持ちさせる方法をご紹介します。
エンジンの回転数を意識する
エンジンの回転数が高い状態でエアコンのスイッチを入れてしまうと、コンプレッサーへの負荷が高くなってしまいます。
そのため、エアコンをつけるのは、信号待ちなどで、エンジンの回転数が低くなっているタイミングにすることがおすすめです。
スポーツ走行時は使用しない
車種によっては、軽快な走りが楽しめるスポーツモードが搭載されている車両もあるでしょう。
一般的にスポーツモードを使用している時は、普段よりもエンジンの回転数が高くなる傾向があります。
先ほどもご紹介したように、回転数が高い状態でエアコンをつけると、エアコンシステムへ負荷がかかります。
そのため、スポーツ走行時もエアコンの使用を控えることが望ましいでしょう。
冷却水をこまめに確認する
エアコンは、冷却水の熱を利用して作動しています。そのため、冷却水が不足している状態では、本来の性能を発揮することができません。
冷却水は漏れがなくても自然蒸発します。作動に必要な冷却水がない状態は、エアコンにとっても望ましくありませんので、こまめに量の確認することをおすすめします。
A/Cボタンを切り替えて使用する
エアコンは、A/Cボタンを押すことでコンプレッサーが動き、冷風や温風を作り出します。
中には、一年中A/Cをつけたままにする方もいるかもしれませんが、常にエアコンコンプレッサーが作動している状態では、劣化が進みやすくなってしまいます。
エアコンを長持ちさせたいのであれば、こまめに切り替えを行い、負荷を減らすことが大切です。
まとめ
今回は、快適なドライブに欠かせないエアコンの故障原因や点検方法をご紹介しました。
カーエアコンは時間の経過とともに劣化してしまうものです。万が一、エアコンが故障してしまった場合にも適切な対応ができるようにしておくと安心でしょう。