車の窓ガラスが動かない/開かない、動きが鈍い・遅い、パワーウィンドウから異音がする、下がるけど上がらない、などといったお悩みはありませんか?
このパワーウィンドウの故障の原因は大きく3つ「ガラスラン(ゴムの窓枠)」「レギュレーター」「モーター」です。
この記事では①車の窓ガラスが動かなくなる原因、②ドアガラスレギュレーターの働き、Seibiiのメカニック・整備士が出張して修理を行った実際のドアガラスレギュレーターのお取替えの例をもとに、③交換作業のやり方(車の窓ガラス修理)について解説します。
目次
パワーウィンドウ故障の原因
ドアガラスを動かす為の構成部品は大きく3つあります。
1.ドアガラス
2.ドアガラスレギュレーター
3.モーター
このいずれかに不具合が生じると、窓ガラスの動作に異常が発生します。今回の実例で不具合の原因となっていたドアガラスレギュレーターは、下図の(2)の部品になります。
パワーウィンドウが開かない・作動しない原因3つ
パワーウィンドウが開かないもしくは作動しない際は次の3つの原因が考えられます。
・スイッチの故障
・モーターの故障
・レギュレーターの故障
スイッチは経年劣化によって動作の不具合が生じやすい部位です。
スイッチが押せない時やスイッチからカラカラと音がする場合は、整備工場や担当ディーラーに伝え、対応してもらいましょう。
スイッチから異常音がせず押せるのにパワーウィンドウが開閉しない場合は、モーターやレギュレーターが原因である場合があります。
モーターやレギュレーターが劣化していたり、部品が焼ついてしまっているなどが原因の1つですが、異常を判断するのは難しいため、早めに点検を依頼してください。
現在、パワーウィンドウが開閉していても、動きが鈍くなったりスイッチが押しにくかったり異常を感じたら故障する前に修理してもらう方が費用が安くすむことも珍しくありません。
パワーウィンドウの仕組みとドアガラスレギュレーター
聞き慣れないこの『ドアガラスレギュレーター』という部品、上述の通り、ドアの中に入っている部品ということがわかりましたね。
窓ガラスを「上下に動かす」為には「ドアガラスレギュレーター」が必須で、重要な部品です。
ドアガラスレギュレーターが窓ガラスを動かす仕組み
下図でいうアームのようなところの先にドアガラスが付けられており、モーターによってアームが動く仕掛けになっています。わかりやすく言うと、物を上げ下げする時の腕がドアガラスレギュレーターということです。
前後で異なるドアガラスレギュレーターの形
ちなみに、上図は後部座席のドアガラスレギュレーターで、下図は、運転席・助手席側のドアガラスレギュレーターです。形が異なることに気づきますでしょうか。
後部座席のアームは1本ですが、運転席・助手席側は2本になっています。これは、運転席・助手席側の窓ガラスが大きくて重たいため、2本のアームで支える必要がある為です。ただし、動作は1本のアームと同じです。
ドアガラスレギュレーターが壊れる理由
なぜ、窓ガラスの上下運動の腕であるドアガラスレギュレーターが壊れてしまうのでしょうか?
それは、ガラスの動きと関係があります。
窓ガラスは、ゴムの窓枠(ドアガラスラン)の上を動いています。
このドアガラスランに「ホコリ」や「砂」が付着すると、窓ガラスのスムースな動きを邪魔します。
しかし、モーターは、ガラスの動きが悪いことなど気にせずに、自分の仕事を力一杯行ってしまいます。
もうお分かりと思います。
力一杯動こうとする一方で、それを逆の力で邪魔する力が働きます。結果、弱い可動部分(関節部分)に負荷が掛かり、壊れてしまうのです。この可動部分が、ドアガラスレギュレーターです。
整備士の腕の見せ所
そのため、窓ガラスが動かなくなったときや動きがおかしいなどの異常が出たときにはドアガラスレギュレーターが壊れている可能性が高いと判断できます。
もちろん、「窓ガラス」や「モーター」に異常があるときもあります。また、根本的な原因として「ガラスラン(ゴムの窓枠)」を交換しなければ治らない場合もあります。
それらを判断するのがプロのメカニック、整備士として重要な仕事になります。
パワーウィンドウの修理(ドアガラスレギュレーター交換)手順
さて、いよいよ、ドアガラスレギュレーター交換作業に移ります。手順は以下の通りとなります。作業時間はおよそ30分です。
- ドアトリム(内張り)取り外し
- ドアガラス取り外し
- ドアガラスレギュレーター取り外し
- モーター取り外し
- 不具合箇所のチェック
- 復元作業
- パワーウィンドー全閉位置の学習
ステップ1 : ドアトリム(内張)取り外し
まずは最初にドアトリムを取り外します。ドアトリムは、プラスのビスとクリップで止まっているので、外していきます。
ドアトリムを引っ張りクリップを外したら、ドアノブとロックのワイヤーを取り外します。そうすると、ドアトリムが取り外せます。
ステップ2 : ドアガラス取り外し
ドラトリムを外したら、ドアの中に付けられているビニールを外します。このビニールは、外からの砂やホコリが入らないように付けられています。ビニールの周りをブチルテープで止められているので、ゆっくりと剥がすか、カッターなどでビニールを破かないように取り外します。
ビニールを取り外すとドアガラス、ウィンドウレギュレーター、モーターが見えます。
写真ではドアガラスのボルトは1つしか見えませんが、ドアガラスのボルトは2つあります。もう1つは、ボルトが見える位置にドアガラスを上下動させ、取り外します。
安全の為、養生テープで固定
ボルトを2本外すとドアガラスが取り外せますが、あえて車両から取り外しません。
ドアガラスを車両から取外すと、保管する際に倒れたり、傷つけたりする恐れがあるため、全閉位置で養生テープを使用し固定します。
目的はレギュレーターを取り外すことなので、リスクを取ってドアガラスを取り外す必要はないのです。
テープは1つか2つあれば十分です。写真は4つのテープを使用し固定していますが、貼りすぎです笑
テープで固定したらドアガラスの取り外しは完了です。
ステップ3 : ドアガラスレギュレーター取り外し
レギュレーター本体は、4つのボルト、2つのナットで取り付けられています。これらとモーターのコネクターを取り外すと、ドアガラスレギュレーターが取り外せます!
右が取り外したレギュレーター、左が新品になります。
赤丸で囲ったのがモーターです。
ステップ4 : モーター取り外し
最後にモーターを取り外します。
プラスのボルト3本を外すと取り外せますが、ボルトが固く締め付けられていることが多く、案外取り外しに苦労したりします。一般に、プラスのボルトは、工具を回した時にプラスドライバーの力が逃げやすく、プラスの頭が滑ってしまいやすい特徴があります。
トルクス型のボルト
そこで、最近ではトルクスというちょっと変わった形のボルトが多く使われるようになっています。ボルトの頭が星型のような形になっています。
このため専用の工具がないと取り外せませんが、トルクスはボルトを緩める時に力が逃げないため、確実にボルトを緩めることが出来ます。
また、モーターの取付にもトルクスのボルトやネジが使われている場合があり、トルクスの工具を持っていないと作業ができないこともあるので、作業を行うときには注意が必要です。
Seibiiで使用しているトルクス専用工具
話が逸れましたが、アウトランダーのレギュレーターモーターの取り外しは、プラスのボルト3本で取り外せます。今回は簡単に取り外すことが出来ました!
ステップ5 : 不具合箇所の特定
すべて取り外すことが出来たら、どこに不具合箇所があったのかチェックを行います。
今回の不具合箇所は、窓ガラスを取り付けていたアームの可動部分でした。
全体像で見ると赤丸の部分です。
このアームの可動部分が摩耗しており、ガタガタになっていました。
そして、ここがガタガタになっていたために、窓ガラスがガタガタに動いてしまい、窓の開閉がスムーズに行われない、というのが今回の不具合の原因でした。
ステップ6 : 復元作業
原因が特定できましたので、新品のドアガラスレギュレーターにモーターを取り付け、ドアガラスレギュレーターを車体へ取り付けます。
ドアガラスレギュレーターのボルト4本、ナット2個をしっかりと取り付けます。
次にドアガラスを降ろし、ボルト2本でドアガラスを取り付けます。
内張りを取り付ける前に、パワーウィンドースイッチだけを取り付けて作動を確認します。
問題無いようです!
そうしたら、最後に内装を取り付けます。まずは、最初にドアノブとロックのワイヤー2本を取り付け、内装を嵌めてネジで締め付けます。
重要な最後の窓ガラスの学習
しかし、これで終わりではありません。
最後に窓ガラスの学習(パワーウィンドー全閉位置の学習)を行います。
ステップ7 : パワーウィンドー全閉位置の学習
1度モーターのコネクターを取り外すと、窓ガラスの設定がリセットされてしまいます。実は、これはバッテリー上がりを起こしたときも同様で、窓ガラスの再設定をする必要があります。
挟まれ防止機能
窓ガラスの設定とは具体的に『挟まれ防止機能』のことです。
この『挟まれ防止機能』をきちんと再設定しないと、窓ガラスに手や物が挟まれた時に、防止機能がきちんと働かなくなる危険性があるため、確実に全閉一の学習作業を行う必要があります。
この『挟まれ防止機能』の設定はパワーウィンドーの全閉位置をコンピューターに記憶させることで行います。
学習方法
方法は簡単です。
パワーウィンドーを一度全閉します。そこから、スイッチを全閉に約1秒間押しっぱなしにします。
これだけです。
これで、パワーウィンドーの全閉位置の学習は終了し、レギュレーターの交換作業も完了となります。
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