ファミリーカーとして長く愛され、売れ続けているダイハツの軽自動車「タント」。2003年に初代が販売されて以降、軽自動車として高い人気を誇ります。しかし、初代のタントは発売から20年近く経っており、エアコンが効かなくなっている車両も多くなっています。
エアコンコンプレッサーが壊れてしまうと、異音の発生やエアコンが効かなくなるなどの症状が出ます。
今回はエアコンコンプレッサーの交換方をご説明します。
目次
使用する工具
- ガス回収機
- 真空引きポンプ
- マニホールドゲージ
- ラチェット
- 12mmソケット
- 10mmソケット
- クリップリムーバー
エアコンガス回収
エアコンの配管の中には、エアコンユニット内を循環しているガスが入っています。
まずはガスを抜きと増す。
ガスは回収して再使用するか、専用のタンクにためて破棄しなければいけません。
大気に開放するのは違法行為ですし、環境に影響がありますので、絶対に行わないでください。
今回はガス回収機Asadaのエコセーバー隼を使用し、ガスを回収します。
マニホールドゲージ取り付け
エアコンの配管の途中に、LとHと書いてあるキャップが付いています。
これはマニホールドゲージをつなげるコネクター部分となります。
エアコンの配管は低圧側と高圧側で分かれており、Lは低圧側、Hは高圧側を示しています。
マニホールドゲージを逆につないでしまうと大変なことになってしまいますが、低圧側と高圧側でコネクターの形状が異なりますので、間違えてコネクターをつける心配はないでしょう。
マニホールドゲージを取り付ける前に、低圧、高圧の両方のバルブが閉まっている事を確認してから取り付けましょう。
エンジンを始動し、エアコンのスイッチをONにしてから、ガス回収機のスイッチをONにします。
回収機によって使用法が異なるので、説明書をよく読み作業をお願いします。
バンパー取り外し
ガスの回収を行いながらバンパー取り外しの準備をしていきます。
まずは、バンパーの周りに養生テープを取り付けます。
バンパーはクリップで取り付けられています。
グリルに2個、フェンダーに3個、バンパー下部に2個、ナンバーを取り外した中に1個のクリップが付いています。
バンパーの取り外し、取り付けは、一人で作業すると落として傷つけてしまう可能性があるので、二人で作業を行いましょう。
ベルト取り外し
コンプレッサーに付いているエアコンベルトの¥を取り外し増す。
エアコンベルトはエアコンコンプレッサー本体によって張りの調整がされています。
ですので、エアコンコンプレッサー本体のボルトを緩めることでベルトが取り外せます。
まずは、コンプレッサーの下側に付いている写真の赤丸12mmのボルトを緩めます。
このボルトは2個付いていますので、2個とも緩めます。
次にコンプレッサーの上側のボルトを緩めます。
メガネレンチやソケットなどを使用して、ボルトを緩めていきます。
3つのボルトを緩めたら、ベルトを取り外します。
エアコンコンプレッサー取り外し
エアコン配管の取り外し
エアコンコンプレッサーを取り外す前に、コンプレッサーに繋がっているエアコンの配管を取り外します。
10mmのボルトで取り付けらていますので、ボルトを外します。
配管はコンプレッサーに刺さっており、ガスケットとともにハマっているので、ボルトを取り外したらまっすぐ取り外します。
エアコン配管の中にゴミが入ってしまうと故障の原因となるため、外した配管にはウエスなどを巻き、ゴミが入らないようにします。
配管を取り外したら、コネクター1個を取り外します。
エアコンコンプレッサー本体の取り外し
後はベルトをと取り外すときに緩めたボルト3個を取り外し、コンプレッサー本体を取り外します。
本体のはステーにハマっている為、前後にグリグリ動かしながら取り外します。
コンプレッサー本体が固着している場合は、マイナスドライバーやバールなどを使用し、テコの原理でコンプレッサーを取り外します。
コンプレッサー取り付け
コンプレッサー本体の取り付け
エアコンには配管の中に循環させるオイルが使用されています。
取り外したコンプレッサーの中に入っているオイルの量と同僚のエアコンオイルを新しく取り付けるコンプレッサーに入れます。
今回は、リビルトのコンプレッサーを使用し、中にオイルが封入されていましたので、そのまま取り付けを行いました。
コンプレッサー本体を取り付けますが、ボルトは手で緩む程度にボルトを仮付けします。
エアコン配管の取り付け
また、コンプレッサーにつく配管にOリングが付いているので、こちらも新しいOリングに取り替えます。
配管をコンプレッサーに取り付ける際には、Oリングにエアコンオイルを少量塗布します。
オイルを塗布しないと、取り付け時にOリングを炒める恐れがあり、破損したOリングからガスが漏れる可能性があるためです。
ベルト取り付け
エアコンコンプレッサーが付いたら、ベルトを取り付けます。
ベルトをコンプレッサーとエンジンのクランクに掛けたら、バールを使用しコンプレッサーを動かします。
ベルトの取り付け基準は、ベルトの張力計を使用するか、スケールを使用したわみ両いを計測します。
ベルト張力は新品で490(N)、ベルトを再使用するときは343(N)で取り付けます。
たわみ量は、新品6.5~8.0(mm)、再使用のときは7.5~9.0(mm)のたわみ量となります。
上記測りやすい方で計測して、ベルトの張力を調整し、取り付けます。
規定の張力になったら、エアコンコンプレッサーのボルトを締め付け、固定します。
エアコンガス充填
タントに使用しているエアコンガスは【HFC-134a】となります。
ガスの充填量は300 ± 30(g)となります。
規定より多く入れすぎても、少なすぎても、きちんとエアコンは作動しませんので、正確にガスを充填します。
真空引き
真空ポンプをマニホールドゲージに繋げます。
真空ポンプのスイッチをONにして、配管の中の空気を抜いていきます。
エアコンの配管の中では、エアコンガスの圧縮と膨張を繰り返し行います。そこに空気が混ざっていると、空気中の水分が一緒に圧縮と膨張をしてしまい、エアコンユニットを破損させる恐れがあります。
なので、エアコンガスを抜いた時や、エアコンユニットの部品を交換したときには、真空引きを行い、中の空気と水分を抜き取ります。
真空ポンプは5~10分程度作動させます。
リークテスト
その後、真空ポンプのスイッチを止めて、10~20分ほどそのままに放置して、エアコンガスの漏れが無いか調べます。
真空ポンプを作動させると、エアコン配管の中は負圧になっております。
もし、ガス漏れを起こしていると、漏れている箇所から空気が中に入り、マニホールドゲージの値は徐々に大気圧へ近づいていくため、エアコンガス漏れが起きているかの判断ができます。
20分程度負圧を保持している状態を確認したら、ガスを充填していきます。
エアコンガス充填
高圧側
エアコンガスを入れる時は、高圧側からガスを入れていきます。
エンジンを止めた状態で、マニホールドゲージの高圧側バルブを開けて車に入れていきます。
エアコンガスを入れる前に、マニホールドゲージ内の空気を抜きいてからガスを入れていきます。
間違っても、エンジンを掛けて高圧側のバルブを開かないように注意してください。
圧力が逆流して、エアコンガスが爆発する可能性があります。
エアコンガス缶を温めると入りやすいため、お湯を用意して、ガス缶をお湯の中に入れる場合もありますが、今回はそのまま充填しました。
低圧側
ある程度高圧側からガスが入ったら、マニホールドゲージの高圧側バルブを閉じます。
次に、エンジンを掛け、エアコンを一番の冷気で作動させます。
エアコンを作動させたらマニホールドゲージの低圧側バルブを開きます。
低圧側からタントの規定ガス量を入れたら、サイトグラスから気泡の流れが無いことを確認します。
もし、気泡が発生している場合は、規定量の範囲内でエアコンガスを補充します。
今回のタントはエアコンガス300gで大丈夫でした。
バンパー取り付け
バンパーの取り付けですが、真空引き後リークテストをしている時に取り付けを行います。
取り外すときもですが、一人で取り付け作業を行うと、バンパーを傷つけてしまう恐れがあるので、他の人に手伝ってもらい取り付けを行います。
バンパーを取り付けて、エアコンガスの充填まで完了したら、作業完了となります。
作動点検
最後にエアコンがきちんと作動して、冷たい風が出るか確認します。
また、エンジンを軽く更かし、一度いエンジンを止め、ベルトの張り具合を確認します。
新品のベルトの場合、初期の伸びがあるため、もし新品を付ける場合には始めから少し強めにベルトを張ります。
同じベルトを再使用する場合には伸びはほぼありませんが、きちんと既定値内かどうか確認します。
外した部分の作動確認を行ったら完成です。
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