注意をしていても起こってしまうタイヤのパンク。
そのまま走行すると、タイヤゴムの内部にダメージを負ってしまい、タイヤの寿命が短くなるばかりか、急にバースト(破裂)してしまう危険性があります。
パンクしたのに気が付かなければ、後日、クルマに乗ろうとした時にタイヤがぺちゃんこになっており、走行できない状態になりえます。また、修理可能なパンクと、修理不可能でタイヤ交換が必須となるケースがあります。
この記事では、パンクの原因、修理してくれる業者、かかる費用と所用時間の解説します。
※セイビーではパンクの修理対応は出来かねます。
目次
タイヤパンクの原因 - 修理可能か交換必須か
パンクの原因によって、修理の可否や価格が変わってきます。まずは、タイヤパンクの原因を特定することが全ての始まりとなります。
修理できないパンク
修理不可、つまり、タイヤの交換が必要なパンクの種類は以下の通りです。
- タイヤバースト
- サイドウォール傷
- 大きな穴(親指大以上)
- 細長い穴(切り傷)
タイヤバースト
タイヤバーストとはタイヤの破裂です。空気圧が少ない状況や、異常にタイヤに負荷がかかる状況などでタイヤがバーストしてしまいます。タイヤの破裂はパンク修理が行なえません。
サイドウォール傷
サイドウォールとはタイヤの側面のことです。
このサイドウォール傷ですが、この場所の傷は修理ができません。
サイドウォール部はタイヤの骨格となる部分で、自動車の重量を支えている部分です。この部分は走行中に大きな負荷が掛かる為、修理ができないのです。
大きな穴や細長い穴
釘やネジの大きさ程度の穴であれば修理可能なのですが、親指大の大きさほどの穴になると、修理はできません、また、切り傷のような細長い穴の場合もパンク修理は行なえません。
パンク修理業者 - イエローハットやオートバックス
タイヤがパンクした場合に、修理をしてくれる場所はいくつかあります。大きく分けて、①自らタイヤを持参してお店に行く場合と、②出張サービスがあります。
お店で修理- イエローハットなどの専門店
正規ディーラーや、イエローハット、オートバックス、タイヤ専門店などに持ち込むパターンです。自ら運転してタイヤを持ち込む必要があることから、お忙しい方には面倒な選択肢です。
パンク修理の費用
パンク修理に費用はどのくらいかかるのでしょうか。値段は業者によってマチマチです。
イエローハットなどの専門店
店舗によって料金が異なり、インターネットをみても「2,000円から」の表示になっているなど、実際にいくらの費用がかかるのか分かりません。現物を見せないと価格が決まらないことも多いようです。いずれにしても、個別に問い合わせる必要があるでしょう。
パンク修理時間
タイヤパンクの修理にはどのくらいの時間がかかるのでしょうか。これは、タイヤパンクの原因にもよるのですが、釘が刺さったなどの理由によるパンク修理であれば、30分程度で修理をすることができます。
タイヤパンク修理手順
車のタイヤパンクの修理方法は、パンクの原因によって異なります。
今回は、よくあるパターンとして、釘が刺さったことが原因で発生したパンクの修理方法を紹介します。
- パンク原因特定
- 釘の引き抜き
- 穴を広げる
- 修理剤の準備
- 修理剤を入れる
- エア漏れ確認
それでは実際のパンク修理の実例から手順を確認してみましょう。
ステップ1 : パンク原因特定
最初に行うのはパンク原因の特定です。パンクの原因を特定しないと修理はできませんし、上述の通り、原因によっては、修理が行えないことがあります。
原因特定
タイヤの状況確認
パンクをしてしまうと多くのタイヤは空気はすべて抜けてしまっており、タイヤが潰れてしまいます。
よく見てみると、サイドウォールの内側と外側でタイヤの色が変わっています。
パンクしてから、ある程度の距離を走行するとこのような症状が発生します。空気が抜けてタイヤが潰れてしまい、地面と接触した外側の部分の色が黒くなってしまうのです。
タイヤに異常を感じたら長く走らない
パンクしたまま長い距離を走ってしまうとサイドウォール内部のワイヤーが切れてしまい、タイヤの寿命が著しく低下します。
もし、パンク修理を行ったとしても、すぐにタイヤの交換が必要となります。クルマを運転中にハンドルが左右に取られたり、真っ直ぐに走らないなどの異常を感じたら、すぐにクルマを止めてタイヤを確認して下さい。
原因特定
タイヤに釘が刺さっていることがパンクの原因で、この程度の釘であれば修理可能です。
しかし、釘が刺さっている位置はギリギリ修理可能な場所でした。もう少し、外側、サイドウォール側で釘が刺さっていたら修理は行なえない所でした。
ステップ2 : 釘の引き抜き
原因が分かったら釘を引き抜いていきます。
実は奥まで釘が刺さっている場合、引き抜くのが大変だったりします。
ラジオペンチやプライヤーで釘を引き抜こうとすると、引き抜くはずが釘がどんどん奥に入ってしまったりします。
ニッパーを使用してテコの原理で引き抜く
ニッパーを使用して釘を引き抜くと良いです。ニッパーの刃先でがっちりキャッチし、梃子の原理で釘を抜きます。決して切断はしません。
ステップ3 : 穴を広げる
無事に釘を引き抜いたら、穴を広げていきます。
穴を広げる理由
なぜ穴を広げるの、と思うかもしれません。これは、穴に入れる修理剤の太さがいくつかあり、その修理剤が入る大きさまで穴を広げる為です。
T字型をした専用の工具で、釘が刺さっていた穴に入れて、グリグリ回しながら穴を広げていきます。
工具の尖った先は先端部分から螺旋状に切り欠きがあり、工具を押しながら回すことで、先端をタイヤの中に入れ穴を広げることが出来ます。
初めてパンク修理をみた人は、穴を塞ぐはずなのに、メカニックがいきなり穴を広げ始めるので驚かれます。
ステップ4 : パンク修理剤の準備 - 修理キット
穴を規定の大きさまで広げたら、修理剤を入れる準備を行います。
タイヤパンク修理キット
修理剤は市販のもので十分に対応できます。様々な商品が販売されていますが、プロのメカニックに相談するのが一番でしょう。
茶色の細長いビーフジャーキーのようなものが穴に入れる修理剤になります。
この修理剤の端を持って、専用の工具にセットします。
直接手で修理剤を触ってしまうと手についた油分で穴に密着しなくなる恐れがあります。その為、穴に入る修理剤の真ん中部分は触れないようにします。
修理剤を工具にセットしたら、パンク修理用接着剤を表面に塗っていきます。
この接着剤は修理剤を穴に入れる時には潤滑剤の役割をし、その後、接着剤は熱で硬化して、タイヤと同化する働きがあります。
わずかでも隙間が空いていると空気は漏れてしまうので、この接着剤が穴を完全に防ぎ、修理剤が取れないようにもする重要な働きをします。
ステップ5 : 修理剤を入れる
接着剤を塗ったら、修理剤を穴に入れます。
穴は広げてありますが、修理剤がぎりぎり入る大きさなので、体重を掛けて修理剤を穴に入れていきます。
空気を入れて押し込む
力一杯押し込んでも入らない場合は、タイヤに空気を入れてから、修理剤を押し込みます。
タイヤに空気が入っていないとタイヤが凹んでしまい、うまく力が伝わりません。タイヤの空気をパンパンに入れることで修理剤を押し込みやすくなります。
上の写真では修理剤とともに工具も一緒に刺さっていますが、工具を引き抜けば修理剤は残ったまま工具だけ引き抜けます。
工具を引き抜いたら余分なところはカットします。
ステップ6 : エア漏れ確認
最後にタイヤエアを高めに入れて、エア漏れがないか確認します。
パンク修理箇所に石鹸水などを塗ると、もしエア漏れがある場合はブクブクと泡が立つので確認し易いです。
これでパンク修理は無事完了です!