「査定額を聞いてから売却するか決めたい」「自分の車の値段を把握しておきたい」などの理由で、査定だけ受けたいと考える方も多いでしょう。
査定だけを受けること自体に問題はありませんが、その後しつこい勧誘や営業に悩まされることも。
勧誘や営業を回避したい場合はどうすれば良いのでしょうか。
今回は、査定のみでも対応してくれる業者や、トラブルを防ぐ方法を紹介します。
目次
そもそも査定だけしてくれるの?
査定だけ受けるとなると「すぐに売る予定がないのに査定を受けていいのか」「査定を受けるだけでもお金がかかるのではないか」など、不安に感じる方も多いでしょう。
まずはそもそも査定だけ受けることに問題がないのか解説します。
査定だけしてもらうことは可能
結論から言うと、査定だけしてもらうことは可能です。
「査定だけでもOK」と明記している業者も多く、査定=車の売却ではありません。
価格を聞いてから売るか決めたい・次の車を選ぶ参考にしたいなどの理由で査定だけ受ける方も多いため、気軽に依頼しても問題はないでしょう。
売却契約をしていない限り、手数料やキャンセル料はかからない
査定だけを依頼する場合の費用は、多くの場合無料です。
査定した車を売らなかったからと言って、手数料やキャンセル料を請求される心配はありません。
ただし、業者によっては、査定後、言葉巧みに売却契約書へサインを求めてくる場合があります。
契約を結んでしまえば、キャンセルに費用がかかるケースがあるため、査定だけしたい場合には売却契約を結ばないよう注意してください。
査定のみしてもらえる場所
査定は次の場所で対応してもらえます。
- 中古買取業者や中古車販売店
- インターネット上の一括査定サービス
- 買取を行っているディーラー
- 一般財団法人 日本自動車査定協会
ここからはそれぞれの特徴を紹介します。
①中古買取業者や中古車販売店
中古車をメインで取り扱う買取業者や販売店では査定を行なっています。
買取だけでなく販売まで行っている業者であれば、買い取った車をそのまま自社で販売することができるため、他の業者より高い査定額が出やすいという特徴があります。
出張査定に対応している業者も多いですが、中には店舗まで車を持ち込まなければいけない場合も。正確な査定額が分かるものの、手間がかかると考えた方がいいでしょう。
②インターネット上の一括査定サービス
手軽さや売却額の高さから注目を集めているのが、インターネット上の一括査定サービスです。
一括査定サービスでは、車の情報を入力するだけで買取が可能な複数の業者から査定を受けることができます。
複数業者の査定額を比較できるため「少しでも高く売りたい」という場合におすすめです。
ただし、査定方法はサイトによって異なり、インターネット上で概算だけを確認できるものもあれば、対面で査定を受ける必要がある場合も。
申し込み後、複数業者からの頻繁な連絡に悩まされたという方も多いため、利用目的に合わせて利用するサイトを選ぶ必要があります。
③買取を行っているディーラー
「新車購入のタイミングで今乗っている車を売りたい」というユーザーも多いため、一部ディーラーでは車の買い取りを行っています。
ただし、多くのディーラーは中古車の買い取りや販売に特化しているわけではありません。そのため、買い取り専門店や中古車販売店と比べると査定額が低くなりやすい傾向があります。
④一般財団法人 日本自動車査定協会
一般財団法人 日本自動車査定協会は、公正な立場で査定を行う第三者機関です。
中古車販売店や買取専門店のように、自社の利益を考え査定をするわけではありませんので、査定したタイミングでの正しい車の価値を知ることができます。
必要に応じて「査定証」を発行してもらうこともできますので、正確な判断をしてもらいたい場合にはおすすめの方法です。
ただし、日本自動車査定協会に査定を依頼する場合には、2,000~4,000円程度の費用がかかります。
査定のみしてもらう時の注意点
すぐに車を売る予定がなくても査定を依頼することは可能ですが、注意しなければいけない点もあります。
事前に注意点を把握しておきましょう。
車の価格は変動することを知っておく
車の価格は、基本的に年数が経つほど下がっていきます。
一般的に新車から1年で30%、3年後には60%程度、10年後には0%と価値が下がると言われており、査定してもらった金額がいつまでも保たれるわけではありません。
査定額の有効期限は買取業者によって異なりますが、1~2週間程度が目安と考えたほうがいいでしょう。
基本買取業者は契約を結びたいので勧誘してくる
車の買取業者は、ユーザーから車を買い取り、再販することで利益を出しているため、良質な中古車を一台でも多く確保したいと考えています。
そのため、ユーザー側に売却の意思がなくとも、何とか自分の店舗と売買契約を結んでもらおうと勧誘をしてきます。
「その気がなかったのに気が付いたら契約してしまっていた」といったトラブルを防ぐためには、勧誘をされてもきっぱりと断ることが大切です。
トラブルに遭わないために
「しつこく勧誘を受けた」「強引に契約をさせられそうになった」など、車の査定や売却に関するトラブルが起こるケースがあります。
特に査定のみですぐに売却をする予定がない場合には、未然にトラブルを防ぐ対策を取ることが大切です。
①査定のみと言う断りは事前に入れておく
まず大切なのは、査定をしてもらう前に、現段階で売却の意思がないことを伝えておく事です。
多くの業者では「査定のみでもOK」としているため、事前に断りを入れても査定を受けられないということはありません。
査定のみをしたいと事前に伝えておけば、売却を催促されることが少なくなります。
②JADRIに加盟している優良業者のみに依頼する
JADRIとは、中古車業界の質の向上や市場規模の拡大を目指して設立された団体です。
この団体には、一定の条件を満たした優良な買取店のみが加入しており、ユーザーに不利益をもたらすような業者に対しては登録の取り消しを行っています。
つまりJADRIに加盟している店舗であれば、必要以上の勧誘や強引な営業をされにくいということです。
トラブルを防ぎたい場合には、JADRIに加盟しているかどうかを事前に確認してから査定を依頼することをおすすめします。
③夜9時以降に申し込みをして営業の電話を防ぐ
ネットで査定を査定依頼をする場合には、夜9時以降に申し込みをすることがおすすめです。
多くの一括査定サイトや査定申し込みサイトでは、他の業者にユーザーを取られてしまわないように、申し込み後すぐにユーザーに電話をかけます。
中には、申し込み後数分で数十件の電話がかかってきたという事例も。夜9時以降であれば、ほとんどの場合翌日の対応となりますので、申し込み直後の電話を避けることができるでしょう。
④複数の買取業者を同時に出張査定に呼ばない
複数の業者を同時に呼んでしまうと「他の業者より1円でも高い金額を出そう」と業者同士で価格の競り合いが始まることがあります。
売却の意思がある場合には、最高値を出すための手段として業者を同時に呼ぶこともありますが、査定だけが目的の場合は、無理な競り合いをさせないほうがいいでしょう。
査定額提示後の強引な勧誘につながる可能性があります。
もし無理な勧誘にあったら?
どれだけ注意していても、なかには無理な勧誘をしてくる業者が存在します。
自分で対処できない場合には、第三者の力を借りるようにしましょう。
相談窓口に相談する
「国民生活センター」や「一般社団法人 日本自動車購入協会」では、強引な契約や高額なキャンセル料など、車の査定にまつわるトラブルの相談に対応しています。
相談は無料ですので、不安を感じた場合は専門機関を利用するようにしましょう。
オンラインのみで査定を受ける方法
「査定額だけしりたい」「対面の査定は受けたくない」という場合は、オンラインのみで相場や査定額を知ることができます。
実際に車を見てもらうわけではありませんので、あくまでも概算とはなりますが、自分の車の価値がどれくらいなのかを把握する参考になるでしょう。
オンラインのみで相場を知る方法は以下の4つです。
- Webサイトで査定実績を確認
- 一括査定サイトから申し込む
- ディーラーの下取りシミュレーションを利用する
- 中古車の販売価格から予想する
①webサイトで査定実績を確認
買取専門店や一括査定サイトでは、実際に査定を行った車の情報とともに査定額を掲載している場合があります。
査定実績には、車の査定額に影響がある走行距離や年式・グレードなどが記載されており、自分の車と近い車両を見つければ、だいたいの買取額を把握することが可能です。
②一括査定サイトから申し込む
一部の一括査定サイトでは、申し込み後に車の買取り相場が表示される場合があります。
車の状態などは考慮されていない金額ではありますが、年式や走行距離、グレードなどをもとにこれまでの買取り実績から算出されるため、実際の査定額に近い金額を知ることができます。
ただし、これらの機能は申し込み後にしか使えないケースがほとんどです。相場だけ確認したい場合でも、営業連絡が入る場合があります。
③ディーラーの下取りシミュレーションを利用する
各メーカーのHPでは、メーカーや車種・年式を選択すればすぐに相場を表示する下取りシミュレーションを用意しています。
ディーラーのシミュレーションを使えば、買取業者から営業や勧誘を受けることはありません。
実際に売却をする場合には、店舗での査定が必要ですが、相場だけを知りたい場合にはおすすめの方法です。
④中古車の販売価格から予想する
車の買い取り価格は、販売価格の6~9割程度と言われています。
そのため、カーセンサーやグーネットなど大手中古車サイトに掲載されている車両から、自分の車に近いものを見つければ、大まかな金額を知ることができるでしょう。
ただし、販売額は業者によって異なりますので、他の方法と比べるとあまり正確ではないと考えたほうがいいでしょう。
個人情報を開示しなくても査定はできる?
査定を依頼する際、電話番号やメールアドレス・住所などの個人情報を開示したくないという方も多いのではないでしょうか。
ここからは、個人情報なしで査定をする方法や注意点を紹介します。
開示しなくても査定できるサイトは存在する
結論からいうと、個人情報を開示しなくても車の相場を確認できるサイトはあります。
ディーラーの買取シミュレーションや買取専門店の査定実績ページでは、車種や年式・走行距離を入力するだけでOK。すぐに自分の車の現在の価値を確認することが可能です。
概算であると言うことは認識する
車の査定は、車種や年式・走行距離・傷の有無などの車の状況を実際に確認した上で金額を出します。
そのため、個人情報の開示をせずに確認できる金額はあくまでも概算です。算出方法はサイトによって異なりますが、これまでの実績や現在の相場をもとに平均的な金額が表示されていること考えましょう。
正確な査定額を知りたい場合は、実際に査定してもらう必要があります。
まとめ
すぐに車を売らない場合でも、査定をしてもらうことは可能です。
ただし、中には無理な勧誘や強引な営業をする業者も存在するため「事前に断りを入れておく」「優良店に査定を依頼する」などトラブルを避けるための対策をとることが大切です。
また、概算で問題なければ、車種や走行距離・年式を入力するだけで、現在の相場を教えてくれるサイトもあります。
あくまでも平均的な買取相場とはなりますが、個人情報の開示が必要ないサイトも多いため、営業や勧誘を受ける心配もありません。
注意点や査定の方法を知ることで、トラブルを避けながらスマートに査定を行いましょう。