交通事故に巻き込まれたとき、相手が任意保険に加入していないと補償を十分に受けられるか不安になるものです。
相手が任意保険に入ってない場合、仲介に入る保険会社がないため、相手と直接交渉することになります。
自賠責保険や加害者本人への請求、自分が掛けている保険の活用が必要になることもあるでしょう。
相手と示談交渉する場合、要点を押さえておかないと、損をする恐れもあります。
事故に巻き込まれても補償が受けられず、泣き寝入りにならないようにしなくてはいけません。
本記事では、任意保険に入ってない場合の補償請求や適切な対処法について解説します。
事故に備えたい方、すでに困っている方は参考にしてください。
目次
自賠責保険と任意保険が事故の際に補償できる内容
自動車保険には 「自賠責保険」と「任意保険」 とがあり、どちらも交通事故により損害が発生した場合に補償する保険です。
しかし、この2つの 保険の目的は全く違うもの であり、補償される内容にも大きな違いがあります。
自動車保険の自賠責保険と任意保険のそれぞれの違いについて詳しく解説します。
自賠責保険
すべての自動車は、自動車損害賠償保障法に基づき、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)に加入が義務づけられています。
自動車の入手時に自賠責保険に加入しなければ、運転してはいけません。
そのため、強制保険とも呼ばれています。
この保険は、事故によって人に被害が出た場合に限り、最低限の補償をする ためのものです。
自賠責保険の補償範囲は対人賠償に限定されており、上限額にも制限があります。
任意保険
任意保険は、強制ではなく、自賠責保険の補償限度で補いきれない部分を補償するための保険 です。
任意保険の補償内容は各保険会社によって違いがあり、それぞれ独自のサービスを提供しています。
自賠責保険の補償限度額では被害者をケアしきれないため、対人賠償の保険加入率は75.2%と4人に3人が加入している状況です。
任意保険に入っていない状態で事故を起こすとどうなる?
任意保険は保険料を払い、万が一のときの補償に備える保険です。
任意保険に加入している場合、加入している保険会社が補償対応を行うために事故対応を行ってくれます。
しかし、任意保険に加入していない場合だと、事故処理から相手への補償まで自分で行わなければいけません。
任意保険に加入していない状態で交通事故を起こしてしまった場合に起こる3つの事態について詳しく解説します。
被害者との示談交渉を自分でしなければならない
交通事故を起こしたドライバーが任意保険に加入していない場合、被害者との示談交渉は加害者が自分で行わなければなりません。
基本的には、被害者側の保険会社の担当者と示談について話し合いを行うようになるため、示談交渉のプロとの話し合いの中で、不利な条件を突きつけられる可能性 もあります。
自賠責保険の限度額を超えた場合は自己負担となる
任意保険に加入していない状態の場合、事故に巻き込まれてしまった人への補償は自賠責保険によって補償されます。
しかし、自賠責保険はあくまでも交通事故の被害者に対しての最低限の補償をする保険です。
限度額は決まっており、損害全てを補償するものではありません。
限度額を超える部分については、加害者の自己負担 です。
自賠責保険における被害者1名あたりの補償限度額 | |
---|---|
傷害に対する補償 | 120万円 |
死亡に対する補償 | 3,000万円 |
後遺障害等級 | 自賠責保険の限度額 |
---|---|
1級 | 3,000万円(要介護1級の場合は4,000万円) |
2級 | 2,590万円(要介護2級の場合は3,000万円) |
3級 | 2,219万円 |
4級 | 1,889万円 |
5級 | 1,574万円 |
6級 | 1,296万円 |
7級 | 1,051万円 |
8級 | 819万円 |
9級 | 616万円 |
10級 | 461万円 |
11級 | 331万円 |
12級 | 224万円 |
13級 | 139万円 |
14級 | 75万円 |
交通事故により、相手に障害が残ったり、死亡したりした場合、数千万円~数億円の損害賠償 になるケースも多くあります。
自賠責保険だけでは、これらの金額はまかないきれず、多額の負債につながりかねません。
事故による物損は一切の補償を受けられない
自賠責保険はあくまでも対人事故による傷害・後遺障害・死亡のみを補償する保険です。
そのため、被害者の物的損害、自身の車の修理費・評価損などは全額加害者の自己負担となります。
事故を起こした相手が任意保険に入ってない場合にすべきこと
相手が任意保険に加入していない交通事故に遭った場合、被害者は冷静に適切な対応を取る行動が大切です。
以下の3つのポイントを押さえて行動しましょう。
業務中や通勤中であれば労災保険の利用を検討
事故が業務中や通勤中に起きた場合、労災保険を利用できる可能性 があります。
労災保険では、治療費や休業中の収入補償がカバーされるため、相手が無保険の場合でも安心して治療に専念できます。
会社の労災担当者や保険窓口に相談して手続きを進めましょう。
相手との示談交渉は全て書面化する
任意保険に加入していない相手との交渉では、言った言わないのトラブルが起きやすい です。
そのため、示談内容や支払い条件は必ず書面に残すことが重要 です。
相手の署名や捺印をもらい、後々のトラブルを防ぎましょう。
また、記録を残しておけば法的な証拠にもなります。
弁護士に相談する
相手が無保険の場合、支払い能力に不安があるケースも多いため、示談がスムーズに進まない場合 があります。
このような場合は、交通事故の専門知識を持つ弁護士に相談するのがおすすめ です。
弁護士を通じた交渉で、適正な補償を受けられる可能性が高まります。
費用が心配な場合は、弁護士特約が自分の保険に付いていないか確認しましょう。
任意保険未加入の相手と事故を起こして泣き寝入りしないためには?
任意保険に入ってない事故相手は、保険会社といった窓口がないため、直接本人との交渉が必要になります。
交通事故の示談交渉では、知識不足のために本来なら請求できる補償内容を請求せずに被害者が損をしてしまう恐れ があります。
そのように損をしないよう慎重に進める交渉が大切です。
示談交渉で気を付けたい3つのポイントを解説します。
納得していないなら示談を成立させない
示談は 一度成立すると、基本的に取り消しができません。
内容に納得できない場合は、焦ってサインしないように しましょう。
不明点があれば、保険会社や弁護士に相談するとよいでしょう。
賠償金の項目に漏れがないかを確認する
賠償金には、治療費、休業損害、慰謝料、後遺障害が残った場合の補償など、さまざまな項目があります。
これらに漏れがあると十分な補償を受けられない場合があります。
請求書や示談書の内容を確認し、見落としがないようにしましょう。
特に、後遺障害がある場合は、専門家のアドバイスを受けると安心です。
賠償金請求の時効までに示談交渉を行う
交通事故での損害賠償請求には、時効があります。
通常、事故発生日から人身損害は5年、物的損害は3年 が経過すると請求できなくなります。
相手との交渉が長引いても、時効を過ぎると権利を失うため、スケジュールを意識した行動が大切です。
まとめ
相手が任意保険に入っていない交通事故では、相手の自賠責保険や自分の保険をうまく活用し補償を得るようにします。
また、事故相手への示談交渉では、納得できる内容にするため、抜け漏れがないか専門家に相談したり、必ず書面化することが大切です。
事故に巻き込まれて泣き寝入りするのではなく、補償が十分受けられるよう焦らず慎重に行動するようにしましょう。
困ったときは専門家に頼れば、安心して問題が解決できます。
ですが、自分が他人を巻き込み、事故を起こしてしまう恐れは誰にでもあります。
そのようにならない為にも、自動車保険には加入するようにしましょう。
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車のプロがお客様の状況に合わせた自動車保険(任意保険)を提案します。
しっかりとした補償のある自動車保険に加入し、安心して運転できるように環境を整えましょう。