自動車を運転するうえで、自動車保険は欠かせない存在です。
しかし、毎年支払う保険料がどのくらいなのか、相場を確認したいという方も多いのではないでしょうか?
本記事では自動車保険料の平均相場や年代別の保険料をご紹介しています。
保険料の相場を知り、支払う保険料が適正かどうかを確認しておきましょう。
また、等級や運転者の範囲・使用用途など「保険料を決定する9つの項目」や「保険料を安く抑える方法」についても詳しく解説しています。
自動車保険料の相場はどのくらい?
自動車保険の平均相場がいくらか、ご存じですか?
自分が検討している自動車保険や、支払っている保険料が適正かどうかを知るためにも、平均的な相場や年代別の保険料を確認しておきましょう。
自動車保険の平均相場
損害保険料率算出機構が発表した2022年度の「損害保険料率算出機構統計集」によると、自動車保険の総保険料は約3兆8,000億円、契約台数は約6,600万台となっています。
このデータをもとに自動車1台あたりの保険料を計算すると、平均57,576円 です。
自分が実際に支払っている自動車保険料や検討している金額と比べて、いかがでしょうか。
自動車保険料は年齢や等級、お住まいの地域によっても異なるため、あくまで参考程度に考えておきましょう。
下記は車種別の統計表です。
普通乗用車 | 小型乗用車 | 軽四輪乗用車 | |
---|---|---|---|
契約台数 | 約1,748万台 | 約1,442万台 | 約1,875万台 |
保険料合計 | 約12.6兆円 | 約7.9兆円 | 約9.3兆円 |
平均保険料 | 7万2,331円 | 5万4,806円 | 4万9,511円 |
普通乗用車と軽四輪乗用車では、年間で約2万2,820円の差があります。
このような車種ごとの保険料の違いは車両価値や修理費、事故時の補償額が保険料に直接影響を与えるためと考えられます。
年代ごとの平均相場
自動車保険料の差は車種の違いだけでなく、年齢によっても大きく変わります。
その理由は 若い世代の方が事故率が高い傾向にある からです。
たとえば、40代と20代を比較すると、事故率が高い20代の方がリスクが大きいため、保険料も高く設定されている傾向があります。
下記の表はセイビーでも取り扱いのある、ダイレクト型の自動車保険「損保ダイレクト」の簡単見積もりを使って、年代別に年間保険料を算出したものです。
等級や契約車両、希望する補償内容などが異なるので、あくまで参考程度にご覧ください。
普通乗用車 | 小型乗用車 | 軽四輪乗用車 | |
---|---|---|---|
21歳以上 | 5万8,800円 | 5万5,570円 | 4万7,850円 |
26歳以上 | 4万5,930円 | 4万3,470円 | 3万6,410円 |
30代 | 4万1,610円 | 3万9,370円 | 3万2,380円 |
40代 | 2万3,360円 | 2万2,130円 | 2万150円 |
50代 | 1万6,760円 | 1万6,010円 | 1万5,110円 |
60代 | 1万3,630円 | 1万3,110円 | 1万2,550円 |
表を見てみると、21歳以上の保険料は軽四輪乗用車でも4万7,850円と高額です。
後述しますが、等級が上がるにつれて保険料は安くなります。
そのためにもこの時期から安全運転を心がければ等級も上がっていき、将来の保険料を大幅に節約できるでしょう。
また、50代や60代になると、車種に関係なく保険料が安くなる傾向がみられます。
そのため、20代のうちは軽自動車で保険料を抑え、ライフスタイルや運転頻度によって車種を変更していくという選択も考えられます。
自動車保険を検討する際にはこのような相場データを参考に、自分が支払う保険料が適正かどうかを確認 することが重要です。
自動車保険料は9つの項目で決定される
自動車保険料は一律に決まるものではありません。
運転者の年齢や車種、走行距離など、さまざまな要因が保険料に影響を与えています。
特に保険会社が設定する9つの項目が大きく関係しており、これらの条件次第で保険料が大幅に変動することも珍しくありません。
1.年齢
自動車保険料相場の表でも説明した通り、年齢によって大きく異なります。
自動車事故に関する統計データをもとに、事故リスクの高い10代と20代の保険料が比較的高く設定されています。
若い年代だけでなく、一部の保険会社では事故リスクが懸念される高齢者についても、保険料が高くなる場合がある ため、確認が必要です。
2.運転免許証の色
運転免許証の色はゴールド・ブルー・グリーンの3色に分けられます。
優良ドライバーの証であるゴールド免許は事故を起こすリスクが少ないとみなされ、保険料の割引 が適応されます。
3.等級
等級は無事故期間の長さに応じて 1等級から20等級 まで設定されており、等級が高いほど保険料の割引率が大きくなります。
一方で、事故を起こすと等級が下がり、保険料が割高になるため注意が必要です。
初めて保険に加入する場合、通常は6等級からスタート します。
その後、無事故で1年契約を更新するごとに1等級ずつ上がり、保険料が安くなっていく仕組みです。
4.補償される運転者の範囲
補償の対象となる運転者の範囲を広げると、保険料が高くなる傾向があります。
たとえば「本人」「本人+配偶者」「本人+家族」「運転者を限定しない」というように範囲を広げるほど、保険料が高く設定されていきます。
補償の対象となる運転者の範囲を限定していくことで保険料は安くなりますが、対象外の人が運転中に事故を起こした場合、補償が受けられなくなる ため注意したいポイントです。
5.走行距離
自動車保険を契約する際には、年間走行距離を申告します。
この申告は保険料を決定する要素の1つで、走行距離が短いほど保険料を抑えられる仕組み になっています。
これは長距離を運転する人に比べて事故リスクが低いとされるためです。
6.使用用途
ほとんどの自動車保険会社では 「業務での使用」「通勤・通学での使用」「日常やレジャーでの使用」の中から選ぶ ことが多く、車の使用用途や頻度によって、保険料が変わります。
ポイントとして 「業務での使用」は保険料が高く設定される一方で、「日常やレジャーでの使用」は比較的安くなる傾向 があります。
そのため、保険料が適正に算出されるよう、利用目的を正確に申告することが重要です。
7.住んでいる地域
自動車保険料は地域によって差があります。
この地域差は 過去の事故データや保険金支払い実績に基づいて計算 されており、地域ごとのリスクに応じた保険料が適用される仕組みになっているためです。
8.車種ごとの違い
車には車種や型式ごとに、事故の統計データを用いて 「型式別料率クラス」 と呼ばれるものが設定されています。
対人賠償・対物賠償・人身傷害・車両保険の4つの項目に、それぞれ1から17の数字が割り振られており、数字が大きいほど保険料が高くなり、小さいほど安くなる仕組み です。(軽四輪乗用車の場合は1~3)
ちなみに、この料率クラスは事故の統計データをもとに毎年見直しが行われるため、車種ごとのリスクが保険料に反映されています。
9.安全装置の有無
契約する車に自動ブレーキが搭載されている場合「ASV割引」を受けることができます。
ASV割引は自動ブレーキの有無によって事故リスクに差が生じることを考慮し、安全装置を搭載した車に適用される割引です。
ですが、この割引が適用されるのはその車の発売開始から3年間のみ。
それ以降では事故データが十分に集まり、型式別料率クラスにリスクの差が反映されるため、割引の対象外となります。
条件次第で変わる!自動車保険料の相場例をご紹介
同じ条件でも運転者の等級や走行距離、使用目的などが異なれば、保険料には大きな差が生じることがあります。
ここでは損保ダイレクトの簡単シミュレーションをもとに、条件ごとの保険料の相場を例としてご紹介します。
等級の違い
まずは等級による違いを見ていきましょう。
自動車保険に初めて加入する際の基本等級「6等級」と、無事故無違反を続けて等級が最大まで上がった「20F等級」を比較します。
【見積もり条件】
年齢:30代
車種:自家用小型乗用車(トヨタ ヤリス)
免許の色:ブルー免許
走行距離:年間5000〜10,000km
比較した結果は以下の通りです。
一括払保険料(年間) | 分割払保険料(12回分) | 分割払保険料(1回分) | |
---|---|---|---|
6等級 | 3万1,110円 | 3万4,800円 | 2,900円 |
20等級 | 1万3,930円 | 1万5,960円 | 1,330円 |
等級が上がるだけで、一括払いの場合に年間約2万円の差額 があることがわかります。
また、分割払いでは手数料も加算されるため、一括払いを選ぶことでさらなる節約が可能です。
等級を上げるには安全運転が不可欠です。
お得に自動車保険を利用するために、安全運転を心がけて等級を維持・向上させましょう。
走行距離の違い
続いては、走行距離が保険料に与える影響を見ていきましょう。
先ほど説明したように、走行距離が長いほど事故リスクが高くなるため、保険料が増加する仕組みです。
ここでは近所での買い物や用事が中心の「年間3,000km」と、通勤や週末のドライブなど日常的に車を使う「年間1万5,000km」を想定して比較します。
【見積もり条件】
年齢:40代
車種:軽四輪乗用車(ホンダ N-BOX)
免許の色:ゴールド免許
等級:16等級
比較した結果は以下の通りです。
一括払保険料(年間) | 分割払保険料(12回分) | 分割払保険料(1回分) | |
---|---|---|---|
3,000km | 1万5,220円 | 1万7,400円 | 1,450円 |
1万5,000km | 2万9,410円 | 3万2,640円 | 2,720円 |
走行距離の違いによって、年間で約1万5,000円の差 がありました。
長距離運転が多い場合は保険料負担が大きくなるため、こまめに保険内容を見直し、実際の走行距離に合った申告を心掛けましょう。
車種の違い
最後は車種による保険料の違いです。
同じ条件でも「小型乗用車」と「普通乗用車」では保険料に差が生じます。
【見積もり条件】
年齢:50代
免許の色:ゴールド免許
走行距離:年間5000〜10,000km
等級:20等級
比較した結果は以下の通りです。
一括払保険料(年間) | 分割払保険料(12回分) | 分割払保険料(1回分) | |
---|---|---|---|
ダイハツ ムーヴ(小型乗用車) | 1万3,850円 | 1万5,960円 | 1,330円 |
ホンダ ヴェゼル(普通乗用車) | 1万6,180円 | 1万8,480円 | 1,540円 |
小型乗用車と普通乗用車の一括払いでは、年間で約2,330円の差がありました。
もし、普通乗用車を分割払いにした場合、その差は約5,000円に広がります。
車種ごとの違いを考慮し、家族構成や使用頻度に応じた車選びをすることで、保険料を抑えることができるでしょう。
自動車保険料を安く抑えるには?
自動車保険料は見直し次第で大きく節約することが可能です。
補償内容や特約を再検討し、支払い方法や割引制度を活用することで、無駄な出費を抑えられます。
ここでは自動車保険料を安く抑える具体的な方法を詳しく解説します。
車両保険を再検討する
車両保険の有無は、多くの方がどうするか悩んでいるのではないでしょうか。
車両保険は自分の車の修理費を補償してくれる保険です。
事故で車が壊れた場合はもちろん、盗難や落書き、洪水による水没といった被害にも対応します。
予期せぬトラブルで修理費や再購入費を用意するのが難しい場合、この保険を付帯しておくと安心です。
一方で、修理費や再購入費を十分に賄える貯蓄がある場合は、加入しないという選択肢も考えられるでしょう。
また、補償額は保険契約時の車の時価によって決まります。
そのため、発売から時間が経過した車や中古車では、満足のいく金額が補償されないことも。
このような場合は、車両保険の有無を再検討するのがおすすめです。
不要な補償を見直す
不要な補償や特約が含まれている場合は見直しを検討しましょう。
必要以上の補償が見つかった際には、変更や解約を行うことで保険料を抑えることができます。
特に見落としがちなのが、生命保険など他の保険との補償内容の重複 です。
同じような内容を契約してしまうと補償は手厚くなりますが、その分保険料が高くなってしまいます。
自動車保険を新規で契約する際や更新時には他の保険の内容も確認し、定期的に補償内容を見直すことが重要です。
運転者の範囲を確認する
運転者の範囲を細かく設定することで、保険料を抑えることが可能です。
たとえば、補償される運転者を「本人限定」や「夫婦限定」に設定すると、保険料が安くなる場合があります。
保険契約時には家族全員を対象にしていた保険を、子どもが独立した後もそのままにしておくと、不要な保険料を支払うことになってしまいます。
家族構成が変わったタイミングや運転者の利用状況が変わった場合に見直しを検討するのがおすすめです。
ただし、範囲を狭めすぎることで補償の対象外になるリスクもある ため、使用頻度や予想される状況に応じた設定を心がけましょう。
保険会社の割引やダイレクト型の自動車保険を活用する
主な割引にはインターネット申し込みで適用される 「インターネット割引」、新車購入時に適用される 「新車割引」 、環境に優しい車を対象とした 「電気自動車割引」 などがあります。
また、前述した自動ブレーキ搭載車両に適用される 「ASV割引」は、多くの保険会社が提供しており、活用することで大幅な節約が期待できます。
ダイレクト型自動車保険とはインターネットや電話を通じて、自分で直接契約するタイプの保険です。
代理店を通さないため、仲介手数料が発生せず、保険料を抑えられるのが大きなメリットといえます。
年払いで支払う
自動車保険料の支払い方法には「年払い」と「分割払い」がありますが、分割払いは手数料が加算されるため、総額で見ると年払いの方が断然お得です。
分割払いは年払いを単純に12分割した計算にはならず、分割手数料が上乗せされるため、結果的に支払総額が増えてしまいます。
1回あたりの負担を軽くするメリットがありますが、長い目で見ると年払いを選ぶことで無駄な出費を抑えることができます。
まとめ
本記事では、自動車保険料の平均相場や年代ごとの違い、保険料を決定する9つの項目について詳しく解説しました。
2022年度の統計によれば、自動車1台当たりの自動車保険料の平均相場は約57,576円です。ただし、この保険料は車種や等級など、さまざまな要因によって大きく変動します。
そのため、車両保険の再検討や不要な補償の見直し、年払いの活用などを検討することが重要。これらは簡単に実践できる方法であり、保険料を抑える効果的な手段です。
今回ご紹介した内容を参考に、自分に最適な保険選びを目指しましょう。
また、セイビーでは代理店型とダイレクト型の任意保険を取り扱っています。
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