「車検切れの車はレッカー移動すればいいの?」
車検切れの車に関してこのような質問を受けることがあります。
車検が切れている場合は、レッカー移動ができません。
自走しなければよいと考える方も多いですが、レッカー移動も禁止されているのには理由があります。
そこで本記事では、車検切れの車がレッカー移動できない理由をお伝えしたうえで、車検切れの車を自走した場合のリスクについても解説します。
車検切れの車を車検に通す方法と費用もご紹介しているため、車検切れの車を運転したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
車検切れの車をレッカー移動できない理由
車検切れの車で公道を走行すると法律違反となります。
このことから「自走しなければ問題ない」と勘違いしてしまう方も多いですが、車輪が公道に接しているレッカー車での移動も法律違反です。
そもそもレッカー車とは、車の前輪または後輪を吊り上げてけん引するための装置を持つ特種用途自動車です。
車輪を道路に接触させたまま走行するため、車検切れの車はレッカー移動できません。
ただし積載車であれば、車検切れの車でも運搬可能です。
積載車は完全に車を持ち上げて乗せる車であり、乗用車や小型トラックなどを運搬します。
車を引き起こしたり持ち上げたりする、アンダーリフト・ウインチブーム・クレーンなどを装備しており、運搬する車のタイヤが道路に接触していないため車検切れでも法律違反になりません。
車のレッカーについて詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
車のレッカーとは?必要なタイミングや依頼先・業者について解説
自動車が故障した場合や事故に遭った時、修理のためにレッカーサービスで車を移動させなければいけません。レッカーサービスの依頼はどのように行えばいいのでしょうか?トラブル時に利用することの多いレッカーサービスについてわかりやすく解説します。
https://seibii.co.jp/blog/contents/car_wrecker
車検切れの車をレッカー以外で車検に出す方法
車検切れの車をレッカー以外で車検に出すには、以下の4つの方法があります。
- 仮ナンバーを取得する
- 積載車に積む
- 出張車検を依頼する
- 車検工場の引き取りサービスを利用する
それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
仮ナンバーを取得する
1つ目は、仮ナンバーを取得する方法です。
市区町村の役所窓口で申請できます。
【必要書類】
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 自賠責保険証(原本)
- 車検証等(原本)
なお、仮ナンバーの取得にかかる費用は750円程度です。
こちらも準備したうえで申請してください。
申請方法については、後半でも詳しくご紹介します。
仮ナンバーについて詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
仮ナンバー取得ガイド/取得に必要な書類から取付、注意点まで解説
仮ナンバーを取得するには、書類を用意し、役所に申請をする必要があります。今回の記事では、仮ナンバーの役割や利用できるタイミング、申請方法などを紹介します。仮ナンバーは使用できる場面が限られているため事前に確認しておきましょう!
https://seibii.co.jp/blog/contents/temporary_number_plate
積載車に積む
2つ目は、積載車に積む方法です。
業者に依頼して積載車で運んでもらうか、レンタルして運びます。
積載車のレンタル費用は10時間まで約2万~2万5,000円、24時間約2万7,500~3万3,000円が目安です。
業者によっては短時間レンタルにも対応しており、その場合は1万円程度で借りられます。
費用を安く抑えたい方は、数社比較して検討しましょう。
なお、所持している運転免許証によっては運転できない場合もあります。
積載車をレンタルして自分で運転する場合は、レンタル前に免許の種類や条件などを確認しましょう。
出張車検を依頼する
3つ目は、出張車検を依頼する方法です。
出張車検とは、整備士が自宅やオフィスなどお客様のご希望の場所に訪問し、必要な点検・整備を行った後、車をお預かりして車検を通し、返却するサービスです。
出張車検のセイビーでは、仮ナンバーの取得から車検まですべてお任せ可能です。
必要書類の準備も行うため、仮ナンバーを取得して車検を通すまでの手間がかかりません。
車検切れでも対応可能ですので気になる方はお気軽にご相談ください。
車検工場の引き取りサービスを利用する
4つ目は、車検工場の引き取りサービスを利用する方法です。
車検切れの車を、自宅まで引き取りに来てくれる車検工場もあります。
引き取りサービスを使えば、車検切れの車を自走させなくても移動できるため便利です。
ただし、業者によって引き取り方法が異なるほか、車検代以外に料金がかかる可能性がある点に注意しましょう。
「レッカー車のみの対応だった」
「引き取り料金がかかってしまった」
このように後悔しないためにも、事前に車検切れであることを伝えて料金を確認してください。
車検切れの車でも仮ナンバーがあれば自走やレッカーを利用できる
仮ナンバーを取得すれば、公道で前輪・後輪どちらのタイヤを転がしても無車検運行に該当しません。
そのため、自走したい・レッカーを依頼したい場合は仮ナンバーを取得するのもおすすめです。
仮ナンバーの取得手順
仮ナンバーの取得手順は以下のとおりです。
いきなり申請するのではなく、車検場の予約や自賠責保険の確認などを先にしましょう。
- 車検場の予約
- 自賠責保険の加入確認
- 必要書類の準備
- 市区町村役場の窓口で手続き
- 仮ナンバーの受け取り・取り付け
なお、仮ナンバーを取得するには、以下の2点を押さえたうえで申請してください。
- 予約を決めて、行く日程を確定させる
- 仮ナンバーの有効期限は最長5日間
仮ナンバーの有効期限は短いため、車検を受ける日を確定してからの申請がおすすめです。
車検場の予約
まずは、車検場の予約をしましょう。
いきなり車検場へ行っても、基本的に受け付けてはもらえません。
また、3月と12月は車検の繁忙期となるため希望の日に予約できないこともあります。
時間や手間が無駄にならないよう、必ず車検場を予約してください。
自賠責保険の加入確認
自賠責保険が切れていた場合は、先に自賠責保険の加入手続きが必要です。
保険会社に連絡して、加入手続きを行ってください。
なお、自賠責保険切れも法律違反となります。
自賠責保険が切れた車を公道で走行させると、以下の罰則・罰金を科される可能性があります。
- 1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金
- 違反点数6点
自賠責保険の期限切れに気付いたら、なるべく早めに再加入してください。
必要書類の準備
自賠責保険の加入が確認できて車検場の予約が取れたら、仮ナンバーの申請に必要な書類を準備します。
【必要書類】
・車検証(期限が切れていても問題ありません)
・自賠責保険証
・本人確認書類(運転免許証など)
・認印
・手数料(750円程度)
・自動車臨時運行許可申請書
認印に関しては不要としている市区町村もあるほか、自署が困難な場合のみ必要になることもあります。
そのため、認印が必要かについては市区町村の公式サイトにてご確認ください。
市区町村役場の窓口で手続き
必要書類が準備できたら、市区町村役場の窓口で手続きをしましょう。
申請を行うのは、自分の住んでいる自治体の市区町村役場ではなく、移動経路に含まれる市区町村役場です。
例えばお住まいの県から隣県へ回送する場合は、お住まいの県もしくは隣県で申請してください。
なお、仮ナンバー申請のためにあまり時間が取れない方は、自治体にもよりますが、オンラインで申請書を事前に作成できます。
あらかじめ作成しておけば待ち時間が10分ほど短縮できるため、手続きにかかる時間を減らせるでしょう。
仮ナンバーの受け取り・取り付け
仮ナンバーを受け取ったら、車体のナンバープレートの位置にボルトやワイヤーなどで脱落しないように取り付けます。
リアナンバーは封印されているため無理に外さず、片側のネジだけ取り付けて外れないように養生テープで固定してください。
仮ナンバーは、車検に通ったら返却しましょう。
返却期限は、有効期間が満了した日から5日以内です。
返却期限を過ぎると道路運送車両法違反となり、罰則・罰金が科せられることもあるため注意しましょう。
なお、仮ナンバーの有効期間は行き先によって異なる場合があります。
例えば川崎市の場合、関東・中部が目的地であれば1~3日、北海道・九州であれば1~5日です。
参考:川崎市「自動車臨時運行許可(仮ナンバー)」
仮ナンバーは必要最小限の期間での貸し出しとなるため、受け取り後はなるべく早く返却してください。
車検切れ以外で車のレッカー移動が可能なパターン
車検切れの車はレッカー移動できませんが、車検の有効期間中は、以下のパターンであればレッカー移動が可能です。
- 事故を起こしたパターン
- 廃車を処分するパターン
ほとんどの場合、物理的に自走ができないときに限りレッカー移動が可能となります。
事故を起こしたパターン
事故を起こして損傷が激しい場合、自走できないこともあります。
この場合は、レッカー移動が可能です。
JAFや保険会社のロードサービス を利用して、レッカー移動を依頼しましょう。
廃車を処分するパターン
自走できない廃車を処分する際、車検の有効期間内であればレッカー移動が可能です。
レッカー移動対応可能な買取業者に依頼すれば、レッカー費用が浮くこともあります。
車検切れ以外で車をレッカー移動する際の料金・費用の目安
車検切れ以外でレッカー移動する際の料金は、おおよそ 1万~1万5,000円前後の基本料金に、移動距離に応じたけん引料を足した金額 となります。
けん引料の目安は、1kmあたり700〜800円程度です。
例えば3km移動する場合、1万2,100〜1万7,400円が目安となります。
距離が長ければ長いほどレッカー費用は高くなるため、自走できるのであれば仮ナンバーの取得がおすすめです。
車検切れの車のレッカーや移動に関する質問
車検切れの車のレッカーや移動に関する質問として、以下の5つを見ていきましょう。
- 車検切れの車をJAFのロードサービスで移動できますか?
- 車検切れの車は保険会社のロードサービスの対象ですか?
- 仮ナンバーをなくすとどうなりますか?
- 仮ナンバーの返却が遅くなるとどうなりますか?
- 車検が切れた車を廃車にしても問題はない?
車検切れの車の移動に関して不安がある方は、参考にしてください。
車検切れの車をJAFのロードサービスで移動できますか?
JAFのロードサービスは、車検が切れた車のレッカー移動を対象外としています。
たとえ会員であっても、車検場まで移動してもらうことはできません。
ただし、例外として以下の場合はレッカー移動できる可能性があります。
「これを放置すると交通の円滑を阻害するなどやむを得ない事情がある場合、自動車損害賠償保険(自賠責保険)の期間内の車両であればこの限りではありません。」
引用:JAF「ロードサービス利用約款」
やむを得ない事情がある場合は、車検切れであることを伝えたうえでレッカー移動を依頼しましょう。
車検切れの車は保険会社のロードサービスの対象ですか?
車検切れの車は、自動車保険・ロードサービスともに対象外です。
そのため、基本的には車検切れの車を車検場に持ち込むために保険会社のロードサービスを利用したり、車検切れの車で事故を起こした際に保険を利用したりすることはできません。
なお、申告せず保険やロードサービスを利用した際には、後日保険会社から費用を全額請求される可能性もあります。
仮ナンバーの取得や積載車の依頼・レンタルよりも高額になる可能性もあるため、ロードサービスを依頼する際は必ず仮ナンバーを取得してください。
仮ナンバーをなくすとどうなりますか?
仮ナンバーを紛失した場合は、警察に遺失届もしくは盗難届、役場に亡失届の提出と弁償金が必要です。
弁償金の額は 1,400円 や 1,800円 など、市区町村によって異なります。
まずは、所轄の警察署もしくは交番に遺失届もしくは盗難届を提出してください。
警察庁の公式サイトにフォーマットがあるため、お住まいの都道府県警察が対応している場合は、ダウンロードして事前に準備すると手続きが早いでしょう。
次に、役場の窓口で仮ナンバーの亡失届を提出しましょう。
必要な書類は以下のとおりですが、自治体によって異なる可能性もあるので事前にご確認ください。
【亡失届提出時に必要な書類】
- 本人確認書類
- 自動車臨時運行許可証
- 警察署での届出受理番号
- 亡失届
仮ナンバーの返却が遅くなるとどうなりますか?
仮ナンバーの有効期間満了後5日を過ぎても返納がない場合、自治体から返納を求める電話がかかってきたり、催促状が送付されたりすることがあります。
要請に応じない場合、道路運送車両法第108条により、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金を科される場合があります。
仮ナンバーを返納しなければ、自治体の在庫がなくなり仮ナンバーを貸し出せなくなることがあります。
そのため、仮ナンバーで車検を通したらすぐに返納してください。
平日に有給休暇が取得できず返納が難しい場合は、郵送できないか事前に相談するとよいでしょう。
自治体によっては、公式サイトに「郵送での返却も可能」と明記されていることもあります。
車検が切れた車を廃車にしても問題はない?
車検が切れた車であっても、廃車手続きは可能です。
普通車の場合は運輸支局、軽自動車の場合は軽自動車検査協会支所などで廃車手続きをしてください。
なお、廃車には 「永久抹消登録」 と 「一時抹消登録」 の2種類があります。
永久抹消登録とは、二度と乗らない車を廃車にする場合の登録です。
自走できない車や買い替えを検討している場合は、永久抹消登録するとよいでしょう。
一方、一時抹消登録とは将来的に再登録する可能性がある車を廃車にする場合の登録です。
再登録するまで廃車扱いとなり税金がかからないため、将来乗る可能性がある車を保管したい場合や、コレクションとして保管したい場合などに向いています。
車検切れの車を出張車検で対応するならセイビー
「車検切れの車があって困っている」
「車検が切れたけど仮ナンバーの取得や車検場への持ち込みが難しい」
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まとめ
車検切れの車をレッカー移動できないのは、車輪が道路と接触してしまうためだとわかりました。
たとえ車検に通すことが目的であっても、車検切れの車で公道を走ることは許されていません。
もし車検切れの車で公道を走ると、罰則・罰金を科される可能性があるため注意してください。
車検切れの車を車検に出すには、記事内でご紹介した4つの方法のいずれかを選択できます。
なるべく費用を安く抑えたい方は仮ナンバーの取得・引き取りサービス、時間に余裕がない方は積載車の利用を検討しましょう。
なお、費用と時間の双方で希望を叶えられる出張車検のご利用はセイビーがおすすめです。
全て出張対応になるので自宅にいながら車検を完了することも可能です。
出張車検が気になる方は、お気軽にお問い合わせください。