自動車保険の等級は、保険会社を変更する場合においても引継ぎできます。
ほとんどの保険会社では、ノンフリート等級を採用しており、情報交換制度により等級情報を共有できるためです。
ただし、共済保険の一部ではノンフリート等級を採用していないため、引継ぎできません。
そこで本記事では、自動車保険の等級は他社に引継ぎできるのかをテーマに、引継ぎが難しいケースや引継ぎ時の注意点を解説します。
この記事を読み終わった頃には、自動車保険の等級制度を理解でき、スムーズに引継ぎできるでしょう。
自動車保険の等級は他社に引継ぎできる!
結論からいうと、自動車保険の等級は他社に変更した場合でも引継ぎできます。
理由は、多くの保険会社で「ノンフリート等級制度」を採用しており、等級の考え方と割引率が同じになっているためです。
ここでは、自動車保険のノンフリート等級の概要や、引継ぎの対象者・引継ぎするメリットについて詳しく解説します。
自動車保険の等級とは
自動車保険の等級とは、一般的に 「ノンフリート等級制度」 で決められている区分を指します。
1年間無事故の場合や保険を利用しない場合に等級が上がり、等級の上昇とともに保険料の割引率も上がる点が特徴です。
等級は1〜20まであり、はじめて車の保険を契約する際に6等級から始まります。
1〜4等級については、割引率ではなく「割増率」が適用され、等級が低くなりすぎると定額よりも保険料が高くなるようです。
配偶者や同居家族にも引継ぎできる
車を買い換えるときや保険会社を変更するときなどに等級の引継ぎを行いますが、配偶者や同居家族にも引継ぎが可能です。
たとえば、18歳の子どもが運転免許を取得して始めて車の運転をする場合は6等級から始まることに加え、年齢が若い・運転経験が浅いことで料金が高くなる傾向があります。
この場合、同居の父親が15等級であれば、その等級を引継ぎ、割引率を継承することが可能です。
ただし、父親の自動車保険が必要な場合は新規で加入する必要があり、その場合は6等級から始まります。
自動車保険の等級を引継ぐメリット
自動車保険の等級を引継ぐメリットは、保険料を安く抑えられる点です。
自動車保険は等級が上がると割引率が高くなるため、最初から安く契約できるのはメリットとなるでしょう。
保険会社を変更する際は、現在の保険等級を引継ぎ、料金を安く抑えられます。
反対に等級の引継ぎができないと、保険会社を変えるたびに割引率が元に戻ってしまい、保険会社を自由に選択できません。
ただし、1年に満たない状態で他社に乗り換えてしまうと、それまで無事故であったとしても昇級する前の等級からスタートするため注意が必要です。
自動車保険の等級を引継ぎできないケース
ノンフリート等級制度を採用している保険会社であれば、基本的に等級の引き継ぎが可能です。
しかし、場合によっては等級を引継ぎできないケースもあります。
どのような状況でも引継ぎできると勘違いしていると思わぬ出費につながる可能性があるため、事前に確認しましょう。
一部の共済保険への乗り換え
一部の共済保険へ乗り換える場合は、引継ぎができない可能性があります。
理由は、ノンフリート等級以外の等級制度を採用している可能性があるためです。
等級の引継ぎは、あくまでノンフリート等級に限られるため、仕組みが異なる場合は引継ぎできません。
共済保険に加入していて、民間の自動車保険に変更したい場合は事前に確認しましょう。
友人や別居家族への引継ぎ
自動車保険の等級は、友人や別居家族への引継ぎはできません。
ノンフリート等級の引継ぎは、配偶者と同居家族に限定されているためです。
たとえば友人から車を譲り受けた場合、車の名義を変えて使用することは可能ですが、保険の等級は引継ぎできません。
また、家族間で引継ぎをする場合は 同居を証明 する必要があるため、引継ぎ可能かどうかを事前に確認しましょう。
セカンドカーの購入
セカンドカーを購入した場合、等級の引継ぎに注意しましょう。
基本的に、1台目の等級を2台目に引継ぐことは可能です。
しかし、もともとの保険は2台目に引継ぎされるため、1台目は新規で保険に加入する必要があります。
このような状況では、多くの保険会社でセカンドカー割引を利用できます。
セカンドカー割引とは、一定の条件を満たせば7等級からスタートできる制度です。
通常の自動車保険は6等級から始まるため、うまく活用することで保険料を安くできます。
バイク保険から自動車保険への引継ぎ
バイク保険の等級を自動車保険に引継ぐことはできません。
バイク保険と自動車保険は異なる保険のため、自動車保険に新規加入する必要があります。
一方で、バイク保険同士の引継ぎは可能です。
ただし、バイク保険には排気量による区分があり、排気量が異なるバイクへの引継ぎはできません。
自動車保険の等級引継ぎを他社で行う場合の必要書類
自動車保険会社の乗り換えにより、等級引継ぎを行う際の必要書類は以下のとおりです。
- 運転免許証
- 車検証
- 現在加入中の自動車保険証券
他社に変更する際は、加入中の自動車保険証券があるとスムーズに手続きができます。
理由は、現在の等級や事故回数などの保険情報が必要なためです。
保険会社の変更は、インターネットや電話などで手続きする方法もあるので、自分に合った方法を選択しましょう。
また、保険の対象となる車両が変更する場合は新しい車の車検証、名義変更を行う場合は運転免許証と変更届出書が必要となる場合があります。
自動車保険の等級を他社に引継ぎする際の注意点
自動車保険の等級を他社に引継ぎする際の注意点をご紹介します。
注意点を把握しておかないと「スムーズに手続きできない」「引継ぎできない」などのトラブルにつながる可能性があるため、しっかりとチェックしましょう。
保険の満期から8日以上の空白期間を作らない
自動車保険の満期日から、8日以上あけないようにしましょう。
理由は、自動車保険の満期日から、原則7日以内に手続きすると決められているためです。
たとえば、満期日から新しい保険の手続きまでに時間がかかる場合は、中断証明書を取得しておくと10年以内の保険加入で中断したときと同じ等級を引継ぎできます。
この場合、中断証明書がないと引継ぎできないため注意が必要です。
ただし、中断証明書の発行可能期間は保険会社によって異なります。
発行できない場合は、リセットされ6等級から始まるため注意しましょう。
また、途中解約する場合は許された空白期間が0日のため、乗り換える保険会社を決めたうえで解約を申し出る必要があります。
契約解除されると等級を引継ぎできない
保険会社から契約解除された場合は、等級の引継ぎができません。
契約解除されるケースは、虚偽の告知や保険金の不正受給・保険料の滞納など、保険会社との契約違反を犯した場合です。
自分からの解約ではなく、強制的に契約解除された場合は等級がリセットされる可能性があるため注意しましょう。
事故情報を隠し通すことはできない
事故情報は、ほかの保険会社に対しても隠すことはできません。
損害保険会社のネットワークには 情報交換制度 があり、事故情報も共有されるためです。
たとえば、事故を起こして「事故情報が保険の等級に反映されるまでに、保険会社を乗り換えれば等級に影響しないのでは?」と考える方もいるでしょう。
このような場合、保険会社を変えても過去の事故情報を含めた等級が反映されるため、等級を不正に操作することはできません。
まとめ
自動車保険の等級は、他社と契約する場合でも引継ぎが可能 です。
多くの保険会社がノンフリート等級を採用しており、等級や割引率が同じで保険情報を共有しているためです。
運転免許証・車検証・保険証券があれば、スムーズに保険会社を乗り換えられます。
また、本人だけではなく、配偶者や同居家族にも引継ぎできる ため、うまく活用すると保険料を安くできる可能性があります。
ただし、保険満期日から8日以上の空白期間がある場合や強制的に契約解除を受けた場合は、等級の引継ぎができない可能性があるため注意しましょう。
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