今回の記事は、BMWの正規ディーラーで8年間整備士をしていた私が、BMW3シリーズの故障しやすいポイントを4つご紹介します。
BMWの中古車を購入される際にぜひ参考にしてみてください。
BMW3シリーズの中古車相場について
BMW3シリーズは、私が整備士として最も多く触れてきた世代で、流通量も多い人気のモデルです。
良い車ですが、経年と共に故障と向き合うことが増えてくる世代でもあります。
現在の中古車相場は、平均で150万円ほどです。走行距離が11万キロ以上の車両だと50万円前後から購入できるものもあります。
しかしBMWはセダン全体のリセールバリューが高くなく、3シリーズも同様です。例えば、走行距離が少ない場合でも、新車価格600万円のものが中古車では400万円程度に下がることが多いです。
また、3シリーズはフラッグシップモデルで市場に出回る台数も多いため、リセール価格が上がりづらい傾向にあります。
また、3シリーズのセダンは比較的高年齢層に支持される傾向があり、リセールを重視される方も少ないようです。
故障が出やすいため、維持費が重要なポイントです。
ここからは、維持費について解説していきます。
BMW3シリーズを買ってからの維持費用について
- 燃費について
国産車と比べると燃費はあまり良くなく、リッター10kmを切ることが多いです。
エンジンは、以下の形式が搭載されています。
4気筒モデル:N46型式で、排気量を抑え維持しやすくなっています。
6気筒モデル:N52型式で、BMW伝統の「シルキーシックス」直列6気筒エンジン。吹け上がりが滑らかで評判の良いエンジンです。
ターボ付きモデル:N54やN55という型式が搭載されており、パワーアップした仕様です。
- オイル交換について
2012年式のBMWでは、メーカーの推奨するオイル交換時期は1年または15,000kmです。
燃費やエンジンのコンディションを保つためにはもう少し短い間隔での交換がおすすめです。
乗り方によって変わりますが、エンジン内にオイルの劣化によるスラッジ(汚れ)が溜まるのを防ぐためにも、少し早めのオイル交換は重要です。
必要なオイル量:4気筒エンジンで4.5L、6気筒エンジンで6.5Lが必要です。
交換費用:ディーラーでエレメント交換も含めると、費用は20,000〜30,000円ほどかかります。
ここからは、BMW 3シリーズの壊れやすいポイントを4つ解説していきます。
BMW3シリーズ壊れやすいポイントを4つご紹介
中古車では、走行距離が50,000km〜100,000km程度のものが多く、頻度の高い故障事例として以下のものが挙げられます。
1.電子デバイスの故障
E系(E90/65/60など)は電子デバイスが導入され始めた世代で、多くのユニットが搭載されているため、突発的な動作不良が起きやすいです。
修理には専用の診断器が必要でディーラーや専門店での対応が求められるため、費用と時間がかかります。
2.タペットカバーからのオイル漏れ
BMWは輸入車の中でも特にオイル漏れが多く、ゴム製のタペットカバーが熱で劣化し、オイルがにじみ出ることがあります。
走行距離10万キロ程度でオイル漏れが見られる車が多く、完全に防ぐことは難しいですが、オイルメンテナンスをしっかり行うことである程度予防できます。修理費用は10万円前後です。
3.窓落ち
窓が動かなくなる「窓落ち」の故障も多いです。
原因は窓を上下させるレギュレーターのワイヤーが切れたり絡まったりするためで、これにより窓が動かなくなります。
ワイヤーのグリス切れが動作に負荷をかけ、故障を引き起こすことがよくあります。
4.雨漏り
ドアの内側にはられているインシュレーターが剥がれると、雨水が車内に入ってくることがあります。
初期には気づきにくく、冬場に湿気が取れないときに確認すると湿っていて、カビや錆の原因になっていることもあります。
【まとめ】中古でBMW3シリーズを購入される際の注意点
上記で触れた壊れやすいポイントは、購入時にしっかりと確認していただくことをおすすめします。
オイル漏れ:エンジンルーム内のタペットカバー周辺を確認し、オイルのにじみがないかをチェックすると安心です。
窓落ち:パワーウィンドウをすべて動かし、異音や引っかかりがないか確認してください。
インシュレーター:雨漏りの原因となることがあるため、ドアトリムの下部をチェックし、にじみがないか確認してください。もしにじみがあれば、車内への水の侵入が考えられますので注意が必要です。
いかがでしたか?
大変人気なBMW3シリーズは、壊れやすいポイントをチェックしてしっかりメンテナンスすることで、長く乗り続けることができるとても良い車です。