車検の際に部品の交換が必要になる場合があります。
交換部品が発生する場合は、車検の基本料金のほかに別途費用が発生することが多いです。
そのため、事前にどのような部品があり、どの程度の費用が発生する可能性があるのかをイメージできた方が安心して車検を受けていただけるのではないでしょうか。
本記事では、車検の際に交換の必要がある部品の概要や費用の目安を、プロの整備業者が解説します。
車検を受ける前に詳細を確認したい方はぜひ参考にしてください。
車検でよく交換が必要になる部品にはどのようなものがある?
公道を安全に走行するためにも、損傷した部品は交換しなくてはいけません。
しかし、まだ劣化が大きく進んでいないなど、必要以上の交換を求められても困りますよね。
部品によっては、交換しなくても車検に通る可能性があります。
ここでは、車検でよく交換が必要になる部品をそれぞれ解説します。
各費用相場は部品代に工賃を含んでいます。
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エンジンオイル
エンジンオイルは、エンジンを動かすために必要な潤滑油です。
少ない、または古くなった場合、エンジンの焼き付きなどのトラブルが発生します。
交換時期は 走行距離5,000km~1万km、または半年ごと です。
費用相場は 3,000円~1万円 となります。
オイルフィルター(エレメント)
オイルフィルターは、エンジンオイルに不純物が混ざらないようにろ過する役割があります。
また、エレメントはろ過紙のことを指し、フィルターの一部です。
適切に交換しないと、エンジン性能や寿命を低下させてしまいます。
エンジンオイルの交換2回ごと、または走行距離1万kmごと に交換します。
費用相場は 2,000円~5,000円 です。
エアコンフィルター
エアコンフィルターは、車内を循環する空気をろ過します。
車検に合格するためには不要ですが、車検のタイミングで交換することでエアコンを快適に使用できます。
交換時期は 走行距離1万km、または1年ごと です。
費用相場は 3,000円~7,000円 です。
ブレーキオイル
ブレーキオイルは、自動車の油圧式ブレーキを動かすために必要な潤滑油です。
ブレーキオイルが劣化すると、ブレーキが効かなくなり、危険な状態となります。
交換時期は 2年~4年、または走行距離1万kmごと です。
費用相場は 5,000円~1万円 です。
デフオイル
デフオイルは、車がカーブするために必要な部品を正常に動作させるために必要な潤滑油です。
交換しないまま使用すると、カーブがスムーズに曲がれないほか、異音発生や燃費悪化に繋がります。
交換時期は 2年~3年、または走行距離5万kmごと です。
費用相場は 2,000円~1万円 です。
ワイパー
ワイパーはブレードとゴムに分かれており、フロントガラス・リアガラスの雨水などを拭き取ります。
直射日光や温度変化で劣化し、拭き残しが発生します。
交換時期は 1年~2年ごと です。
費用相場はゴムだけかブレードごとかによって変わりますが、 2,000円~1万円 です。
点火プラグ
点火プラグは、ガソリンエンジンを始動させるために必要な火花を飛ばし、点火させる役割があります。
劣化するとエンジンがかからない、エンストが起きるといった不具合が生じます。
交換時期は 走行距離1万km~2万kmごと です。
費用相場は 8,000円~2万円 です。
バッテリー
バッテリーは、車の電気系統の制御に欠かせません。
バッテリーが切れる前兆として、ライトが暗くなる、エンジンのかかりが悪くなる状態があらわれます。
交換時期は 2年~4年ごと です。
費用相場は 5,000円~4万円 です。
ブレーキパッド
ブレーキパッドは、前輪のブレーキに必要な部品です。
ディスクローターをブレーキパッド2枚で挟み、摩擦によってタイヤの回転を落とします。
ブレーキの効きに直接繋がるため、劣化した状態のまま乗り続けるのは大変危険です。
走行距離3万km~5万kmごと に交換します。
費用相場は 1万円~2万円 です。
タイヤ
タイヤは走行だけでなく、車両を支える、路面からの衝撃を緩和する役割もあります。
タイヤに亀裂やひび割れがあるまま走行すると、スリップやバーストが発生し危険です。
4年~5年ごと、または溝の深さ1.6mm以下 で交換します。
費用相場は 6,000円~13,000円/本 です。
ファンベルト
ファンベルトは、エンジンの動力を各機構に伝えるゴム製のベルトです。
ファンベルトが切れることで、オーバーヒートやハンドル操作の不具合など、様々なトラブルが発生します。
交換時期は 走行距離4万km、または異音発生時 です。
費用相場は 1万円前後 です。
クーラント液
クーラント液は、冷却水やラジエーター液とも呼ばれ、エンジンを冷やす役割があります。
クーラント液が少なくなると、エンジンがオーバーヒートする原因に繋がります。
交換時期は 2年ごとが基本ですが、最近では4年~7年など長寿命の製品もあるため、あらかじめ確認しましょう。
費用相場は 1,000円~5,000円 です。
タイミングベルト
タイミングベルトは、エンジン内部のクランクシャフトとカムシャフトの動くタイミングを連動させるためのゴムベルトです。
タイミングベルトが切れると、シャフト同士がぶつかり破損し、最悪の場合エンジンごと交換する可能性があります。
交換時期は 10年、または走行距離10万kmごと です。
費用相場は 3万円~10万円 です。
ブレーキホース
ブレーキホースは、各ブレーキ装置へ油圧を伝える部品です。
異常のある状態で急ブレーキすると、劣化部分が破裂し制御不能になることがあります。
交換時期は 10年、または走行距離10万kmごと です。
費用相場は 4輪で23,000円~33,000円 です。
ブレーキローター
ブレーキローターは、車を減速させる「ディスクブレーキ」の一部です。
劣化することでブレーキの制御が効かなくなり、大変危険です。
走行距離 10万kmごと に交換します。
費用相場は 1輪あたり15,000円~25,000円 です。
もし車検のときに部品の交換を勧められたら交換すべき?
車検時に部品交換をすすめられた場合、それを断ることは基本的には可能です。
ただし、車検の保安基準に関わる重要な部品の交換を拒否すると、車検に通らないリスクがあります。
そのため、交換の必要性をよく理解し、適切な判断をすることが重要です。
ここからは、車検時に交換した方がよい部品、車検以外のタイミングで交換しても問題ない部品についてそれぞれ解説します。
車検時に交換したほうがよい部品
寿命が短い、または寿命が2年や4年など車検の時期とタイミングが重なる部品は、車検時に交換しておくことをおすすめします。
- エンジンオイル、エンジンオイルエレメント(フィルター)
- ラジエーター液
- ブレーキオイル
- ワイパーブレードゴム など
上記のような部品が挙げられます。
車検以外のタイミングで交換しても問題ない部品
3~4年が寿命の部品や、走行距離などで車検時期と交換タイミングが合わない部品は、車検以外のタイミングで交換しても問題ありません。
以下のような部品が挙げられます。
- ブレーキパッド
- バッテリー
- デフオイル
- エアクリーナー
- タイミングベルト など
また、部品をカー用品店などで購入し、自分で交換できる部品もあります。
自分で交換する場合、業者の工賃がかからないため、費用を抑えることが可能です。
車検と部品交換は安心できる車検業者がオススメ
車検時に部品交換をするかどうか迷う方は多いでしょう。
なるべく費用を抑えつつ、安全に走行するための整備を行うためにも、信頼できる車検業者に依頼することが重要です。
セイビーでは、厳しい審査に合格した熟練の整備士が、あなたの愛車に必要な整備をご提案させていただきます。
全国どこでもご自宅で車検が受けることが可能。
車検だけでなく、12ヶ月点検も対応しております。
定期的なメンテナンスを希望する方も安心してご利用できます。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
車検の際には、劣化や変形などが見られる部品の交換が必要になることがあります。
交換部品の種類や個数に応じて、費用負担が生じるため、車検の際にはあらかじめ部品の種類や内容について理解を深めておくと目処を立てやすいでしょう。
本記事でご紹介した交換時期や費用相場を参考に、必要最低限の部品交換をすることで、車検費用を抑えることが可能です。
見積もりの際に、部品ごとに交換の必要性をわかりやすく説明してくれる整備士だと安心です。
車検の予算や部品交換のタイミングを車検業者と相談し、適切な部品交換を行いましょう。