セイビーで活躍する整備士の方々が、日々どんな想いで整備士として取り組んでいるかを深掘りするインタビュー企画「知ってほしい!セイビーの整備士ってこんな人」#021!
整備士の新しい働き方として注目を集める「出張整備」。
しかし、安定した職場を離れてフリーランスになることへの不安を感じている整備士の方も多いのではないでしょうか。
今回お話を伺ったのは、広島県を拠点に出張整備サービス「セイビー」で活躍する藤原章太郎メカ。ディーラーでの過酷な労働環境、家業での意見の食い違い、そして一度は整備士を諦めかけた経験を経て、フリーランス整備士として新たなキャリアを築いた彼のストーリーには、同じように悩む整備士の方々へのヒントが詰まっています。
目次
- 整備士プロフィール
- まずは自己紹介をお願いします
- セイビーはどのような経緯で知ったのですか?
- 登録する際に不安や疑問に思うことはありませんでしたか?
- 仕事をする上で最も大切にされていることは何ですか?
- お客様とのコミュニケーションで特に意識していることはありますか?
- 以前の働き方と比べて、現在はどのように変わりましたか?
- 1週間の働き方はどのようなスケジュールですか?
- 整備士として働く中での「面白さ」や「やりがい」はどんなところにありますか?
- フリーランスの整備士として活躍し続けるための秘訣は何だと思われますか?
- 収入面では以前と比べて変化はありましたか?
- 作業中に行き詰まったり、難しい現場に直面した時はどう乗り越えていますか?
- この働き方ならではの「大変なこと」はありますか?
- 体調管理について意識していることはありますか?
- Seibii年間MVPを受賞した時の心境はいかがでしたか?
- セイビーに対する要望はありますか?
- 今後の整備士人生における目標や、実現したいことはありますか?
- 最後に、かつての自分と同じようにキャリアに悩む整備士の方々へメッセージをお願いします。
- この度はインタビューにご協力いただき、誠にありがとうございました!
整備士プロフィール
藤原 章太郎(ふじはら しょうたろう) 広島県在住、39歳。
自動車短期大学を卒業後、国産ディーラー2社、実家の整備工場での勤務を経て、一時整備業を離れる。その後、フードデリバリー業に従事しながら2022年2月にセイビーへ登録。現在はほぼフル稼働で活躍するトップメカニック。妻と息子の3人家族。2025年Seibii メカニックアワードMVP受賞。
まずは自己紹介をお願いします
広島県の北部、ちょっと雪が降るようなエリアに住んでいます。
整備士としてのキャリアは、自動車短期大学を卒業後、国産ディーラーに入社したところから始まりました。そこで2年ほど働いた後、実家が自動車販売店をやっていたので一度戻ったんです。
でも、親父とちょっと揉めてしまって。
それで次に別のディーラーに入って、そこでは4〜5年働きました。その日々は本当に過酷でしたね。新車の陸送が深夜3時に届いて、そこから用品を取り付けて朝には納車。残業代の手当はもらえませんでした。
でも不思議なことに、その職場はすごく楽しかったんです。一緒に働いてるメカニックの人たちが本当にいい人ばかりで。
辛いんだけど、その人たちと一緒に仕事できるのが楽しくて続けられた感じでしたね。
その後また実家に戻ったんですが、また揉めてしまって。
もう30代になっていたので、今度また転職してディーラーに入ったら自分より年下のメカニックが上の立場にいるわけじゃないですか。
それが自分のプライドとして許せなくて、「もう整備士できないな」と思ったんです。
本当はもう、雇われるのも嫌だなとも思ってたんです。
それでフードデリバリーを始めました。
Uber EatsとかWoltとか。整備士は諦めて、別の道を歩みはじめていました。
セイビーはどのような経緯で知ったのですか?
フードデリバリーを始めて1ヶ月経たないぐらいの頃、ソファーに転がってPayPayのアプリを見てたんです。当時PayPayってメニューの中に自転車のレンタルとか色々なサービスが載ってて、その中に「出張整備」っていうのがあったんですよ。
※現在は掲載終了しています
「何これ?」と思ってサイトを探していったら、「自動車整備士募集中」って出てきて。そこでセイビーと出会いました。PayPayがきっかけです(笑)
登録する際に不安や疑問に思うことはありませんでしたか?
不安はほとんどなかったですね。疑問しかなかった、が正しいかもしれません(笑)
「出張整備で何するんだろう?」「お客さんの家に伺ってオイル交換とかするのかな?」とか、色々考えましたけど、不安っていうよりは「どんな仕事なんだろう」っていう興味の方が強かったです。
で、千村さんの登録説明会を聞いて、即登録でした。迷いはなかったですね。
だって、整備士の仕事がやりたかったから。
フードデリバリーをやってても、心の中では「整備士がやりたい」ってずっと思ってたんです。
整備士をやめたかったんじゃなくて、自分に見合う環境がなかったからやめようとしてただけ。
整備の仕事自体は大好きなんです。
仕事をする上で最も大切にされていることは何ですか?
時間を守ることはもちろんですけど、お客さんとの対話、接客ですね。
ハキハキ元気に、ちょっと暗くならないように。
「お願いします!」って頭を下げるとか、そういう基本的なことを積極的にやるようにしてます。
あと、セイビーとの接し方は「感謝一本」です。それだけですね。
依頼が入ってくる時も感謝するし、依頼がキャンセルになってしまった時でも感謝の気持ちで「またお願いします」って言います。あんまり悲観的になることはないです。
セイビーから仕事をもらってる立場として、感謝しかないですね。
これは自分の中で仕事以外でも常に心がけてることなんですけど、「感謝」っていうのを大切にしてます。
お客様とのコミュニケーションで特に意識していることはありますか?
お客さんの中には、作業中ずっと真横に立って話しかけてくる方もいます。
「これって外れるの?」「上からだけでできるの?」「タイヤがついてる状態でできるの?」なんて、まるでドクターの手術を見守るような目で見られます(笑)
自分の愛車が工場に入れてないのに治るのかっていう、不思議な感覚なんだと思います。
あと、僕の車の中の工具を見られることもあります。
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「綺麗にしてますね」とか「整えてますね」って言われることが多いです。
だからこそ、見られることへの意識も変わりました。 車の中の工具の整頓、身だしなみ、挨拶。お客様は作業だけでなく、僕という人間、そして「プロとしての姿勢」を全部見ていますから。
お客さんとの距離が近いのが出張整備の特徴ですから、コミュニケーションは本当に大切にしてますね。
以前の働き方と比べて、現在はどのように変わりましたか?
明らかに労働時間は短くなりましたね。
ディーラー時代は、朝早くから夜遅くまで、新車の納車があれば深夜3時まで働くこともありましたから。
今はおかげさまで忙しくさせてもらっていますが、「やらされている」わけじゃないので、精神的な負担が全然違います。
自分の時間もしっかり作れています。
予定があらかじめ分かっているところは休みに設定できますし、午前中だけ働いて午後は自分の時間にするとか、自分でコントロールできるんです。とにかく、最高です!
多分、僕みたいなメカニックって世の中に結構いると思うんです。
工場に入って、整備士はずっと続けたいのに、会社の都合で2年後にはフロントマンにさせられたとか、営業に回されたとか。
メカニックをずっとやりたくて資格も取って大学も出てるのに、続けられない。資格は持ってて技術もあるのに、環境のせいで「もう整備士は諦めよう」と思っている人たちです。
そう考えたら、好きな整備だけに没頭できるセイビーはかなり楽しいです。
それに、フリーランスといっても「孤独」ではありません。守ってくれてる感が強いんですよ。
1人で現場に行って1人で全部抱え込むわけじゃなくて、困った時はセイビーの本部がちゃんと後ろにいてくれる。だから、かなり安心して仕事ができています。
1週間の働き方はどのようなスケジュールですか?
基本的には「ほぼフル稼働」ですね。 土日を固定で休むといったことは特にせず、働ける時間はスケジュールを開けておいて、案件を入れてもらっています。
「開けておいたらどれくらい埋まるのか?」とよく聞かれますが、もちろん月によって波はあるものの、僕の場合は結構案件いれていただいてます。
実は僕、セイビーの稼働が終わった後に、別の仕事もしているんです。
これは夜の時間を使ったり、セイビーの仕事の合間に作業ができるので、整備の仕事を休んでそっちをやる必要が全くない。
「昼は整備、夜は別の仕事」といった感じで、自分の好きなことを両立できていて、すごく相性がいい働き方ができています。
整備士として働く中での「面白さ」や「やりがい」はどんなところにありますか?
やりがいを感じるのは、断然個人のお客様案件ですね。
もちろん法人案件で件数をこなしていくのが稼げるコツではあるんですけど、個人案件の点検とか、オイル交換、オルタネーター交換、セルモーター交換。
壊れてるものを直してエンジンがかかる、その瞬間がもうすごいんですよ。
達成感がありますね。しかも、お客さんに「ありがとう」って言われるのがダイレクトに来るんです。
工場の中でやってるんじゃなくて、青空の下でやって、お客さんに「ちゃんとかかるようになりました」って報告した時に、目の前で「ありがとう」って言われる。
故障を直す、それが一番やりがいがありますね。ディーラー時代と全く同じようなことをしてるんですけど、お客さんとの距離が全然違う。その違いが、僕にとってはすごく大きいんです。
フリーランスの整備士として活躍し続けるための秘訣は何だと思われますか?
自分を信じすぎないこと。過信しないこと、ですね。
これは失敗から学びました。ある時、電装品の取り付けで電源の取り出し位置を間違えるというミスをしてしまったんです。
「確かここだったはず」「あの時はこうだった」という、曖昧な記憶と慣れで作業をしてしまいました。
本部から配線の指摘を受けた時、ハッとしましたね。セイビーではアプリで整備時の写真を格納しながら作業するシステムになっていて、本部がリアルタイムで作業をチェックできるんです。作業の途中経過や配線の状態も、写真を通じて本部が確認している。だからこそ、間違いにすぐ気づいてもらえたんですよね。
それ以来、僕は「自分を信じすぎない」ことを徹底しています。どれだけ経験があっても、分かっているつもりでも、必ずマニュアルを開く。確認する。「やっぱり合っていたな」と確認してから作業に入る。
プロだからこそ、マニュアルを見ることは恥ずかしいことじゃない。むしろ、過信してミスをすることの方がよっぽど恥ずかしい。
この失敗のおかげで、品質への意識は格段に上がりましたね。自分を守るためでもあるし、お客さんに迷惑をかけないためでもあるし、セイビー全体の品質向上にもつながることですから。
収入面では以前と比べて変化はありましたか?
かなり上がりましたね。一番多い月だと、なんと5倍になりました。
ディーラー時代が少なすぎたってのもあるんです。
最初に入った国産ディーラーの初任給が手取り8万円だったんです。
総支給で言ったら12〜13万円ぐらいだったと思うんですけど、手元に残ったのが8万円。びっくりしましたね、「本当これだけ?」って。
国家資格も取って、親に「初任給で何か買おうか」なんて考えていたのに、謝りました。「何も買えない」って。
今は平均で言うと、前職のディーラーの時と比べて2.5倍ぐらいですかね。
これだけ収入が増えて、しかも自分の時間も作れて、整備の仕事を続けられる。本当にありがたいです。
作業中に行き詰まったり、難しい現場に直面した時はどう乗り越えていますか?
僕は全く不安に思わないんですよね。
やったことない作業でも、「やってみよう」っていう感じで。やりたがりなんで、やっちゃいますね(笑)
あんまり不安に思ったことないですよ。
「現場に行って考えよう」ぐらいの気持ちです。
ちゃんと事前準備とか勉強はするんですけど、ずっと不安に思ってたらお客さんにもバレちゃうんで。その不安はセイビーにぶつけますね。
困ったらセイビーの本部に聞けばいいだけなんです。
助けてくれるというか、守ってくれる感じがすごくあります。だから安心して作業できるんです。
この働き方ならではの「大変なこと」はありますか?
車の消耗が早いですね。年間10万kmは走ってます。
一番遠いところだと、鳥取、北九州、倉敷、愛媛県とか、結構色んなとこに行きますから。オイル交換も2週間に1回やってます。
ただ、意外と壊れないんですよ。セイビーで稼働し始めて半年に新車で買ったサンバー(スバルのバン、ダイハツで言うハイゼット)が、今もう20万km走ってるんですけど、あんまり壊れなくて。
水漏れもなければベアリングが壊れることもなく、足回りのオイルがちょっと漏れたぐらいで。
一応、セイビー本部天野さんから「オルタネーターは15万kmで交換」って言われてるんで、新品のオルタネーターとウォーターポンプは車に積んでるんですけど、壊れてくれないんですよね(笑)
すごく優秀です、スバル。
体調管理について意識していることはありますか?
体調管理は必須です。めちゃくちゃやってますね。
不規則な生活をすると体調が悪くなるし、1人なんで誰も守ってくれないじゃないですか。体調が悪くなったら、セイビーからも「休んでください」って言われるし、お客さんも体調悪い人に来てほしくない。結果的に仕事もうまくできないし、失敗するかもしれない。
僕らができることって、もう体調管理を自分でやるしかないんです。自分の体が一番分かってる人間がやるしかない。
食事もめちゃくちゃ考えて食べてます。発酵食品とか、免疫力上げられるようなものを食べたり。結構ハードワークなんですけど、早く寝て次の日に備えるとか、帰ってすぐ次の日の準備をして早く寝るとか。
「背中がゾクッとするな」とか、体調が崩れる前兆ってなんとなく分かるんですよね。「あ、これ風邪ひくかも」っていうサインを感じたら、すぐに薬を飲んで、その日はとにかく早く寝るようにしています。もちろん、手洗いなどの基本もしっかりやりますね。
Seibii年間MVPを受賞した時の心境はいかがでしたか?
もう、びっくりしました。素直に「泣きそう」になりました。
広島にいて、東京の本部とも直接会うことはほとんどなくて、「自分のことなんて、そんなに見られてないだろう」とどこかで思っていたんです。全然そんなことなく、しっかり見ていただけていることがわかりました。
日々の仕事をコツコツやってきただけなんですけど、それが評価されたことが本当に嬉しかったですね。
当日は全国のメカニックの方とも話ができて、すごく刺激を受けました。
副業としてセイビーをやっている人、地域をまたいで遠征している人、家族との時間を優先しながらうまくスケジュールを組んでいる人。
みんなそれぞれ、自分なりの働き方を組み立てているんですよね。
「同じセイビーで働く同志でも、こんなに多様な働き方があるんだ」と面白くてたまりませんでした。
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当日いただいたトロフィーやKTC様にいただいた名前入りのラチェットはこのように飾ってます!
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感謝祭でもらった整備士御守も車につけていますよ
セイビーに対する要望はありますか?
西日本でイベントをやってほしいですね。広島に来てとは言わないですけど、セイビーとして行きやすい場所があれば、そこで西日本・四国向けの勉強会だったりイベントをやってほしいです。
感謝祭は本当に楽しかったんですよ。映像でしか見たことなかった人たちに実際に会えて、芸能人と会ってるみたいな感覚でした(笑)
あの余韻が4日ぐらい続きましたね。
それぞれが自分なりの働き方を確立している。その多様性が刺激的でした。
だから、ああいう機会を西日本でも作ってもらえたら嬉しいですね。
今後の整備士人生における目標や、実現したいことはありますか?
実は一つありまして。
今は軽バンで回っていますが、いつかトラックを買って、荷台にタイヤチェンジャーとバランサーを積みたいんです。
出張でその場でタイヤの組み換えができたら、最高にかっこいいじゃないですか(笑)
あんまり出張でタイヤ交換をできるところってないと思うんですよ。大手タイヤメーカーとか、そういうメーカーはやってない気がして。出張でタイヤ交換とかできたらすごくいいんじゃないかなって。
車検も整備もタイヤ交換も、全部その場で完結できる「走る整備工場」になりたい。
セイビーなら、そんな夢も実現できる気がしています。
最後に、かつての自分と同じようにキャリアに悩む整備士の方々へメッセージをお願いします。
登録に悩んでる人って、「フリーランスで本当に食べていけるのか?」という不安、痛いほど分かります。僕も登録した時は、まさかここまで稼げるとは思っていませんでしたから。
でも、一歩踏み出してみてください。 セイビーには、整備士をリスペクトしてくれる環境と、困った時に助けてくれる仲間がいます。
しかし全員が全員、同じスタートを切れるわけではないと思います。
エリアやタイミングもあります。
それでも、整備士としての腕を磨いてきた人なら、きっとどうにかなる。
3ヶ月、真面目に誠実に向き合えば、必ず軌道に乗ります。セイビーがどうにかしてくれる。
僕は、そう信じています。
整備士は大好き。でも環境が合わなくて諦めようとしてる人、たくさんいると思います。僕もそうでした。でも、セイビーと出会って、また整備士として生きていける道が開けた。
資格も技術もあるのに整備士を諦めてるメカニックがいるなら、もったいないです。
是非、一歩踏み出してみてください。
この度はインタビューにご協力いただき、誠にありがとうございました!
初任給手取り8万円という厳しい現実、親との確執、過酷な労働環境。
それでも「整備が好き」という想いを捨てきれなかった藤原メカが、PayPayアプリでたまたま見つけたセイビー。
そこから始まった第二の整備士人生は、私たちの想像を超える熱量と真摯さに満ちていました。
年間10万kmを走行し、お客様の目の前で車を直し、「ありがとう」の言葉をダイレクトに受け取る喜び。そして「マニュアルを見ること」の大切さを失敗から学び、さらに成長を続ける姿勢。藤原メカの仕事への向き合い方には、プロフェッショナルとして尊敬すべき姿勢が貫かれていました。その努力が実を結び、1000人以上いる整備士の中からMVPに選ばれたことは、まさに必然だったと感じています。
「自分を信じすぎない」「感謝一本」「体調管理は必須」藤原メカの言葉一つ一つに、フリーランス整備士として成功するためのヒントが詰まっていました。
本当にありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします!
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