「新車登録から10年を超えると車検は毎年必要?」
「10年目の車検費用はどれくらい高くなる?」
上記のようなお悩みはないでしょうか?
結論、新車登録から10年を超えても車検は2年おきです。
しかし、10年目を超えると劣化した部品の交換が発生する可能性が高くなるため、費用は高額となります。
本記事では、新車登録から10年以上の車検費用、交換することが多い部品一覧、車検費用を安くする方法を解説しています。
10年以上経過した車の車検をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
新車登録から10年以上でも車検は2年おき
1995年に制度改正が行われ、現在は、新車登録から10年以上が経過した車でも、車検は2年ごとに受けることが定められています。
まずは改正された制度の詳細やや毎年必要な点検について解説します。
車検制度が変わり10年目以降の車検も2年ごとに
「新車登録から10年以上経過した車は毎年車検を受けるの?」
このような質問をたびたび見かけますが、登録から10年以上経つ車は毎年車検を受けるルールがあったのは、1995年の制度改正以前です。
現在では、自動車技術の進歩や耐久性の向上により車検制度が変わり、10年以上が経過した車も車検期間は2年ごとになっています。
参考:内閣府「自動車検査制度等の抜本的見直し」
毎年必要なのは法定点検
毎年受ける必要があるのは、法定点検です。
車検は、検査時点において自動車が安全・環境基準に適合しているかを、一定期間ごとに国が必要最小限のチェックをしているものです。
あくまで必要最小限のため、車検の有効期限内の安全性を保証するものではありません。
一方、法定点検は自動車の安全を継続的に確保するための点検・整備です。
そのため点検・整備内容が異なりますので、下記の「車検と法定点検の違い」の表をご参考にしてください!
構造・装置 | 原動機 | 制御装置 | 動力伝達装置 | 排出ガス防止装置 |
---|---|---|---|---|
車検 | ・エンジンのかかり具合 ・異音の有無 | ・ブレーキテスタによるブレーキ力の検査 | ・動力を伝達するプロペラシャフト連結部のがた等 | ・排ガステスタによるアイドリング時に排出されるガス濃度の検査 |
法定点検 | ・エンジンオイルの汚れと液量 ・バッテリ液量等の点検 | ・ブレーキディスクの摩耗と損傷等の点検 | ・ミッションオイルの汚れと液量 | ・排ガス等に影響するエアクリーナの点検 |
なお、法定点検を受けていない場合は罰則がありませんが、車検を受けていない場合は罰則があります。
両者の違いについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧くださいませ。
法定点検と車検の違いとは?ステッカーや点検項目・検査項目について解説
法定点検と車検は実施時期が重なったり項目が似ているので分かりにくいです。実施しないと罰則のある車検と実施しなくても罰則の無い法定点検では大きく違います。この記事では点検項目や検査項目、ステッカーや車検シールについて詳しく解説します。
https://seibii.co.jp/blog/contents/inspection_shaken

新車登録から10年以上の車検費用はいくら?|乗用車・軽自動車
新車登録から10年以上経過した車の車検費用がいくらなのか、気になる方も多いでしょう。
以下は、車種別に13年・18年を経過した車の法定費用をまとめた表です。
車種 | 法定費用:13年経過 (エコカーを除く) | 法定費用:18年経過 (エコカーを除く) |
---|---|---|
乗用車(500~1,000kg) | 2万2,800円 | 2万5,200円 |
乗用車(1,000~1,500kg) | 3万4,200円 | 3万7,800円 |
乗用車(1,500~2,000kg) | 4万5,600円 | 5万400円 |
乗用車(2,000~2,500kg) | 5万7,000円 | 6万3,000円 |
新車登録から10年目以降の車検が高くなりやすい理由
新車登録から10年以上が経過した車は、車検費用が高くなりやすいとされていますが、それは何故なのでしょうか。
ここからは車検費用が高くなる2つの理由を解説します。
修理・整備費用が増える
10年以上経過した車は、部品が劣化している可能性が高く、車検を通すために部品交換が必要になる場合があります。
また、新車登録から10年を目安に交換が推奨されている部品も多いため、交換部品と工賃を合算すると車検費用が高額になる傾向があります。
13年目以降は税金が増える
登録から13年以上経過した車は、自動車重量税が一定の割合で値上がりします。
税金が増えるのは、主に環境への配慮が理由であり、古い車の利用を抑制し、新しい車への乗り換え促進を目的としています。
そのため、13年未満の車と比べて車検にかかる総額が高くなりやすいのです。
新車登録から10年目で交換することが多い部品一覧
車検10年目となると、経年劣化により部品の交換が発生する時期です。
特に、以下の表にある部品を交換することが多いでしょう。
交換部品 | 交換費用 |
---|---|
タイミングベルト | 5万円~ |
ウォーターポンプ | 2万円~ |
サーモスタット | 1万2,000円~ |
ラジエーターホース | 1万円~ |
ラジエーターキャップ | 3,000円~ |
フューエルフィルター | 3万~7万円 |
ブレーキパッド | 9,000円~ |
ブレーキホース | 9,000円~ |
ブレーキローター | 国産車 2輪…3万~7万円 4輪…6万~12万円 輸入車 4輪…50万円以上 |
ブレーキキャリパー | 1輪…1万~3万円 |
スプリング | 4万円~ |
ショックアブソーバー(ダンパー) | 2万5,000円~ |
ATフルード | 5,000円~ |
クラッチ | 5万円~ |
タイヤ | 4万円~ |
オルタネーター | 5万円~ |
バッテリ | 1万円~ |
エンジン回りや走行に関する交換部品
エンジン回りの部品の交換は、エンジンを正常に作動させるために必要です。
交換しない場合、エンジンストップやオーバーヒートを引き起こしやすくなるほか、車が炎上や爆発を引き起こすこともあります。
なお、ラジエーターキャップの理想的な交換頻度は1年に1度ですが、寿命が長いため10年経過しても問題ないと言われています。
そのため、10年目の車検で交換の機会を設けてもよいでしょう。
交換部品 | 耐用年数(交換推奨時期) |
---|---|
タイミングベルト | 10年 |
ウォーターポンプ | 走行距離10万kmもしくは交換から10年経過 |
サーモスタット | 走行距離10万kmもしくは交換から10年経過 |
ラジエーターホース | 走行距離15万kmもしくは交換から15年経過 |
ラジエーターキャップ | 1年 |
フューエルフィルター | 走行距離10万km |
ブレーキパッド | 5年~6年 |
ブレーキホース | 走行距離10万kmもしくは交換から10年経過 |
ブレーキローター | 走行距離10万km |
ブレーキキャリパー | 走行距離10万km |
スプリング | 走行距離10万kmもしくは交換から10年経過 |
ショックアブソーバー(ダンパー) | 走行距離5万kmもしくは5年経過 |
ATフルード | 走行距離3万km |
クラッチ | 7年~8年 |
タイヤ | 4~5年 |
足回りの交換部品
足回りの部品の交換は、ブレーキを効きやすくしたり走行を安定させるために必要です。
交換しない場合、ブレーキが効きにくくなったり破損したりするほか、ハンドリングの違和感や走行が不安定になることがあります。
電装系の交換部品
電装系の部品の交換は、エンジンをかけたりアイドリングストップ機能を使用したりするために必要です。
交換しない場合、エンジンがかからなくなったり、アイドリングストップ機能が使えなくなったりするため、車検10年目の機会に交換しましょう。
交換部品 | 耐用年数(交換推奨時期) |
---|---|
オルタネーター | 走行距離10万kmもしくは交換から10年経過 |
バッテリ | 一般的な車:2~5年 アイドリングストップ搭載車:2~3年 ハイブリッド車:4~5年 |
新車登録から10年以上の車検費用を安くする方法
新車登録から10年以上経過すると、自動車重量税の増額や部品交換によって車検費用が高くなることがわかりました。
しかし、「車検費用が高すぎて払えない!」とお困りの方もいるでしょう。
そのような方は、以下の方法をぜひお試しください。
- 日頃からメンテナンスを行う
- 複数の整備工場で相見積もりをとる
- 中古品・リビルト品を使用する
日頃からメンテナンスを行う
新車登録から10年以上経過した車の車検費用を抑えるには、日頃からのメンテナンスが非常に効果的です。
例えば、以下のような基本的なメンテナンスを怠らないことが重要です。
- エンジンオイルの定期交換
- タイヤのローテーション
- ブレーキパッドの点検
これにより、車の状態を良好に保ち、車検時の大がかりな修理や部品交換を回避できます。
異音や振動など、気になる症状があればすぐに整備士に相談することで、小さな問題が大きな故障に発展するのを防ぐことができます。
このように、日々の丁寧なケアが結果的に車検費用の削減につながるでしょう。
長期的な視点で考えれば、定期的なメンテナンス費用は決して無駄ではなく、むしろ車検時の高額出費を防ぐための賢明な投資といえます。
複数の整備工場で相見積もりをとる
新車登録から10年以上経過した車の車検費用を抑えるには、複数の整備工場で相見積もりをとることが効果的です
この方法により、最適な価格と信頼できる整備工場を見つけることができます。
なぜなら、各工場の料金体系や提供サービスを比較することで、市場の相場を把握し、適正な価格で質の高いサービスを受けられるためです。
最低でも3社以上の整備工場から見積もりを取得し、以下の内容を細かく比較しましょう。
- 総額
- 点検項目や部品交換の有無
- アフターサービスの内容
- 古い車種に対する知識や経験
このように、相見積もりを通じて得られた情報を総合的に判断することで、コストパフォーマンスの高い整備工場を選ぶことができます。
中古品・リビルト品を使用する
新車登録から10年以上経過した車の車検費用を抑える効果的な方法の一つは、中古品やリビルト品を使用することです。
中古品やリビルト品は、新品と比べて格段に安価であり、適切に選べば十分な品質と性能を確保できます。
また、ボディパーツなどは、同型車から取り外された中古品を使用することで、大幅なコスト削減が可能です。
例えば、以下のような高額部品を交換する際に使用できます。
- エアコンコンプレッサー
- オルタネーター
- ボディパーツ
信頼できる業者から購入したリビルト品を使用することで、新品の半額以下で済むことがあります。
10年目以降の車検も出張整備のセイビーがおすすめ!
「手間なく車検を受けたい」という方には、出張整備のセイビーがおすすめです。
セイビーならネットからの簡単な予約で指定の場所へ整備士が出張。その場で車検の見積もりや車検当日の車の引き取りを行います。
自ら車を移動させる必要がないため、手間がかからないだけではなく、車検切れなどの理由で公道を走行できない車も対応が可能です。
10年目以降の車の車検を検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!
車検10年目でよくある質問
車検10年目では、以下のような質問を多くいただきます。
それぞれ回答しておりますので、不安な方は参考にしてください。
毎年車検を受けなければならないケースはある?
自家用車でない場合、毎年車検を受けなければならないケースもあります。
以下の表にまとめているため、当てはまるかどうかお確かめください。
車種 | 車検が必要な期間 |
---|---|
旅客運送事業用自動車(バス・タクシー等) | 1年 |
貨物自動車 普通:車両総重量8トン以上 |
1年 |
貨物自動車 小型:車両総重量8トン未満 |
初回2年次回以降1年 |
貨物自動車 軽自動車 |
2年 |
特殊自動車(ロードローラー等) | 2年 |
特種自動車(消防車、広告宣伝用自動車、キャンピングカー等) | 2年 |
参照:内閣府「自動車検査制度等の抜本的見直し」
走行距離が10万kmを超えると車検費用相場は上がる?
走行距離が10万kmを超えると、一般的に車検費用の相場は上がる傾向にあります。
これは、走行距離の増加に伴い、車の各部品の摩耗や劣化が進むためです。
そのため、車検時により多くの部品交換や修理が必要となり、結果として費用が増加することが多いです。
例えば、10万km未満の車では通常の点検と軽微な部品交換で済んでいたものが、10万kmを超えると、より大がかりな整備が必要になるケースもあるでしょう。
このように、走行距離10万kmは車検費用が上昇する一つの目安となります。
新車登録から10年目以上の車は手放すべき?
新車登録から10年以上が経った車でも、メンテナンスや車検をすれば手放す必要はありません。
しかし、新車登録から年数が経つほど、車の部品は劣化し、修理費やメンテナンス費用が増える傾向があります。
経済的な負担が大きくなる可能性も高くなるため、車の状態や経済紙状況、ライフスタイルなどから総合的に判断することが大切です。
まとめ
新車登録から10年以上の車でも2年おきに車検を受けると、部品交換が必要になる可能性が高いことがわかりました。
車検10年目になると、走行距離が長くなるため買い替えを検討する方も多いでしょう。
また、部品の交換が必要になることから「10年になったら買い替えよう」と購入時から考えている方も少なくありません。
しかし、日ごろからメンテナンスを行えば、10年以上経過した車でも問題ありません。
メンテナンスがなかなかできないことや部品交換が難しい場合は、出張車検のセイビーまでご相談ください。
ご希望の場所までお伺いするため、点検も車検も店舗への移動・待ち時間なしで完了できます。
まずは、お気軽にご相談くださいませ。