スパークプラグは、ガソリン車の燃料(ガソリン)を発火させるためのパーツです。
エンジンを動かすために重要な役割を持つこのパーツですが、多くの乗用車ではエンジンカバーの中に設置されているため「目にしたことがない」という方も多いのではないでしょうか。
タイヤやバッテリーなどの消耗部品と比べると、そこまで身近ではないスパークプラグですが、劣化が進むと「エンジンがかからない」等重大なトラブルに繋がる可能性があります。
万が一、スパークプラグに不具合が生じた場合に慌てないためにもスパークプラグの役割や種類、故障の症状を確認しておきましょう。
目次
スパークプラグの役割
ガソリン車のエンジンは「吸引」→「圧縮・点火」→「爆発・膨張」→「排気」の4サイクルを連続的に繰り返すことで動いています。
このうち「点火」の役割を担うのがスパークプラグで、エンジンの安定稼働に欠かせない重要なパーツです。
スパークプラグは電気の放電の仕組みを利用してガソリンを点火しており、点火のための放電により徐々に先端の電極が劣化・摩耗していきます。
劣化や摩耗が進むと「適切なタイミングで点火ができない」「火花の飛び方が弱くなる」などの不具合が生じるケースも。
定期的なメンテナンスや適切な時期での交換が大切です。
スパークプラグの種類
スパークプラグには、大きく分けて次の3種類があります。
【スパークプラグの種類】
- レジスタープラグ(一般プラグ)
- 白金プラグ
- イリジウムプラグ
それぞれ使用している電極の素材が異なり、寿命にも違いがあります。
レジスタープラグ(一般プラグ)
レジスタープラグは一般プラグとも呼ばれており、他のプラグよりも手頃な価格で販売されています。
電極にはニッケル合金を使用。白金プラグやイリジウムプラグと比較すると耐久性や着火性能は低いという特徴があります。
寿命は走行距離1〜2万km程度です。
白金プラグ
白金プラグは電極に白金(プラチナ)を使用したスパークプラグです。
同じ白金プラグの中にも中心電極だけが白金のものや、外側電極まで白金のものなどさまざまな種類があり、白金の使用割合によって価格に差が生じます。
白金は、レジスタープラグ(一般プラグ)に使用されているニッケル合金よりも融点が高いため、性能・耐久性に優れ、燃費にも良いとされています。
寿命は一般プラグと同程度のものから、10万km程度まで使用できるものまでさまざまです。
イリジウムプラグ
イリジウムプラグとは、電極にイリジウムを使用したスパークプラグです。
他の種類のスパークプラグと比較すると1本当たりの値段は高額ですが、電極を細く製造することができるため、スパーク性能が優れており、エンジンの始動性が良くなります。
耐久性が高く燃費も良いため、車の性能にこだわっている方にも人気のスパークプラグとなっています。
寿命は一般プラグと同程度のものから、10万km程度まで使用できるものまで様々です。
車のスパークプラグ故障時の症状
スパークプラグが故障すると次のような症状が現れるケースがあります。
【スパークプラグ故障時の症状】
- アイドリングが不安定になる
- スムーズに加速しない
- エンストが頻発する
- エンジンがかからない
スパークプラグ以外のパーツが原因で上記のような症状が現れるケースもありますが、原因のひとつとして考えるようにしてください。
アイドリングが不安定になる
スパークプラグは、軽自動車に3個程度、普通車には4〜8個程度が搭載されています。
このうちのひとつでも劣化や摩耗により火花が出せない状態になると、アイドリングの不調につながる場合があります。
いつもと比べエンジンの音が不規則だと感じたら、スパークプラグが正常に作動していないかもしれません。
アイドリングが不安定になっている症状が出ていると、特にスパークプラグやイグニッションコイルが故障している可能性が高いので、交換するようにしましょう。
スムーズに加速しない
スパークプラグに不具合が生じ、正常に点火ができていないと「スムーズに加速ができない」「加速できるまでに時間がかかる」などの症状が出る場合があります。
スパークプラグ以外のパーツが原因となっている可能性もありますが、スパークプラグが正常に動いているか、摩耗や劣化がすすんでいないかを確認することをおすすめします。
エンストが頻発する
スパークプラグが正常に動作していないと、AT車でもエンストが起こる可能性があります。
ガソリン車のエンジンは「吸引」→「圧縮・点火」→「爆発・膨張」→「排気」のサイクルを繰り返すことで動いていますが、スパークプラグの不調で「点火」の工程にトラブルが生じると、自力で動き続けることができなくなってしまうのです。
もちろん、他の工程で不具合が起きている可能性も考えられますので、原因が分からない場合にはプロに点検を依頼することをおすすめします。
エンジンがかからない
エンジンをスタートする際に「セルモーターは回るのにエンジンがかからない」という場合は、スパークプラグが故障しているかもしれません。
車には複数のスパークプラグが取り付けられており、1つだけの故障であればエンジンがかかるケースもありますが、複数のスパークプラグが故障してしまうとエンジンがかからなくなってしまいます。
突然エンジンがかからなくなるというトラブルを防ぐためにも、不調を感じたら早めに点検を受けるようにしてください。
スパークプラグの点検方法
ここからはスパークプラグの点検に必要なものや、点検手順をご紹介します。
こまめに点検を行うことでエンジンの不調を防ぎましょう。
点検する際に準備するもの
- 軍手
- プラグレンチ
- トルクレンチ
上記以外にも圧縮エアーもあれば用意しておきましょう。
ゴミや水分をプラグホールから吹き飛ばすことで、異物混入による故障を防げます。
スパークプラグの点検手順
プラグホールの点検は以下の手順で行ないましょう。
- ボルトとカプラーを外し、イグニッションコイルを取り外す
- プラグレンチでプラグを外す
- 中心電極の焼け具合と設置電極の摩耗具合を確認する
- ターミナルに青サビや腐食がないか確認する
- プラグレンチでプラグを設置する
- トルクレンチで規定トルクまで締め付ける
- ダイレクトイグニッションコイルを元に戻す
- エンジンをかけ正常に動作するかを確認する
点検を行う場合は、どのプラグがどの気筒に付いていたかが分かるよう、印を付けるなどの工夫をすることがおすすめです。
症状あるのにプラグに異常がない時はどうする?
「エンジンがかからない」「アイドリングが不安定」などの不調があるにも関わらず、スパークプラグに異常がない場合、不調の原因はどこにあるのでしょうか。
スパークプラグが故障した場合の症状と似た症状が出るパーツをご紹介します。
考えられる原因:イグニッションコイル
症状が出ているのにも関わらずスパークプラグに異常がなかった場合、イグニッションコイルにトラブルが生じている可能性があります。
イグニッションコイルは点火に必要な電圧に電気を変換し、スパークプラグに電気を流す役割を持つパーツです。
イグニッションコイルが故障し、適切な電気が送られなくなるとスパークプラグも正常に動作しません。
故障箇所が分からないときはプロに依頼
スパークプラグ、イグニッションコイルともに簡易的な診断方法はネットにも載っていますが、普段からあまり整備を行なっていない方の場合、いきなりエンジンに関連するパーツを触るのはあまりおすすめできません。
点検や交換の作業が故障の原因となる可能性もありますので、不安な方はプロに依頼した方がいいでしょう。
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まとめ
エンジンの正常な動作に欠かせないスパークプラグは非常に重要なパーツですが、劣化や摩耗が起こる消耗部品です。
交換目安をすぎても使い続けていると、エンジンがかからない・加速がもたつくなど不具合の原因となるケースも少なくありません。
定期的な点検・メンテナンスを行いエンジンの不調を防ぎましょう。