自動車保険は「万が一の備え」として考えられていますが、生活のデジタル化が進む今、その価値は補償の枠を超えつつあります。お客様が日常的に使うカーライフサービスとどのように結びつけられるのか。
業界をリードし続けるSOMPOダイレクト 平尾氏は、いち早くその可能性に目を向け、Seibiiとの協業をスタートさせました。今回のインタビューでは、出張車検を実際に体験された率直な感想から、これからのデジタルカーライフの展望までを伺いました。
セイビーとの関わりはどのようなきっかけでしたか。
自動車保険契約者向けに補償以外の日常サービスを検討していたときに、「カンタン・便利にデジタルで提供できる仕組み」を探していたんです。
そのときネットでSeibiiを見つけましてね。これは面白いと思って、休日の昼間にお客様向けの窓口に直接電話してしまったんです。いわば“求愛”のような形で始まりました。
SOMPOダイレクト損害保険株式会社 経営企画部 営業戦略室 部長 平尾 昌也氏
現在のお仕事について教えてください。
経営企画部の営業戦略室で10名ほどのメンバーと活動しています。従来はダイレクト保険を中心に取り組んできましたが、そこから一歩踏み出し、将来を見据えてパートナービジネスを広げているところです。
保険代理店という枠組みにとらわれず、他社の本業とシームレスにつながるような新しいモデルを作れないかと考えています。パートナー企業と共に新しいビジネスやデジタルサービスを検討し、お客様との接点を広げていくのが私の役割です。
セイビーとの現在の取り組みについて教えてください。
「次世代外部連携モデル」の一環として、Seibiiのオンライン車検申込をご利用いただいたお客様に、自動車保険の見積りを自動で提示するPoCを進めています。API連携を活用したエンベデッドインシュアランス(組込型保険)の実証実験です。
「出張整備」「出張車検」と聞いて、どのような印象を持ちましたか。
最初に聞いたときは直感的に「これは現代人が求めるタイパの究極形だ」と思いました。ただ一方で、品質や丁寧さはどうなのだろう、という不安も少しありました。
実際に出張車検を利用された理由と、使ってみた印象を教えてください。
あまり深く調べずに「まずは試してみよう」と思ったのがきっかけです。最初は不安もありました。初回来訪で大掛かりな作業をするのではないか、広いスペースが必要なのではないか、車検有効期限が迫っているけれど間に合うのか、当日は長時間かかるのではないか……。
そういった心配をしていましたが、実際はすべて杞憂でした。省スペースで短時間、しかも丁寧な説明があり、とても安心できました。「これはタイパ最高の車検だ」と実感しましたね。
実際に利用してみた感想を教えてください。
手間をかけずに、何もせずに車検が完了する。まさに期待どおりでした。出張点検のときは自宅で横になって待っているだけ。
出張だからといって特別な準備をする必要もなく、整備に関する連絡や支払いもノンストレスでした。本当に「ラクに済む車検」だと思います。あまりに快適だったので、すぐにマンションのオーナーにも薦めてしまったくらいです。
日程調整はスムーズでしたか。
ここは体験価値の肝だと思っています。ディーラーで車検を受けていたときは、まず予約が取りづらい。自分の休日に合わせる必要があり、車を預けて電車で帰る、といった段取りが当たり前でした。それが今回は、住所を入れると候補がすっと出てきて、やり取りもスムーズでした。
一方で、もっと先まで進められる余地も感じました。私の場合、車検満了が8月31日で、最初の申し込みが8月8日。途中で出張や外出が入り、最短で動けない週もありました。つまり、システム側の空きと自分の予定の空きは必ずしも一致しない。ここをどう埋めるか。例えば、鍵の受け渡しさえクリアできれば、こちらが意識しないうちに車検が終わっている、そんな“無人車検”に近い体験は十分あり得ると感じました。
理想は、勤務先や外出先で用事を済ませている間に車検が完了している、という形です。現実的にも、難しい自動化をしなくても到達できるところはあるはずで、そこまで含めて「気づいたら終わっていた」に近づけると、価値はさらに上がると思います。
株式会社Seibii 代表取締役 千村(手前)、平尾氏(奥)
改善点があれば教えてください。
正直、特に思いつく点はありませんでした。想像していた以上にスムーズで、不安に思っていたことも全く問題になりませんでした。今後は日程調整のさらなる非同期化が進むと、より完成度が高まると感じています。
今後の展望を聞かせてください。
現在進めているPoCは通過点にすぎません。今後は補償とサービスの境界がますます溶け合い、人々の生活はデジタルを通じて大きく変わっていくでしょう。AIエージェントが人に寄り添い、最適な保険やサービスを自然に選び、提案してくれる。そうした世界は、すぐそこまで迫っています。
ただし、デジタルの便利さだけでは本当の安心は生まれません。保険の本質は「安心を届けること」にあり、その根幹を支えるのは人です。Seibiiのように品質や丁寧さを徹底し、安心感を提供できる企業と組むことで、初めてデジタルが生きてくる。つまり、人が介在するからこそ、テクノロジーの価値が保証されるのです。
これからのカーライフは、デジタルによって効率化されると同時に、人の信頼や温かさによって守られていく。その二つが一体となって初めて、生活者にとって「真の安心」が実現されると考えています。だからこそ、Seibiiのように常に進化し続ける企業と共に、ゼロからアイデアを出し合い、新しいモデルを形づくりたい。必要であれば制度さえ変えていくような気概を持ち、未来を切り拓いていきたい。
カーライフが人とデジタルの両輪によって支えられていく時代に、安心を核に据えた新しい日常をともに築く。それが私たちの使命であると感じています。