冬の安全な走行に欠かせないスタッドレスタイヤは「適切な交換タイミングはいつか」「去年のタイヤをそのまま使っても良いのか」など、雪の降る時期にしか使わないものだからこそ多くの疑問が生まれるものです。
今回の記事ではそんなスタッドレスタイヤにまつわるお悩みを解消するために、スタッドレスタイヤの役割から交換時期・交換方法まで徹底解説します。
スタッドレスタイヤは冬が近づくにつれ、交換作業が混み合ったりタイヤが品薄になったりすることもあるので、早め早めの対策が必要です。
そのためスタッドレスタイヤへの交換タイミングや買い替えの際は早めに検討しましょう。
目次
スタッドレスタイヤの役割
スタッドレスタイヤは、滑りやすい雪道や凍結した路面を走行する際にも「走る」・「曲がる」・「止まる」の3つの車が持つ基本動作を安全に行うためのものです。
安全な走行のためにスタッドレスタイヤのゴムは、低温でも硬くなりにくい素材を採用しています。
また深く特殊な形状の溝は、スリップの原因となる雪をしっかりとかき込み、うまく排出してくれるため、滑りやすい路面でもグリップ力を発揮します。
わざわざタイヤを履きかえるのは面倒、冬しか使わないからもったいないと感じる人もいるかも知れませんが、スタッドレスタイヤと夏用タイヤでは、雪道や凍結路面での走行性能に大きな違いが生まれます。
安心安全なドライブのためにも、本格的な冬を迎える前に準備をしておきましょう。
スタッドレスタイヤの交換時期は「気温」に着目
「スタッドレスタイヤは、雪が積もったときに必要」と思っている方も多いですが、雪が降らない地域でもタイヤの交換は必要です。
その理由はタイヤに使われているゴムの性質にあります。
夏用タイヤに使われているゴムは暑さや熱に強い特徴がある一方で、気温が低いと硬くなりやすく、寒い季節にはグリップ力が失われるためスリップの原因となることがあるのです。
気温が7度程度になると路面凍結の可能性が増えるため、雪が降る・降らないに関わらずスタッドレスタイヤへ交換をしましょう。
スタッドレスタイヤの交換方法
車体を持ち上げる必要があるタイヤ交換は、大掛かりなイメージがありますが、慣れてしまえば1本10~15分程度で交換することが可能です。
とはいえ工具の用意や作業スペースの確保が必要となるため、お店に依頼したいという方も多いでしょう。
そのためここでは「ホイールは変えずに夏タイヤと冬タイヤを交換する組み換え」ではなく「ホイールごと夏タイヤ用から冬タイヤ用に交換する履き替え」の方法について解説していきます。
自分で交換する
タイヤの交換は自分ですることができますが、安全のためには工具の準備と正しい手順での交換が大切です。
スタッドレスタイヤへの交換を自分でしようと考えている方は、あらかじめ必要なものや交換方法を理解したうえで作業をするようにしてください。
用意するもの
交換作業を始める前に必要なものを用意しましょう。スタッドレスタイヤへの交換で最低限必要なのは以下の4つです。
- 作業用軍手
- スタッドレスタイヤ
- ジャッキ
- ホイールレンチ
交換前のタイヤにホイールカバーが付いている場合は、専用工具かマイナスドライバーを用意してください。
交換の手順
スタッドレスタイヤを自分で交換する際は下記の手順で行うと良いです。
- ホイールカバーが付いている場合は外す
- ホイールレンチでボルトを緩める
- 車体を持ち上げる(ジャッキアップ)
- ”2”で緩めたボルトを取り外す
- 夏用タイヤを外しスタッドレスタイヤを取り付ける
- 車体を地面に下ろす
- ホイールレンチでボルトを締める
- ホイールカバーが付いている場合は取り付ける
自分でタイヤを交換する際に、特に注意が必要なのは車体の上げ下げと、タイヤ取付け後のボルト締めです。
ジャッキは使い方が間違っていると倒れる可能性がありますので、必ず取扱説明書を確認して作業するようにしてください。
また交換後にボルトの締めが甘いと、走行中にタイヤが外れてしまう危険性があります。
逆に強すぎても破損の原因となりますので、トルクレンチを使い、規定のトルクをかけることが望ましいです。
お店で交換する
お店にスタッドレスタイヤ交換を依頼すれば、プロが作業をしてくれるため、トルクが強すぎる・弱すぎるなどといった安全面での心配はないでしょう。
しかし、冬直前や雪予報が出ている場合はタイヤ交換を依頼する人が多いため、すぐに作業をしてもらえないケースが多いです。
そのためお店に交換作業を依頼する場合には、早めに予約を取り、交換を済ませておくようにしましょう。
またお店で交換する場合は予約が取れても待ち時間が長い場合があるので、その場合は待ち時間がない出張サービスを活用すると、予約の待ち時間に縛られずタイヤ履き替えが可能になります。
車の出張整備のSeibii(セイビー)でもスタッドレスタイヤ履き替えサービスを行っていて、
- 自宅まで伺うのでお店で待つ必要がない
ということ以外にも、
- プロの整備士が作業をするため安心
- 重いタイヤの持ち運びの必要なし
- 予約が取りやすい
などメリットがいっぱいです!
出張スタッドレスタイヤ履き替えの相談やご予約はいつでも受け付けているので、気軽にご相談してください!
料金
スタッドレスタイヤの交換にかかる費用は、作業内容やタイヤのサイズによって異なります。
ホイールごと交換する履き替えの場合は1本1,500円~3,000円程度で4本セット履き替えで合計6,000円~12,000円程度が多いかと思います。
ホイールとタイヤのゴム部分を付け替える組み替えの場合は履き替え料金とは別で1本1,000円~2,000円程度の工賃が必要です。
またタイヤが大きいほど工賃は高額になる傾向があり、店舗によって価格設定も様々なので、安くタイヤ交換を済ませたいのであれば、工賃が比較的安いカー用品店などに作業を依頼することも一つの手です。
車の出張整備のSeibii(セイビー)ではタイヤの大きさに関わらず、タイヤの履き替え4本合計88,00円(1回分)で対応しているので、思いのほか高額になった方でも安心して活用することが出来ます。
さらに、夏用への履き替えを加えた2回分で15,000円のセット料金も用意しており、大変お得です。
お問い合わせやご予約はいつでもお待ちしておりますので、お気軽にご相談ください!
所要時間
作業時間は、タイヤ4本の履き替えで30分~1時間程度が目安となります。
しかし、スタッドレスタイヤが必要になる時期には多くの人がタイヤ交換を依頼するため、かなり長い待ち時間が発生することもあります。
そのため、スタッドレスタイヤへの交換は早めに行っておくことが大切です。
スタッドレスタイヤの保管方法
安全な走行のために欠かせないスタッドレスタイヤですが、冬が終われば次のシーズンまで保管する必要があります。
正しく保管をしないとゴムの劣化の原因となり、必要なタイミングで使えないこともありますので、タイヤの保管には注意が必要です。
直射日光や雨を避ける
タイヤはゴムでできているため、紫外線や湿気が劣化の原因となります。
そのためスタッドレスタイヤの保管は直射日光や雨が当たらない屋内に保管するようにしましょう。
風通しのいい場所
タイヤカバーやビニール袋にタイヤを入れて保管する方も多いですが、空気の通り道が少ないと中に湿気がたまってしまうことがあります。
湿気はゴムの劣化の原因となりますので、風通しの良い場所に保管し、定期的に空気の入れ替えをするようにしてください。
空気圧は半分にする
タイヤはサイズが大きく保管にスペースを取るため、重ねて保管する場合が多いと思いますが、空気が入ったままタイヤを重ねるとゴムが変形してしまうことがあります。
そのためタイヤを保管するときは、空気を半分程度抜くようにしてください。
定期的に配置換えする
タイヤは長期間同じ場所に負荷がかかり続けると、地面や他のタイヤとの設置面が劣化してしまいます。
そのため定期的に裏返すなど、負荷がかかる場所を変えることでタイヤを長持ちさせることが可能です。
スタッドレスタイヤの買い替えタイミングの目安
1年の中で冬の限られたシーズンでしか使わないスタッドレスタイヤ。いつ買い換えるのが適切なタイミングなのか悩む方も多いでしょう。
ここからは買い替えのタイミングについて解説します。
劣化の確認をする
スタッドレスタイヤは劣化状態を確認して、買い替えが必要かを判断しましょう。
劣化したタイヤを使い続けていると、せっかくスタッドレスタイヤに履き替えても十分な効果を発揮できませんので、夏用タイヤから履き替える前にご紹介する項目を必ず確認するようにしてください。
使用年数
スタッドレスタイヤは一般的に3年~4年が寿命といわれています。
これはあくまでも目安で、保管状態や使用状況によっては1,2年でもゴムが劣化している可能性がありますので、溝の深さやゴムの状態をあわせて確認するようにしてください。
溝の深さ
スタッドレスタイヤには雪や凍結した路面でも安全な走行を確保するために、夏用タイヤとは異なる特殊な形状の溝が設計されています。
この溝が減っているとスリップの原因となることがありますので、必ず確認するようにしてください。
新品時から50%以上ゴムがすり減っていれば交換が必要です。
どれだけ減っているかはタイヤに付いている「プラットホーム」と呼ばれるゴム盛り上がりで判断してください。
プラットホームがタイヤ表面に露出していれば、50%以上ゴムが磨耗しているというサインです。
ゴムの硬さ
新品時にはやわらかいスタッドレスタイヤですが、時間の経過や使用とともに劣化し、硬くなっていきます。
ゴムが硬くなった状態のタイヤは安全性が損なわれるため、タイヤの買い替え判断は硬さを確認する必要も大切です。
しかし触っただけではまだ使えるのか、交換が必要なのかを見極めることはできません。ゴムの硬さを確認するためには硬度計が必要なので、お近くのカー用品店やガソリンスタンドなどで計測してもらうことをおすすめします。
製造年数
どれだけ気をつけて保管をしていても、ゴムは劣化してしまうものです。たとえ未使用品だったとしても長く保管するだけでタイヤの性能は落ちてしまいます。
そのため製造から5年程度が経過したタイヤは使用前に劣化状態をプロに確認してもらったほうが良いでしょう。
また未使用品だったとしても製造から10年以上経過している場合は新しいものに買い換えることをおすすめします。
スタッドレスタイヤの選び方
北海道や東北地方だけではなく、都心部でも冬にスタッドレスタイヤを使用することが一般的となっています。自動車を安全に走行させる必需品として選び方を確認してみましょう。
スタッドレスタイヤの種類
スタッドレスタイヤの種類は主に走行性とエコ・耐久性の2つに分類されることができます。車を運転する時の用途や地域、頻度などによって自分自身の生活スタイルとも合わせて選ぶ必要があります。
走行性能による分類では冬において、全国各地の路面上の状態は大きく変わってきます。各地域の特性に合わせた特徴を持っているスタッドレスタイヤを選ぶことで、安定した車の運転につながります。
エコや耐久性でも性能や特性による選定ができます。サマータイヤに比べて磨耗が激しいため年数は持たないと言われています。どのような用途に使用するのか考えて選びましょう。
走行性能による分類
走行性能による分類では大きく分けて3つに分類されます。
・氷上性能
氷上性能とは凍結路面においての走行性能を示します。アイスバーンとも呼ばれ、凍結路面での滑りにくさの指標です。タイヤの路面への密着度を高めることで滑りにくくなります。
・雪上性能
路面に雪が積もっている状態での走行性能を示します。雪道での滑りにくさが良いタイヤでは、圧雪されていない雪道がある地域でもタイヤが空回りすることなく路面への密着度をあげてくれます。
・ドライ性能:ウェット性能
凍結や積雪のない状態の路面でも正常に走行できる必要があります。積雪がなければアスファルト面の走行になりますが、それでも快適に運転できる設計となっています。
エコ・耐久性の観点からの分類
冬季の路面を走る上で密着性の高いタイヤが有利ですが、エコや耐久性では劣る可能性もあります。都心部でも季節ごとにタイヤを履き替えることが一般的となっています。
・省エネ性
通常のサマータイヤに比べて、転がり抵抗が高く燃費も悪くなります。近年では走行性能を保ちながら燃費が落ちにくいタイヤが開発されています。
・ロングライフ性
柔らかいタイヤであるスタッドレスタイヤは、寿命が短くなる傾向にあります。使い方や環境による影響が大きいですが、一般的には3年から5年が寿命とされています。現在では長寿命化のタイヤも登場しています。
まとめ
「スタッドレスタイヤは雪が降ったときに必要」と考えている方も多いですが、夏用タイヤに使われているゴムは気温が低いと硬くなりやすくスリップしやすくなるため、降雪状況に関わらず交換する必要があります。
安全な走行を確保するためには、スタッドレスタイヤを正しく保管し、適切なタイミングで履き替え・買い替えを行うことが大切です。
冬の時期になるとお店での予約が取りにくい場合があるので、そんな時は出張整備サービスを活用するのも一つの手だと思います。
スタッドレスタイヤに関するの正しい知識を得ることで、冬のドライブも安全に楽しみましょう。