ドレスアップやカスタムのパーツとして人気の「リアスポイラー」
愛車に装着して楽しみたいところですが、リアスポイラーを装着すると車検に通るのか不安な方もいらっしゃるでしょう。
取り付けたはいいものの、車検に不合格となり取り外すことになった場合は、余計な時間や費用が発生します。
この記事ではリアスポイラーを取り付けても車検に通るのか、という疑問点について徹底解説します。
リアスポイラーをつけることで得られる効果や、車検に通るための保安基準などもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
リアスポイラーとは
リアスポイラーとは、ボディの後ろやトランクの先端などに取り付けられた、突起状の部品を指します。
エアロパーツの一種で、主にスポーツタイプの車に装着されていることが多いです。
ここからはリアスポイラーについて、下記の内容を詳しく解説します。
- リアスポイラーの効果
- リアスポイラーとリアウイングとの違い
- リアスポイラーの種類
リアスポイラーの効果
リアスポイラーに期待できる効果として、速度を出した走行時の安定性や燃費の向上があげられるでしょう。
リアスポイラーを着用した状態で速度を出すと、リア側にダウンフォースと呼ばれる力が働きます。
ダウンフォースとは、車体を路面に押しつけるように下向きに働く力のことです。
ダウンフォースが働くと直進時や加速時はもちろん、旋回時にも車体が安定しやすいです。
また、リアスポイラーを装着することで、空気の整流効果が生まれます。
車が走行しているとき、周囲の空気の流れは、ボディの形状により上下左右で変わります。
車体後方では乱気流になりやすいのですが、リアスポイラーによって空気を後方にスムーズに流すことが可能です。
結果として空気抵抗が軽くなり、燃費の向上にもつながります。
リアスポイラーの種類
リアスポイラーにはさまざまな種類があります。
- トランクスポイラー:トランクリッドに装着
- ゲートスポイラー:ハッチバック式(独立したトランクルームがない車)に装着
- オート(アクティブ)スポイラー:高速時に自動上昇し、低速時に自動格納する(ボタン操作可能なモデルもある)
リアスポイラーは、車種や目的に合わせて上記のような種類にわかれます。
リアスポイラーとリアウイングとの違い
リアウイングは、リアスポイラーと同様に、車の後部に装着するパーツです。
リアスポイラーはボディと一体になっていますが、リアウイングはボディとの間に隙間があるのが特徴です。
どちらも走行時の快適さを向上させる効果がありますが、仕組みや役割が若干異なります。
リアウイングはリアスポイラーと似たような形状で、ダウンフォース(車を地面に押し付ける力)を生み出す働きをします。
ダウンフォースによって車体が安定しタイヤのグリップ力が向上するため、コーナリングの安定走行が可能です。
リアスポイラーには、リフトフォース(地面と車の間に発生する揚力)と抗力(走行車が受ける空気の力)、2つの力を抑える役割があります。
2つの力を抑制することにより、走行時の安定性が向上します。
車検を通すにはリアスポイラーの保安基準を守る必要がある
リアスポイラーは、車検の保安基準を満たしていれば合格します。
純正のリアスポイラーを付けており、保安基準に適合しているような場合は特に問題ありません。
社外品の場合は、車検適合品を装着することで、車検に通るでしょう。
ただし、車との相性などにより、車検適合品であっても保安基準が満たされない場合があるので注意が必要です。
車検に通るリアスポイラーの基準
リアスポイラー(エア・スポイラ)の車検基準は「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第22条(車枠及び車体)」により定められています。
- リアスポイラーは車体の最後端、最外側となってはならない
- 外向きに尖っているまたは鋭い部分がないこと
- ウイング端と車体の隙間が20mm以内
- リアスポイラーのウイングの先端が、ボディの最外側から165mm以上内側である
- 165mm以上内側にない場合、その部分が歩行者に接触した際に衝撃を吸収できる構造になっている(ウイングの端付近に245N以下の力を加えたとき、ウイング部分が曲がる、回転、脱落する場合も衝撃を吸収できる構造として認められる)
参照:国土交通省
車検適合品であっても、実際に装着し、リアスポイラーが車体からはみ出すなど保安基準から外れていないかチェックするのが重要です。
リアスポイラーのメリット・デメリット
リアスポイラーを装備することによるメリットやデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
それぞれ解説します。
メリット
リアスポイラーを装備した場合に得られるメリットとしては、以下のものがあります。
- ドレスアップによる高級感やスピード感の演出
- 整流効果による空気抵抗の低減で燃費改善
- ダウンフォースの増加による高速走行時の安定性向上
走行時のメリットは、時速60~80kmで走行できる高速道路 でより実感できるでしょう。
デメリット
リアスポイラーを装備した場合に起こりうるデメリットは、以下のとおりです。
- 街中を走行する際はダウンフォースや整流効果が得られない
- 自作や社外品は車検に通らない可能性がある
- 洗車機利用時はリアスポイラー周辺の洗い残しが起きやすい
普段から高速道路を利用しない方は、リアスポイラーの効果を実感しにくいでしょう。
リアスポイラーの取り付け方・取り外し方
純正以外のリアスポイラーを自分で取り付ける、または取り外す場合のやり方を解説します。
リアスポイラーの取り付け方
リアスポイラーは以下の手順で取り付けます。
- 取り付け位置の調整:リアスポイラーを仮置きし、マスキングテープなどを活用して取り付け位置を確認
- 取り付け箇所の脱脂:取り付け位置のボディ脱脂を行う(汚れによる両面テープの粘着力低下を防ぐ)
- リアスポイラーの取り付け:両面テープを剥がし丁寧におく(貼り付け後数分置くことで確実に粘着する)
- 固定方法の確認:指示書通りに固定する(両面テープ以外に、ネジやボルトなども併用するか確認)
なお、作業はできる限り2人以上で行うようにしましょう。
取り付け位置がずれたり、車体を汚してしまったりなど、失敗につながるリスクを抑えられます。
リアスポイラーの取り外し方
リアスポイラーは以下の手順で取り外します。
- 釣り糸で固定面をはがす:接着面との隙間に釣り糸を入れて、少しずつ丁寧に動かす(ボディやスポイラーの傷予防)
- 粘着面をきれいにする:取り外し後、残った粘着面を灯油やライターオイルなどで取り除く
残った粘着部分にティッシュペーパーやキッチンペーパーをかぶせ、オイルを染み込ませ放置するのを数回繰り返すことで、きれいに粘着面を取り除けます。
リアスポイラーを取り外す際は、特別難しい手順を必要としません。
また、上記の方法を用いれば、車体を傷つける心配も少なくなります。
リアスポイラーの車検に関するよくある質問
リアスポイラーを装着した車の車検について、よくある疑問や質問にお答えします。
- リアスポイラーは構造変更が必要?
- リアスポイラーの取り付けは、両面テープとボルトのどちらがよい?
- リアスポイラーを店舗で取り付ける際の工賃は?
それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
リアスポイラーは構造変更が必要?
リアスポイラーは、以下の条件に該当する場合は構造変更が必要となります。
- 全長±3cm以上の変更
- 全高±4cm以上の変更
- 全幅±2cm以上の変更
上記はリアスポイラーを、溶接やリベットで装着した場合の条件です。
簡易的取り付け方法や、固定的取り付け方法(両面テープやボルトによる取り付け)で取り付けたリアスポイラーの場合は、構造変更は必要ありません。
リアスポイラーの取り付けは両面テープとボルトのどちらがよい?
車検適合品を取り付ける場合、基本的には両面テープのみで大丈夫なものが多いです。
ただし、接着時の下処理や手順を守らずに貼り付けるなど、確実に接着できていない場合は問題となります。
また製品によっては、「ボルト使用」など、指定の固定方法があれば従わなくてはなりません。
リアスポイラーを店舗で取り付ける際の工賃は?
車検適合のリアスポイラーを持ち込んで店舗で取り付けてもらう場合、工賃は1万円前後 が相場となっています。
また、塗装料金は1万7,000円〜3万円 となっており、パーツの大きさや依頼する店舗によって変動します。
他のパーツと同時に取り付けると割引を受けられる場合もあるので、事前に問い合わせるとよいでしょう。
リアスポイラーを装着した車の車検はセイビーへ
出張整備の「セイビー」では、プロの整備士がご自宅まで出張して車検を実施いたします。
工場への持ち込みや立ち会いなどが不要のため、お忙しい方でも自由時間の確保が可能です。
リアスポイラーが保安基準を満たしている場合は、安心して車検をご利用いただけます。
愛車のリアスポイラーが車検に通るか不安な方は、ぜひ一度セイビーにお気軽にお問い合わせください。
まとめ
本記事では、リアスポイラーの基礎知識や、リアスポイラーを取り付けた車は車検に通るのかについて解説しました。
リアスポイラーを装着することにより、走行の安定性が向上し、見た目もかっこよくなるため、ドレスアップやカスタムに欠かせないパーツといえるでしょう。
保安基準を満たしていれば、社外品や自作のリアスポイラーであっても車検に通ります。
自分で装着するのが不安な方は、店舗で取り付けてもらうと安心です。
車検適合のリアスポイラーを装着し、ドライブを楽しみましょう。
リアスポイラーの取り付けや車検で気になることがあれば、ぜひセイビーにご相談ください。