エンジンオイルが滲み出ている場合、どの程度の漏れなら車検に合格するか気になる方も多いでしょう。
「少量のオイル漏れは車検に通る?」
「オイルの滲みくらいなら修理しなくても大丈夫?」
このような疑問にお答えします。
この記事を読むことで、エンジンオイルの滲みがどの程度なら車検に通るのかがわかります。
また、エンジンオイルが滲む原因や対策方法、オイル漏れを放置して起こる重大なトラブルについても解説します。
オイル滲みが車検にどのくらい影響するのか不安な方は、ぜひ参考にしてください。
目次
【結論】エンジンオイルが滲み出る程度でも車検に通らない
基本的には、オイル漏れは少量であっても車検に通らない可能性が非常に高いです。
民間車検では、仮に不正を行った場合、国からの認証が取り消されてしまうリスクがともないます。
そのため、車検の際は厳しいチェックを行うと考えられるでしょう。
ユーザー車検の場合、車検場でオイル滲みが確認できなければ、問題ないと判断されます。
このことから、滲む程度なら検査前にきれいに拭き取っておけば、車検に通る可能性はあるでしょう。
ただし、オイル滲みは車の故障や重大なトラブルにつながる恐れがあります。
オイル滲みが確認できた場合は、車検に通す前に、できるだけ早めに修理するようにしてください。
エンジンオイルの漏れ方は2種類ある
エンジンオイルの漏れ方には 「内部漏れ」 と 「外部漏れ」 があります。
それぞれどのような漏れ方をするのか、特徴を解説します。
内部漏れ
内部漏れは、燃焼室からオイルが漏れ、ガソリンと一緒に燃焼している状態です。
車体下部やエンジンルームなど、外から見てもすぐにはオイル漏れに気づきにくくなっています。
内部漏れによって起こりうる症状は、以下のとおりです。
- マフラーから白い煙が出る
- オイルの減少速度が早い
- エンジンから異音や振動が生じる
- 加速性能が落ちる
内部漏れの早期発見のためにも、こまめにチェックしましょう。
外部漏れ
外部漏れは、エンジンオイルが車の外に漏れ出ている状態を指します。
車の下にオイルが垂れる、エンジンルームがオイルで汚れるなど、見た目でオイル漏れだと判断しやすいのが特徴です。
外部漏れが進むと、以下の症状が現れます。
- 焦げた臭いが発生する
- 地面にオイル溜まりができる
- オイルの減りが急速に進む
高温になる部分に付着したまま走行すると発火する恐れがあるため、外部漏れの場合は走行せず、応急処置や運搬車での移動を行いましょう。
エンジンオイルが滲み出る6つの原因
オイルが滲み出る原因として、おもに6つの理由が考えられます。
なぜオイルの漏れや滲みが起こるのか、詳しく見ていきましょう。
バルブシールの劣化
バルブシールは燃焼室にオイルが漏れる「オイル下がり」を防ぐ役割があります。
ステムシールと呼ばれることもあり、ステムとバルブガイドの隙間にあるシールです。
エンジンオイルを使い続けた場合、オイルに金属粉が混入してしまいます。
金属粉によりオイルが劣化するとシールの性能が低下し、結果としてオイル漏れにつながってしまうでしょう。
ガスケットの劣化
ガスケットは部品同士の隙間を埋め、部品間の液体や気体の漏れを防ぐ役割を持つパーツです。
経年劣化によって硬化や破損が発生し、気密性がなくなるためオイル漏れが発生します。
ドレンボルトの摩耗
ドレンボルトは、オイルパンの排油口を締める部品です。
ドレンボルトが摩耗すると排油口に隙間ができ、そこからオイルが漏れ出てしまいます。
もちろん、経年劣化 もオイル漏れの原因の一つです。
なお、ドレンボルトは締め付けがきつすぎても緩すぎてもよくありません。
自分で締める場合は、この部分にも十分注意しましょう。
オイルパンの破損
オイルパンはエンジン下部にオイルを溜めている部分です。
事故による衝撃や縁石などによる破損、経年劣化などによる錆つきから傷や穴が発生し、滲み・漏れにつながります。
他の部品と比較して漏れも目立ちやすいため、わかりやすいのが特徴です。
ピストンリングの摩耗
ピストンリングは、燃焼室にエンジンオイルが上がってくるのを防ぐ役割を持ちます。
摩耗によって隙間ができると、劣化部分からオイルが漏れ出てしまうため、気づいたらすぐに交換しましょう。
エンジンオイルの劣化
エンジンオイルが劣化したまま走行を続けると、各部品を劣化させてしまいます。
各部品の劣化はオイル漏れの原因につながりやすい ため、適切な時期にエンジンオイルを交換することが重要です。
エンジンオイル滲みが起きた際の応急処置・対策方法
エンジンオイルの滲みを確認したら、修理のために整備工場に持っていきます。
運転して工場に向かう場合、まずは応急処置を行い、オイル漏れを進行させないようにする対策が必要です。
ここでは、簡単にできる応急処置や対策方法を4つご紹介します。
エンジンオイル漏れ止め剤を使う
エンジンオイル漏れ止め剤は、オイル漏れを一時的に防ぐために使用されます。
劣化したガスケットやシールを膨張させ、気密性を高めるのが主な役割です。
3,000円程度で入手でき、短時間でオイル漏れを抑えることが可能です。
エンジンオイル添加剤を使う
エンジンオイル添加剤は、エンジン内部を洗浄したりオイルの粘度を高めたりします。
さらに シールの性能を回復する効果にも期待できるため、応急処置にも適しているでしょう。
ただし、使用してすぐに効果が出るわけではありません。
そのため、漏れる量が多かったり部品が割れたりしていると、他の方法での応急処置が必要になる場合もあります。
エンジンオイルを補充する
少量のオイル滲みの場合、規定量までオイルを補充すれば、通常の走行状態に近づけられます。
お近くのガソリンスタンドでも補充できるため、一度相談してみましょう。
ただし、基本的にエンジンオイルの注ぎ足しは推奨されていません。
本来エンジンオイルは交換するものなので、修理業者のところへ向かうまでの応急処置と理解しておくことが大切です。
高い粘度のオイルに入れ替える
通常使用しているオイルより高い粘度のオイルと交換することで、オイル滲みを抑えられる可能性があります。
ただし、車との相性によっては、逆にエンジンに負担がかかる可能性もあります。
メーカー推奨の粘度を確認してからオイルを交換するとよいでしょう。
エンジンオイル滲みの修理費用
エンジンオイル滲みの修理費用は、漏れの度合い・原因によって異なります。
修理金額の目安は、以下のとおりです。
- オイル滲み:数千円程度
- 内部漏れ:数十万円以上
- 外部漏れ:10万円前後
また、どこに修理を依頼するかによっても費用は異なります。
民間の整備工場であれば安く済む傾向にありますが、ディーラーに依頼する場合は、軽度のオイル漏れでも高い費用がかかるかもしれません。
【危険】エンジンオイル滲みを放置した場合に起きるトラブル
オイルが滲み出ている程度であっても、オイル漏れを放置してはいけません。
オイル漏れを放置した場合、どのようなトラブルが起きるのか解説します。
滲み出たエンジンオイルが発火して火災が発生する
エンジンオイルの滲みや漏れを放置すると、発火して火災につながる可能性があります。
エンジンオイルの発火点は350度前後といわれており、高温のエンジンやマフラーなどに付着すると発火する可能性が高いです。
マフラーやボンネットから白煙が出た場合、車両火災につながる恐れもあります。
ドライバーや周囲に危険が及ぶため、少量であってもオイル漏れを軽視してはいけません。
エンストが起きる
エンジンオイルが漏れてオイル量が減少すると、エンジン内のピストンがシリンダーと癒着し回転が停まる可能性があります。
エンジンが停止するとエンスト(エンジンストール)の状態となり、車の走行に支障をきたすでしょう。
オイルが減少しているかは、エンジンオイル警告灯が点灯しているかどうかで判断できます。
放置し続けると、最悪の場合エンジンの交換が必要になるため、すぐに対応しましょう。
道路交通法違反の罰則を受ける
オイル漏れのまま車を走行させていると、道路交通法違反の罰則を受ける可能性があります。
エンジンオイル漏れの場合は「整備不良制動装置等違反」に該当し、適用される罰則は以下のとおりです。
- 違反点数:2点
- 反則金:普通車9,000円・大型車1万2,000円
参照:警視庁|交通違反の点数一覧表
参照:警視庁|反則行為の種別及び反則金一覧表
また、駐車場を借りている場合、汚損による損害賠償を請求される可能性もあるため注意が必要です。
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まとめ
オイルが滲み出ている場合、車検には通らない可能性が高いです。
また、少量のオイル漏れであっても、放置していると不具合や重大な故障、トラブルに繋がり大変危険です。
車検に合格するためにも、早めの対処が必要となります。
この記事でお伝えした対処方法や日頃の点検、出張エンジンオイル交換などを活用し、安全な状態で車検に通しましょう。