ローダウンはサスペンションやスプリングを変えて車高を下げたカスタマイズで、見た目のかっこよさや安定した走行性能から根強い人気があります。
しかし、ローダウンは車検に通らないと不安に思う方も少なくありません。
この記事では、ローダウンを車検に通すために押さえるべきポイントを詳しく解説します。
また、ローダウンが原因で車検に通らない場合の原因についてもご紹介します。
この記事を参考に、安心してローダウンした愛車を車検に送り出しましょう。
目次
ローダウンは合法?車検に通らない?
ローダウン車は保安基準を満たしていれば合法であり、車検も問題なく通ります。
以前は、ローダウンなどの改造には運輸支局への改造申請が必要でした。
しかし、平成7年の規制緩和により、保安基準の範囲内であれば自由にカスタマイズできるようになりました。
ただし、保安基準を満たしていない場合は、当然車検には通りません。
保安基準については、後述する「最低地上高」(いわゆる車高)が大きなポイントになります。
ローダウン車検の基礎知識と注意点
ローダウン車の車検について、基礎知識や注意すべきポイントについて解説します。
ローダウン車検の費用
ローダウン車の車検費用は、通常の車検費用に加えて、ローダウンに関する整備費用や構造変更が必要な場合は、その費用もかかります。
- ローダウンパーツの点検・整備費用:ローダウンによって摩耗や劣化が早まる部品があるため、通常の車検よりも入念な点検・整備が必要
- 構造変更の申請費用:車高が大幅に変わるなど、構造変更が必要な場合は、申請費用や検査費用が必要
- 光軸・アライメント調整費用:ローダウンによって光軸やアライメントがずれるため、調整費用が必要
上記のような費用が別途かかることを覚えておきましょう。
車検の期間
ローダウン車の車検は、通常の車検期間と同様です。
新車登録から3年後に1回目の車検を迎え、その後は2年ごとに受ける必要があります。
必要な書類
車検に必要なものは、車検証、自賠責保険証明書、自動車納税証明書、整備記録簿などです。
ローダウン車の車検に必要な書類は、通常の車検に必要な書類に加えて、以下の書類が必要になる場合があります。
- 改造自動車等審査結果通知書:構造変更を行った場合に必要
- 自動車部品の保証書:ローダウンパーツが車検適合品であることを証明する書類
違法改造のローダウンでないことを証明しなければ車検に通らないため、忘れずに準備しておきましょう。
ローダウン車検で必ず押さえておくべき3つのポイント
ローダウンを車検に通すためには、以下の3点に注意しておきましょう。
- 最低地上高(基本は9cm)
- 構造変更の必要性の有無の判断
- 光軸・アライメントの調整
それぞれ解説します。
最低地上高(基本は9cm)
最低地上高は9cm以上と保安基準で定められています。
ただし、大きな車は10cm以上の場合もあるため、自車の最低地上高を把握しておきましょう。
基準値 | 最低地上高 |
---|---|
ホイールベース300cm以上 | 10cm以上 |
ホイールベース350cm以上 | 11cm以上 |
オーバーハング長73cm以上 | 10cm以上 |
オーバーハング長82cm以上 | 11cm以上 |
最低地上高の基準が適用される固定部品には、以下のものがあります。
- マフラー
- スペンションメンバー
- デファレンシャルギア
- オイルパン
- ボルト など
また、通常の最低地上高の計測対象とは異なる部品に、以下のものがあります。
- タイヤと連動する部品(ロアアームなど)
- 泥よけなど自由度を有するゴム製の部品
- 樹脂製のエアロパーツやアンダーカバー(灯火類のないもの)
これらの部品は、最低地上高が5cm以上あれば車検に合格します。
構造変更の必要性の有無の判断
車高が車検証に記載されている全高よりも±4cm以上変更した場合、構造変更が必要の場合があります。
ただし、取付方法や部品によっては、構造変更が不要の可能性があります。
まず、パーツの取付方法には、以下のものがあります。
- 恒久的取付方法:溶接やリベットで装着
- 簡易的取付方法:手で容易に着脱できる装着方法(蝶ネジ、クリップなど)
- 固定的取付方法:簡易的または恒久的取付方法以外の取付方法(ボルト、接着剤など)
±4cm以上変更した車高については、以下の条件を満たす場合は構造変更が不要となります。
- 指定部品を簡易的取付方法または固定的取付方法で装着している
- 指定外部品を簡易的取付方法で装着している
指定部品にはコイルスプリング、ショックアブソーバー、ストラットなどがあります。
指定外部品とは、指定部品として認められているもの以外の全てを指します。
リーフスプリングやトーションバーなどは指定外部品です。
恒久的取付方法で装着した指定部品または指定外部品が、車高から±4cm以上になった場合は構造変更します。
また、固定的取付方法で指定外部品を装着した場合も、±4cm以上変更の場合は構造変更が必要です。
ただし、これらの条件を満たしていても、保安基準に適合していない場合は車検に通らないため注意しましょう。
光軸・アライメントの調整
ローダウンによってヘッドライトの照射範囲が変わるため、ヘッドライトの光軸(ライトの向きや高さ)を調整しなければいけません。
また、アライメント(タイヤの角度)も再調整をしなければ、タイヤの摩耗や操作性の悪化など問題が発生します。
光軸やアライメントがずれていると、保安基準から外れて車検に通らないだけでなく、安全走行にも影響を及ぼします。
ローダウン後は光軸やアライメントの調整を行うことが重要です。
ローダウン車検の思わぬ落とし穴|思わぬ原因で不合格になることも
先述したポイントに気をつけても、車検に通らない場合があります。
車検に不合格になる理由に、次のような原因があげられます。
- 車検適合品でも取り付け方次第で車高が基準値未満になるケースがある
- ウインカーやフォグランプの位置が規格外になることがある
- コイルスプリングからエアサスペンションへの改造により構造変更が必要になるケースがある
それぞれ詳しく解説します。
車検適合品でも取り付け方次第で車高が基準値未満になるケースがある
装着したパーツが車検適合品であっても、取り付け方によっては車高が保安基準未満になるケースがあります。
スプリングやサスペンション、マフラーなど車高に影響がある部品は、注意が必要です。
車検適合品だから安心と思っていても、実際に取り付けたら車高が9cmに満たず、車検不合格になる可能性もゼロではありません。
パーツを装着した際は車高を計測しておくと安心でしょう。
ウインカーやフォグランプの位置が規格外になることがある
パーツの装着や車高を調整したことによって、ウインカーやフォグランプの位置が保安基準から外れる場合があります。それぞれの保安基準は、以下のとおりです。
- ウインカーの取り付け位置の基準値:下縁の高さが地上35cm以上
- フォグランプの取り付け位置の基準値:下縁の高さが地上25cm以上
また、樹脂製のエアロパーツは、車高9cm以上の対象外ですが、ウインカーやフォグランプが付属していた場合は車高9cm以上必要になるため、こちらもあわせて注意が必要です。
車高だけでなく、ローダウンにともなう灯火類の位置にも気をつけましょう。
コイルスプリングからエアサスペンションへの改造により構造変更が必要になるケースがある
純正がコイルスプリングのサスペンションの車をエアサスペンションにした場合、記載変更または構造変更(車高が±4cm以上変わる場合)をする必要があります。
これは、エアサスペンションが指定外部品であり、改造の届出が必要な「緩衝装置の種類の変更」であることが関係しています。
同様にエアサスペンションからコイルスプリングへの変更も、記載変更または構造変更の届出が必要です。
ただし、同じ種類のスプリングに変更する場合、保安基準を満たし、取り付け位置の変更などがなければ、記載変更や構造変更は不要です。
(純正エアサスペンションから社外エアサスペンション、純正コイルスプリングから社外コイルスプリングなど)
ローダウンの車検はセイビーにご相談ください!
ローダウンの車は、細かく基準が定められており、場合によっては車検に通らない可能性があります。
「自分の車が車検に通るか不安」という場合は、プロに相談してみるのがおすすめです。
出張整備のセイビーなら簡単な予約でプロの整備士が指定の場所まで訪問。事前の見積もりも車検当日も自宅や職場にいたまま依頼することができます。
車検に不安がある場合はお気軽にお問い合わせください!
まとめ
改造申請が必要だった過去のイメージが強く、ローダウンは車検に通らないと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、言及したポイントを押さえ、保安基準を満たしていれば、ローダウン車でも安心して車検を通せます。
不安な方は、専門業者などに車高を正確に計測してもらうことをおすすめします。
出張整備のセイビーでは、違法改造されていないローダウン車の出張車検が対応可能です。
ご自宅までプロの整備士がうかがい、1日で車検を通すため、車検のために長い時間を確保する必要がありません。
また、違法改造を合法状態に戻すための作業も行っております。
お忙しい方や車検業者に出向くのが面倒な方は、ぜひお気軽にご相談ください。