車検の時は、ウインカー(方向指示器)も検査対象となります。
純正ではないウインカーを利用されている方・ウインカーをいじりたい方・ウインカーの作動に異変を感じている方は、車検が通らないリスクがあるかもしれないと不安に思われるかもしれません。
本記事では、ウインカーの車検に関して出張整備の専門企業であるセイビーがお答えします。
車検に通らないウインカーの特徴や対処法などを解説するので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
ウインカーが原因で車検が通らない!?落ちやすい7つの特徴
ウインカーで車検に落ちる原因に、保安基準から外れている場合があります。
ウインカーの保安基準は「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」の第137条にて定められています。
チェックする項目は、主に以下のとおりです。
- 点滅回数
- 視認距離
- 取り付け位置
- 色
- 明るさ
- 照明部面積
- 汚損や破損
参考:国土交通省
これらを踏まえて、車検に落ちやすいウインカーの特徴を7つ、それぞれ詳しく解説します。
点滅回数が極端に早すぎる・遅すぎる
ウインカーには点滅する回数が保安基準で以下のように決められています。
- 毎分60回以上120回以下
- 一定の周期で点滅
ウインカーの点滅速度が極端に早すぎる、または遅すぎる場合、上記の基準から外れるため、車検に通りません。
DIYで点滅回数を変えている方は、保安基準内に回数をおさめましょう。
改造していないのに点滅が遅すぎる、あるいは点灯したままや消灯したままなど点滅しない場合、ウインカーリレー(ウインカーを一定間隔で点滅させる部品)の不具合が考えられます。
また、LED電球で点滅回数が早すぎる場合、球切れによるハイフラッシャー現象(点滅速度を早くすることで球切れを知らせる仕組み)やLEDの抵抗値不足が原因の可能性があります。
視認距離が悪い
ウインカーの視認性が悪い場合、車検に合格できません。
- 昼間において100mの位置から点灯を確認できる
視認距離について、上記の保安基準が設定されています。
夜間はもちろん、日中の明るい時間帯でもハッキリと点滅しているのがわかる必要があります。
100mの位置でウインカーの点滅が確認できない場合、照度が落ちている、電球が切れているなどの原因が考えられます。
取り付け位置が規定外
純正であれば特に問題ありません。
カスタマイズされている方で、本来のウインカーの位置から違う位置に変更した場合、車検に通らない可能性があります。
ウインカーの位置についての基準は以下のとおりです。
- 左右指示部の最内縁内の間隔:600mm以上
- 指示部の最外縁:自動車の最外縁から400mm以内
- 上縁の高さ:地上から2.1m以下
- 下縁の高さ:地上から0.35m以上
- 車両中心面に対して対称の位置に取り付ける
純正と同じ位置のままカスタマイズしている方は、問題となることは少ないでしょう。
色がオレンジ色でない
ウインカーの色は保安基準にて決められています。
- 橙色(オレンジ色)
クリアレンズであっても、電球自体がオレンジ色に発光すれば問題ありません。
海外の車ではオレンジ色ではない色が使用されていることもあります。
その場合は日本の規定に従い、オレンジ色の電球やレンズに変更しなければいけません。
明るさが強すぎる・弱すぎる
明るさの保安基準は以下のとおりです。
- 15W以上60W以下
- 照射光線は他の交通を妨げないもの
ウインカーが暗すぎると車が曲がる方向を視認できず、周囲の人が困惑するでしょう。
明るすぎる場合、他の運転手が眩しく感じ、運転ミスなどを誘発するなど安全運転の妨げに繋がります。
周囲に悪影響を及ぼすほどの明るいライトを使用しないよう、注意が必要です。
照明部面積が狭い
ウインカーの明るくなる面積の保安基準は、以下のとおりです。
- 普通自動車の場合、20㎠以上
- 全長6m以上の車の場合、40㎠以上
車の大きさによって照明部の必要面積が変わります。
規定の面積に比べて小さいと、周囲の人がウインカーの点滅を認識できません。
純正の場合は問題ありませんが、社外品を使用している方は照明部面積が規定を満たしているか確認しましょう。
灯器やレンズに汚損・破損がある
灯器(電球)やレンズも、車検を通るために以下の基準が満たされているかチェックされます。
- 灯器が損傷し、又はレンズ面が著しく汚損していない
灯器やレンズが割れている場合、車検に通りません。
レンズの欠けやひび割れは内部に雨水などが侵入し、電気系統に不具合を起こすことがあるので注意が必要です。
ひび割れの程度によって検査員の判断が変わるため、小さい傷は補修しておくことで車検に通る可能性が高まります。
また、明るさが15Wを下回るほどレンズに汚れやくすみがある場合も、車検に落ちる原因となるでしょう。
この場合、洗浄や専用クリーナーで磨く、業者に磨いてもらうなどで対処する必要があります。
ウインカーの車検に関するよくある質問|こんなウインカーは車検に通る?
最近はウインカーにもさまざまな種類が登場しています。
社外品を付けた場合、車検に通るか不安な方も多いでしょう。
- LEDウインカー
- シーケンシャルウインカー(流れるウインカー)
- ディミングターンシグナル(鼓動ウインカー)
- ウインカーポジション
上記のようなウインカーは車検に通るのか、疑問にお答えします。
LEDウインカー
LEDという理由で車検に通らないということはありません。
保安基準を満たしていれば、社外品など後づけであっても車検に通ります。
もちろん純正品は問題ありません。
LEDウインカーが車検に通らない理由に、ハイフラッシャー現象があります。
点滅自体は起きていますが、それは電球切れを知らせるための高速点滅です。
電球切れおよび点滅速度基準外のため、車検に通りません。
LEDだから車検に通らない、ではなく、他に保安基準が満たされていないところがないか確認しましょう。
シーケンシャルウインカー(流れるウインカー)
シーケンシャルウインカーは「流れるウインカー」とも呼ばれ、内側から外側に向かって流れるように光るウインカーのことを指します。
正式には「連鎖式点灯方向指示器」といい、2014年の法改正によって一定の条件を満たせば設置が認められるようになりました。
先述したウインカーの保安基準に加え、シーケンシャルウインカーは以下の要件を満たす必要があります。
- 点灯後、他の電球が点灯するまで点灯し続ける
- 全ての光源は同時に消灯する
- 内側から外側に向かって順に点灯
- 水平方向に点灯
- 点灯の流れが左右対称
- 他のウインカーと点滅周期が同期している
- 前面と後面の点灯方式が同一である
純正の場合は不具合がなければ問題ありません。
社外品を取り付ける場合は、車検対応仕様のものを選びましょう。
ディミングターンシグナル(鼓動ウインカー)
ディミングターンシグナルはマツダが開発した、パッと光ってゆっくり消える、鼓動のようなリズムで点滅するウインカーです。
現在はマツダの一部の車種で搭載されています。
純正品であれば問題なく車検に通ります。
DIYで取り付ける場合、ウインカーの保安基準を守りましょう。
しかし、車検に合格するかどうかは、整備士や検査員の判断によります。
車検前にお近くの整備士などに相談すると安心です。
ウインカーポジション
ウインカーポジションとは、車幅灯とウインカーを一体化させたランプのことをいいます。
ウインカーポジションにも保安基準があるため、車検に通す際は注意が必要です。
個数 | 2個または4個(左右対称) |
---|---|
色 |
・白色 ・橙色(方向指示器、非常点滅表示灯または側方灯と構造上一体となっているもの、または兼用のもの) |
取り付け位置 | 照明部の上縁の高さが地上2.1m以下、下縁の高さが地上0.25m以上 |
明るさ | 5W以上30W以下(夜間に前方300mの距離から点灯が確認できる) |
光度 | 300dc以下 |
大きさ | 15㎠以上 |
まとめ
本記事では、車検に通らないウインカーの特徴を解説しました。
車検に合格するためには、ウインカーの保安基準を満たす必要があります。
社外品を付けている方も、保安基準に適応しているか改めて確認しておきましょう。
純正ウインカーであっても、運転中は運転席から見えない位置にあるため、定期的に点検しておくことが重要です。
出張車検のセイビーでは、お客様の車のウインカーを整備士が正しくチェックいたします。
もし車検適合ではない場合でも、部品を用意して交換等で対応させていただくことも可能です。
ウインカーが車検に通るか不安な方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。