Seibiiでは出張でパワーステアリングポンプ(パワステポンプ)のお取替えを行っています。
近年のほとんどのクルマには『パワーステアリング機構』が付いています。『パワーステアリング機構』はハンドルを操作した時に、ハンドルが軽くなるようにアシストしてくれる機構の事です。つまり、『パワーステアリング機構』、略して『パワステ』と言うこの装置が無いと、ハンドルが重くなってしまい、クルマの運転が大変になってしまいます。
クルマの運転に欠かせないパワステには①油圧式と②電動式の2種類がありますが、油圧式パワステの油圧を発生させるポンプ、通称『パワステポンプ』の取り換えを行いましたので、三菱アウトランダー(CW6W)を実例として、パワステポンプ交換を解説します。
目次
ハンドルが軽くなるアシストをするパワーステアリング
さて、そもそもパワーステアリングポンプとは、一体何の役割を果たす部品なのでしょうか?
実は凄い:1-2トンの車のハンドルを楽に切れる
車の重さは1-2トンあります。冷静に考えてみると、これだけ重い車のハンドルを、誰でも楽に右へ左へ切れるって、不思議ではないですか?
実は、『パワーステアリング』こそが、ハンドルを操作した時に、ハンドルが軽くなるようにアシストしてくれる役割を果たしている部品なのです
近年のほとんどのクルマには『パワーステアリング機構』が付いています。
『パワーステアリング機構』、略して『パワステ』と言うこの装置が無いと、ハンドルが重くなってしまい、クルマの運転が大変になってしまいます。
パワステは2種類:油圧式と電動式
さて、このクルマの運転には欠かせないパワステには2つ種類があります。
- 油圧式
- 電動式
です。
昔からある油圧式
昔からあるのが油圧式のタイプです。
油圧式のタイプは、エンジンの動力でパワステの油圧を発生させ、その油圧を利用しハンドル操作をアシストします。
機構が単純で安価なため、過去たくさんのクルマに油圧式パワステが取り付けられていました。
しかし、燃費の悪化や、車両重量の増加がデメリットとして挙げられます。
電動式
最近の車は、電動式タイプのパワステが多く採用されています。
電動式タイプのパワステポンプは、油圧式に比して、コンパクトで軽量です。また、コンピューターと連携し、レーンキープ機能や自動で車庫入れを行う機能などの多機能化に対応できるため、近年生産される車に取り付けられているパワステの主流となっています。
交換の目安
パワステポンプの修理(交換)の目安は、大体10万キロ前後です。
本来はポンプオーバーホールがベストな対応ですが、今回は出張整備ということもあり、ポンプ交換にて対応ささせて頂きました。
ステップ1 : Vベルト取り外し
さあ、いよいよパワステポンプの交換を実行していきましょう。
まずはエンジンに付いているVベルトを取り外していきます。
Vベルトの役割
エンジンにはエンジンの動力を利用して幾つかの補機類を駆動させています。エアコンもそうですし発電機や今回取り換えるパワステポンプもエンジンを利用して駆動させます。
そして、それらの補機類を駆動させるために使われているのがベルトになります。
Vベルトとはベルトの断面が平らではなくV型となっているものを言います。
ベルトをV型にすることで駆動するプーリーとの接地面積を増やし、ベルトの力がより伝わるような構造となっています。
パワステポンプにもVベルトが掛けられているため、最初にVベルトを外します。
ステップ2 : パワステポンプ取り外し
次にパワステポンプ本体を取り外していきます。
ユニオンボルトとプレッシャーホースの取り外し
最初にパワステポンプに繋がっているプレッシャーホースを外します。
プレッシャーホースはポンプで加圧されたフルードが通るホースで、通常のゴムホースとは違い耐久性に優れた構造となっています。このプレッシャーホースは、ボルトでパワステ本体に取り付けられています。このボルトをユニオンボルトと言い、ボルトの中に穴が空いており、この穴を通って高圧のパワステフルードが通っていきます。
このボルトは22mmのボルトでプレッシャーホースを挟んで銅のワッシャーが入っています。
作業スペースが狭いというのと、圧力が掛かる部分という事もあり、ねじが固くてなかなか外れませんでした。勿論がんばって取り外します!
油圧センサーの配線取り外し
プレッシャーホースが外れたら次に油圧センサーの配線を取り外します。
これは平たい端子が刺さっているだけなので、引き抜きます。
簡単に外せるので忘れがちです。
これでようやくパワステ本体を外す準備が完了です!
パワステ本体の取り外し
パワステポンプを外すボルトは2本だけです。
プーリーの隙間から工具を入れてボルト2本を外します。
ボルト2本を外すと本体が外れるので、タイヤハウスの隙間からポンプを抜きます。
ポンプが外れました!
上が新品で下が取り外したポンプになります。
取り外したポンプはオイルでギトギトしています。
ステップ3 : 新しいパワステポンプ取付け
古いポンプが外れたら、早速新しいポンプを取り付けます。
取り付ける順番
取り付ける順番は、外した順番の逆に付けていきます。
1. ボルト
パワステポンプの2つのボルトはポンプのブラケットから本体を通り抜けて車体に取り付けます。
ねじ穴にうまくボルトが合わないとボルトが入っていきません。無理やりねじ穴に入れて工具で締め付けると、ねじ穴が壊れてしまうため、しっかりと手でボルトを回して入れていきます。
2. センサーとプレッシャーホース
次いでセンサーとプレッシャーホースを取り付けます。
プレッシャーホースにユニオンボルトをセットしますが、新品の銅ワッシャーをプレッシャーホースを挟んでセットします。
高圧のパワステフルードが通る場所なので、きちんと取り付けを行わないとフルードが漏れてしまいます。
3. Vベルト
最後にVベルトを取り付けたら完了です。
ステップ4 : パワステフルードエア抜き
パワステポンプの取り付けが終わったら、パワステフルードを入れていきます。
リザーバータンクにフルードを入れたら、左右いっぱいにハンドルを何度か切っていきます。
これがパワステフルードのエア抜き作業になります。
エア抜き作業を行わないでエンジンを掛けると、パワステポンプの中にフルードが回らず、内部で壊れてしまう可能性があります。
なんども左右にハンドルを切る
ですので、一生懸命ハンドルを左右になんども切ります。何度か左右にいっぱいに切ることでフルードをポンプ内部に満たしていきます。
ハンドル切りを何度か行うと、リザーバータンク内のフルードが空気と混ざり白濁していきます。
エンジンのクランキング
5~6回ハンドルを切ったら、エンジンをクランキングします。ただし、エンジンは掛けません。クランキングでやめにします。
クランキングをしたら、ハンドルを左右に切るという事を2~3回行います。リザーバータンク内のフルード量が減らなくなり、フルードの白濁が無くなればエア抜きは完了です!
最終チェック
全てが完了したらパワステポンプとエンジンルームをきれいに清掃します。そして、エンジンを始動し、ハンドルを何度か切ります。
プレッシャーホースの周辺からオイルが漏れていないか、よくチェックします。
エンジンルームのチェックランプランプの点灯状態も確認し、異常が無ければ作業終了です。
最後に宣伝です。
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