ディーラー車検は、他の方法と比べると費用が高い傾向にあります。
理由は、費用を抑えることを目的とせず、安全性・走行性・性能を重視して予備整備まで行うためです。
ディーラー車検の費用をできるだけ抑えたい場合は、担当整備士に相談し、最低限必要な整備だけを行うように伝えましょう。
そこで本記事では、ディーラー車検の費用や安くする方法、メリット・デメリットを解説します。
目次
ディーラー車検とは?
ディーラー車検とは、各自動車メーカーの正規販売代理店が行う車検のことです。
ここでは、ディーラー車検の特徴と、他の車検サービスとの違いをご紹介します。
ディーラー車検の特徴:値段が高いがサービスが充実している
ディーラー車検は値段が高いですが、サービスが充実している点が特徴です。
部品を交換する際は純正部品を使用したり、車検用の点検・整備だけではなく、予備整備まで対応するため、どうしても費用が高くなります。
一方で「特定の車の点検・整備に強い」「点検項目が多い」「アフターサービスが充実している」などのメリットがあります。
ディーラー車検を受けるメリット
ディーラー車検を受けるメリットをご紹介します。
メリットを理解すれば、自分がディーラー車検の必要性も把握できます。
クオリティ重視の整備を行ってくれる
ディーラーに所属する整備士はメーカー独自の研修を受けており、技術が高い傾向にあるため、クオリティ重視の整備を行ってくれる可能性があります。
また、専用の検査機器やコンピューター診断も行えるため、ディーラーにしかわからない故障も見つけてくれるでしょう。
純正品を使用するため安心感がある
ディーラー車検では、純正の交換部品を使用するため安心感があります。
交換が必要な部品はすべて純正部品を使用するため、誤作動や不具合の心配が軽減されるとともに、常に新車に近い状態を保てるでしょう。
また、社外品の部品を使用した車よりも、純正部品を使用した車のほうが高く売れる傾向にあります。
自社の車種の知識がある
ディーラーは、特定の車の知識が豊富なため、その車の個性に合わせてチェックしてくれます。
メーカーによって故障しやすい部位がある場合は、その点を重点的に見てくれるでしょう。
車検対象者に精通したスペシャリストが点検してくれるため、車検完了後も安心して乗車できます。
ディーラー保証を受けられる
ディーラー車検ではメーカー保証を受けられるため、万が一の修理時に安くなる可能性があります。
たとえば、車検で交換した部品に不具合があればすぐに対応してくれたり、新車購入時にメンテナンスパックに加入したりすると、車検までの定期点検が無料になる場合もあるでしょう。
同じディーラーで買い替えを希望する場合は、車の状態に合わせて新車購入の話もできるので、長期的な付き合いが可能です。
リコール対応ができる
ディーラーは、リコールの対応ができます。
リコールとは、設計・製造過程の問題が原因で該当の車が保安基準に適合しない場合に、ディーラーが自主的に対策することです。
リコールの報告を受けた場合は、ディーラーしか対応できません。
異なる業者で車検を受けた場合に発覚すると、リコール箇所だけディーラーで修理してもらうことになります。
ディーラー車検の場合は同時にリコール対応が可能ため、リコール対応から車検までスムーズです。
なお、リコールの報告を受けた場合は、ディーラーに持ち込むことで、無償で修理をしてもらえます。
ディーラー車検を受けるデメリット
ディーラー車検を受ける際は、デメリットも存在します。
メリットもおさえたうえで、デメリットも確認していきましょう。
費用が高い傾向にある
ディーラー車検は、安全性・走行性・性能を重視した点検を行うため、費用が高くなる傾向にあります。
「ディーラーで車検を受けたいが、どうしても費用を抑えたい」という場合は、修理箇所や交換部品の説明をしっかりと受けたうえで担当整備士に相談してください。
最低限必要な修理にとどめることで、費用を抑えられる可能性があります。
車検完了までに時間がかかる
ディーラー車検は常に入庫台数が多い傾向にあるため、車検完了までに時間がかかる可能性があります。
さらに、点検項目が多く予備点検も行うため、どうしても時間がかかってしまうでしょう。
車検が終わるまでの日数は平均で2〜3日程度で、繁忙期の場合はそれ以上かかる場合もあるようです。
きめ細やかな点検を行う反面、ある程度時間がかかる点を考慮して依頼をしましょう。
外注の可能性がある
ディーラーは民間の車検業者と外注の提携している可能性があり、依頼が集中した場合に外注される場合もあります。
高い費用を支払ってディーラーに依頼しても、外注されてしまうと結果的に民間業者で車検を受けることになり、ディーラーを選択する意味がなくなってしまいます。
ディーラー専属の整備士に見てもらいたい場合は、事前に確認してから依頼しましょう。
ディーラー車検は高すぎる?費用相場はどれくらい?
一般的に車検費用は、以下の3つに分けられます。
- 法定費用(自動車重量税・自賠責保険料・検査手数料)
- 車検基本料
- その他整備費用(部品交換費用など)
法定費用はどこで車検を受けても一律料金ですが、車種によって金額が異なります。
車検基本料や整備費用は、車検を担当するお店によって異なるため、見積もりを比較する場合はその2つを確認しましょう。
ここでは、一般的な車検費用の相場を車種別にご紹介します。
軽自動車の場合
軽自動車の車検の費用相場は、法定費用3万円程度・車検基本料4〜6万円程度です。
最低7〜9万円程度かかり、プラスでその他整備費用がかかる可能性があります。
自動車重量税や自賠責保険などの金額が普通自動車よりも安いため、車検費用は軽自動車のほうが安くなります。
普通自動車の場合
普通車の車検費用の相場は、車の大きさで異なります。
普通自動車・中型車・大型車の車検の費用相場は、以下のとおりです。
車種 | 法定費用 | 車検基本費用 |
---|---|---|
普通自動車(1トン以下) | 4万円程度 | 4~8万円程度 |
中型車(1~1.5トン以下) | 5万円程度 | 5~10万円程度 |
大型車(1.5トン超) | 6万円程度 | 6~12万円程度 |
普通自動車の場合、最低8〜12万円程度の費用がかかり、その他の整備費用が増える可能性があります。
中型車は最低10〜15万円程度、大型車は最低12〜18万円程度と、車の大きさに合わせて費用が高くなるのが一般的です。
中型車・大型車と車が大きくなると整備費用や部品代も高くなるため、大きな車ほど車検費用が余分にかかります。
外国車の場合
外国車の車検費用の相場は、新車購入から初めて車検を通す場合10〜14万円程度です。
外国車の車検費用は、基本的に国産車と変わらず、車の大きさに合わせて費用が高くなります。
ただし、外国車は純正部品が高くなるケースが多く、整備費用を合わせると割高になるでしょう。
他の車検サービスとの違い
ディーラー車検以外には、民間業者による車検、ユーザー車検が存在します。
それぞれの特徴も確認していきましょう。
民間業者の車検との違い
民間車検業者は、ディーラーよりも車検基本料が安く設定されている場合が多いです。
また、使用する交換部品は、純正部品だけではなく、中古品やリビルト品(整備や検査された中古品)も活用します。
そのため、選択肢が多く、使用する部品の種類によっては費用を抑えられるでしょう。
そして、車検を早めに終わらせてくれたり予定を合わせてくれたりするなど、融通が効く点もメリットです。
そもそも民間業者とは、整備工場やカー用品店・ガソリンスタンドなどが挙げられます。
民間業者には、認証工場と指定工場の2種類があり、指定工場は、認証工場のうち、地方運輸局長から指定事業者整備事業の指定を受けた工場のことを指します。
両方とも国家資格を有した整備士が在籍しているため、ディーラーと比べて整備品質が落ちるわけではありません。
認証工場と指定工場の違いは、以下のとおりです。
- 認証工場:車検を通せないため、整備だけを行い陸運局に持ち込んで車検を通す
- 指定工場:車検ラインを所有しているため、整備から車検まで一貫して行える
民間車検の中には「1日車検」をうたっているところもあり、時間がない場合やイレギュラーな場合でも利用しやすいでしょう。
ディーラー以外の車検業者について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
車検を受けるのはどこがおすすめ?業者別の特徴や費用相場を解説
本記事では、車検を受ける際のおすすめ業者についてご紹介します。車検を受けられる場所は複数あり、それぞれで費用やサービス内容が異なります。各車検業者の特徴や費用相場も解説しておりますので、本記事を参考に自身に適した業者を探してみましょう。
https://seibii.co.jp/blog/contents/recommendation_shaken

ユーザー車検との違い
ユーザー車検とディーラー車検の違いは、車のオーナーが自分で車検を行う点です。
車のオーナーが自分で運輸支局に車を持ち込んで検査を受ける方法となります。
他の業者に委託しないため、車検基本料がかからず法定費用のみで車検を済ませられ、その分費用を抑えられます。
ただし、運輸支局で整備を行うわけではなく、自分で整備を行ったうえで運輸支局に持ち込むことになるため、車の知識や点検・整備を行う環境がないと難しいでしょう。
また、車検に通らない場合は、点検・整備をやり直し、再検査を受ける必要があります。
結果的に費用がかさむことになるため、知識が中途半端な場合はおすすめできません。
ユーザー車検について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
ユーザー車検とは?予約方法・必要書類・費用からメリデメまで解説
今回の記事では、ユーザー車検の予約方法や必要書類、費用などの基本情報からメリット・デメリットを解説します。向いている人の特徴や注意点も紹介していますので、車検方法選びの参考にしてください。
https://seibii.co.jp/blog/contents/user_shaken_explanation

ディーラー車検の費用を安く抑える方法
ここでは、ディーラー車検の費用を抑える方法をご紹介します。
ポイントを理解することで、普段の車検よりも安くなる可能性があるため、しっかりと確認しましょう。
見積もりを確認して必要な部品を交換する
見積もりをしっかりと確認して、最低限必要な部品を交換しましょう。
実際に、今すぐ交換しなくても走行に支障がない部品もあります。
整備担当者の説明をよく聞いて、必要ではない箇所を見極めるのが重要です。
たとえば「次の車検までに乗り換えを検討している」「今回は予算に限りがあるため重要度の高い整備のみを実施してほしい」など、自分の考えをしっかりと伝えましょう。
基本的に、ディーラー側は無理強いしないため、自分の考えをしっかりと伝えることで最適な提案を受けられます。
早めに予約を取る
車検の予約は、早めに取るのがおすすめです。
ディーラーによっては早期予約割引を行っている場合があります。
早めに予約を取ることで、人員・売上を確保しやすいメリットがあるためです。
また、車検時に代車を使用したい場合は、早めの予約で確保しやすくなるでしょう。
台車には限りがあるため、車検の予約が取れても代車を確保できないケースがあります。
車検は期限が決まっているため、期限に合わせて早めに予約を取りましょう。
値引きされやすい時期に行う
ディーラーの決算月に多い3月や9月などを狙って車検を依頼すると、値引きしてもらえる可能性があります。
決算月になると車検の目標台数を高く設定する傾向にあり、できるだけ多くの車検を受けるために、値引きに応じてもらえる可能性が高くなります。
車検の時期と重ならないと時期を合わせるのはむずかしいケースもありますが、車の購入を決算月に行うと自然と車検の期限も決算月と重なりやすくなるでしょう。
また、多くのユーザーが土日祝日を利用して車検を依頼するため、平日を利用すると、それだけで値引きしてもらえる可能性があります。
月末に車検を行う
ディーラーは月間の目標台数も設定しているため、決算月・中間決算月と同様に、月末も値引きされやすくなります。
ただし、月末は車検が集中するため、整備のクオリティが落ちる可能性があるでしょう。
しっかりと点検してほしい場合は、あえて月末を避けるのがおすすめです。
定期的なメンテナンスを行う
日常的なメンテナンスにより、車検の際のオプションとなる整備費用を抑えられる可能性があります。
たとえば、定期的なオイル交換やバッテリーチェックなど、自分でできる日常点検を行うだけで効果があるでしょう。
また、ディーラーによってはメンテナンスパックの加入により、6ヶ月点検や1年点検などを無料で受けられます。
定期的にメンテナンスを実施すると、車検時の費用を抑えられるだけではなく、車のトラブルも起こりにくくなるでしょう。
ディーラー車検に関してよくある質問
ディーラー車検に関してよくある質問をご紹介します。
ここで紹介する「よくある質問」を確認すると、疑問が解決する可能性もあるため、ぜひ参考にしてください。
ディーラー車検はどのような流れで行われますか?
ディーラー車検の一般的な流れは、以下のとおりです。
- 車検の予約をする
- ディーラーに車を持ち込み、受け入れ点検を行う
- 車の状況説明と見積もりの説明を受ける
- 車検を続行する
- 整備結果の説明を受け、料金を精算する
ディーラーの場合は、予約がないと対応してもらえないケースが多いため注意しましょう。
車検予約日に車を入庫して、車の状態を確認してもらいます。
車の状況に合わせて修理の提案を行い、見積もり金額が提示され、納得できたら車検を継続するのが一般的な流れです。
最終的な整備結果の説明を受けて、料金を支払います。
車検完了時に、次回の点検時期やアフターサービスの説明を受けて、引き取り完了です。
ディーラーによって車検の値段は変わりますか?
ディーラーによって車検の値段が変わる可能性があります。
法定費用はどこで車検を受けても変わりませんが、車検基本料や部品代が異なる可能性があるためです。
ホームページに費用が掲載されている場合もあるため、事前に確認するとよいでしょう。
ディーラー車検がおすすめの方の特徴は何ですか?
ディーラー車検がおすすめの方は、以下のとおりです。
- 車検費用よりも品質を重視する方
- 手厚いサポートを受けたい方
- 純正部品にこだわりたい方
- 同じディーラーと長期的なお付き合いをしたい方
車検費用ではなく、点検・整備のクオリティやサービス面を重視したい方は、ディーラー車検がおすすめです。
面倒な手間なくお得に車検に出したい場合はセイビーがおすすめ
面倒な手間なくお得に車検に出したい場合は、出張整備の「セイビー」がおすすめです。
セイビーは、自宅や好みの場所で車検や修理に対応する出張サービスです。
申し込みはWebで完結して指定した場所に来てくれるため、移動時間や待ち時間なしで利用でき、スキマ時間を有効活用できるでしょう。
チャットや電話を活用して直接整備士に相談できるため、車に関する専門的な質問にも対応できます。
「どこで車検を受けようか迷っている」「近所に最適な整備工場がない」など、車検でお悩みの方は、セイビーに相談しましょう。
まとめ
ディーラー車検は整備のクオリティが高く、メーカー推奨の純正部品で修理するため、どうしても費用が高くなりがちです。
しかし、車検用の整備だけではなく予備整備などもも行われるため、車検費用よりも安全性や走行性を重視したい方におすすめです。
ディーラー車検の費用を抑えるためには、見積もりの内容をしっかりと確認し、最低限必要な整備に限定するといいでしょう。
担当整備士とよく話し合い、どこからどこまで整備を行うかしっかりと相談してください。
また、車検費用が気になる場合はディーラーだけではなく、民間業者・出張車検など、複数の業者に見積もりを依頼して比較検討するのがおすすめです。