車検に一発合格するためには、内容の把握が1番の近道です。
また、車検を一発で合格すれば点検や整備費用・部品交換にかかる費用と時間を削れるといったメリットもあります。
しかし、車検を受けたことがある方でもその内容までは把握していない方が多いでしょう。
そこで本記事では、車検の内容を説明するために項目を一覧にするほか、メーカー別に車検の内容を解説します。
車検で引っかかりやすい項目もご紹介しているため、車検を一発合格したい方はぜひチェックしてください。
車検とは?
車検とは、「自動車検査登録制度」の略称で、日本国内で使用される車両が法的に安全で環境に適合しているかどうかを定期的に検査する制度のことです。
車検に合格していない車は、公道を走ることはできません。
自走はもちろん、レッカー車で移動することも不可です。
法定24か月点検との違い
車検と法定24か月点検は別のものです。
車検は、検査時点において自動車が安全・環境基準に適しているか、法定点検は自動車の安全を断続的に確保するための点検・整備を指します。
車検と法定24か月点検は同時に行われますが、これはタイミングが重なっているだけです。
点検・整備内容はそれぞれ別であり、車検では部品の消耗があっても基準に問題がなければそのまま通りますが、24か月点検で部品の消耗が見つかった場合や交換や修理が必要になります。
車検の内容一覧
車検の点検項目は、外装・内装と外回り、予備検査場で異なります。
外装・内装の検査ではエンジン・タイヤ・ガラス・シートベルトなど、外回りでは灯火装置やワイパー・マフラーなど、予備検査場ではブレーキ・排気ガス・ヘッドライトなどについて検査します。
外観・内装の検査項目
外観・内装の検査項目一覧は以下のとおりです。
項目 | 詳細 |
---|---|
同一性の確認 | ・エンジンに書かれている番号の確認
・車体番号の確認 |
タイヤ | ・タイヤで1番摩耗している溝が1.6mm以下であるか |
ガラス | ・ヒビや割れはないか
・可視透過率70%以上の着色フィルムを貼っていないか |
各種メーター | ・各種メーターの点滅部分に故障や不備はないか |
内装 | ・各種電灯は点灯するか
・シートベルトに破損や不具合はないか ・発煙筒は有効期限内であるか ・ギアパターンに問題がないか ・クラクションのボタンにホーンマークがあるか ・ヘッドレストがついているか |
車検の外観・内装検査では、車両の同一性確認、タイヤの摩耗、ガラスの状態、各種メーターの機能、内装の安全装備、そして基本的な操作機器の状態が詳細にチェックされます。
外回りの検査項目
外回りの検査項目一覧は以下のとおりです。
項目 | 一覧 |
---|---|
灯火装置 | 以下の灯火装置が点灯するか
・ヘッドライト ・テールランプ ・バックランプ ・ナンバー灯 ・ウインカー |
ワイパー | ・問題なく動くか
・雨や雪を拭き取れるか |
ウィンドウォッシャー | ・十分な量の液が出てくるか |
マフラー | ・音量
・取付位置 ・触媒の有無 |
ドライブシャフトブーツ | ・破損や異常はないか |
ステアリングラックブーツ | ・破損や異常はないか |
車検の外回り検査では、安全走行に欠かせない灯火装置の機能、視界確保のためのワイパーとウォッシャーの性能、排気系統のマフラーの状態。
そして走行安定性に関わるドライブシャフトとステアリングラックブーツの健全性が重点的にチェックされます。
予備検査場での検査項目
予備検査場での検査項目一覧は以下のとおりです。
項目 | 詳細 |
---|---|
ブレーキ | ・前輪後輪のブレーキは効くか
・パーキングブレーキは効くか |
排気ガス | ・一酸化炭素濃度は1%以下か
・炭化水素濃度は500ppm以下か |
サイドスリップ検査 | ・左右で5mm以上のずれがないか |
ヘッドライト | ・光量は足りているか |
予備検査場では、車両の安全性と環境性能を確保するための重要な検査が行われます。
具体的には、ブレーキの効き具合、排気ガスの成分濃度、タイヤの直進性、そしてヘッドライトの光量が厳密にチェックされます。
【メーカー別】車検の点検・整備内容
車検の内容は、メーカーによっても少し異なるようです。
車検を通すために必要な点検・整備内容は同じですが、追加整備やサービスに差があります。
トヨタ
トヨタの場合、車検の際には以下の点検・検査・整備を行います。
- 法定24か月点検…エンジンルーム点検、室内点検、足回り点検など
- 保安基準適合検査…検査機器による検査、制動力、前輪の横滑り量など
- 追加整備…エンジンオイル交換、オイルフィルター交換、ブレーキパッド交換など
ホンダ
ホンダの場合、車検の際には以下の点検・検査・整備を行います。
- 法定24か月点検
- 保安基準適合検査
- 追加整備
追加整備では、エンジンオイルやブレーキフルード交換など、点検結果や要望により定期点検以外の整備を行います。
日産
日産の場合、車検の際には以下の点検・検査を行っています。
- 法定24か月点検
- 保安基準適合検査
法定24か月点検では、基本性能をチェックするだけでなく、次回の点検まで安心して乗るために予防的観点で点検・整備を実施していることが特徴です。
また、以下のような条件で走行している場合は、厳しい使い方をしたケースの点検項目も勧めています。
- 悪路(凹凸道、砂利道、雪道、未舗装路)
- 走行距離が多い(20,000km以上/年)
- 山道、登降坂路
- 短距離走行の繰り返し(8km以下/1回走行)
車検で引っかかりやすい項目
車検で引っかかりやすい項目はいくつかあります。
走行に支障がなければ気づかない項目もあるため、事前にチェックして対処するとよいでしょう。
なお、カスタム車は引っかかりやすい可能性が高いです。
車は最低地上高が9cmと決まっているため、車高を下げている車は特に注意してください。
外観の検査
外観の検査では、以下の項目が車検で引っかかりやすい傾向があります。
引っかかりやすい項目 | 詳細 |
---|---|
クラクション | ホーンが鳴らない |
フロント | ウォッシャー液がでない、フロントガラスや運転席などにフィルムを貼っている |
タイヤ | 溝がなくスリップサインが出ている |
ランプ系 | 灯火類の球切れ、ひび割れによる光漏れ |
車の後方にあるハイマウントやナンバー灯は、見落としやすいため注意しましょう。
また、ヘッドライトなどの灯火類は色が決められているため、カー用品店などで交換している場合車検に通らないこともあります。
車の前方をぶつける事故を起こした際を損傷し、クラクションが鳴らなくなっていることがあります。
この場合、交換が必要です。
中古の部品があれば、1,000円で交換してくれることもあります。
室内の検査
室内の検査では、以下の項目が車検に引っかかりやすい傾向があります。
引っかかりやすい項目 | 詳細 |
---|---|
室内 | 発煙筒の有効期限切れ |
ランプ系 | シートベルトのランプがつかない |
発煙筒には使用期限があり、使わなければ期限が切れていることもあるためチェックしておくとよいでしょう。
また、年式が古い車は、シートベルトの故障によりランプがつかないことやメーター内のランプが球切れしていることがあります。
メーター内のランプが球切れしているだけで、異常がなくても車検に通らないため注意が必要です。
まとめ
車検と法定点検は別物であり、点検内容が異なること、車検で点検・整備される内容がわかりました。
また、記事内でご紹介したように、車検で引っかかりやすい項目はいくつかあります。
特にハイマウントやナンバー灯の球切れなどは、自身で確認しづらいため見落としがちです。
故障や追加の整備が必要になれば、それだけ車検費用が高くなってしまいます。
「車検費用が高額になって困った!」とならないように、日ごろからメンテナンスや点検を実施しましょう。
「なかなか点検ができない」
「車検の前にきちんとした点検を行いたいが店舗まで行けない」
このようにお困りであれば、出張車検のセイビーまでご相談ください。
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