多忙な毎日を送っていたり、普段あまり車に乗らなかったりすると、気づかない間に自動車の車検が切れてしまっていることがあります。
「車検って継続検査と新規検査があるらしいけれど、車検切れの場合はどちらを受ければいいの?」
「車検切れの車は公道を走れないらしいけど、どうやって車検を受けに行けばいいのだろう?」
車検切れの車を保有している方は、このような悩みを抱えていることが多いのではないでしょうか。
本記事では、車検の継続検査と新規検査の違いや、車検切れの車が車検を受けるメリット・デメリット、車検を受ける具体的な方法について解説します。
目次
車検切れの車が受けるのは主に継続検査
車検の種類は、継続検査と新規検査の2種類に分かれます。車検切れの際に受けるのは、主に継続検査です。
抹消登録をしているかどうかが判断基準で、ナンバープレートを返却していない限りは継続検査の対象となります。
逆にいえば、ナンバープレートを付与されていない車については、新規車検になると覚えておきましょう。
継続検査と新規検査の違いについては、以下で詳しく解説します。
継続検査と新規検査の違い
継続検査とは、ナンバープレートを与えられている自動車が、有効期限を更新するために受ける車検のことです。
一方、新規検査とは、まだナンバープレートがない新車や、一時抹消登録によってナンバープレートを返却している車が受ける車検を指します。
継続検査と新規検査のどちらを受けるかは、ナンバープレートの有無によって判断されます。
車検の有効期限が、切れているかどうかが基準ではありません。
「車検が切れてしまって、新しく受け直すから新規検査だろう」と勘違いしないように注意しましょう。
車検切れの車が継続検査を受けるための必要書類
車検切れの車が継続検査を受けるために必要な書類は、以下のとおりです。
必要書類 | 車検業者に依頼する場合 | ユーザー車検の場合 |
---|---|---|
自動車税納税証明書 | 必要 | 必要 |
自動車重量税納付書 | 必要 | 必要 |
自動車検査証 | 必要 | 必要 |
自賠責保険証明書 | 必要 | 必要 |
認印 | 必要 | 必要 |
点検整備記録簿 | 不要 | 必要 |
継続検査申請書 | 不要 | 必要 |
自動車検査票 | 不要 | 必要 |
手数料納付書 | 不要 | 必要 |
印紙 | 不要 | 必要 |
証紙 | 不要 | 必要 |
ユーザー車検とは、運輸支局内の自動車検査場で、所有者自身が行う車検を指します。
また、継続検査を受けるにあたっては、自動車税や自賠責保険料、検査手数料の支払いが必要です。
金額は自動車の種類によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
車検切れの車が継続検査を受けるのにかかる費用は?
継続検査を受ける際の費用としては、主に「車検基本料」と「法定費用」の2つが発生します。
ここからは、それぞれの内容や費用の目安について、詳しく見ていきましょう。
車検基本料
車検基本料は、車検業者に対して支払う費用のことです。基本点検技術料をはじめ、整備技術料や事務手数料など、複数の支払項目が合算された費用になります。
点検内容や業者によって金額は変わりますが、軽自動車の相場は約3万5,000円、排気量1.5L以下クラスの5ナンバー車の相場は約4万3,000円、排気量2.0Lクラスの3ナンバー車の相場は5万円です。
ただし、ユーザー車検の場合は車検業者への依頼が発生しないため、車検基本料も一切かかりません。
法定費用
法定費用は、自動車重量税と自賠責保険料、印紙代の3種類を指します。
法定費用は車検基本料とは異なり、全国どこで車検を通しても金額が変わりません。
軽自動車にかかる費用は合計3万円程度、5ナンバー車にかかる費用は合計4万6,000円程度、3ナンバー車にかかる費用は合計5万5,000円程度です。
なお、法定費用はユーザー車検の場合でも支払う必要があります。
車検切れの自動車が継続検査を受ける方法
ここまでは、継続検査に必要な書類や、発生する費用について解説してきました。
続いては、継続検査を受けるための具体的な方法として、以下の2つをご紹介します。
- 自賠責保険に加入する
- 車検場まで車検切れの車を持ち込む
自賠責保険に加入する
自賠責保険は、公道を走行するにあたって加入が定められている強制保険です。
車検のタイミングで加入・更新しているのが一般的であるため、車検が切れている場合は自賠責保険の有効期限も切れていると考えられます。
そのため、まずは自賠責保険の加入状況を確認し、必要に応じて手続きを進めましょう。
保険会社の窓口であれば、最短数十分くらいで手続きが完了します。手続きの際に必要なものは、自動車検査証・自賠責保険証明書・保険料の3つです。
車検場まで車検切れの車を持ち込む
自賠責保険の加入状況が問題なくなったら、車検場へ車検が切れた車を持ち込みます。ただし、車検切れの車はそのまま公道を走行できません。
ここからは車検場へ持ち込むための手段として、以下の3つをご紹介します。
- 仮ナンバーを取得する
- 積載車を使って自動車を輸送する
- 専門業者へ依頼する
仮ナンバーを取得する
車検が切れた車を車検場に輸送する方法として、仮ナンバーの取得があげられます。最も一般的な方法となっており、取得から最長で5日間、公道を走行可能です。
仮ナンバーを取得するには、市区町村の窓口での手続きが必要になります。自賠責保険証明書と自動車の確認書類、本人確認書類を持って窓口へ向かいましょう。
仮ナンバーを申請する際には1台につき750円の手数料がかかるため、こちらも忘れないようにしましょう。
窓口では、自動車臨時運行許可申請書に出発地や目的地・運行経路などを記載します。
問題がなければ仮ナンバーが発行され、取り付けた車で公道を走行できます。
なお、仮ナンバーは申請した経路でしか走行できません。
また、あくまでも車検場へ行くための用途でしか車を利用できないため、注意してください。
積載車を使って自動車を輸送する
仮ナンバーの発行手続きが難しい場合は、積載車を使って自動車を輸送するのも一つの方法です。
自分で車を輸送する必要はなくなりますが、陸送業者に依頼する費用が発生するため、注意が必要です。
なお、積載車を使った輸送サービスは、業者ごとに費用やサービス内容が異なります。
利用の際は、複数の業者から見積もりを取り、自分に合ったサービスを利用しましょう。
専門業者へ依頼する
車検切れの車が継続検査を受ける場合は、専門業者を利用する方法もおすすめです。車検が切れた際に必要な手続きを代行してくれるため、自分で行う必要はありません。
専門業者で提供しているサービスには、「仮ナンバーの発行」や「積載車による移動」などがあります。
もちろん、それなりのコストはかかりますが、時間と手間を削減したい人には、適したサービスといえるでしょう。
車検切れの車で継続検査を受けるメリット
車検切れの車が継続検査を受けるメリットとしては、以下の2つがあげられます。
- 車を買い替えるよりも費用を抑えられる
- 車をメンテナンスする機会になる
ここからは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
車を買い替えるよりも費用を抑えられる
「車検にお金を払うなら、いっそのこと車を買い替えてしまおうか」と考える方もいますが、車を買い替えるよりも車検を通すほうが低コストです。
車の種類によって差はありますが、一般的に、車検を通す際にかかる費用は約10万円とされています。
一方で、車を買い替える場合は、車両本体価格に加えてさまざまな諸経費が必要です。
車検でかかる10万円も決して安くはありませんが、車の買い替え費用より高くなることはほぼありません。
車検切れのタイミングで車を乗り換えようと考えている場合は問題ありませんが、コスト重視であれば、再度車検を受けるほうがメリットが大きいです。
車をメンテナンスする機会になる
自動車は、放置していると次第に劣化が進んでしまいます。外見では変化を感じられなくても「内部ではゴムのパーツが劣化して破れていた……」といったケースもあるでしょう。
車検を通すには、自動車が適切に整備されている必要があります。つまり車検を受けている車であれば、自動的にコンディションが良好な状態に保たれているといえます。
コンディションが良くなれば車の寿命も延びるため、買い替え頻度が減ります。良い状態が保たれるため、売却価格が下がりにくくなる点も、メリットです。
車検切れの車で継続検査を受けるデメリット
車検切れの車で継続検査を受けることには、メリットがある一方で、以下のようなデメリットも発生します。
- 車検を受けるためのコストが発生する
- 車の状態が悪いと車検が通らない可能性もある
メリットだけでなく、デメリットにも目を向けて、自分にとって最もよい選択ができるようにしましょう。
車検を受けるためのコストが発生する
ここまで解説してきたように、車検切れの自動車が継続検査を受ける際には、さまざまな費用が発生します。
最も金額が大きいのは、車検そのものにかかる費用でしょう。 車の種類や使用年数、劣化具合などによって金額は変わりますが、おおむね5~10万円程度が相場となっています。
また、車検切れの車を車検場まで運ぶ際には、積載車やレッカー車などの手配も必要です。
これらの料金は、距離が短くても数万円ほどかかる可能性があります。
仮ナンバーを取得すれば1台につき750円で済みますが、手続きの手間がかかる点がデメリットです。
取り扱い方法も複雑であるため、仮ナンバーを使う際には細心の注意を払わなくてはなりません。
車の状態が悪いと車検が通らない可能性もある
自動車が安全に走行できるコンディションでない場合は、残念ながら車検には通りません。
車検切れから時間がたっていないのであれば大きな影響はありませんが、点検や整備を長期にわたって受けていない場合は、状態が非常に悪い可能性があります。
車検に通るかどうかは、車のコンディションに左右されます。
古い年式の車でも丁寧に整備されていれば問題ないですし、新しい車でも状態が悪ければ車検証は交付されません。
車検切れに気づかなかった場合の罰則は?
車検切れの車は、ただ保管しておくだけであれば、法律違反にはあたりません。しかし、車検が切れた状態で公道を走った場合は違法行為となり、行政処分と刑事処分の両方が科されます。
ここからは、車検が切れたまま運転した場合の罰則について、以下の3パターンを解説します。
- 車検のみが切れている場合
- 自賠責保険のみが切れている場合
- 車検・自賠責保険の両方が切れている場合
車検のみが切れている場合
車検のみが切れた車に乗って公道を走った場合のペナルティは、以下のとおりです。
- 行政処分…違反点数6点(30日間の一発免許停止処分)
- 刑事処分…6か月以下の懲役または30万円以下の罰金
自賠責保険のみが切れている場合
自賠責保険は、ほとんどの場合、車検を受けるタイミングで加入している保険です。
法律で加入が義務付けられており、自賠責保険が失効していると以下のペナルティが発生します。
- 行政処分…違反点数6点(30日間の一発免許停止処分)
- 刑事処分…1年以下の懲役または50万円以下の罰金
車検・自賠責保険の両方が切れている場合
車検と自賠責保険の両方が切れていると、以下のペナルティが科されます。
ただし、違反点数については、「合算せずにより高い点数の処分を適用する」という法律上のルールがあるため、6点のままです。
- 行政処分…違反点数6点(90日間の一発免許停止処分)
- 刑事処分…1年6か月以下の懲役または80万円以下の罰金
車検切れの継続検査に関するよくある質問
本章では、車検切れの車の継続検査に関して、よくある質問をまとめました。
- 車検切れの後に継続検査を受けてもナンバーはそのままですか?
- 車検切れの継続検査はユーザー車検でも対応できますか?
- 車検切れの車は持ち込みの際にばれる?
それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
車検切れの後に継続検査を受けてもナンバーはそのままですか?
車検が切れた後に車検の継続検査を受けても、ナンバープレートが変更されることはありません。
ナンバープレートは基本的に、返却しない限り変更されないためです。
車検切れの継続検査はユーザー車検でも対応できますか?
車検が切れていても、ユーザー車検は可能です。ユーザー車検であれば、車検業者に依頼するときの車検基本料がかからないため、コストを抑えて継続検査を通すことができます。
ただし、ユーザー車検の実施場所は運輸支局となります。
仮ナンバーの取得や積載車の手配など、何らかの方法で車検切れの車を運輸支局まで輸送しなければいけないため注意が必要です。
車検切れの車は持ち込みの際にバレる?
車検切れの車は、持ち込みの際にバレる可能性が非常に高いです。考えられる理由として、以下の3つがあげられます。
- 周囲の人に通報されてしまうため
- Nシステムで読み取られてしまうため
- フロントガラスに車検標章が貼られているため
バレてしまった場合のリスクや罰則は決して軽くないため、必要な手続きを取らずに公道を走行するのは控えましょう。
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「車検切れの車を継続検査に出したいけど、自分でやる時間がない……」
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まとめ
車検切れの車で公道を走るのは法律違反です。
そのため、再度車を使えるようにするには、車検の継続検査を通す必要があります。
また、車検を受けるためには、自賠責保険に再度加入したうえで、車検場まで車検切れの車を運ばなくてはいけません。
車検場まで自動車を輸送する方法としては、仮ナンバーを発行する・レッカー車で陸送する・専門業者にお願いする、の3パターンがあります。
最もかかる費用が少ないのは、自分で仮ナンバーを手配する方法ですが、時間がなくて難しい場合は専門業者を頼るのがおすすめです。
ご自身の状況に合った方法を選べば、車検が切れていても問題なく継続検査を受けられます。
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