アメ車はアメリカのメーカーが製造しており、アメリカの広大な土地を走るのに最適化されています。
そのため、車両サイズや排気量が大きく、タフな作りなのが特徴です。
日本の車とは違った魅力で人気の高いアメ車ですが、車検や維持費にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?
また、車検に通らないアメ車には、どのような特徴があるのでしょうか?
この記事では、アメ車を車検に通らない時に考えられる理由や、車検費用・維持費が高額になる理由について徹底解説します。
アメ車にかかるお金がいくらか気になる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
アメ車は日本の車検に通る?どこで受ければよい?
アメ車という理由だけで車検が通らないことはありません。日本の保安基準を満たしていれば、問題ないことが多いです。
アメ車を日本の車検に通す場合、購入元のディーラーや、輸入車も対応している整備工場などに依頼できます。
ただし、アメ車に対応できる整備士がいない、一部の車種のみ対応といった業者の場合、断られる可能性が高いです。
車検の有効期限に間に合うよう、依頼したい業者がご自身のアメ車が対応可能か事前に調べておくことが大切です。
アメ車の車検が通らない?難しいと言われる理由
並行輸入のアメ車など、国産車とは違った仕様の場合、そのままでは車検に通らない可能性が高いです。
さまざまな制約もあるため、アメ車は車検を通すのが難しいと言われます。
ここでは、車検に通らないアメ車の特徴を解説します。
必要な試験が多い
並行輸入車の場合、以下の検査や試験を受けていなければ、車検に通りません。
- 車両検査
- 自動車排出ガス試験
- 加速走行騒音試験
保安基準を満たす性能を証明できる書類などがあれば、上記検査が不要となる場合もあります。
販売業者に上記試験を行っていない場合や個人輸入の場合、購入時にご自身で受け、費用を支払う必要があります。
合格していない、受けていない場合は、車検に通らないため注意しましょう。
ヘッドライトの検査方法で不適合になりやすい
これまではロービーム検査で通らなかった場合、ハイビーム検査で通過できればOKでした。
しかし、1998年9月1日以降に生産されたアメ車を対象に、2024年8月1日からハイビーム検査は廃止され、ロービーム検査のみとなります。
ただし、地域によってロービーム検査の完全移行する時期が異なります。
2024年8月から完全移行 | 2026年8月から完全以降 |
---|---|
北海道、東北、北陸信越、中国 | 関東、中部、近畿、四国、九州、沖縄 |
ロービームの配向(カットライン)は前方の車両や対向車が眩しくないように調整されるため、日本では左側通行に合わせて若干左側(歩道側)に向いています。
しかし、アメリカでは右側通行のため、ロービームの配向は右側に向いており、日本では対向車側を照らすことになります。
日本に輸入されたアメ車は、この配光の違いが原因で車検に不適合となるケースが多いので注意が必要です。
車検対策として、ヘッドライトの加工や日本仕様ライトへの交換、ハロゲンバルブカバーの装着などを行わなければいけません。
ヴィンテージ車のため保安基準を満たしていない・部品が劣化している
ヴィンテージと呼ばれるような古い車は、日本に輸出されることが想定されていません。
そのため、日本の保安基準に満たしていないものが多いです。
例えばウインカーの色は、日本では橙色と定められていますが、古いアメ車では赤色の車もあるため注意しましょう。
また、車が古すぎて入手困難な部品の劣化や故障が多く、修理できずに車検に通らないなどの懸念点もあります。
アメ車の車検費用一覧
国産車に比べて、アメ車の車検費用は高額になりがちです。
その理由を詳しく解説します。
車検基本料
アメ車の整備には専門技術が必要です。
アメ車を対応している整備士がいる整備工場で車検を依頼しなければいけません。
技術料が工賃に上乗せされるため、日本車と比べると車検基本料が高くなる傾向があります。
正規ディーラーで購入した場合、購入先で車検を受けられます。
しかし、並行輸入車の場合、正規ディーラーでは車検を断られる可能性が高いです。
また、格安で車検を受けられる業者がアメ車に対応していない場合、アメ車に対応している業者に行くしかなく、想定より車検費用がかかる可能性があります。
修理や交換などで部品が必要な場合、日本製で対応していない部品だった場合は取り寄せる時間やお金もかかります。
日本車の車検を経験した人は、日本車よりアメ車の方が車検費用を高いと感じるかもしれません。
自動車重量税
車検時に支払う自動車重量税は、車両の重さによって決められています。
また、13年目以降と18年目以降で金額が上がるため、長く乗るほど自動車重量税は高くなります。
エコカーを除いた車の自動車重量税を、車両重量ごとに以下の表にまとめました。
車両重量 | 3年 (新車登録後初回車検) |
2年 (継続車検) |
13年目以降 | 18年目以降 |
---|---|---|---|---|
0.5t以下 | 12,300円 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1t | 24,600円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
~1.5t | 36,900円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
~2t | 49,200円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
~2.5t | 61,500円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
~3t | 73,800円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
新車登録後の初回車検では3年分、継続車検では2年分まとめて支払います。
アメ車は車両重量が重いものが多いため、支払う金額も大きくなります。
自動車税
自動車税は排気量によって決められています。
総排気量 | 自家用自動車 (令和元年10月1日以後初回新規登録) |
---|---|
2L超~2.5L以下 | 43,500円 |
2.5L超~3.0L以下 | 50,000円 |
3L超~3.5L以下 | 57,000円 |
3.5L超~4.0L以下 | 65,500円 |
4L超~4.5L以下 | 75,500円 |
4.5L超~6.0L以下 | 87,000円 |
6L超 | 110,000円 |
排気量の多いアメ車は、日本の一般的な車に比べると自動車税が高くなるでしょう。
自動車税は車検に直接関係ありませんが、車検と自動車税の支払い時期が重なっていた場合、出費が一気に増えるため注意が必要です。
自賠責保険料
1ナンバーのアメ車は自賠責保険料も高くなります。
日本で走行する以上、アメ車であっても自賠責保険に入る義務があります。
例えば2年ごとの車検時に更新する24ヶ月契約の場合、軽自動車除く自家用乗用車は一律17,650円です。
ただし、1ナンバーのアメ車の場合、普通貨物自動車の自家用区分となるため、通常より自賠責保険料が高額になります。
最大積載量 | 自賠責保険料(24ヶ月契約) |
---|---|
2t以下 | 28,370円 |
2t超 | 30,980円 |
1ナンバーの車は自動車重量税や自動車税を抑えることができますが、自賠責保険料含め、他のところで費用がかさむ可能性があるので注意しましょう。
アメ車の車検費用以外で維持費が高額になる理由
アメ車は国産車と比べると、車検費用だけでなく維持費も高くなる傾向があります。
その理由について、詳しく解説します。
ガソリンの消費量が多い
アメ車は車体が大きいため、その分重量や排気量も大きくなり、ガソリンの消費量が激しくなるのが特徴です。
そのため、日本の一般的な普通車やハイブリッド車と比べると燃費が悪いと感じやすくなります。
- 国産車:13~20km/L
- アメ車:6~8km/L
しかし、アメ車と同等の大きさや排気量の日本車の場合も、アメ車の燃費と大きな差はないので、アメ車の燃費は大きさ相当といえるでしょう。
ただし、旧車のアメ車はエンジン劣化もあり、1~3km/Lと実際に燃費が悪い例もあります。
車の保全費用がかかる
アメ車は交換時期が早い部品が多くあります。
車検時以外にも日頃から車の状態に注意していないと、みるみる内に調子が悪くなるケースも多々あります。
日本にはアメ車の正規ディーラーが少なく、輸入代理店では扱っている部品が少ないことも影響し、メンテナンス費用が高額になりがちです。
また、大きい車種の場合は広い駐車場の確保が必要です。
旧車や珍しい車種の場合、盗難やいたずら、雨風を防ぐガレージも必要となるため、大きな出費が必要となるでしょう。
任意保険料が高くなる
車両保険を付けたアメ車は、任意保険料が高くなる可能性が高いです。
任意保険には、車の型式ごとに「型式別料率クラス」が設定されています。
1~17のクラスがあり、数字が大きいほど保険料が上がる仕組みです。
車種やユーザー層によってリスクの発生率などに差があり、毎年見直されています。
以下4車の型式別料率クラスを比較してみました。(保険始2024年1月1日~12月31日)
メーカー 車名 型式 |
トヨタ プリウス ZVW50 |
GM キャデラックCT5 A2LL |
BMW X1 12EF20 |
アウディ TT 8JBUBF |
---|---|---|---|---|
対人賠償責任保険 | 13 | 7 | 7 | 8 |
対物賠償責任保険 | 8 | 7 | 7 | 7 |
人身傷害保険 | 11 | 7 | 9 | 7 |
車両保険 | 9 | 15 | 14 | 14 |
輸入車の場合、修理費や工賃、盗難リスクの高さなどから、車両保険料が高くなる車種が多いです。国産車でもスポーツカーなど一部の車種は車両保険が輸入車と同等のものもあります。
任意保険料が高くなるのは「アメ車だから」という理由ではなく、型式別料率クラスの車両保険が高い傾向にあるため保険料が高くなるといえるでしょう。
アメ車の車検なら出張整備のセイビ―へ
出張整備のセイビーは、アメ車の車検・整備も対応しております。国産車はもちろん、アメ車以外の輸入車も多く対応可能です。
セイビーでは厳しい審査をクリアした熟練の整備士が対応いたします。
全国どこからでも予約可能、ご自宅で車検を終わらせることができます。
アメ車の車検をしてもらいたいけど、近くにアメ車の車検を対応してくれる業者がいなくてお困りの方は、ぜひセイビーにお問い合わせください。
まとめ
アメ車の車検が通らない理由や、車検費用・維持費が高額になる理由について徹底解説しました。
アメ車は人気がある一方で、車検の難しさや高額の維持費など、所有するのは大変かも…と感じている方もいるかもしれません。
しかし、この記事で紹介したポイントを理解することで、アメ車の車検にかかる費用を抑えることができるでしょう。
アメ車の車検について、まだ不安が残っている方は、ぜひ出張整備のセイビーにお気軽にご相談ください。