4ナンバー車とは、小型貨物自動車または軽貨物自動車に該当する車のことです。
4ナンバー車は車検更新が毎年あるため費用や手間がかかりがちですが、ポイントを押さえることで負担をある程度軽減できます。
本記事では、4ナンバーの車検費用や期間、車検費用を安く抑えるコツをご紹介します。
車検は車の所有者にとって必須なため、その特徴を正しく理解しておきましょう。
目次
4ナンバー車とは小型貨物車のこと
4ナンバー車とは、小型自動車の中でも貨物用途の車両であり「三輪以上の小型貨物車」と定義されている車のことです。
車両のサイズや排気量には条件が設けられており、以下を超えると普通貨物車に区分され1ナンバーとなります。
小型貨物自動車(登録車) | 貨物自動車(軽自動車) | |
---|---|---|
長さ | 4.7m以下 | 3.4m以下 |
幅 | 1.7m以下 | 1.48m以下 |
高さ | 2.0m以下 | 2.0m以下 |
排気量 | 660cc超~2,000cc以下 | 660cc以下 |
また、荷物を載せるスペースにも「荷物を載せるスペースの床面積が1㎡以上あること(軽自動車は0.6㎡以上)」など、いくつかの条件が設けられています。
このように4ナンバーと普通車はそもそもの用途が異なるため、車検にも明確な違いがあります。
4ナンバー車と普通車の車検の違い
本章では、4ナンバーと普通車の車検の違いについてご紹介します。
更新期間や自動車税の計算方法など詳細が異なるため、注意しておきましょう。
更新期間の違い
4ナンバーと普通車の車検有効期間の違いは、以下の通りです。
初回(新車時) | 2回目以降 | |
---|---|---|
普通車 | 3年 | 2年 |
4ナンバー(小型自動車) | 2年 | 1年 |
4ナンバー(軽自動車) | 2年 | 2年 |
普通車はもちろん、4ナンバーでも小型自動車と軽自動車で有効期間が異なる点に注意しておきましょう。
なお、4ナンバー車が普通車と比べて有効期間が短い理由は、貨物輸送が目的となるためです。
車体や部品の劣化スピードが早くなる恐れがあるため、安全性を考慮して短い期間での車検が義務付けられています。
自動車税の計算方法の違い
日本では、自動車を保有しているだけで毎年税金が発生し、この税金を自動車税もしくは軽自動車税と呼びます。
自動車税は総排気量や用途によって細かく定められており、4ナンバーと普通車でも計算方法が異なるため注意が必要です。
4ナンバー車にかかる車検費用については、後述にて詳しくご紹介します。
4ナンバー車にかかる車検費用
本章では、4ナンバーにかかる車検費用をご紹介します。
車検費用は、一般的に法定費用・車検基本料の2種類からなり、車検基本料は条件により変動します。
各費用の特徴を理解し、車検費用を安く抑えられるよう工夫してみましょう。
法定費用
法定費用は法律によって支払いが義務付けられている費用であり、どの業者で車検を受けてもその金額は基本的に変わりません。
この法定費用には3つの種類が存在します。
自賠責保険料
自賠責保険とは、車の保有者に対し加入が義務付けられている強制保険のことです。
車検の際にまとめて支払い、次回の車検時まで自動的に継続されます。
自賠責保険料は車種によって異なり、2024年度(離島・沖縄以外)は以下の通りです。
12ヶ月 | 24ヶ月 | 25ヵ月 | |
---|---|---|---|
自家用乗用自動車 | 11,500円 | 17,650円 | 18,160円 |
小型貨物自動車(自家用) | 12,850円 | 20,340円 | 20,950円 |
軽自動車(検査対象車) | 11,440円 | 17,540円 | 18,040円 |
参考:損害保険料率算出機構 自動車損害責任保険基準料率表
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/cali/pdf/202301_table.pdf
4ナンバー車は貨物輸送目的の車両であることから、普通車に比べると保険料が高く設定されています。
自動車重量税
自動車重量税とは自動車の重量に対して課税される費用であり、車両の重量に比例して課税額が増加します。
自動車重量税の1年あたりの金額(13年未満・非エコカー)の一部を例に出すと、以下のようになります。
【1t以下】
- 自家用:3,300円
- 事業用:2,600円
【1t超 2t以下】
- 自家用:6,600円
- 事業用:5,200円
参考:国土交通省:継続検査等時における自動車重量税の税額
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001599518.pdf
印紙代
印紙代とは、車検時に必要な書類を発行するために必要な書類のことです。
業者に車検を依頼する場合は、印紙の発行は業者が代行してくれます。
ただし、この印紙代は指定工場と認定工場のどちらで車検を受けるかで、多少金額が異なるため注意しておきましょう。
- 指定工場:1,800円(OSS:1,600円)
- 認証工場:2,200円
OSSとは、自動車保有関係の手続きをオンラインでおこなうサービスで、利用することで印紙代がもっとも安くなります。
車検基本料
車検基本料とは、車検の際に必要となる点検費用や事務手数料が該当し、車の状態によって工賃や部品代が変動します。
車検を依頼する業者もディーラー・カー用品店・整備工場・出張車検など多岐に渡り、それぞれで基本料金やサービス内容が異なります。
出張車検の場合は、整備士が自宅や職場などの希望場所に訪問し車検をおこなうため、車検にかかる手間を大幅に減らすことができるでしょう。
もし出張車検について詳しく知りたいという方は、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。
4ナンバー車のメリット・デメリット
4ナンバー車には、メリットとデメリットの両方があります。
それぞれを理解したうえで、自分に合った車両を選びましょう。
メリット:自動車税や重量税が普通車よりも安い場合がある
車両の用途が主に事業用とされる4ナンバー車は、税制上の優遇措置が適用されます。
同サイズの普通車と比べ、自動車税や重量税が安いことがメリットと言えるでしょう。
デメリット:普通車よりも車検期間が短い
4ナンバーの車は、年1回、車検を受けなければなりません。
車検頻度が2年に1回の普通車と比べると車検の頻度が高く、業者へ依頼する場合には、その分お金がかかると考えたほうがいいでしょう。
4ナンバーと普通車の車検はどっちがお得?ハイエースで比較
自家用車と商業用車の両方で活用できるハイエースは、4ナンバーとしても登録できます。
例として、ハイエースの各ナンバーで必要となる車検費用を比較してみましょう。
※検査手数料は平均値15,000円・部品代5,000円、印紙代1,600円で統一する
3ナンバー(2年 自家用車登録) | 1ナンバー(1年 普通貨物車登録) | 4ナンバー(1年 小型貨物車登録) | |
---|---|---|---|
重量税 | 32,800円 | 16,400円 | 6,600円 |
自賠責保険料 | 20,010円 | 19,120円 | 14,280円 |
検査手数料 | 15,000円 | 15,000円 | 15,000円 |
部品代 | 5,000円 | 5,000円 | 5,000円 |
印紙代 | 1,600円 | 1,600円 | 1,600円 |
合計 | 74,410円 | 57,120円 | 42,480円 |
同じハイエースであっても、4ナンバーに登録することで、車検にかかる費用を抑えることができます。
ただし、車検期間が異なること・検査手数料や部品代は業者によって異なることから、一概に4ナンバーに登録すれば安くなるとは言い切れません。
上記はあくまで参考程度に留めておき、利用者の状況に応じて適切なナンバーを取得しましょう。
4ナンバーの車検費用を安く抑えるコツ
初回以後は毎年おこなう4ナンバー車の車検ですが、一工夫加えることで車検費用を安くすることが可能です。
本章では、4ナンバーの車検費用を安く抑えるコツをご紹介します。
車体重量の軽い4ナンバー車に乗る
4ナンバー車は、車体重量が重くなるほど法定費用が高くなるため、できるだけ車体重量の軽い車に乗ることで車検費用を抑えることができます。
ただし、用途に応じて適切な車を購入する必要があるため、使用目的を想定したうえで適切な4ナンバー車を選ぶようにしましょう。
民間車検業車に車検を依頼する
車検基本料金や整備・部品代は依頼する業者によって異なるため、費用が安い業者を選ぶと、車検費用を安くすることができるでしょう。
車検費用は、正規ディーラーに依頼する場合がもっとも高くなりやすいため、民間業者(カー用品店・車検専門店・ガソリンスタンドなど)に依頼したほうが車検費用は抑えられます。
また、純正部品ではなく、再生部品や社外部品を利用すると部品交換費用を抑えることが可能です。
車検を依頼する際は、相見積もりを取り複数の業者を比較することで、車検費用の安い業者を見つけやすくなります。
日頃のメンテナンスを徹底する
車検費用が高くなる要因の一つに、パーツの劣化による部品交換やパーツの取り寄せが挙げられます。
パーツの消耗を抑えるには、オイル交換やまめな洗車といった日々のメンテナンスが重要です。
4ナンバー車は、1年車検+貨物運送を目的とした用途で利用されることが多いため、使用頻度が高くなるほどパーツの劣化は早くなります。
日々のメンテナンスを徹底することで、車検費用を抑えるだけでなく、短い時間で車検が終わる・愛車を長持ちさせるというメリットにつながるでしょう。
まとめ
4ナンバー車は、普通車と違い1年に1度車検を通さなくてはいけません。
その都度、車検業者を選んだり、車を車検場に持ち込んだりと手間がかかることは事実です。
もし、車検にかかる手間を削減したいとお考えの方は、「セイビーの出張車検」を検討してみましょう。
セイビーの出張車検であれば、プロの整備士がご希望の場所にお伺いして車検をおこなうため、車を持ち込みや代車手続きの手間などを大幅に削減できます。
整備士はセイビーの厳しい採用基準をクリアした人のみで安心+車検費用は事前に決定・決済方法も複数ご用意しているため、安心してご利用いただけます。
概算見積もりにて費用目安もチェックできますので、気になる方はぜひセイビーのホームページをご確認ください!