新車なら購入から3年後、それ以降は2年ごとに受けなければいけない車検。
車検費用には何が含まれていて、どんなことをしているのか詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。
実際の車検費用は、軽自動車と乗用車・排気量等によって税金や車検の基本料金が違うので、分かりにくい部分だと思います。
そのため今回の記事では車検の費用目安から内訳、時期による価格差があるのかなど、車検について詳しく解説していきます。
※以下は2021/12月現在の情報になります

目次
車検の費用はどのくらいかかる?
車検の費用は車種や実施する整備内容によって大きく変わり、業者に車検を依頼する場合には、比較的初期費用が安い軽自動車でも5万円以上はかかると考えたほうが良いでしょう。
車検でかかる費用は大きく分けて3つあります。
- 法定諸費用
- 車検基本料
- 整備料金・部品交換料金
これら3つが主に車検に掛かってくる費用の実態です。
ここからはそれぞれがどのような費用なのかを詳しく解説していきます。
法定諸費用
法定諸費用は国によって支払いが義務付けられているもので、車検の際には「自動車重量税」「自賠責保険」「印紙代(手数料)」の支払いが必要です。
まずはこれらの費用がどういうものなのかについて解説します。
自動車重量税
自動車重量税は「車検の際に自動車の重量等に応じて課税される国税」です。
重量税の金額は車の重量やエコカーの対象車かどうかによって異なり、車検時には次回車検までの期間分をまとめて支払う必要があります。
自賠責保険料
自動車賠償責任保険は、自動車で公道を走行する車に加入が義務付けられている保険です。
この保険は事故が起きてしまった際の被害者救済を目的とした保険で、ドライバー自身やモノへの補償はありません。
何らかの理由で車検満期を超えてしまった場合にも保険満期切れとならないように、車検時には次回車検まで+1ヶ月分の金額を支払うのが一般的です。
金額は加入する保険期間・乗っている車の大きさによって変化します。
印紙代(手数料)
車検時には手続きにかかる手数料として、印紙を購入する必要があります。
金額は車種やどこで検査を行うかによって異なり、現在継続検査の印紙代は以下の通りです。
持ち込み検査 | 指定検査 | |
---|---|---|
軽自動車 | 1,800円 | 1,500円 |
普通車 | 2,200円 | 1,600円 |
※指定整備は指定工場で検査を行う場合の手数料です。
参照:国土交通省自動車検査の法定手数料
車検基本料
車検基本料金とは、お店に車検を依頼する際に必要な費用のことで、点検技術料や代行手数料などが含まれます。
法定費用のように金額が定められているわけではありませんので、価格は依頼先によって異なります。
そのため費用を抑えたいのであれば、いくつかの店舗で相見積を取ることをおすすめします。
整備料金・部品交換料金
車検とはその車が保安基準に適合しているかどうかを点検するためのもので、パーツが消耗していたり、故障している場合には修理や交換が必要です。
整備料金・部品交換料金は整備内容や使用するパーツによって異なるため、相場や費用感を算出するのは難しいです。
また車検見積もりを取ると「車検に通すための整備」ではなく「安全に走行するための整備」も同時に推奨整備として見積もりに加えることがほとんどなので、ご自身の車検予算内に収まるようにコントロールすると良いと思います。
そのため疑問に感じることがあれば、見積もりした業者に内容を聞くことをおすすめします。

車別の相場
車検費用のうち法定費用は車種ごとに決められた金額を支払う必要がありますが、それ以外の車検基本料金や整備料金は、依頼先によって設定価格が異なるため一概には言えません。
そのためここでは、車別の法定費用金額について詳しく解説していきます。
記事後半でご紹介する「車検を受ける場所と費用」とあわせて確認をすれば、おおまかな相場を知ることができますので、ぜひ参考にしてください。
軽自動車
軽自動車の法定費用は約3万円~です。
お店に車検を依頼すれば、パーツ交換などを行わなかったとしても5万円以上はかかると考えておいた方がいいでしょう。
乗用車(1t未満)
1t未満の乗用車は法定費用として約4万円~が必要です。
具体的な車種としてはマツダのロードスターやスズキのスイフトなどが該当します。
乗用車(1.5t未満)
トヨタのアクアやホンダのヴェゼルなどは車重が1.5t未満のコンパクトカーで、車検の法定費用として約4.7万円~がかかります。
乗用車(2t未満)
日産のセレナやトヨタのノア、ヴォクシーなどのミニバンは2t未満の乗用車に分類されます。
車検の法定費用としては、約5.5万円~が必要です。
大型乗用車(2.5t未満)
トヨタのランドクルーザーや日産のエルグランドは重量が2tを超えるため大型乗用車に分類されます。
また輸入車は国産車と比べ重量が重い傾向があり、2t以上2.5t未満の乗用車は車検の法定費用として約6.3万円~が必要です。
【業者別】車検にかかる費用の相場は?
車検は法律に定められており、安全や環境基準を満たしているのかどうかを確かめるために行われます。車を保有している全ての方が新車登録では3年後、その他の車は2年ごとに受けることを義務付けられています。
車検にかかる費用は車種や経過した年数、車の状態などの条件によって変動しますが、どの事業者に依頼するのかでも大きく変わることがあります。高い価格で安全性を最重要視し手厚い整備を行なっている業者や最低限の整備により低価格で早く完了させる業者もあります。自分に合ったサービスや予算をもとに選択できます。受けたいサービスと予算を確認して事業者選択を行う必要があります。一般的には普通車では10万円前後の費用が目安となっています。
車検費用を安くおさえる方法
適切に車検を行い、毎日の車での移動を不安なく乗りたいですが、車検費用はなるべく安く抑えたいと考えます。
日頃からメンテナンスをする
車検では車種や経過した年数などの他に、車の状態によっても大きく変わってきます。車の状態についての劣化具合や整備する部品・交換部品の必要な箇所によって車検費用は大きく変わります。車検の費用をなるべく抑えるためにも日頃からのメンテナンスがオススメとなります。部品交換が多くなってくると、車検前に見積もりをもらっていた金額よりも高額になることもあります。
ワイパーゴムの確認・ウォッシャー液・バッテリー・タイヤの状態などを日頃から確認することをおすすめします。車検の時にはまとまった費用がかかることは決まってますので、費用を分散して一度に発生する金額を抑えることも必要です。いつかは交換などが必要な部品などは定期的なメンテナンスで安全に走行することにつながります。
複数社から見積もりを取得して比較する
車検を依頼する時には複数の候補が考えられます。候補者を絞ったら何社か見積もりを依頼することで内容を比較することもできます。整備費用や整備内容は業者によって様々な考えや会社のコンセプトがあるため、整備内容と費用も含めて比較検討することが勧められます。比較資料があると自分の希望する内容か費用なのかを検討することができます。資料が集まることで必要のない交換内容であれば、後回しにするなどの対応もできることで費用を抑えることにつながります。
消耗品の交換は車検の中に含まれていないこともあります。エンジンオイルやバッテリーなどの消耗品は定期的なメンテナンスを必要としますので、費用に余裕があれば車検の時に交換することで後々の交換の必要が少なくなります。
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車検で確認する内容
車検では次の7つの項目について確認を行います。
- 同一性の確認
- 外観検査
- 検査機器による検査
- 排気ガス検査
- 下回り検査(ピット方式)
- 総合判定
- その他の検査機器による検査
ここではこれら7つの項目について詳しく解説していきます。
同一性の確認
同一性の確認は、車検を受ける車と車検証の情報が一致しているかを確認する検査です。
具体的には検査官が車体番号やエンジンの原動機型式を確認します。
外観検査
外観検査では、外から確認できる項目のチェックを行います。
具体的には検査員が全後方の灯火類やタイヤのナット・ボルトの締め付けチェック、クラクションの作動確認などを行い、保安基準に適合しているかをチェックします。
検査機器による検査
次に検査機器を使用した検査を行います。
ここでは行われる検査は次の4つです。
- サイドスリップ検査
- ブレーキ検査
- スピードメータ検査
- ヘッドライト検査
専用の機械で検査が進むため、持ち込み車検(ユーザー車検)の場合には操作ミスなどで不合格になる場合もあります。
排気ガス検査
排ガス検査は、マフラーから排出される一酸化炭素と炭化水素の濃度が基準値以下であることを確かめるものです。
なおこの検査はガソリン車に行われる検査で、ディーゼル車の場合は「黒煙検査」もしくは「オパシメータ検査」を行います。
下回り検査(ピット方式)
下回り検査ではオイル等の漏れや、ブレーキホース、ダストブーツに損傷がないかなど、車の下回りを検査員が確認します。
総合判定
これまで受けた検査を総合的に判断し、車検の結果を出すのが総合判断です。
検査結果と合わせて書類の審査も行います。
その他の検査機器による検査
その他の検査機器による検査では、必要に応じてディーゼル車の黒煙検査や車高の確認などを行います。
車検を受ける場所と費用
法定費用はどこで車検を受けても一律ですが、整備費用は依頼先によって差があります。
ここからは車検を受ける場所と整備費用の目安をご紹介。
車種や交換部品の有無によって金額に差が生まれますので、正確な金額を知りたい方は、見積を依頼することをおすすめします。
ディーラー車検:費用
ディーラーでは対象メーカーの車に関する知識が豊富な整備士が車検を担当するため、質が高い車検を受けることが可能ですが、車検費用は高額になる傾向があります。
整備費用目安は法定費用+4~10万円程度で、部品交換が必要となった場合には正規部品やメーカー推奨部品を使用することが多いため、部品交換料金も高くなりやすいです。
車検専門フランチャイズ車検:費用
車検を専門とするフランチャイズ車検の多くでは「安い」「早い」を売りにしています。
車検の費用は2万円~8万円程度に設定している店舗が多く、ディーラーと比較すると費用を安く抑えることが可能です。
しかし車検専門店では、車検に通る最低限の検査しか行わないケースが多いので「細かなところまで点検をして欲しい」という方はディーラーや整備工場に車検を依頼したほうが安心でしょう。
民間整備工場車検:費用
民間整備工場は幅広い車種の修理や点検などの整備を行う地域密着型の工場のことを指します。
1人~数人など少人数で経営をしている工場も多く、日程や金額の相談に乗ってくれる場合も。
金額は法定費用+3万円~5万円程度です。
カー用品店車検:費用
車のパーツを幅広く扱うカー用品店では、車検の際に必要なパーツを豊富に取り揃えているため、バッテリーやオイルなど一般的な消耗部品であれば価格の安いものから品質の良いものまで多くの種類から選ぶことができます。
また車検費用が安いのも魅力のひとつで、車検費用は、法定費用+2万円~8万円程度です。
国産車であれば基本的に問題はありませんが、輸入車や珍しい車の場合にはカー用品店で車検ができないケースもありますので、事前に確認をしておいたほうが安心でしょう。
ガソリンスタンド車検:費用
ガソリンスタンドではお得に車検を受けられるキャンペーンなどを用意していることが多く、費用目安は法定費用+1万円~3万円と、他の方法よりも車検代を安く抑えられる可能性があります。
しかし検査を外注している店舗も多く、車検が完了するまで時間がかかることもあります。
ガソリンスタンドに車検を依頼する場合には、車検期間に余裕を持って予約をするようにしてください。
ユーザー車検:費用
ユーザー車検は、運輸支局にて必要な検査を自分で行う方法です。
ユーザー車検の場合、支払いが必要なのは法定費用だけとなりますので、車検費用を安く抑えることができます。
しかし初めて検査を行う方や手続きに慣れていない方の場合、書類手続きや検査に時間がかかってしまうことが多いので、事前に検査手順を確認し、時間に余裕を持って車検を行うことをおすすめします。
車検代行業:費用
車検代行とは車検に関する手続きを代行してくれるサービスのことです。
価格は法定費用+1万円~3万円程度と低価格で車検を受けることができますが、業者によってサービス内容に違いがあります。
中には整備資格を保有していないスタッフが車検に出すケースもありますので、車検代行を依頼する際には内容をしっかりと確認することが大切です。
また車検に関しては代行業に位置するSeibiiでは、国家資格を持った整備士が直接自宅に伺って事前点検から車検前の整備・実際の車検持ち込みまで実施します。
整備資格が無い車検代行とは違い、車検に対応するすべてのメカニックが資格持ちのため安心して車検を行うことが可能です。
そんな車の出張整備・出張車検を行うSeibiiでは、法定費用+33,000円~で車検に対応。
なおかつ国産車だけでなく輸入車もOKなので、楽に・お得に車検を済ませたいという方はぜひ参考にしてください。
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車検を受ける時期
新車なら購入から3年後、それ以降は2年ごとに受ける必要がある車検ですが、車検を受けるベストなタイミングがあるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
ここからは車検を受ける時期について解説します。
時期で車検費用に違いはない
車検費用は車検を受ける時期による違いは無く、車検満了日の一か月前くらい前から車検を受けることが一般的です。
そもそも車検は車を購入した時期や、登録した日によってそれぞれ車検期間が設けられているため、車検を受ける月によって費用が変動することはありません。
ただ1月~3月は検査場や指定工場の繁忙期シーズンとなっているため、車検の予約がとれなかったり車検満了日に間に合わない可能性も多くあります。
そのため繫忙期に関わらず、車検を受ける日は車検満了日から余裕を持って予約や見積もりを終わらせておくことが重要です。
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車には電気が必要です。エンジン始動、窓の開け閉め、ナビ、ライト等様々なパーツが電力を消費しています。車に電力を供給しているのはバッテリーですが、そのバッテリーに充電してくれるのが、車の発電機ことオルタネーター(ダイナモ)です。このオルタネーター、消耗品の為、10万キロを目安に定期交換が必要です。バッテリーが上がり、交換が必要と思いきや、点検するとバッテリーには問題なく、車の発電機:オルタネーターに問題があるケースが多々あります。この記事では、ダイナモ? オルタネーター? クルマに付いている発電機の単純な疑問から点検方法、実際の修理・交換方法、業者別の料金比較まで、整備士が丁寧に解説します。
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車検費用の支払いについて
車検費用はいつ、どんな方法で支払うものなのでしょうか。
ここからは車検の支払いについて解説します。
いつ支払うのか
車検費用の支払いタイミングは業者によって異なりますが、車検終了時に全額支払うか、金額の変動がない法定費用のみを車検前に支払うケースが一般的です。
車検費用は高額になることが多いため、支払いタイミングがいつなのかあらかじめ確認しておくと安心でしょう。
支払い方法
車検費用のうち、整備費用やパーツ・部品代に関してはクレジットや信販系ローンで支払うことができる店舗が多くありますが、法定費用に関しては原則として現金での支払いが必要です。
依頼先によっては、全額まとめてローンで対応してくれることもありますので、金額が不安な方は予約前に相談しておくことをおすすめします。
まとめ
新車なら3年、それ以降は2年ごとに受ける必要がある車検。
満期がもうすぐだからと、なんとなく車を車検に出している方もいるかもしれませんが、依頼先や整備内容によって車検費用は大きく変わります。
今回の記事ではそんな車検の費用や相場について詳しくご紹介しました。
車検の内容や相場を把握しておけば、一般的な金額よりも高い料金を請求されるような心配もありませんので、ぜひ参考にしてください。
