整備士が教える【オルタネーター】 の役割と寿命、修理・交換費用

車には電気が必要です。エンジン始動、窓の開け閉め、ナビ、ライト等様々なパーツが電力を消費しています。車に電力を供給しているのはバッテリーですが、そのバッテリーに充電してくれるのが、車の発電機ことオルタネーター(ダイナモ)です。このオルタネーター、消耗品の為、10万キロを目安に定期交換が必要です。バッテリーが上がり、交換が必要と思いきや、点検するとバッテリーには問題なく、車の発電機:オルタネーターに問題があるケースが多々あります。この記事では、ダイナモ? オルタネーター? クルマに付いている発電機の単純な疑問から点検方法、実際の修理・交換方法、業者別の料金比較まで、整備士が丁寧に解説します。

オルタネーターの役割:車の発電機

オルタネーターとは、自動車に付いている発電機のことです。つまり、オルタネーターの役割は「発電」です。駆動中のエンジンの動力を利用して発電し、バッテリーを充電してくれる重要な部品です。

エンジン始動時には、電気を使ってセルモーター(スターターモーター)と呼ばれる部品を動かすことで、エンジンを発火させます。また、ラジオ、エアコン、カーナビ、ドラレコと車には電気を使用する電装品が多数備え着いています。いずれも電気を消費しますね。スマホと同じで、消費した分は充電しないと無くなってしまいます。

エンジンをかけないとバッテリーが上がるのはオルタネーターが動いていないから

オルタネーターは、エンジンの駆動=回転を利用して発電する機械です。従い、エンジンが動いていなければ、オルタネーターは発電することができません。

  • 車を半年放置したらバッテリーが上がった
  • エンジンを止めて、ラジオとエアコンをつけたままにしていたらバッテリーが上がった

上記の例で、バッテリーが上がる理由がわかりますね。

  1. エンジンを動かさない
  2. オルタネーターが発電できない
  3. バッテリーは電気を消費するだけ
  4. バッテリーが空になる無なる
  5. エンジンを始動できない

というわけです。

オルターネーターが壊れると何が困る?

この発電機能を有するオルタネーター、消耗品で、交換時期が必ず訪れます。交換せずにオルタネーターが壊れたままにすると、発電がされません = バッテリーに充電がされませんので、「バッテリー上がり」が発生します。バッテリーに原因があると考え「新品バッテリー」に交換しても、また直ぐにバッテリーが上がってしまう等のトラブルが起きる場合、原因はオルタネーターにあることが殆どです。オルタネーターに異常・故障があり、交換が必要となります。

オルタネーターの寿命・交換目安(期間と走行距離)

自動車の構成部品の中で、壊れ易い部品の1つとも言えるのが、このオルタネーターです。

一般論としては、以下のどちらか先に達した場合、オルタネーター交換時期が来た目安となります。

  • 期間:10年
  • 走行距離:10万km(最新モデル車の場合20万km)

夏に壊れやすいオルタネーター

オルタネーターは消耗品で寿命があることは上記の通りですが、実は夏になるとオルタネーターが壊れやすくなります。オルタネーターはエンジンの動力を利用して発電している仕組み上、エンジンに組み付ける形で取り付けられています。エンジンルームは高温になりますが、そこに夏の暑さが加わると、元々寿命が近づいていたオルタネーターが故障を起こすキッカケになるのです。

ロードサービスの救援統計:夏に増えるオルタネーター故障

JAFが公表しているロードサービスの救援データーのグラフをご覧ください。夏は冬の3倍弱、オルタネーター故障を原因とする救援依頼が急増することが分かります。
【JAF統計】オルタネーター故障によるロードサービス出動件数

オルタネーター寿命の合図(異音と発電不具合)

オルタネーターが寿命に達した際のサインとして発生する故障は主に3つに分けられます。

  1. 異音
  2. 発電不足
  3. 発電しない

他にも過充電などの故障もありますが、ここでは主な3つのオルタネーターの故障の原因を紹介します。

1. 異音の原因

1つ目が異音です。

自動車に取り付けているオルターネーターはそのプーリーにベルトが掛かっています。このベルトを介してエンジンからの動力をオルタネーターに伝えています。
Seibii出張オルタネーター交換
このオルタネータープーリーが回転する事によって発電が行われるのですが、このプーリーの軸が駄目になると異音が発生します。
Seibii出張オルタネーター交換
異音の発生原因はベアリングです。ベアリングとは軸受の部品で、オルタネーターのプーリーがベルトのテンションを受けながらもスムーズに回転出来るのはベアリングのおかげと言えます。
しかし、その分負荷もこのベアリングに掛かるため、ベアリングが破損すると異音が発生します。

2. 発電不足の原因

2つ目の故障は発電不足です。
オルタネーターの内部では回転する部分に電気を流すという事を行っています。
下の図ではスリップリングとブラシがそれに当たります。
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ベルトによってプーリーが回されます。そして、このプーリーと同軸で繋がっているスリップリングが同時に回転しますが、この回転するスリップリングに電気を流さないと発電が行われません。そこで、ブラシという部品を使用します。このブラシは銅や炭素素材で作られており、回転するスリップリングを傷付けずに電気を流す部品です。しかし、スリップリングを傷付けないようにブラシ自らが摩耗していく為、ブラシが摩耗してスリップリングとの接触が悪くなると必要な電気を流すことが出来ずに発電不足を引き起こします。

3.発電しない原因

3つ目の故障は発電しないです。

発電しない原因は色々と考えられます。2つ目に挙げたブラシの摩耗も発電しない原因となります。ブラシが摩耗して無くなったり、スリップリングとの接触しなくなると発電しません。
その他にはオルタネーター内部のショートがあります。オルタネーターは発電時の発熱を抑えるためにフィン構造になっています。その為、エンジンからのオイル漏れがあると、オルタネーターの中にオイルが入り、オルタネーター内部がショートしてしまうのです。この場合は、オルタネーターを修理しても、エンジンからのオイル漏れを修理しなければまた、オルタネーターが壊れてしまいます。
その為、オルタネーターの本当の故障の原因を探るのも重要になってきます。

オルタネーター点検は電圧と電流をチェック

オルタネーターに以上が無いか判断する為の基本点検は、以下2つです。
この2つを点検してオルタネーターの良否を判断します。

  1. 電圧の点検
  2. 電流の点検

12V以上の電圧

12Vを超える電圧があれば基本的にはオルタネーターは電圧を発生していると考えられますが、正確な値ではないので注意が必要です。

オルタネーターチェッカー

最近では簡易的にオルタネーターの発生電圧を測定する工具が発売されています。
バッテリーチェッカーやオルタネーターチェッカーと呼ばれているこれらの商品は、簡易的に電圧を測定しオルタネーターの状態を点検してくれます。

しかし、これらはあくまでも簡易点検です。チェッカーの電圧点検はバッテリーであったり、シガーソケット部の電圧を点検しているもので、正確にオルタネーターの発生電圧を点検していません。

オルタネーターの電圧点検:無負荷試験

オルタネーターの電圧測る時には「無負荷試験」と言われる点検方法を行います。無負荷とはヘッドライトやエアコンを付けない状態の事で、エンジン回転数を2,000~2,500rpmにしたときの発生電圧を調べます。

電圧が正常に発生しているか点検しますが、発生する電圧が高くなりすぎないように調整機能が壊れていないかも同時に点検します。

電圧の点検はオルタネーターのB端子の電圧を測定します。下図の赤丸がB端子です。
実際には端子にカバーが付いているので、カバーを外して点検します。

Seibii出張オルタネーター交換_B端子の測定
Seibii出張オルタネーター交換_B端子の測定

12-15Vが目安

このB端子電圧がおよそ12V~15Vの間にあれば問題ありません。
電圧に幅があるのは、バッテリーの充電状態によって発生する電圧が変化するためです。
バッテリーが弱っているとオルタネーターの発生電圧は高くなりますし、新品のバッテリーだと逆になり発生電圧は低くなります。

この12~15Vから大きく外れるようなB端子の電圧だとオルタネーターに異常があると思われます。
因みに、B端子のBはバッテリーのBです。

オルタネーターの電流点検:負荷試験

電圧の測定だけではオルタネーターの状態は分かりません。そこで次に点検するのが電流の値です。電圧の「無負荷試験」とは変わり、今度はライトやエアコンなど電気を使用するものをすべてONにして電流値を計測します。

使用する工具はクランプメーターを使用します。

クランプメーターをB端子のワイヤーに取り付け、エンジン回転数を2,000~2,500rpmにして電流値を測ります。
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30A以上が目安

電流値はおよそ30A以上あれば問題ないと判断できます。ヘッドライトなど使用している電力量によって60Aや80Aと出力します。たくさん電気負荷を掛けた時にそれと比例して電流値が上がれば正常です。逆に、たくさん電気を使用しているのに、電流値が上がらないとなるとオルタネーターに異常があると言えます。

修理・交換の選択肢 - 新品 or 中古 or リビルト or オーバーホール

オルタネーターの修理は4つの方法があります。

  1. 新品と交換
  2. 中古品と交換
  3. リビルト品と交換
  4. オーバーホールする

1. 新品と交換

新品への交換が一番安心すると思います。しかし、価格は4つの修理方法の中で一番高くなります。

価格帯

新品オルタネーターの価格はおよそ5万円 - 10万円です。
この部品代にプラスして、交換工賃1万円 - 2万円が加わります。

安価な粗悪品に注意

注意しなければいけないのは、粗悪な新品が出回っていることです。特に安価な中国製などの新品は購入するとすぐに壊れてしまいます。保証有無などから判断しましょう。

2. 中古品と交換

インターネットの普及により、中古オルタネーターの入手が簡単になりました。

価格帯

価格は1万円 - 5万円ほどです。

品質判断が難しい

ネットの写真だけを見て部品の判断するのはかなり難しいでしょう。また、あくまで中古であることから、例えメーカー純正品であっても、走行距離や使用年数、使用状況をよく精査する必要があります。

こういった事情から、中古品はトラブルの原因となりやすく、ディーラーや整備工場では受け付けないことが多いでしょう。

3. リビルト品交換

リビルト品とは中古の部品をオーバーホールして、新品同様の品質まで再生した商品を言います。丁寧に品質チェックされ、保証(Seibiiが提携するアーネスト/RAP製リビルト品の場合:40,000km or 2年間)もつきます。

新品と変わらない品質で、価格が約半額と、日本でもポピュラーになりつつありますが、環境意識の高い欧米では、リビルト品(RemanufacturedとかRemanと言います)を使用するのはスタンダードです。少し前までは、リビルト品というと中古品を少し良くしただけの商品と思われていましたが、その考えは古いと言えるでしょう。

価格帯

価格は2万~5万円ほどです。人気が高まっていることから、中古部品が中々手に入らない車種などは、リビルト品の在庫がすぐに無くなってしまい、手に入らない可能性もあります。

中古品を再生して使用するリビルト品は環境にも、お財布にも優しく、これからますます普及していくでしょう。

【ご紹介】Seibiiが提携するリビルト製造メーカー

Seibiiではオルタネーターの修理はリビルト品にて対応致しております。

リビルト自動車部品の大手株式会社アーネスト が製造販売するリビルト品(ブランド:RAP)を使用しており、全ての商品に保証が付きますので、ご安心して頂けます。

4. オーバーホール

オーバーホールとは、壊れたオルタネーターの部品を全て分解し、内部の消耗部品や古くなっている部品を新品へ交換し、組み付け直す事を言います。そのまま使用できる部品は再び組み付けて使用します。必要な部品だけ交換、修理対応するので価格を安く抑えることが出来るのが特徴です。

きちんとオーバーホールを行ったオルタネーターは新品と同様の性能を発揮します。なので、安心して使用することも出来るでしょう。

価格帯

作業工賃はおおよそ2万~5万円です。安価にオルタネーターの修理が行なえると言えます。

ただし、オーバーホールを行ってもオルタネーター自体には目に見える変化がありません。中には碌に部品も交換せずに、安く作業を済ませる業者もいます。もしくは、オーバーホールに慣れていないメカニックが作業を行うと、新品のような性能が出ないことがあります。素人には本当にきちんとオーバーホールを行ったか分からないので、注意が必要です。

修理・交換費用(ディーラー vs オートバックス vs Seibii)

オルタネーター交換の費用は業者ごとにどれだけ違うのか、比較しました。

「車種によって異なる」という問題が有り、正規ディーラーやオートバックスでは現車確認を求められ、電話やインターネットでの事前見積もりに応じてもらえません。ディーラーやオートバックスは、店舗によって対応が異なりますので、あくまで一般論です。出張オルタネーター交換のSeibiiの場合は、1)軽自動車2)国産普通車3)外国車の3パターンで価格固定提示となっています。

正規ディーラー

国産普通車・軽自動車

  • 新品純正品:50,000 - 100,000円
  • 交換工賃:10,000 - 20,000円
  • 合計:60,000円 - 120,000円

外国車・輸入車

  • 車種による価格差が非常に大きい為、一概には記載できませんが、かなり割高になります。

オートバックス

  • 基本的に現車確認必須で事前見積提示不可。
  • 店舗では対応できず、外注に出すことも多い為、値段が大きく変わる。

出張オルタネーター交換のSeibii(セイビー)

整備士が教える【オルタネーター】 の役割と寿命、修理・交換費用

車には電気が必要です。エンジン始動、窓の開け閉め、ナビ、ライト等様々なパーツが電力を消費しています。車に電力を供給しているのはバッテリーですが、そのバッテリーに充電してくれるのが、車の発電機ことオルタネーター(ダイナモ)です。このオルタネーター、消耗品の為、10万キロを目安に定期交換が必要です。バッテリーが上がり、交換が必要と思いきや、点検するとバッテリーには問題なく、車の発電機:オルタネーターに問題があるケースが多々あります。この記事では、ダイナモ? オルタネーター? クルマに付いている発電機の単純な疑問から点検方法、実際の修理・交換方法、業者別の料金比較まで、整備士が丁寧に解説します。

https://seibii.co.jp/blog/contents/how-to-replace-alternator-and-summary/

なら、チャット・LINE・電話にて整備士が無料で相談にのります。

軽自動車

  • 44,000円(オルタネーター代、出張費、工賃、消費税込み)

国産普通車

  • 55,000円(オルタネーター代、出張費、工賃、消費税込み)

ノア、レガシィ、ハイエース、アルファード、レガシィ、デリカ、セルシオ、エリシオンと全て同価格です。

外国車・輸入車

  • 44,000円(出張費、工賃、消費税込み)
  • オルタネーター部品代は別となります。
  • これは車種によってオルタネーターの商品代が大きく変わる為で、リビルト部品の在庫可否も大きく変わる為です。

修理・交換の所要時間と作業手順

オルタネーター修理・交換の手順、所要時間は車種により大きく変わります。個別に整備マニュアルを見て確認しましょう。

詳しくは

オルタネーター(ダイナモ)の交換手順と所要時間

車が走行中にバッテリーを充電する為の補機類:オルタネーター(ダイナモ)。消耗部品の1つで、壊れてしまうと、充電がなされずバッテリー上がりを引き起こします。この記事では、オルタネーターの一般的な交換手順と作業時間について纏めました。

https://seibii.co.jp/blog/contents/how-to-replace-alternator-with-example-of-toyota-crown/

をご参照ください。

交換作業時間

作業時間は車種により15分 - 1日と大きく変動します。

作業ステップ

国産乗用車の一部を前提すると、以下の手順となります。

  1. バッテリーターミナル取り外し
  2. カバー取り外し
  3. 配線(B端子とコネクター)取り外し
  4. アイドラプーリーとブラケット取り外し
  5. オルタネーター取り外し
  6. オルタネーター取り付け

(豆知識)複数の呼び方呼び方 - オルタネーター vs ダイナモ vs ジェネレーター

発電機の3つの呼び方

自動車の部品の名称で分かりづらい点の一つに、同じ部品なのに人によって違う呼び方をするというのがあります。

その代表例が、車の発電機を表すオルタネーターダイナモジェネレーターです。

オルタネーターとダイナモとジェネレーター : 種類による違い

では、なぜ同じ発電機なのに違う名称を使うのでしょうか?

厳密には「発電機の種類」によって名称が異なるのです。

  • オルタネーター : 交流発電機
  • ダイナモ : 直流発電機
  • ジェネレーター : 発電機 そのもの

図で表すと、こんなイメージです。

オルタネーター複数の呼び方(ダイナモ、ジェネレーター)

メカニックによる呼び方の違い

さて、厳密には上記で解説したように、機能によって呼び方が異なるのですが、メカニックの年齢によってもこの発電機の呼び方が異なります。

ダイナモと呼ぶ大大大先輩世代

昔の車(1960年より前)は、発電機が直流でした。従い、60代以上の大・大・大先輩メカニックは、ダイナモと呼ぶ方が今でも沢山いらっしゃいます。外国人、特に、アフリカやアジアなどの新興国や途上国で、車関係のお仕事をされている方は「ダイナモ」と呼ぶ人も多いです。つまり、昔の名残、です。

オルタネーターと呼ぶ現役メカニック

1960年頃から交流式の発電機が出始め、近年のクルマではほぼ全ての車両に交流式の発電機であるオルタネーターが使われています。ですので、自動車の整備業界では、オルタネーターと呼ぶのがスタンダード且つ正しく、販売されている部品もその呼称で呼ばれています。

オルタネーターと呼ぶのが正しい

結論としては、オルタネーターの名称を覚えていれば間違いないでしょう!
ユーザーの立場からすると、説明をするメカニックの年齢によって名称が変わるため、それが混乱を招いている原因だと思います。また、自動車メカニックでジェネレーターと呼ぶ人はわずかだと思います。

いずれの場合もクルマの発電機の事を指しているので、柔軟に使い分けが出来るとベストです!

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