自動車整備士になりたい、またはこれからも整備士として続けていくときに、
- 自動車整備士の将来性あるの?
- 今後自分がどうすれば給料が上がっていくんだろう?
上記のような給料や年収面で大きな不安がありますよね。
この記事では、そんな不安点を払拭するために、整備士の給料の実情と給料の上げ方を解説しています。
また今回の記事を通して、整備士の仕事としての魅力や将来性に心配はないことを再認識していただけると思います。
自動車整備士の給料・年収の特徴
自動車整備士の給料は基本給が安く、資格手当や売上目標達成時に支払われるインセンティブ(奨励金)、残業代の占めるウエイトが多い特徴があります。
支給月数としては十分に設定されているボーナスも、その基準となる基本給が安いと支給額としては不十分です。
長年勤めてもこの構図が大きく変わらず、年収が上がりづらいことも多いです。
また、最近では働き方改革により残業がほとんどなくなってしまい、給料が下がったという意見も聞かれます。
一方でサービス残業が常態化し、連日深夜まで仕事に追われている会社もあります。
整備士の給料は安い?
自動車整備士の給料は働く場所によりますが、平均値は一般的な平均年収より少ないくらいが現状です。
ですがディーラーや民間工場を問わず、一般的な世間の平均年収を上回る給料を貰っている自動車整備士もたくさんいます。
たとえば、20代でサービス職ながら年収500万円を超えることも可能です。
SNSや周りの整備士の声はネガティブな意見が目立ち、拡散される一面があるので「自動車整備士=給料が安い」というイメージを持っている方も多いでしょう。
実際にそのイメージは間違いではありませんが、必ずしもそうとは断定できず「会社や働き方によって大きく異なる」のが実情です。
整備士の現状と将来性
自動車整備士は給料の問題や、店舗内で業務の異なる営業スタッフやアドバイザー・フロントスタッフとの人間関係など、さまざまな問題により離職者が多いのが現状です。
- 20代の自分の思い描いていた働き方と異なる場合の離職
- 30代〜40歳までの将来やキャリアによる不安の離職
特に上記の2つによる離職が多く、これからを担う若手や引っ張っていく中堅世代の離職が増加しています。
また、自動車整備士に通う専門学校生も2013年の時点で10年前の半分以下となっています。
このことから、新卒採用はもちろんのこと転職市場でも売り手市場が続いています。
こうした人材不足を背景に、昨今では高卒採用や外国人採用を積極的に行う会社も増えています。
ただ先述の通り自動車業界は離職者が多いため、資格と経験さえあればどの年代でも転職が出来て、働く場所に困らないのは大きなメリットだと思います。
単純に整備士が足りていない状況で、この状況が続くと作業工賃なども上がるため整備士の将来性は悪くないでしょう。
自動車整備士の給与形態
自動車整備士の毎月の給与は「基本給」「インセンティブ(歩合や奨励金)」「残業」「資格等の手当」の、大きく4つの柱から成り立つことが多いです。
ここでは上記をベースに整備士の主な給与の項目などについて解説していきます。
インセンティブ(歩合・奨励金)
工場サービス部門の売上の達成率や利益率などによって、支給されるのがインセンティブです。
また月々の店舗の成績は関係なく、半期または1年ごとの個人評価を元に、毎月決められた金額を支給する「職務給」「職能給」というかたちを取っている会社もあります。
獲得の条件や金額の大小は「数百円/月〜数万円/月」など、会社によって大きく異なります。
昇給
昇給とは基本給が上がることで、個人の頑張りや評価が、昇給に直結します。
ディーラーであれば一般的な会社と同じく、年に一回と定められていることがほとんどです。
労働組合のある会社は、会社に対してベースアップ要求が行われその結果、通常の昇級とは別に基本給が上がることもあります。
数百円〜数千円の昇給が一般的ですが、優秀な整備士であれば1万円以上の昇給を勝ち取るひともいます。
ボーナス
ボーナスは夏と冬の年に2回支給されるのが一般的で「基本給×支給月数」によって決まります。
また会社によってはボーナスが無く年俸制を採用しているところもあります。
多くのディーラーであれば、基本給を元に【2.5〜4.5ヶ月分/年】のボーナス支給が一般的で、個人の成績や評価により上記をもとにプラスマイナスされます。
そのため総支給額は一回のボーナスあたり10万円〜90万円と、歩合や昇給と同じく会社によって大きく異なります。
また、業績が良いときに決算賞与を支給する会社もあり、1ヶ月分の給料分くらいまでが平均的な支給額です。
自動車整備士資格ごとの平均年収
具体的に自動車整備士は、どれくらいの年収をもらうことができるのでしょうか。
日整連は、業界内平均年収のデータを公表しています。
2021年度ディーラーは468.5万円、ディーラー以外は367.4万円となっており、近年は常に右肩上がりの数字となっています。
日整連のデータを元に整備資格での年収を考察していきましょう。
3級整備士の平均年収
3級整備士は無資格で整備業務に従事しているひとが、はじめにチャレンジする資格です。
そのため、ここに該当するのは若手スタッフであることが多いです。
平均年収は【300万円前後〜350万円】です。
年収を上げるには、2級整備士へのステップアップが必須です。
2級整備士の平均年収
もっとも該当する人が多いのが、2級整備士です。
専門・短大の新卒から定年間近のベテランまでその内訳は幅広いです。
また検査員資格を保有して検査業務に従事している場合は、手当が支給されることもあります。
2級整備士の平均年収が業界内の平均年収といっても過言ではなく【380〜450万円】が、平均年収です。
都市圏の正規ディーラーであれば、500万円を超える年収を得ることも可能です。
1級整備士の平均年収
1級整備士は2級整備士と比較して資格手当の支給額は多くなりますが、日常業務に差がないこともあり、年収も大きく変わりません。
平均年収は【400〜500万円】です。
自動車整備士が収入を上げるためには?
自動車整備士が収入を上げるために、やるべきこと・できることを紹介します。
ここでは会社で働いて年収を上げる方法と副業で収入を上げる方法を解説していきます。
ディーラーで勤める
先ほど解説したようにディーラーとそれ以外の整備工場を比較すると、平均年収には大きな差があります。
2021年度のデータを元にすると、およそ100万円の差でディーラーの方が年収が高いです。
福利厚生面や休日日数でもディーラーの方が待遇の良い場合が多いので、ディーラーに勤めることが、収入も待遇も良くする手段のひとつと言えるでしょう。
ディーラー(メーカー)独自の資格を取得する
収入面で有利なディーラーに勤めた上でさらに収入を上げる方法は、勤めるディーラーのメーカー独自資格(トヨタ検定など)を取得することです。
資格は3〜4段階に分かれていることが多く、下位資格から順に合格することで次の資格にチャレンジできる流れが一般的です。
多くのディーラーでメーカー資格の取得状況により資格手当を設定していて、難易度の高い上位資格ほど高い資格手当が設定されています。
手当はおおよそ数千円〜数万円/月の手当になるので、収入を上げるために有効な手段と言えます。
また資格取得することで整備士としての評価そのものが上がるので、昇給額もその他の整備士と比べると良くなり収入アップにつながることが多いです。
ディーラーで評価される優秀な整備士とは、ただ現場での作業ができるだけではなく、新しい機構に関する知識を得ることにもぬかりなく、勉強もしっかりとできることが重要なポイントです。
副業をはじめる
収入を増やす方法は会社でのキャリア以外にも方法はあり、副業を始めることもその一つです。
副業と聞くとちょっと身構えてしまう方もいるかもしれませんが、仕事終わりや休日にコンビニなどでアルバイトするのも立派な副業です。
ただ収入を効率的に増やすためには整備士を活かした副業が一番確実に収入を増やすことが出来ます。
セイビーではディーラーや民間工場で働く整備士や元整備士の方が、副業でも働きやすい環境を提供しています。
- お客様の自宅まで出張してバッテリー交換をする
- お客様の駐車場でドライブレコーダーを取り付ける
副業の方でも上記のような作業で本業で培ったスキルを発揮することができ、作業の報酬がアルバイトなどより高いのも魅力の一つだと思います。
すぐに登録ではなく、まずはオンライン説明会などで働き方などのイメージを付けることが出来るのでお気軽にお問い合わせください!
また整備士が出来る副業について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしていただければと思います。
自動車整備士が月給を10%あげる副業5選
自動車整備士の職種は、待遇が改善されず、整備士の離職率は歯止めが利かず、有効求人倍率は4.46倍(平均は1.46倍)と極めて厳しい数字となっており国家課題になっています。整備士として始めやすい副業や、整備士資格を活かした副業をご紹介します。
https://seibii.co.jp/blog/contents/mechanic_sub_work/

自動車整備士のやりがい
ここまで整備士の収入の話題をメインに解説してきましたが、技術職ならではの仕事としてのやりがいも整備士の魅力のひとつです。
お客様から直接感謝をされる
自動車整備士はサービス業です。
問診や整備説明などで直接、お客様と接する機会があります。
中には、お客様とのやり取りは営業、フロント(アドバイザー)スタッフが行い、整備士は整備のみに集中する会社もあります。
しかし、お客様と言葉を交わしてコミュニケーションを取ることは、お客様が車に対して求めていることを直接感じ取ることができる良い機会です。
これはお客様の期待に応えたい気持ちも出てくるので、確実な整備にも繋がります。
何より、不具合を修理してその結果をお伝えしたときに直接感謝の言葉をいただけることは、日々の業務のモチベーションアップにもなります。
こうした関係性をより多くのお客様と築いていくことで、やりがいを感じる瞬間は増えていきます。
専門知識や技術スキルが身につく
自動車整備士に求められるスキルは非常に多岐に渡るので、誰でもできる仕事ではありません。
自動車は日々進化しているので、新たな機構や仕組みを学び理解することは必須条件です。
それゆえに整備士だからこそ得た専門知識・技術スキルは、自分にとって一生を通しての財産とも言え非常に価値の高いものです。
日々仕事をしていると気付きにくいことかもしれませんが、整備士が何気なく日々こなしている作業は、整備士以外からすると難しい高度な作業になります。
この部分の気付きがあればより仕事に対してのやりがいは高まり、整備士として成長できるはずです。
まとめ
自動車整備士は給料が安いというイメージがある人も多いでしょう。
しかし、実際には会社によって給料や待遇は千差万別で、不満なく十分な年収がもらえる会社もたくさんあります。
今は有効求人倍率4.58倍(2021年度)の売り手市場ということもあり、整備士の働き方や待遇は、良い方向に目まぐるしく変化している最中です。
今後も社会インフラのために必要不可欠な職業なので、将来性も暗くない仕事と言えるでしょう。
また学生の方は下記の記事も参考になりますので、企業探しに悩んでいる方はぜひご確認ください。