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ワゴンR(MH21S)のエアコンコンプレッサー交換手順 全行程
3代目ワゴンRとして2003年に発売されたMH21S型のワゴンRは、生産台数100万台を超える大ヒット車種となりました。
発売から10年以上経過し、オルタネーターやスターター、エアコンなどの故障が多く見受けられます。その中でも、梅雨から夏になると困るのがエアコンの故障。
その原因の多くは、エアコンコンプレッサーの故障です。
エアコンコンプレッサーは、エアコンガスを圧縮し循環させている部品で、常に負荷がかかる部分だけに長く乗り続けると故障が発生しやすい箇所です。
この記事では、エアコンコンプレッサーの交換方法や費用についてご紹介します。
エアコンコンプレッサーの交換は、一般の方のDIYではハードルが高く、基本的には整備士にお願いすることをオススメします。
エアコンコンプレッサー交換費用
ワゴンRのコンプレッサー交換費用は、新品で交換する場合でおよそ80,000円~90,000円、リビルト品で交換する場合には30%程度安く済みます。
内訳:
- 新品エアコンコンプレッサーの費用:約62,000円
- リビルト品の費用:新品より30%ほど安価な50,000円前後
- 工賃:約20,000円
その他:エアコンガスを補充する場合、エアコンガス代などが追加されます。
ただし、ワゴンRでも年式により部品代や工賃が変わるので、注意が必要です。
また、基本的には新品よりも「リビルト品」をオススメします。
リビルト品は、中古部品を「分解」「洗浄」「研磨」「組立」したもので、品質は新品と変わらず、保証も付きます。それでいて新品より30%ほど安いので、安心お得で地球にも優しいです。
セイビーの出張エアコンコンプレッサー交換では、保障付きのリビルト部品で作業しますので、オススメです。
作業に必要な工具
コンプレッサーの交換に必要な工具は以下の通りです。
- プラスドライバー
- クリップリムーバー(内装剥がし)
- ラチェット&ソケット(10mm、12mm、14mm)
- メガネレンチ(10mm、12mm、14mm)
- マニホールドゲージ
- 真空ポンプ
- エアコンガス回収機
- スケール
エアコンコンプレッサー交換手順
プロの整備士がエアコンプレッサーを交換する際の手順は以下となります。
一般の方にはハードルが高いため、プロの整備士にお願いすることが無難です。
- グリル取り外し
- バンパー取り外し
- エアコンガス抜き取り
- エアコンベルト取り外し
- エアコンコンプレッサー取り外し
- 取り付け
- 真空引き・エアコンガス注入
- バンパー取り付け
ステップ1.グリル取り外し
フロントバンパー取り外しを行うために、まず最初にグリルを取り外します。
フリントグリルはクリップ4つで固定されているため、クリップを取り外します。
クリップは真ん中の部分を上に浮かせると、ロックが外れるようになっています。
プラスチックで出来ている為、古くなると外す際に破損しやすくなります。
1個100円程度で購入出来るので、新しくクリップを用意してあると、外す時に安心です。
クリップを4つ外すとグリルを外すことが出来ます。
グリルを車両前方方向に引き出し、グリルを取り外します。
ステップ2.バンパー取り外し
グリルを外したら、バンパーを取り外します。
バンパーは、10mmのボルト2本、ビスが6本、クリップ2個で留まっています。
10mmのボルトは、グリルを外した場所にあります。
ヘッドライトの横にボルトがあるので、取り外します。
次にプラスのビス6本を取り外します。バンパーの下側に4本、タイヤハウスの中に左右1本ずつあります。
クリップもバンパーの下に付いていますので、取り外します。
全て取り外したら、バンパーを取り外します。
一人で行うとバンパーを傷つける恐れがあるため、誰かに手伝ってもらい、二人でバンパーの両端を持ちながら取り外します。
ステップ3.エアコンガス抜き取り
エアコンガスの回収機を使用し、ガスを回収します。
エアコンには2種類の配管が通っており、Hiの配管とLoの配管があります。
この配管にマニホールドゲージの配管を繋げます。
配管の口の形状がHiとLoで違うので、間違うことは無いと思いますが、間違えて取り付けるときちんと作業することは出来ませんので、気を付けて作業を行います。
マニホールドゲージを車両に接続したら、マニホールドゲージの残りの配管とエアコンガス回収機を繋げます。
ガスの抜き取りは自動で行うことが出来るので、配管を繋げて、スイッチをONにするとガスを回収することが出来ます。
もちろん作業はエンジンを止めている状態で行いましょう。
ステップ4.エアコンベルト取り外し
エアコンガスを抜き取りながら、エアコンベルトを取り外していきます。
エアコンコンプレッサーが前後に動くようになっており、ベルトはエアコンコンプレッサー本体の取り付け位置をずらすことによって、ベルトを緩め、取り外すことが出来るようになっています。
エアコンコンプレッサー本体は、12mmのボルト4つで付けられています。
まずはエアコンコンプレッサーの下のボルト2つを緩めます。ここではボルトを取り外す必要はありません。手で回せる程度にボルトを緩めます。
下のボルトを2つ緩めたら次はコンプレッサーの上のボルトを緩めます。
コンプレッサーの上に付いているボルトは2個ありますが、1個は、コンプレッサーを前後に動かすためのボルトです。
コンプレッサー本体を留めているのはコンプレッサーのパイプの裏にあるボルトです。
まずはこちらのボルトを緩めます。
パイプ裏のボルトを緩めたら、写真の手前赤丸の12mmの長いボルトを緩めていきます。
こちらのボルトは緩めるほど、コンプレッサー本体が動き、ベルトの張りが緩くなっていきます。
ベルトが取り外せるほどコンプレッサーを緩めたら、ベルトを取り外します。こちらもボルトを取り外す必要はありません。
ステップ5.エアコンコンプレッサー取り外し
エアコンガスがきちんと抜けている事を確認します。
エアコンガスの大気開放は違法行為となりますので、絶対に行わないようにしましょう。
エアコンガスが抜けているのを確認したら、コンプレッサーに繋がっている配管を取り外します。
HiとLoの配管が2つ付いており、配管は10mmボルトで留まっています。まずは10mmのボルトを取り外しますが、配管にはガスが漏れないようにゴムのリングが付いてます。まっすぐ引き抜かないと、配管が曲がってしまう恐れがあるので、グリグリと力を入れながらまっすぐ引き抜きます。
配管とコネクターを取り外したら、後はコンプレッサー本体のボルトを取り外します。
ボルトを全て取り外したら、本体を取り外します。
重いので、落とさないように気を付けて車体から取り外します。
注意点
配管を取り外したら、配管の中にゴミが入らないように、配管の入り口にウエスなどを巻きましょう。
配管が外れたら、コネクターを取り外します。
ステップ6.取り付け
取り外したのとは逆の手順で取り付けを行います。
コンプレッサーの中にはオイルが入っている為、オイルをこぼさないように取り付けを行います。
エアコンの配管を取り付ける時は、配管のOリングを新しく交換し、Oリングにはエアコンのオイルを塗ってから取り付けを行います。
オイルを塗らないと、取り付け時にOリングを破損する恐れがあり、エアコンガスが漏れてしまう原因となります。また、エアコンオイル以外のオイルを塗ってもOリングやエアコンの配管を傷める原因となるため、取り付け時にはエアコンオイルを塗るようにしましょう。
ベルト取り付け
コンプレッサーを取り付け、ベルトを取り付けます。
ベルトは取り付けの張力が決められています。
ベルトが適切な張力で張られていないと、ベルトが破損してしまったり、エアコンコンプレッサーに余計な力が掛かり、ベアリングを破損する恐れがあります。
ベルトの張りは、クランクシャフトとエアコンコンプレッサーの間でベルトのたわみ量を測ります。
- 測定条件:100(N)の力で押した時
- 新品時:6~7mm
- 最張時:7~8mm
ステップ7.真空引き・エアコンガス注入
ベルトを取り付けたら真空引きをしてガスを注入していきます。
真空引き
まずは真空引きですが、マニホールドゲージの配管を車両に取り付けます。
マニホールドゲージの赤はHiの配管、青はLoの配管に取り付けます。
そして、黄色のホースは真空ポンプに取り付けをします。
真空引きは、エアコン配管内の余分な水分や空気を取り除く事を目的としています。
また、エアコンを負圧の状態にして保持することで、配管の漏れの確認も同時に行っています。
真空引きは5~10分程度行います。
真空引きが完了したら、スイッチをOFFにしてそのまま10~15分程度保持します。
ガス漏れチェック
マニホールドゲージの圧力ゲージを見ると、負圧になっています。
この値が10~15分後も同じ値のままなら、エアコンの配管に漏れはないと判断出来ます。
この負圧の値が、徐々に0近づいていくと、エアコンの配管のどこかで漏れが発生していると考えられます。
その状態でガスを入れても抜けてしまうので、その場合は、エアコンのガス漏れの原因を探ります。
エアコンガス注入
漏れが確認出来なかったらそのままガスを入れていきます。
ガスを入れる量は車両によって決められています。
ワゴンR(MH21S)のガス量は320g(±30g)となっています。
ガス量を規定量入れたら、サイトグラスにてガス量を確認します。
サイトグラスはエアコンガスの流れを目で確認出来るようになっていて、きちんとガスが入っているか確認します。
エアコンガスを入れたら、実際にエアコンを作動し、冷たい風が出るか確認します。
ステップ8.バンパー取り付け
エアコンガスを入れ、冷風の確認が出来たら、バンパーを元に戻します。
外すときと同様に、バンパーを取り付けるときも二人で行うようにします。
以上でエアコンコンプレッサーの交換完了です!専門性が高いことがお分かり頂けたのではないでしょうか。
出張エアコンコンプレッサー交換ならSeibii(セイビー)
エアコンの不具合の原因として多いエアコンコンプレッサーの故障。
交換をする際には、エアコンガスの抜き取りや注入が必要となるため、日頃から車の整備に慣れていない方にとっては難易度の高い作業と言えるでしょう。
せっかく交換を行っても「冷風が出ない」などのトラブルが発生する可能性も。交換作業はプロに任せることをおすすめします。
「できるだけ手間を省きたい」「質の高い整備を受けたい」という方には出張整備のセイビーがおすすめです。
整備なら国家資格を持つ整備士が自宅を訪問。その場でエアーコンプレッサーの交換を行うため、待ち時間や移動時間は発生しません。
車のエアコンの効きが気になる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!