車を構成する部品のひとつであるオルタネーターは、車に必要な電気を生み出す役割を担っており、適切な時期に交換が必要な消耗部品です。
そんなオルタネーターはどれくらいで交換が必要となるのでしょうか。
今回の記事では、走行に欠かせないオルタネーターの寿命や耐用年数、車種ごとの平均寿命をご紹介します。
目次
オルタネーターの耐用寿命とは
オルタネーターの耐用寿命は、使い方や使用環境によって差が生じます。
今回は「軽自動車」「普通車」「大型車」の3つに分けてオルタネーターの耐用寿命をご紹介します。
軽自動車のオルタネーター耐用寿命
軽自動車のオルタネーター耐用寿命は10年程度が目安です。
ただし、渋滞の多い街中の走行が多い場合や、アイドリングの時間が長い場合は通常よりも早く劣化がすすむ可能性があります。
オルタネーターで生み出された電力は、車内の電装部品を動かすためにも使用されていますので、電装部品の数が多い場合も寿命が短くなる原因となります。
普通車のオルタネーター耐用寿命
普通車のオルタネーターの耐用寿命も軽自動車と大きな差がなく、使用開始から10年程度とされています。
最新の車種や、定期的にオルタネーターのメンテナンスを行なっている場合は、耐用年数よりも長く使えるケースもありますが、耐用寿命に達したら交換を検討することがおすすめです。
大型車のオルタネーター耐用寿命
「大型車はオルタネーターの消耗スピードが早い」と思われる方も多いかもしれませんが、トラックなどに使用されているオルタネーターの耐用寿命も普通車と大きな差はなく、10年程度が交換目安です。
ただし、エンジンをつけながら仮眠や休憩を取ることが多い場合には、オルタネーターに使用されている内部パーツの消耗が激しくなることがあります。
「アイドリングが長い」と感じている方は、耐用寿命に達していなくても定期的に点検を行ない、必要に応じてパーツの交換を行ないましょう。
オルタネーターの走行距離の寿命とは
10年が耐用寿命とされているオルタネーターですが、走行距離が平均よりも多い場合には、10年を待たず故障してしまう可能性があります。
ここからは車種別の走行距離寿命をご紹介します。
軽自動車のオルタネーター走行距離の寿命
軽自動車に使用されているオルタネーターの走行距離の寿命は10万km程度です。
年間2万km以上を走行する場合は10年以内でも故障する可能性がありますので、こまめにオルタネーターの状態を確認するようにしましょう。
普通車のオルタネーター走行距離の寿命
普通車のオルタネーターの走行距離寿命も軽自動車と変わらず10万km程度です。
最近はオルタネーターの性能が向上しているため、20万km・30万kmと走行できる場合もありますが、突然の故障を防ぐためにも走行距離目安を超えたら交換を検討してください。
大型車のオルタネーター走行距離の寿命
車を動かすのに大きな力が必要な大型車ですが、オルタネーターの走行距離寿命は軽自動車や普通車と変わらない10万km程度です。
長距離移動が多いトラックの場合は、使用開始から10年が経つ前に走行距離寿命に達することが多いので、オルタネーターを交換してからの走行距離を把握しておくようにしてください。
オルタネーターの寿命の前兆は?
オルタネーターは完全に故障する前に何らかの不調を感じる場合があります。
「いつもと違う」と感じたら、点検を行うよう心がけましょう。
オルタネーターが寿命を迎える原因
オルタネーターの故障原因の多くは、部品の寿命です。
オルタネーターにはいくつものパーツが使用されており、走行中の振動や摩耗で不具合が発生します。特にファンベルトなどのベルト類やブラシ等は消耗が早いため、定期的に点検を行ない、必要に応じて交換を行ないましょう。
早めに部品の寿命が分かれば、部品交換だけで済む可能性が高いですが、部品の不具合を放置すると、他のパーツへも影響を与え、オルタネーター自体の交換が必要になるケースがあります。
また、オルタネーターは熱や水に弱い部品です。
炎天下で長期間放置された車や水没した車はオルタネーターに不具合が起こっているかもしれません。心配な場合はディーラーや整備工場で点検をしてもらうと安心です。
オルタネーターが寿命を迎える前兆
オルタネーターが寿命を迎える前には、以下のような前兆がある場合があります。
- エンジンのかかりが悪い
- 電装部品がいつも通り動かない
- エンジンルームからの異音がする
- バッテリーが正常に充電されない
- ハンドルやブレーキが重い
- ライトがいつもより暗い
このような症状が出た場合は、オルタネーターの危険信号です。
無理に走行を続ければオルタネーターが原因でバッテリーがあがり、エンジンが掛からずに動かなくなる可能性があるため、いち早く点検を受けたり交換することをおすすめします。
オルタネーターが寿命を迎えた時の症状
オルタネーターが寿命を迎え、動かなくなってしまった場合には以下の症状が発生します。
- ハンドルやブレーキ倍力装置が機能しない
- 電装部品が動かない
- エンジンがかからない
- バッテリーの警告灯が点灯する
オルタネーターから生み出された電力はバッテリーに充電されているため、少しの間であれば走行が可能な場合があります。
ただし突然車が止まってしまう危険性がありますので、ご紹介したような症状が出たらすぐに車を安全な場所に停車させ、救助依頼を出してください。
人気車種のオルタネーター寿命と特徴
使用年数10年・走行距離10万km程度が寿命とされているオルタネーターですが、車種による違いはあるのでしょうか。
ここからは人気車種をピックアップし、車種の特徴とオルタネーターの寿命をご紹介します。
ハイエースのオルタネーター平均寿命
頑丈な作りが特徴で、他の車種よりも使用できる年数が長いとして知られているハイエース。
他の車種であれば購入してから1度もオルタネータを交換せずに乗り続けられるというケースも多いですが、20万km・30万kmと走行するためにはオルタネータの点検や交換が欠かせません。
走行距離や使用年数に注意して適切な時期にメンテナンスを行うようにしましょう。
エスティマのオルタネーター平均寿命
2020年3月をもって販売終了となったエスティマ。家族連れなどにも人気の車ですが、最新の車種と比べるとオルタネーターの寿命は短い傾向があります。
特に中古車両を購入した場合は、オルタネーターの劣化具合にばらつきがありますので、異常を感じる前に点検を行うことがおすすめです。
フィットのオルタネーター平均寿命
コンパクトなサイズ感で幅広い層に愛されるフィット。
基本的なオルタネーターの平均寿命は他の車種と変わらず10年・10万km程度ですが、渋滞や信号待ちの多い街中の走行が多い場合は劣化が早く進む可能性があります。
ハンドルやブレーキ、ライトの異常を感じたらすぐに点検に行くようにしましょう。
またハイブリッドモデルの場合はオルタネーターで発電する電気の代わりにハイブリッド駆動用のバッテリーの電気を使用しています。
バッテリーに充電ができなくなってしまった場合には、駆動用バッテリーの故障を疑いましょう。
ヴィッツのオルタネーター平均寿命
ハイブリッドモデルとガソリンモデルが用意されているヴィッツ。
ガソリンモデルに搭載されているオルタネーターの平均寿命は10年・10万km程度ですが、ハイブリッドモデルの場合はオルタネーターが搭載されていません。
ハイブリッドモデルの場合は、補機バッテリーがオルタネーターの代わりの役割を担っており、寿命は4〜5年程度です。
プリウスのオルタネーター平均寿命
日本のハイブリッド車を代表するプリウスには、オルタネーターの代わりに発電用ジェネレーターが搭載されています。
寿命は一般的なバッテリーより長く、4〜5年程度とされていますが、走行距離が多い場合は早めに機能が低下する可能性があります。
アクアのオルタネーター平均寿命
アクアも他のハイブリッド車と同じく、セルモーターやオルタネーターは搭載されていません。
オルタネーターの代わりとなる補機バッテリーの寿命は4〜5年程度ですが、パフォーマンスの低下を防ぐためにも3年程度を目安に点検・交換を行うと安心でしょう。
ドイツ人気車種のオルタネーター寿命
国産車と輸入車ではオルタネーターの寿命に差があるのでしょうか。
今回は人気の高いドイツ車をピックアップし、オルタネーターの寿命をご紹介します。
ベンツのオルタネーター平均寿命
ベンツのオルタネーターの平均寿命も、国産車と大きな違いはなく、10年・10万km程度が目安です。
ただし、ネオクラシック世代の車両や走行距離が多い車は寿命目安よりも早めに消耗が進む可能性があります。
こまめに点検を行いましょう。
BMWのオルタネーター平均寿命
BMWのオルタネーターの寿命も、平均的な10年・10万kmですが、古めの車両の場合はベアリングの故障が多いとされています。
症状が出ていないとしてもこまめにVベルトの張り具合の調整などメンテナンスを行うようにしましょう。
オルタネーターが故障したら
万が一走行中にオルタネーターが故障してしまったら、エンジンが完全に止まる前に安全な場所に車を移動させてください。
急にエンジンが停止したり、ハンドルやブレーキが効かなくなったりと走行に支障をきたす可能性があります。
車を安全な場所へ移動したら、すぐに任意保険のロードサービスに連絡したり出張修理を依頼をして交換や応急処置をするのがおすすめです。
ただロードサービスを使用するとなると受け入れ先の工場を決めるか、自宅に運ぶことになりますが出張修理のセイビーであればその場で修理することも出来ます。
場所や部品手配によってはその場での修理対応が難しくても、ロードサービスを使用した後に自宅等で作業することもできるため、結果的に一番早く車を修理することが出来るでしょう。
WEBサイトや電話でのお問い合わせや依頼をお待ちしているので、故障時や異常が起きた時はお気軽にご連絡ください!
まとめ
オルタネーターの寿命は一般的に使用開始から10年または走行距離10万kmとされています。
ただし走行距離が多い車やアイドリングが長い車は通常よりも劣化スピードが早くなります。
オルタネーターは車の構成部品の中でも重要な役割を担っていますので、定期的なメンテナンスや交換を欠かさないようにしてください。