車買取の流れは、買取店に売却するのか、ディーラーの下取りに出すのか、個人売買を行うのかで流れが異なります。
今回の記事では、業者ごとの流れや車の売却に必要なもの、売却時の注意点や事前に確認しおきたい情報など、車の買取を検討している方に知ってほしい内容を紹介します。
自分にあった売却方法を見つける参考にしてください!
車を売却するには?
車を売却する方法は、主に次の3つです。
- 中古車買取専門店での買取
- ディーラーでの下取り
- 個人間での売買
どの方法を選択するかで、売却までのステップや、車を高く売るためのコツなどが異なります。
中古車買取専門店で売却する流れ
中古車買取専門店で車を買取に出す手順は以下の通りです。
- 車買取店を選ぶ
- 車査定をしてもらう
- 必要書類を揃え、手続きをする
- 車両を引き渡す
- 入金確認をする
車買取店を選ぶ
まずは車を買い取ってもらう店舗を選びましょう。
車の買取ができる業者は、全国に店舗を展開するような大手から、地元密着型の業者までさまざまです。「どの業者にすればいいか分からない」という場合には、口コミや評判を参考にしてみてください。
「丁寧に接客してもらえた」「満足できる金額を提示された」など、ポジティブな評価が多い業者であれば、気持ちよく取引ができる可能性が高まるでしょう。
また、JPUC(一般社団法人日本自動車購入協会)の認定を受けているかどうかで判断する方法もあります。
JPUCとは「自動車買取業界の健全化を進め、一般消費者へ安心・安全なサービスの提供を実現する」という目的のために設立された団体で、条件をクリアした業者のみに「JPUC適正買取店」の認定を行っています。
この認定を受けた業者であれば、しつこい勧誘や売買を行う上でのトラブルを避けやすくなるでしょう。
車の査定をしてもらう
買取店が決まったら、車の査定をしてもらいます。
査定の方法は、業者の店舗に車を持ち込む場合もあれば、査定スタッフが自宅まで訪問してくれる場合などさまざまです。
「店舗に持ち込むのが面倒」と感じる場合には、出張査定に対応した業者を選びましょう。
査定や査定に伴う出張は、無料で行ってもらえることがほとんどですが、事前に費用が発生しないか確認しておくと安心です。
必要書類を揃え、手続きをする
納得できる査定額が出たら、車の売却を行うための手続きを行います。
買取専門店で車を売却する場合には、以下の書類を用意しましょう。
- 車検証
- 自賠責保険証明書
- 自動車リサイクル券
- 自動車税納税証明書
- 印鑑登録証明書
- 実印
- 振込口座情報
軽自動車の場合、印鑑登録証明書は不要で、印鑑は認印でもOKです。
上記以外にも譲渡証明書などの用意が必要ですが、多くの場合、業者側で用意してもらえます。
また、必須ではありませんが、メンテナンスノートが手元に残っている場合には、車両と一緒に引き渡しができるよう準備しておきましょう。
車両を引き渡す
手続きが完了したら、車を業者に引き渡します。
引き渡し方法は、店舗への持ち込みが一般的ですが、引き取りをしてくれる業者もいます。引き渡し方法については事前に打ち合わせをしておきましょう。
また、車の引き渡しでよくあるトラブルが「車内への忘れ物」です。引き渡してしまったあと忘れ物に気付いても、戻ってこない可能性がありますので、隅々までチェックしておきましょう。
また、カーナビやドライブレコーダーなどをつけたまま車を売却する場合には、データが残っていないか、記録媒体の取り出し忘れがないかを確認してください。
入金確認をする
車両の引き渡しが完了したら、入金を待ちましょう。
入金までにかかる時間は、業者によってさまざまです。1週間程度かかる場合もありますので、車を引き渡す際に、いつまでに入金されるかを確認してください。
万が一、振込される予定の日を過ぎても入金がない場合は、買取店に確認をしましょう。
ディーラーで売却する流れ
ディーラーで車を売却する手順は以下の通りです。
- 乗り換える車の予算の検討と車種の絞り込み
- ディーラーショップで新車の見積もり及び車の下取り見積もりを行う
- 新車の購入と今乗っている車の下取りを決定する
- 新車の購入契約と車の下取り契約をする
- 下取りでの購入契約に必要な書類
前提:ディーラーでは売却はできない?
ディーラーでは、車を買い替える際に古い車を引き取る「下取り」は行いますが、新しい車の購入が発生しない「買取のみ」には対応していないケースがほとんどです。
また、中古車を販売するルートを確保している買取専門店とは、買い取った車の流通先が異なることから、ディーラーでは買取店ほど高値を出してもらえないと考えたほうが良いでしょう。
ディーラーでの車の売却は、新しい車を購入する際の値段交渉の材料として利用する場合にのみ有効な手段だと言えるでしょう。
乗り換える車の予算の検討と車種の絞り込み
ディーラでは、買い替えが発生しない「買取のみ」には対応していないため、下取りに出す前に乗り換える車種を絞り込みましょう。
ディーラーショップで新車の見積もり及び車の下取り見積もりを行う
購入の検討段階から車を売却することが決まっている場合、買い換える車の見積もりと一緒に下取車の概算を出してもらうことが一般的です。気になる車種が決まったら、乗り換える車の見積もりと下取り車の査定を受けましょう。
ディーラーで査定を受ける場合には、次の3つが必要です。
- 車検証
- 自賠責保険証明書
- 自動車納税証明書
上記が手元にない場合は、再発行が必要な可能性があります。
新車の購入と今乗っている車の下取りを決定する
乗り換える車の見積もりと、下取り金額の両方に納得ができたら、購入と下取りを決定します。
新しく購入する車の値段を少しでも安く抑えたい場合は、下取りをディーラーで行うことで、新車の値引きができないか・下取り額を増すことはできないか交渉しましょう。
下取りに出す車が人気車種であったり、ディーラーで販売ルートの確保ができている車種であれば、交渉に応じてもらえる可能性があります。
ただし、買取専門店のほうが高値をつけられる可能性がありますので、契約前に他の業者とも比較しておくことをおすすめします。下取りをやめ、他の業者に買取を依頼する場合は、この時点で下取りのキャンセルを打診しておきましょう。
新車の購入契約と車の下取り契約をする
車の購入と下取りを決めたら、ディーラーと契約を結びます。購入・下取りともに契約後のキャンセルはできませんので、注意しましょう。
また、契約締結後は、金額の変更もできません。見積もりを隅々まで確認し、不明点や納得できない点がないかしっかりと確認をしてください。
下取りでの購入契約に必要な書類
下取りで必要な書類は、普通車か軽自動車で異なります。
車検証・自賠責保険証明書はどんな車の下取りでも必要な書類です。これに加え、普通車は自動車税納税証明書、軽自動車は軽自動車税納税証明書を用意しましょう。
また、普通車の場合は、実印と印鑑登録証明書が必要です。軽自動車の場合は、認印で問題ありません。
さらに車検証に登録されている住所や氏名に変更があった場合には、住民票の写しや戸籍謄本が必要な場合があります。発行までに時間がかかる可能性がありますので、事前に必要な書類を用意しておきましょう。
その他、委任状や譲渡証明書も必要ですが、基本的にはディーラー側で用意してもらえます。
個人で売買する流れ
個人間で車の売却する手順は以下の通りです。
- 車の状態確認・条件に合意
- 売買契約書を締結
- 代金の支払い・車両の引き渡し
- 車両・自賠責保険の名義変更
- 任意保険の手続き
車の状態確認・条件に合意
個人で車を売却する場合、まずは車の状態を買い手に確認してもらい、価格や引き渡し時期などの条件に合意してもらう必要があります。
写真だけでは状態の確認が難しい場合がありますので、可能であれば実車を確認してもらいましょう。実車の確認が難しい場合は、動画などを利用して状態を伝えることがおすすめです。
また、外観だけでなく、メンテナンスノートなどで詳細に車の情報を伝えることで、トラブルが起こりにくくなります。
売買契約書を締結
条件の合意が取れたら、売買契約書を作成し、双方で内容を確認します。
契約書がなくても、車の売買を行うことはできますが、口約束だけでの取引はトラブルの元です。スムーズに売却を進めるためにも契約は必ず締結しましょう。
代金の支払い・車両の引き渡し
買い手側から代金を受け取り、車両の引き渡しを行います。
車を引き渡す際には、車検証や自賠責保険証明書などの書類も買い手側に渡してください。
車両・自賠責保険の名義変更
車の売買を行った場合には、車の所有者・使用者や、自賠責保険の名義変更手続きを行う必要があります。
手続きは、売り手側・買い手側どちらが行っても問題ありませんが、買い手側が行うことが一般的です。手続きには双方の書類が必要となりますので、車両を引き渡すタイミングで揃えておくとスムーズにやり取りが進むでしょう。
任意保険の手続き
車両の引き渡しが完了したら、売り手側は任意保険の解除を行う必要があります。
加入している保険会社に連絡を入れましょう。
また、買い手側は任意保険を新たに契約するか、すでに加入している任意保険がある場合には、車両の入れ替え手続きを行う必要があります。
事前にチェックした方がいいこと
車の買取を依頼する場合は、損をしないためにも次の項目をチェックしておくことをおすすめします。
- 車の相場
- 人気の車種
- 車の買い替えの有無
- 希望金額を決めること
- 車の洗車・整理
- 純正オプションに戻すこと
車の相場
車の売却を行う前に、自分の車の相場を確認しておきましょう。車種や年式・走行距離が近い車の買取価格を参考にすれば、中古車市場において、自分の車にどれくらいの価値があるかを知ることができます。
相場を把握したうえで、買取業者にあまりにも相場より低い価格を提示された場合は、他の業者と相見積もりを取るなど、対策をとることをおすすめします。
人気の車種
車の買取価格や下取り価格は、中古車市場の相場により変動します。
つまり、中古車市場で人気がある車種であれば高値がつきやすいということです。
人気の高い車であれば、買取や下取りで値段交渉ができる可能性が高くなります。自分の車の人気がどれくらいなのかを把握することで、有利に交渉を進めましょう。
車の買い替えの有無
車の売却を決める前に、車の買い替えをするのかどうかを決めておきましょう。
車の購入は、車種の選定から見積もり、契約手続きなどが発生し、納車までに数週間~数か月かかる可能性があります。「車がないと困る」という場合は、新しい車が納車されるまでのスケジュールも考えて車の売却時期を決めましょう。
また、同じ業者で売却+買い替えを行う場合は、売却のみを行う場合と比べて交渉がしやすくなります。買い替えなのか、売却だけを行うのかは、事前にはっきり決めておきましょう。
希望金額を決めること
車の査定を受ける前に、希望金額を決めておきましょう。
希望金額を決めるコツは「現実的な金額を設定する」ことです。自分の車の買取相場を参考に検討しましょう。
あまりにも希望金額が高い場合は、なかなか売買が成立せず、低すぎる場合は、損をしてしまう可能性があります。
車の洗車・整理
車の査定をする際には、車種・年式・走行距離などのデータだけでなく、車の状態も確認をしています。
少しでも買取価格を上げるために、査定に出す車は車内外ともにキレイにしておきましょう。
キレイに清掃されている車であれば、査定するスタッフに良い印象が与えられるかもしれません。
純正オプションに戻すこと
中古車市場では、基本的に純正部品を使用している車のほうが高値で取引される傾向があります。
車の購入後に、純正品から社外品に替えたものがあれば、査定前に戻しておきましょう。
車を売却するときの注意点
納得できる査定額が出たら、次は契約です。
契約後はキャンセル等ができなくなりますので、慎重に内容を確認しながら手続きを進めましょう。
ここからは売却を決める際に注意して欲しいポイントを紹介します。
ローンを組んでいる場合は所有者の名義を確認する
売却する予定の車をローンで購入した場合は、車の名義が誰になっているかを確認しましょう。
所有者がディーラーやローン会社になっている場合は、売却前に名義変更の手続きが必要です。また、ローンが残っている場合は完済する必要もあります。
名義変更は、業者側で行ってくれるケースもありますので、事前に確認しておきましょう。
中古車買取の契約成立後はクーリング・オフができない
車の売却契約が完了すると、個人的な理由でのキャンセルやクーリング・オフが難しくなります。
他の業者の買取価格を確認したい場合や、車を手放す意思が固まっていない場合は、契約を結ばないように注意しましょう。
信頼できる買取業者に売却する
車の売却は、信頼できる業者に任せることが大切です。トラブルを防ぐためにも慎重に業者選定を行いましょう。
業者選定をする際には、次の4つをチェックしてみてください。
- 実際に車を売却した人の口コミや評判
- スタッフが丁寧に対応しているかどうか
- 取引実績が豊富か
- JPUC適正買取店に認定されているか
車の売却は大きな取引です。業者側としっかりコミュニケーションを取り、納得できる業者に買取をしてもらいましょう。
まとめ
車の売却方法は、中古車専門店での買取・ディーラーでの下取り・個人売買の3つがあります。
どの方法を選択するかで、売却までのステップや必要な手続きが異なるため、自分にあった売却方法を選ぶことが大切です。
車の売却は、大きな取引ですので、信頼できる業者や相手と取引を進めましょう。契約後はキャンセル等ができない場合が多いため、慎重に契約を進めてください。