自動車を構成する部品のひとつであるオルタネーター。
聞いたことはあるけれど、具体的にどんな役割があるのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、オルタネーターの役割やオルタネーターと似た部品である「ダイナモ」との違い、故障した場合の症状などをご紹介します。
セイビーのYouTube動画でもオルタネーターの役割や故障症状について解説しているので、参考にしてみてください!
目次
オルタネーターとは?
オルタネーターとは、自動車を動かすために必要な電気を生み出す「発電機」です。
車は始動や計器類の表示・カーナビなど電装部品の使用に電力を使用しており、これらの電力は走行中のオルタネーターから生み出され、バッテリーに蓄えられます。
オルタネーターはエンジンの駆動力を利用して回転することで電力を生み出しているため、エンジンが動いている間は常に回転し続けます。
ですがオルタネーターにトラブルが発生した場合には、電力の供給が止まり、パワーステアリングやブレーキブースターなどの制御が効かなくなることも。
重大な事故を防ぐためにも、オルタネーターに不具合が生じた場合の対処法を知っておくことが大切です。
オルタネーターとダイナモの違い
「車の発電機」と聞くと”ダイナモ”を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
オルタネーターとダイナモはどちらも車に必要な電力を生み出すための装置ですが、仕組みに違いがあります。
ここからはオルタネーターとダイナモの違いについてご紹介します。
ダイナモとは?
ダイナモとは1960年以前に製造されてていた”旧車”と呼ばれる車に搭載されていた発電機です。
オルタネーター同様、エンジンの始動により作動しますが、発電機や発電する電力量に差があります。
発電機が違う
オルタネーターとダイナモの大きな違いは発電機です。
一見すると、どちらも電力を生み出すという点では変わらないため違いがないようにも感じますが、オルタネーターは交流電流を発生させる一方で、ダイナモではそのまま直流電流が流れます。
具体的な違いを知るために、それぞれの詳しい仕組みを見てみましょう。
オルタネーターは交流発電機と整流器を組み合わせたもの
エンジンの動力でオルタネーターが作動すると交流電流が発生し、オルタネーターの構成部品のひとつである整流器により直流電流に変換されます。
変換された直流電流はバッテリーに蓄えられ、その電力を車の始動やパワーステアリングやブレーキブースター、各電装部品など電力を必要とするパーツに供給する仕組みとなっています。
ちなみに、直流電流は電流や電圧が一定で変化がないという特徴がありますが、交流電流は電流や電圧が変化するという特徴があります。
なぜ直流電流に変換させるのかと疑問に思う方もいるかもしれませんが、バッテリーに充電できる電流が直流電流のため整流器で変換する必要があるのです。
ダイナモは直流発電機
オルタネーターが交流電流を発生させる一方で、ダイナモが発生させる電力は直流電流です。
こうしてみると、バッテリーに充電できる直流電流を生み出すダイナモの方が効率が良いようにも感じますが、直流電流は電流・電圧が変化しないため、回転数が大きくならないと発電量が上がりません。
つまり、電流や電圧が変化する交流電流を生み出すオルタネーターの方が低回転から十分な発電量を確保できるため効率良く電力を確保することができるのです。
現在は「オルタネーター」が主流
1960年以前には多くの車にダイナモが搭載されていましたが、現在はオルタネーターが主流となっています。
その理由としては大きく次の2つが挙げられます。
- 安定して電力を得られるため
- 作りがシンプルで耐久性に優れるため
どちらも電力を生み出すという点では同じではありますが、発生させる電力や構造が異なることが分かります。
オルタネーターの仕組み
オルタネーターには、エンジンからの動力を受け回転を始めるプーリ、シャフト、シャフトを支えるベアリングがあり、オルタネーターの回転する部分全体をローターと呼びます。
オルタネーターの中央あたりには電磁石の役割を持つコイルが配置されており、ローターが回転することで磁束の変化を生み出すのです。
ローターの外側にはステーターコイルと呼ばれるコイルが配置されており、ローターの回転で生み出された磁束の変化を受け取り、電力を生み出します。
コイルの後ろ側には、スリップリングとブラシが配置されており、これらの機構がコイルに電力の供給を行ないます。
さらにその後ろのケースには「レクチファイア」と呼ばれる整流器が取り付けられており、発生した交流電流を直流電流に変換し、バッテリーへ充電しているのです。
__つまり、エンジンが動いている間は常にオルタネーターが作動し、電力の充電を続けているということになります。
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オルタネーターが故障した時の症状とその原因
車を動かす重要な役割を持つオルタネーターですが、故障してしまった場合には次のような症状が現れます。
- エンジンが走行中に止まる
- バッテリーがあがりエンジンがかからない
- 異音が発生する
- バッテリーランプが点灯する
故障の原因としては、部品の劣化や、水・熱による不具合が挙げられます。
オルタネーターの寿命は10年・10万km、エンジンの動力を伝えるベルト類は5~10万km程度が寿命とされており、オルタネーター自体もしくは関連部品が機能しなくなった場合には電力の供給がストップし、車が動かなくなってしまいます。
また、オルタネーターには水や熱に弱い部品が用いられており、大量の水をかぶってしまったり、長時間高熱にさらされたりすると故障してしまうことも。
通常の雨程度であれば心配ありませんが、エンジンルーム近くに大きなキズがある場合や長期間外に放置していた車の場合は注意が必要です。
オルタネーターが故障してしまう前には前兆があるケースも多く、「ハンドルが重たい」「ヘッドライトがいつもより暗い」「オーディオの音が小さい」など電気系統に異常が発生している場合には点検を行うことをおすすめします。
オルタネーターの故障について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
オルタネーターが故障するとどうなる?故障の前兆や原因について説明
この記事は「オルタネーターが故障しているかも?」と思ったときに役立つ記事になります。オルタネーターの故障の前兆症状や原因、運転走行中に故障したときの対処法やオルタネーターの修理費用などについて解説いたしました。
https://seibii.co.jp/blog/contents/alternator_failure_cause/
オルタネーターの寿命と交換時期、修理交換の費用
オルタネーターは、自動車の部品の中でも壊れやすい部品の1つとされており、寿命は10年・10万km程度です。
最新モデルの車の場合は20万km程度もつこともありますが、走行中に突然止まってしまうというようなトラブルを防ぐためにも、10年もしくは10万kmに達した場合には交換を検討しましょう。
オルタネーターが故障してしまった場合には、修理もしくは交換が必要となります。
オルタネーターベルトやベアリングの部品修理のみで済む場合には、1,000~5,000円+工賃がかかりますので、数千円~1万円程度で修理が可能です。
部品修理で対応できない場合にはオルタネーター自体の交換となり、新品のオルタネーターを購入する場合には5~10万円程度+工賃がかかります。
オルタネーターの寿命や修理・交換費用について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
整備士が教える【オルタネーター】 の役割と寿命、修理・交換費用
【期間限定 お得なクーポン配布中!】車には電気が必要です。エンジン始動、窓の開け閉め、ナビ、ライト等様々なパーツが電力を消費しています。車に電力を供給しているのはバッテリーですが、そのバッテリーに充電してくれるのが、車の発電機ことオルタネーター(ダイナモ)です。このオルタネーター、消耗品の為、10万キロを目安に定期交換が必要です。バッテリーが上がり、交換が必要と思いきや、点検するとバッテリーには問題なく、車の発電機:オルタネーターに問題があるケースが多々あります。この記事では、ダイナモ? オルタネーター? クルマに付いている発電機の単純な疑問から点検方法、実際の修理・交換方法、業者別の料金比較まで、整備士が丁寧に解説します。
https://seibii.co.jp/blog/contents/how-to-replace-alternator-and-summary/
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まとめ
車で使用する電力を生み出す役割をもつオルタネーター。
故障した場合には、エンジンが動かない・パワーステアリングが効かない・突然車が止まるなどの不具合が起こる可能性があります。
オルタネーターの故障が重大な事故に繋がるケースもありますので、電装部品の不具合や異音を感じた場合には、早めに修理や交換を検討してください。