セルモーターはエンジンの始動に欠かせない重要な部品です。
「セルモーターは動いているのにエンジンがかからない」「始動時にいつもと違う音がする」などの不調が生じている場合、セルモーターが空回りしているかもしれません。
今回はセルモーターが空回りする原因や対処法をご紹介します。
万が一セルモーターに不具合が出た場合にも落ち着いて対処できるよう参考にしてください。
目次
セルモーターとは
セルモーターは停止中のエンジンが動き出すきっかけを与える部品です。
一般的な車には「吸気」「圧縮」「膨張」「排気」の4工程を繰り返し動力を生み出すエンジンが搭載されています。
走行中はこの4工程を自動的に繰り返しますが、止まっている状態から始動を始めるには外からの力が必要です。
そこで動き出すきっかけを与えるのがセルモーターの役割です。
エンジン始動に欠かせない部品ですが、摩耗や故障による不具合が発生しやすいとされています。
セルモーターが空回りする原因:クランキングしていない
クランキングとは、セルモーターに電流が流れ、回転をはじめて、エンジンに動き出すきっかけとなる力を与えるまでの一連の工程を指します。
このクランキングが正常に行われていないと、セルモーターからエンジンに動力が伝わらないため、エンジンが始動しません。
クランキングしない原因としては、動力を伝達する役割を担う部品の不具合が考えられます。
また気温が低く、セルモーターを動かすために必要なエネルギーを確保できない場合にも、空回りが起こることがあります。
対処法
寒さが原因でクランキングしていない場合は、数分おきにエンジン始動を試したり、暖気を行ったりすることで症状が改善することがあります。
上記で症状が改善されない場合は、セルモーター内部の部品に不具合が生じているかもしれません。
交換や修理が必要となりますので、ディーラーや整備工場で点検を受けてください。
セルモーターが空回りする原因:バッテリーの状態がよくない
セルモーターのトラブルでよく原因となるのがバッテリーです。
バッテリーが弱まっていたり状態が悪くなっていると、セルモーターが正常に動力をエンジンに伝えることができず、空回りしてしまうことがあります。
対処法
バッテリーが正しく動いているかを確認するため、ウインカーやメーターの電気がいつも通りか確認してみましょう。
「電気がつかない」「光が弱い」などの不具合が出ている場合はバッテリー上がりの可能性が高くなります。
バッテリー上がりの場合は、他の車から電気を分けてもらう「ジャンピングスタート」や、小型のバッテリーを外部から接続する「ジャンプスターター」でエンジンの始動が出来るかを試してみましょう。
ジャンピングスタートやジャンプスターターで一度エンジンがかかっても、エンジンを切ってしまうと再始動しない場合もありますので、そのまま点検や交換をするようにしてください。
セルモーターが空回りする原因:スターターピニオンが故障している
スターターピニオンとはセルモーターの内部に搭載されているパーツで、エンジンに動力を伝える結合部となる歯車状の部品です。
このスターターピニオンが錆び付いていたり、何らかのトラブルが発生しているとセルモーターが空回りする原因になります。
対処法
スターターピニオンに不具合が発生している場合、修理が必要となります。
サビや摩耗など劣化が原因の場合は早めにディーラーや整備工場で点検を受け、交換などの対処を行いましょう。
セルモーターが空回りする原因:ワンウェイクラッチの故障
ワンウェイクラッチとはセルモーターからの動力を伝えるための部品で、エンジンが始動した後にはセルモーターから伝わる動力を遮断する役割も担っています。
このワンウェイクラッチが摩耗していると、滑りや空回りの原因となります。
対処法
ワンウェイクラッチが摩耗したり不具合を起こしている場合、部品の交換が必要です。
例えエンジンがかかったとしても、いつ動かなくなってしまうかが分かりませんので、早めに整備・点検を受けるようにしてください。
セルモーターが空回りする原因:プッシュスタートボタンの接触不良
通常、車を始動させる際にはスタートボタンを押すことでバッテリーから始動に必要な動力をエンジンに伝えます。
セルモーターが空回りする場合は、このセルボタンとバッテリーを繋ぐ端子に汚れやほこりが溜まったり、不具合が起きている可能性が考えられます。
対処法
内部に汚れやほこりがたまると、通電が妨げられ必要な動力がエンジンに伝わらないため、エンジンが始動しなかったり、セルモーターが空回りしたりします。
まずは拭き上げなどで洗浄を試してみましょう。汚れを除去しても症状が改善されない場合は、部品交換が必要です。
早めに点検を受けるようにしてください。
セルモーターが空回りする原因:ブレーキスイッチの故障
ブレーキには、ペダルの踏み込みに合わせてブレーキランプを点けたり消したりする「ブレーキスイッチ」が搭載されています。
このブレーキスイッチはセルモーターへの通電の役割も担っているため、ブレーキスイッチが故障しているとセルが空回りし、エンジンが始動しません。
対処法
ブレーキスイッチが故障する原因の多くは、接触部の摩耗や断線が考えられます。
セルモーターの空回りだけでなく、ブレーキランプが消えないという症状も出る可能性がありますので、早めに修理を依頼するようにしましょう。
セルモーターが空回りする原因:レギュレーターの故障
レギュレーターはオルタネーターと呼ばれる発電機で発生させた電流を適切な電圧に制御し、電力供給をする部品です。
この部品はバッテリーの補助的な役割も担っており、レギュレーターに不具合が出ていると、始動に必要な電流が流れず、エンジンがかからなかったり、セルモーターが空回りしすることがあります。
対処法
セルモーターの空回り以外に、ヘッドライトや電装の明かりが安定しないなどの症状がある場合、レギュレータの故障が考えられます。
故障してしまった場合には部品の交換が必要です。
放置するとバッテリーや電装系に負担がかかってしまうため、早めに対処するようにしましょう。
セルモーターの不具合なら出張整備がおすすめ
「エンジンがかかりにくい」「頻繁に空回りする」などセルモーターに異常を感じていても、なかなか修理に行く時間が取れないという方も多いのではないでしょうか。
またセルモーターの不具合だと「自宅駐車場から動けなくなってしまった」なんてこともあるかと思います。
そんな方には、出張整備のセイビーがおすすめです。
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その場で修理や点検を行うためエンジンがかからない場合も安心です。
セルモーターの不具合を感じている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
セルモーターの空回りと言っても原因は様々で、対処法も異なります。
万が一異音やトラブルが発生した場合は、ご紹介した不具合の原因や対処法をぜひ参考にしてください。
セルモーター以外の部品が空回りの原因になっていることも考えられますので、原因が分からない場合は早めにプロに相談することをおすすめします。