外車の車検費用は国産車と比べ高額になりやすいとされていますが、なぜなのでしょうか。
今回の記事では、輸入車の車検費用が高くなる理由や費用の内訳、輸入車の車検を依頼できる業者別の費用相場を紹介します。
外車の車検費用を抑えるコツも紹介しますので、外車の車検を控えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
外車の車検費用が国産車よりも高額になりやすい理由
外車の車検が高額になる理由は、以下の2つが考えられます。
- 環境の違い
- 重量の違い
- 使用部品の違い
- 研修・教育の違い
環境の違い
車検費用が高額になる理由の一つは、環境の違いです。
日本は、寒暖差が大きく湿度が高いという特徴があります。特に車の電気系統は、湿気によるダメージを受けやすいと言われており、欧州車のように湿気の少ない国が原産国の車は、故障による修理費用が高くなりやすいのです。
重量の違い
外車の多くは、国産車と比べ、重量が重い傾向があります。
日本の車検制度は、重量が重いほど重量税が高く設定されているため、外車の車検費用が高額になりやすいのです。
また、重量の違いは、部品の消耗スピードにも影響を及ぼします。
重量が重いほど、部品に大きな負荷がかかりやすく、ブレーキパッドやタイヤなどの消耗品を早く消費しやすいため、部品の交換費用も高額になりやすいと考えたほうがいいでしょう。
使用部品の違い
外車は、国産車にはない専門部品を使用している場合があります。
車検時の整備や修理で部品交換が発生した場合には、部品を海外から取り寄せなければならない場合も
。部品本体の費用以外に送料等が追加で発生するため、車検にかかる全体費用が高額になりやすいとされています。
研修・教育の違い
外車の整備には、専門的な知識と技術が必要であり、整備士の研修や教育に多額の費用が掛かります。
また、車検業者によっては、メーカーから整備指導や研修を受けるために多額の費用を支払っているケースも。
これらの費用が整備費用に反映されるため、外車の車検や整備は国産車よりも高額になる傾向があります。
プロセス自体はあまり変わらない
費用以外にも異なる点がありそうですが、車検の考え方は輸入車も日本車と同じです。
外車も国産車と同様に、車検が日本の法律で義務付けられており、自家用車の場合は新車購入後3年、その後は2年ごとに行います。
外車の車検にかかる費用の内訳
外車の車検費用には、以下の項目が含まれます。
- 自動車重量税
- 自賠責保険
- 印紙代・証紙代
- 部品交換費用
- 整備費用
自動車重量税
自動車重量税は、車の重量によって金額が決まる税金です。
外車は、国産車と比べ重量の重いモデルが多い傾向がるため、費用が高額になるケースがあります。
自賠責保険
自賠責保険は、対人賠償事故を補償するための保険です。
車の所有者は必ず加入する必要がある強制保険で、費用は車種により異なります。
印紙代・証紙代
印紙代・証紙代は、検査や車検証の発行手数料を支払うために必要な費用です。
印紙は国に治める税金を支払ったことを証明する費用であり、証紙は地方自治体に治める税金・手数料を支払ったことを証明します。
部品交換費用
部品交換費用は、車検時に修理や交換が必要な部品があった場合にかかる費用です。
車の状態に問題がなければかからない場合もありますが、購入からの年数が経つほど交換の必要がある部品が増え、費用が高額になる傾向があります。
また、外車の部品交換費用は、国産車と比べ高額になりやすく、部品の取り寄せなどに時間がかかる場合も少なくありません。
整備費用
車検費用における整備費用は、法律で定められた点検を行うための費用です。車検基本料と言われることもあり、車検を業者に任せる場合に発生します。
整備費用は、依頼する業者により金額が異なるため、費用を抑えたい場合は複数の業者から相見積もりを取ることをおすすめします。
輸入車の車検を受けている業者と費用相場
国産車より費用が高くなりやすい外車の車検ですが、依頼する業者によって数千円〜数万円の差が生じます。
業者ごとの特徴や費用の目安を知っておけば、費用が安く抑えることも可能です。
ここからは、業者別の車検費用目安を紹介します。
カーディーラー
カーディーラーで外車の車検を受ける場合の費用目安は9万円程度〜です。
ディーラー車検は、特定のメーカーに特化した技術や知識が豊富というメリットがありますが、その分、費用は高くなる傾向があります。
必要最低限の項目以外に、予防整備を行なっている店舗も多いため、質にこだわりたい場合におすすめです。
車検専門店
車検専門店で外車の車検を受ける場合の費用目安は6万円程度〜です。
他の業者と比べ費用が安く、自社で車検ラインを持っていれば数時間〜1日程度で車検が完了することも。
安さやスピードを重視したい方におすすめです。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドで外車の車検を受ける場合の費用目安は6万円程度〜です。
ガソリンスタンドは、車検専門店同様費用が安く設定されている傾向があり、店舗数も多いため、手軽に車検を受けるとこができます。
ただし、知識量や設備、部品の在庫にばらつきがあるため、外車の受け入れが可能か事前に確認することがおすすめです。
中古車販売店・整備工場
中古車販売店や整備工場で外車の車検を受ける場合の費用目安は7万円程度〜です。
個人で運営している場合も多く、大手チェーンと比べ費用面や使用する部品など、相談に乗ってもらいやすいという特徴があります。
ただし、業者によって外車に対する知識量や技術にバラつきがあり、特殊な整備を必要とする場合は依頼前の見極めが大切です。
外車を車検に出す際の流れ
車検のプロセスは外車も国産車も同じです。
基本的には以下の5ステップで車検を受けます。
- 整備工場の選定
- 書類の準備
- 車両の点検と整備
- 安全基準と環境基準のチェック
- 車検合格証の発行
Step 1 整備工場の選定
まずは車検を依頼する業者を選定します。
車検は、ディーラーやカー用品店、車検専門店などさまざまな業者で受けられます。ただし、外車の中には特定の技術や知識が必要な場合も多く、どこでも車検が受けられるわけではありません。
どこに頼めばいいか分からない場合は、外車の車検実績が多い業者から選定を行うと安心でしょう。
Step 2 書類の準備
車検に必要な書類は、外車・国産車ともに同じです。
業者に車検を依頼する場合は次の3点を用意しましょう。
- 車検証
- 自賠責保険証明書
- 納税証明書
納税証明書は、2015年から電子化され、普通車の場合は省略が可能となっています。
Step 3 車両の点検と整備
車検ではエンジンやブレーキ、ライトなどが正しく動くか、タイヤが基準を満たす状態かなどの点検を行います。
外車の知識が豊富な業者であれば、車種の特徴や壊れやすい箇所を熟知しているため、安心して車検を任せることができるでしょう。
Step 4 安全基準と環境基準のチェック
点検終了後、車検ラインで安全基準と環境基準を満たしているかの確認を行います。
これらのチェックは、行動を安全に走行できるかを判断するためのもので、全てに合格しなければ車検証は発行されません。
主な項目は以下の通りです。
- ブレーキ性能検査
- 排ガス規制適合確認
- ヘッドライト検査
外車の場合、光軸のズレやヘッドライトの光量不足を指摘されるケースが多く見受けられます。
Step 5 車検合格証の発行
点検が終了し、安全基準・環境基準のチェックに合格したら車検は完了です。
車検合格証(新しい車検証)が発行されますので、車を使用する際には常に携帯するようにしてください。
外車の車検費用を抑えるポイント
外車の車検は、依頼する業者により費用や技術に差が生じます。
自分に合った依頼先を見つけるためにも、ぜひ次の項目をチェックしてみてください。
複数の業者から見積もりをとる
外車の車検は、法定費用・車検基本料の2つに分けられます。
この内、車検基本料は業者によって設定金額がさまざまです。依頼先によって数万円の差が出ることも少なくありません。
そのため、車検の依頼先を選定する際には、複数社から見積もりを取りましょう。同じ内容でも車検費用を安く抑えられる可能性があります。
セイビーの出張車検なら、WEB上で車両情報を入れるだけで簡単に概算見積が確認できます。
部品交換費用などもお客様と相談しながら確定なので、金額を抑えた車検も対応可能となります。
整備項目を減らす
車検の見積もりには、車検に合格するために必ず実施しなければならない項目と、必須ではないものの、安全のために実施する項目があります。
もちろん、両方を実施することが望ましいですが、どうしても費用を抑えたい場合には、整備項目を見直すことも一つの手です。
削減できる項目は、車の状態により異なります。整備項目の見直しを行う場合には、車検を依頼する業者に相談をしましょう。
割引サービスなどを利用する
早期割引・リピート割引・インターネット割引など、特定の条件を満たすことで割引を受けられる場合があります。
これらの割引は、期間限定で行われている場合も多いため、車検を検討する時期にどんな割引が受けられるのか、ぜひ確認してみてください。
ユーザー車検を検討する
ユーザー車検は、業者に車検を任せず、自分で車検手続きを行うことです。
ユーザー車検を行えば、業者に支払う手数料が不要となるため、数万円程度車検費用を抑えられる可能性があります。
ただし、ユーザー車検は必要書類の準備や検査の立ち合いなど一定の知識が必要です。また慣れていない方の場合は、半日~一日程度の時間がかかると考えたほうがいいでしょう。
場合によっては買い替えを検討する
自動車は、年式が古くなるほど部品の劣化や故障が進みやすくなり、整備費用や部品交換費用が高額になりやすくなります。
そのため、あまりにも車検費用が高額だと感じる場合は、車の買い替えを検討するのも一つの手です。
外車の車検を受けるに当たっての注意点
外車の車検プロセスは、国産車と大きな違いはありません。
ただし、スムーズに車検を完了させるためにはいくつかの注意点があります。
部品の入手性
外車の場合、部品によっては入手に時間がかかる場合があります。
特に希少な車や生産が終了している車は注意が必要です。車検を受ける前に、部品交換が必要か、入手にどれくらいの時間がかかるかを確認しておきましょう。
余裕を持ったスケジュール
外車の車検は、国産車より時間がかかる場合があります。
車検期間ギリギリで依頼をすると、合格前に満期を迎えてしまうかもしれません。
余裕をもったスケジュールで車検の予約・実施をしてください。
並行輸入車
日本のディーラーで購入できる外車は、日本の車検に適合する仕様になっていますが、並行輸入者の場合は注意が必要です。
中には、日本の安全基準や環境基準に適合していないものがあり、この場合、車検に合格することができません。
車検を受ける前に確認しておきましょう。
専門的な整備工場を選ぶ
国産車にはない特徴を持つ外車は、車両の点検や整備をする際にも専門的な知識が必要です。
適切な点検を受けるためにも、信頼できる業者を選びましょう。
具体的には、自分の車と同じ車種またはメーカーの車検実績が多い業者がおすすめです。
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まとめ
外車でも国産車でも、車検のプロセスは基本的に同じです。
ただし、日本とは気候や道路状況が異なる国が原産国となる外車は、車の構造や特性に違いがあり、国産車よりも車検費用が高くなる傾向があります。
また、点検や整備に特殊な知識が必要な場合も多く、外車の車検を依頼する際には、信頼できる業者を選定することが大切です。
業者選定の際には、一社ではなく複数者から見積もりを取りましょう。
費用や整備内容を比較することで、自分に合った業者が見つかりやすくなります。