今回の記事では、カローラフィールダーハイブリッドに搭載されている駆動用ハイブリッドバッテリーの交換方法を解説します。
バッテリーには非常に高い電圧がかかっており、作業手順を誤ると故障や火災、ケガの原因になる場合があります。正しい手順で安全に作業を行いましょう。
目次
カローラのハイブリッド駆動用バッテリー取り外し手順
取り外し作業を行う前に、ハイブリッド作業の注意点について確認をしましょう。
ダイアグコード確認と事前準備、注意事項
まずは、現状の車両の状態をチェックしていきます。
ダイアグコードとハイブリッド作業時の注意事項はこちらの記事にまとめています。
バッテリーランプ(バッテリー警告灯)が点滅?ハイブリッドバッテリー電池異常のダイアグコードと作業注意事項
HVバッテリーの交換を行う前に確認を行うダイアグコードの解説と作業前に行う注意事項の説明です。 コンピューター診断機を使用し、どのような不具合があるのかを点検します。 車両のコンピューターに残されたダイアグコードがどのような条件で入力をされるのか理解していないと、間違えた修理を行うことになりかねません。 HVチェックランプが点灯した時に入力されるダイアグコードの解説を行います。 また、HVバッテリーは通常の作業とは違い、注意事項があり、危険な作業となっています。 注意事項をキチンと守り作業を行うようにしましょう。
https://seibii.co.jp/blog/contents/hv_battery_daignosis_and_precaution

車のキーの保管と後部座席の取り外し
作業中に別の誰かが車の電源を入れることが無いよう、まずは車のキーを自分の作用着のポケットに入れましょう。
バッテリーは非常に高い電圧がかかっているため、作業通にうっかりナビの電源を入れたり、走行距離を確認しようと電源を入れると非常に危険です。
当たり前のことではありますが、安全作業に関することは手を抜かないようにしましょう。
車のキーを身に着けたら、ハイブリッドバッテリーを取り外すため後部座席のシートを取り外します。
シートクッション取り外し
シートの前側がクリップ2個で固定されています。シートの前を上に持ち上げるとクリップが外れ、車両前方へ引き出すようにすると取り外すことができます。
少し持ち上げるとクリップの位置が分かると思います。クリップの位置では無い箇所を引っ張り上げてもうまくクリップの嵌合を外すことが出来ません。
下図の赤丸の箇所がクリップの位置になります。
補機バッテリー取り外し
補機バッテリーはリアシートの下にあります。リアシートを取り外すと丸見えの状態になりますが、まずはカバーを取り外します。
カバーにはクリップが付いていますので、クリップを取り外しカバーを取り外します。
クリップは真ん中の部分を押し込める様になっており、ロックが外れると簡単に外れます。
ただし、古くなると、プラスチックが硬化し、簡単に割れることがあるので、注意が必要です。
カバーが外れたらバッテリー端子を取り外します。
マイナス端子から取り外しましょう。
サービスクリップ取り外し
サービスクリップはHVバッテリーの回路を物理的に遮断する回路になります。
HVバッテリーからの電圧がHVシステムに行かないように確実に取り外しましょう。
サービスクリップはシートの下にあるハイブリッド用駆動用バッテリーに取り付けられています。
写真のオレンジ色の部品がサービスクリップです。
オレンジ色は高電圧が流れる場所を表しており、作業を行う際には、必ず絶縁手袋を装着してください。
レバーが付いており、レバーを引き上げると取り外すことが出来ます。
2.インターターミナルカバー取り外し
10分放置後、インバーターのインバーターターミナルカバーの取り外しを行います。
インバーターはエンジンルームにあるので、ボンネットを開けます。
写真の赤丸の部品がインターターミナルカバーです。
10mmのボルト2本を取り外してカバーを取り外します。
カバーにはコネクターが付いているので、まっすぐ上に引き抜きます。
3.インターカバー取り外し
インターカバーはインターターミナルカバーの隣にあります。
インターターミナルカバーを取り外さないと取り外せない構造になっています。
残留電圧確認
インターカバーを取り外したら、PCU(パワーコントロールユニット)内の残留電圧を点検します。
ここにも大きな電圧が残っている可能性があるため、きちんと絶縁手袋を装着し電圧を測定します。
測定値が0Vであれば正常となります。
測定する端子の場所は車両によって異なりますが、カローラは下図の箇所となります。
もとに戻す
残留電圧を確認したらインターカバーとインターターターミナルカバーを元に戻します。
しっかりとボルトも締め付けましょう。
周辺部品の取り外し
バッテリー取り出す前の準備が出来たら、その次に周辺部品を取り外す必要があります。
ここでは周辺部品を取り外す方法について解説していきます。
リヤシートクッションレッグ取り外し
後ろのシートの骨組みを取り外します。
ボディーがワゴンとセダンで取り付けボルトの本数が違います。
ワゴンは3本、セダンは5本のボルトが付いているので取り外します。
12mmのボルトが付いていますが、見える位置にあるので、簡単に取り外せると思います。
ハイブリッドバッテリーエキゾーストダクト取り外し
バッテリークーリングブロワ取り外し
コネクターを1個を取り外します。
ブロワ本体は2本の10mmボルトで取り付けられています。
HVバッテリーカバーパネル取り外し
ナット4個を取り外します。
オレンジ色のクリップが1個付いていますが、特殊な形をしています。
これはサービスクリップの突起部分を使ってクリップを回します。
左に回すとロックが解除されて取り外すことができる様になります。
ワイヤーハーネス切り離し
パネルを取り外したら、中にあるコネクターを切り離します。
白とオレンジのコネクターを取り外し、その横にハイブリッドジャンクションブロックのコネクターがあるので、それも取り外します。
オレンジのコネクターは高電圧が流れる可能性があるため、取り外しを行う場合は絶縁手袋をして作業を行います。
また、HVバッテリーを取り外す際に配線を引っ掛けないように、配線を横に避けると作業性が向上します。
この時に取り外したコネクターに絶縁テープを巻いていないと、万が一電気が流れて、それがどこかの金属部と接触した場合に高電圧部のショートを起こしてしまうため、大変危険です。
金属端子が見えないように絶縁テープを巻きましょう。
万が一も無いように、きっちりと処理を行います。
ジャンクションブロックのの反対側にはHVバッテリープラグのコネクターとバッテリーボルテージセンサーのコネクターが付いていますので、それも切り離します。
HVバッテリー本体取り外し
HVバッテリーを固定している本体のボルトを取り外して行きます。
クリップ2個とボルト2個、ナット2個です。
12mmのソケットを使用して取り外すことが出来ます。
ボルト・ナットを取り外したらHVバッテリーを取り外します。
HVバッテリー自体かなり重い上に、傾けることは出来ません。
また、本体のステーが飛び出ているので、車内の内張りに当たると傷つく恐れがあります。
ドアから持ち運びますが、傷つく恐れがある場所は養生テープや、カバーを掛けて保護をします。
HVバッテリー本体を軽く持ち上げ、配線など外し忘れが無いか、もう一度確認しましょう。
持ち運びは他の人に手伝ってもらって、二人で運び出します。
外へ持ち運ぶ前に、HVバッテリーを置く場所にダンボールなどを準備しておくとよいでしょう。
HVバッテリーの取り扱いには十分注意が必要です。
また取り外したHVバッテリーは回収業者に頼むか、リビリトメーカーに返送を行いましょう。
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