ステアリングとは
ステアリングとは、自動車や飛行機など乗り物の進行方向を変えるための双蛇装置のことを言います。
ステアリングを取り付けることで、自由に進行方向が変えられます。
自動車の場合は、タイヤの向きを変えることで双蛇を行うことで、方向転換ができます。
自動車を運転する場合は、ハンドルを操作することで操蛇制御するため、車輪の向きを変える仕組みとなっていますが、車輪の向きを変えるためには大きな力が必要です。
昔の自動車は運転者のハンドルだけで車輪の向きを変えていましたが、現代の自動車では油圧式や電動モーターが採用しているため、ハンドル操作が軽いパワーステアリングを備えています。
ステアリング交換の今と昔
お手軽な改造
ステアリング交換というと一昔前まではお手軽な改造の一つでした。
新品のステアリングでも2~3万円、中古だと1万円ほどで購入でき、ボスと言われるハンドルと車体をつなぐ部品を購入すれば、素人でも簡単にステアリングを取り替えることが出来ました。
MOMOやナルディのステアリングメーカー
(MOMOレース:画像はAMAZONより引用)
(ナルディクラシック:画像はAMAZONより引用)
一昔前のステアリング交換といえばMOMOやナルディなどが有名では無いでしょうか?どちらもイタリア人が起こしたメーカーで、純正ステアリングとしてどちらのメーカーも採用されているほど品質もよく有名なステアリングです。
(REALヴェルファイア:画像はAMAZONより引用)
現在の純正置き換え式ステアリングではREALというブランドのステアリングをよく見かけます。
このREALは、(株)名古屋プラミングという会社のブランドで、純正のエアバックをそのまま使用するタイプのステアリングを多く販売しています。
もともとはパイプ配管を専門とする会社のようですが、アイシン精機や三菱重工などの会社とも取引のある国内企業のようです。
ステアリング交換と言うのはメジャーな改造の一つでした。
しかし、最近の車でステアリング交換を行う人は限られています。それはエアバックの登場からではないでしょうか。
エアバックの登場
エアバック以前は簡単にステアリングの取り換えが出来ました。
しかし、今ではステアリング交換というのは簡単にはできなくなっています。
その一つはエアバックの装着です。
現在ではほとんどすべての車両にエアバックは装着されていますが、エアバックが装着されてことによって、ステアリング交換が容易ではなくなりました。
一つには取り外しに危険が伴うからです。また、取り外すのに一般的ではない工具が必要になりました。
また、社外ステアリングでは純正のエアバックをつけかえる為、見た目の大きな変化がなくなったのも特徴の一つです。
そのため、昔ながらのMOMOやナルディに取り付けるドライバーもいますが、ステアリングリモコンや保険などで不利になってしまうようです。
ステアリング交換のメリット・デメリット
ステアリングを交換すると変わる部分は大きく3つになります。
- 外径
- 太さ
- 素材
これらのメリット・デメリットを紹介します。
1.外径の変化
メリット
- 操作性
ステアリングの外径を変えることで、ハンドルの操作性が大きく変わります。
純正のハンドルの外径は360mm~380mmが多いのですが、外径を小さくするとクイックな操作が可能となります。
これは外径を小さくしたほうがハンドルを動かす移動量が減るためです。
- ダイレクト感
また、ハンドル外径を小さくすることで、ハンドル操作のダイレクト感が増します。
操作のダイレクト感とは、ステアリングを通して伝わる路面からの情報が増えるということです。
ハンドル外径を小さくすることで、路面の小さな変化にもハンドルが反応するため、路面のわずかなうねりや段差や小石などの情報がステアリングを伝わってきます。これが操作のダイレクト感の増加になります。
デメリット
1.ハンドルが重たくなる
デメリットとしてはハンドルの操作が重たくなります。
パワステは作動していますが、ハンドル外径が小さくなった分の力までは補ってくれませんので、ハンドル操作は重たくなります。
2.疲れる
また、ハンドルのダイレクト感が増加し、路面からの情報が増えるため、長距離の運転には向いていないと感じます。
ハンドルが路面に取られやすくなったり、ハンドルの振動も増加します。
いろいろな状況でハンドルが細かく反応してしまうため、余計な情報も拾い運転が疲れてしまいます。
長距離トラックやバスではハンドルの外径が大きくなります。
これは大きなトラックのタイヤを動かすのに大きなハンドルのほうが小さい力で舵を切れるためです
2.太さの変化
太さに関してはドライバーの好みによって変わるため、太いほうが良いとか細いほうが良いと言うのはありません。
ただ、スポーツカーなどは太いグリップを採用することが多く、太いほうが掴む面積が多くなるため、激しい走行にも対応できるのだと思います。
ただ、ステアリングカバーなどをして、太くなりすぎると握りづらく疲れてしまうでしょう。
反対に細いグリップは見た目の印象が大きく変わります。
ウッド調の細いステアリングはレトロを演出できるため、ドレスアップ効果は大きくなります。
3. 素材の変化
メリット
自動車の部品で直接肌身に接触する部分というのは意外なほど少ないのですが、その中でも、常に触っている部品となるとステアリングしかありません。
純正のステアリングはウレタン素材や合皮、本皮などを使用しています。
しかし、本皮のステアリングなどは一部の高級車のみが使用しており、多くはウレタン素材や合皮となっています。
1.掴みやすさ
多くの車で採用されているウレタン素材のステアリングですが、手に汗を掻いたときなどは滑りやすくなります。
普段の運転では多少掴みづらくても運転に支障はありませんが、急ブレーキ、急ハンドルをするときなど、何か緊急の操作が必要になったときに、ステアリングをきちんと掴み操作ができるというのは重要となります。
2.肌触り
ステアリングは常に肌と接触している部分です。手に馴染むステアリングの素材だと運転をしていても疲れなくなります。
本皮素材などは手に馴染みやすく汗を掻いても掴みやすいのでステアリングに適しています。
また、スウェード素材のステアリングなどはレース車両にも使用されていることから、ステアリング操作を正確に行うことが可能となっています。
スウェードの肌触りもよく、長距離の運転も楽しくステアリングを握ることができるでしょう。
(SABELT SW-733:画像はAMZONより引用)
デメリット
1.痛み
純正のステアリングに比べて社外品のステアリングは痛みが激しい傾向があります。
革やスウェードはしばらく使用していると痛んできます。
これらはやはり純正ステアリングのほうが長持ちするようです。
市販車のステアリングの外径相場
一般的な自動車の純正ステアリングを基準として考える場合、最近では370〜400mmというサイズが多く使用されています。
自動車メーカーからすると、安全を最優先にした上で、どのようなシチュエーションにおいても対応していて、だれでも扱いやすいようにと割り出された平均値ということになるでしょう。
一般道路や街中の狭い路地、ワインディング、高速道路、駐車場など、さまざまな面を想定して作られています。
一方、交換式ステアリングのMOMOやナルディなどは、純正ステアリングに比べても350mm以下のサイズがほとんどです。
中には、競技用として260〜250mmなど極めて小さいステアリングも存在します。
こちらはレーシングカーなどで採用されるサイズとなっており、超小径ステアリングは一般的な常用車には不向きだと言われています。
ステアリング交換の注意について
交換方法
交換する手順も今までのやり方ではなくなりました。ステアリング交換を行う際に、今まではバッテリーを取り外すことはありませんでしたが、エアバックが装着されてからは、取り外しの前にバッテリーのマイナス端子の切り離しが必要となります。
トルクス
エアバックの取り外しにはトルクスと呼ばれる星型の形をしたネジの取り外しが必要になります。
ハンドル交換をする為だけにこの工具を買うのはなかなか大変だと思います。
(TONE:画像はAMAZONより引用)
昔だと、ホーンの取り外しはプラスのドライバーを使用し、ハンドルの取り外しにはクロスレンチを使用しました。
自分でやるのは少し怖い
昔、自分でステアリング交換を行った人も多いと思いますが、エアバック付きの車のステアリング交換を行うのは少し怖いのでは無いでしょうか?
取り外している最中にエアバックが作動したら怖いですよね。
エアバック取り外しの注意点
エアバックを取り外すときの注意点は2つあります。
- バッテリーを切り離す
- 取り外したエアバックを下に向けない
バッテリーを切り離す
エアバックはセンサーです衝撃を感知すると開くようになっています。
ただ、ホーンを押しても開かないように、エアバック本体にはセンサーは付いていません。
センサーが付いている場所はフロントバンパーや助手席側グローブボックス奥など様々な箇所に取り付けられています。
バッテリーを切り離すことで、これらセンサーの誤作動を起こさないようにします。
また、取り外しの際に、工具などでエアバックの配線をショートさせ誤作動しないようにバッテリーを切り離します。
取り外したエアバックを下に向けない
ステアリングに付いているエアバックはトルクスを緩め、エアバックのコネクターを外すと簡単に取り外せます。
エアバックを取り外したら、エアバックの展開面(表側)を上に向けて置きましょう。
下に向けて、誤作動を起こした場合、エアバック本体が吹き飛びます。
もし、人に直撃した場合には大事故になるため、絶対に下に向けて保管すのはやめましょう。