「バッテリーを交換したばかりなのにバッテリー上がりが頻発する」という場合、オルタネーター(ダイナモ)に不具合が生じているかもしれません。
今回はオルタネーター(ダイナモ)が故障してしまった場合の交換手順や所要時間、交換費用などをご紹介します。
目次
オルタネーター(ダイナモ)とは
オルタネーターは車についている「発電機」のことです。この部品のおかげで、車は走行中にバッテリーを充電します。逆に言えば、部品が壊れてしまうと、充電がなされず、バッテリー上がりを引き起こします。
バッテリー交換をしたばかりで、正しくクルマに乗っているにも関わらずバッテリー上がりを起こす場合は、オルタネーターの異常を疑うと良いでしょう。
オルタネーターの役割を詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
整備士が教える【オルタネーター】 の役割と寿命、修理・交換費用
オルタネーターは、エンジンの始動や電装部品の使用に欠かせない重要な部品です。車の発電機“オルタネーター”の役割や寿命、故障診断から修理・交換手順、車種別・業者別の費用目安まで、整備士がわかりやすく解説します。
https://seibii.co.jp/blog/contents/how-to-replace-alternator-and-summary

オルタネーターの寿命
オルタネーターは消耗品です。以下のどちらかに達したら交換の目安となります。
- 期間:10年間
- 走行距離:100,000km
名称
現在は「オルタネーター」という呼称が一般的に使われていますが、以前は「ダイナモ」と呼ばれていました。
基本的にどちらも同じ部品と考えていいでしょう。
オルタネーターの故障症状とトラブルサイン
オルタネーターの劣化や故障が進むと、以下のような症状が現れます。
これらのサインに早く気づくことで、バッテリー上がりやエンジン停止といった重大なトラブルを未然に防げます。
- バッテリーマークの警告灯が点灯する
- ヘッドライトの光量が不安定になる
- エンジン始動時に異音(キュルキュル・カラカラ など)がする
- 走行中に電装品が正常に作動しなくなる(ナビ、パワーウィンドウ等)
- アイドリング時にエンジンが止まりやすくなる
こうした症状が出た場合、オルタネーターが発電不良を起こしている可能性が高いため、早めの点検・交換が推奨されます。
オルタネーターの故障症状について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
オルタネーターが故障するとどうなる?故障の前兆や寿命・費用を解説
オルタネーター交換が必要と判断するには?
「走行中にエンジンが止まってしまった。」「メーターに充電警告灯が点灯した。」
このような場合にはオルタネーターの交換が必要です。
またバッテリー上がりが頻発してしまう場合も、オルタネーターの発電量が足りてない可能性があります。
オルタネーターの発電量を確認し、発電量が足りてないときは交換するようにしましょう。
オルタネーターの交換事例
この記事ではセイビーが実際に対応した「クラウンマジェスタ UZS18#」を前提に、オルタネーターの交換事例を紹介します。
オルタネーター交換が必要と判断した経緯
お客様がバッテリー上がりを起こした為、セイビーに出張点検依頼がありました。
お客様のご自宅にてお車を確認したところ、バッテリーに問題は無かったのですが、電圧を測定したらオルタネーターが発電していないことを発見しました。
オルタネーターの発電量は通常12.5V~14V程度必要で、エンジンが動いている最中は車の電気を全てオルタネーターの電力を使用しています。
またバッテリーの充電もオルタネーターが行っているため、オルタネーターの発電量が足りないとバッテリーが上がってしまい、お客様のお車のような症状がでてしまいました。
そのため今回はセイビーにてリビルト品のオルタネーターに交換を実施します。
オルタネーター交換の作業時間
今回作業した「クラウンマジェスタ UZS18#」のオルタネーター交換作業時間はおよそ30分ほどでした。
上述の通り、オルタネーター交換手順は車種によって大きく異なります。15分で作業完了できる車種もあれば、一日がかりの車種もあります。
今回のクラウンマジェスタですと、メカニックがトヨタに精通していたこともあり素早く完了しましたが、通常1時間~2時間程度かかる作業です。
オルタネーターの交換手順
オルタネーターの交換手順は主に下記です。
- バッテリーターミナル取り外し
- カバー取り外し
- 配線(B端子とコネクター)取り外し
- アイドラプーリーとブラケット取り外し
- オルタネーター取り外し
- オルタネーター取り付け
簡単そうな交換に思えますが、実際には電気を取り扱うため、適切な作業をしないとバッテリーがショートしてしまったりして、オルタネーター交換をしてもエンジンが掛からないことがあります。
ステップ1. バッテリーターミナル取り外し
最初に行うのはバッテリーターミナルの取り外しです。
バッテリーの端子を取り外さずにオルタネーターの交換作業を行うとショートする可能性があるので大変危険です。
もし、バッテリーの端子を取り外さないで作業を進めると、バッテリーのB端子がボディーと接触した時には火花を散らしながらショートを起こしてしまうことも。
また、この端子は12mmのナットでオルタネーターに接続されており、金属工具とボディーが接触した場合にもショートします。
オルタネーター交換時にはまずは最初にバッテリーの端子を取り外しましょう!
ステップ2. カバー取り外し
続いてオルタネーター本体の取り外す際に邪魔になるエンジンルームのカバーやエアクリーナーケースを取り外します。
ステップ3. 配線(B端子とコネクター)取り外し
オルタネーター本体を取り外す前にオルタネーターに接続されている配線を取り外します。取り外すのはB端子の配線とコネクターです。
コネクターはオルタネーターの裏側にいますが、コネクターの爪を押せば簡単に外すことが出来ます。
ステップ4. アイドラプーリーとブラケット取り外し
オルタネーターを取り外す時にオルタネーターのすぐ上にあるアイドラプーリーとブラケットを取り外します。
プーリーの真ん中にボルトが付いているので、ボルトを外しプーリーを取り外します。
ボルトと本体の間にワッシャーが付いており、取り付けの際にこのワッシャーを付け忘れるとプーリーが回らなくなるので注意が必要です。
ブラケットは2本のボルトで留まっているので取り外します。
ステップ5. オルタネーター取り外し
ようやくオルタネーター本体を取り外します。
オルタネーターはボルト1本とナット2個で固定されているため、これらを取り外します。
今回取り外した「古いオルタネーター」と「新しいリビルト品」を比べてみます。
左がリビルト品、右が今回取り外した古いものです。
中古品をオーバーホールしたとは思えないのが最近のリビルト品になります。
見た目のみならず品質も新品と変わらず、製品保証付き(2年間 or 4万キロ)でリビルトのオルタネーターは価格も新品の半分程度ですので、大変おすすめです!
ステップ6. リビルトオルタネーターの取り付け
外した手順とは逆に取り付けていきます。すべて元に戻したら作業完了です。
オルタネーター交換にかかる費用相場
オルタネーターの交換費用は、選択する部品によって大きく変わります。
今回は、新品・中古・リビルト品の3パターンで費用相場を紹介します。
新品オルタネーターの交換費用
新品のオルタネーターは、品質や耐久性が保証されているため、ディーラーや正規整備工場での交換に多く使用されます。
部品代は車種によって異なりますが、5万〜8万円前後が相場です。
業者に交換を依頼する場合は、これに加えて工賃が1.5万〜2万円程度かかるため、合計4.5万〜10万円程度になることが一般的です。
中古オルタネーターの交換費用
中古品は、解体車などから取り外された使用済みのオルタネーターを指し、費用は1万円〜3万円程度と安価です。ただし、品質や寿命にバラつきがあるため、交換後にすぐ再故障するリスクもあります。
工賃は新品やリビルト品と同様で、1.5万〜2万円程度かかることが多く、合計で3.5万〜5万円程度が目安です。
新品と比較し、費用を安く抑えることができますが、耐久性や保証が不十分なことも。中古品を利用する際には、部品の見極めが必要です。
リビルト品オルタネーターの交換費用
リビルト品とは、使用済みのオルタネーターを分解・洗浄・部品交換して再組立てした再生品です。
新品に近い性能を持ちつつ、3万〜6万円程度の部品代で済むため、コストパフォーマンスに優れています。工賃を含めても5万〜7万円前後で収まるケースが一般的です。
コストを抑えながら新品新品に近い性能を得ることができるため、オルタネーター交換の費用を抑えたいという方におすすめです。
業者にオルタネーターの交換を依頼する流れ
業者にオルタネーター交換を依頼する場合、以下のような流れになります。
- 整備業者に問い合わせ(Web or 電話)
- 症状確認・事前見積もり
- 車両預け or 出張整備対応
- 作業実施(1〜2時間程度)
- 支払い・完了報告
整備工場によっては、たとえ交換に至らなくても故障の診断だけで費用が発生する場合があります。事前に料金体系を確認しておくことがトラブル防止につながります。
また、リビルト品を使用する場合には、信頼できる業者を選ぶことが非常に重要です。品質にバラつきがあるため、価格だけで判断せず、保証の有無や施工実績もチェックしておきましょう。
さらに、オルタネーターの不調が見られる場合、同時にバッテリーなど他の電装系パーツにも負担がかかっている可能性があります。作業の際には、周辺部品の状態もあわせて点検してもらうことをおすすめします。
オルタネーターの交換費用を抑えるコツ
オルタネーターの交換は、いくつかのコツを抑えることで費用を安くできる可能性があります。
複数の業者から見積もりを取る
1社だけで決めるのではなく、最低でも2〜3社の見積もりを比較することで、価格やサービスの違いが明確になります。
中には、「部品代は安いが工賃が高い」など、見えにくいコスト構造もあるため、総額を比較することがポイントです。
リビルト品を使用する
オルタネーターの交換費用を少しでも抑えたい方には、リビルト品(再生品)の活用がおすすめです。
リビルト品とは、一度使用されたオルタネーターを分解・洗浄・摩耗部品を交換し、性能を回復させた再生部品を指します。新品に近い品質を保ちながら、価格は新品よりも数千円~数万円抑えることが可能です。
ただし、リビルト品は製造元によって品質に差があるため、信頼できる整備業者を通じて調
達・交換するのが安心です。
安さだけで選ぶと、すぐに再交換が必要になることもあるため、保証内容の確認やレビューのチェックも欠かせません。
出張整備やカー用品店を利用する
ディーラーでの交換は安心感がありますが、費用は割高になりがちです。
その点、全国対応の出張整備サービスやカー用品店を活用すれば、同等の作業をよりリーズナブルな価格で受けられる場合があります。
出張オルタネーター交換ならセイビー!
オルタネーターは車種により設置場所や作業方法が異なるため、普段から整備を行っていない人にとっては難易度が高い作業です。
また誤った作業を行うとショートを起こし火災が発生する危険性も。作業が不安な方はプロに依頼することをおすすめします。
「部品の調達から依頼したい」「手間をできるだけ減らしたい」という場合は、出張整備のセイビーがおすすめです!
セイビーなら資格を持った整備士が自宅や職場の駐車場まで出張、その場で交換作業を行います。
移動時間が発生せずに待ち時間も有効活用できるので、忙しい方にも人気のサービスです。
オルタネーターの交換を検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ!