エンジンオイル交換を長い間怠ると、エンジントラブルや思わぬ出費につながる可能性が非常に高くなります。そのため適切な時期に交換をすることが大切です。
今回の記事ではオイル交換の重要性や交換タイミング、費用についてケースごとに解説しています。
ショップに依頼した場合の費用や自分で交換した場合の費用についてもまとめましたので、オイル交換を検討している方はぜひ参考にしてください。
エンジンオイル交換しないとどうなる?
正常なエンジンオイルは透明、あるいはやや黄色みがかった色をしていますが酸化やスラッジ(汚れ)の堆積によって、徐々に茶色もしくは黒色へ変化していきます。
ここではオイル交換をしないといけない理由と、5つの役割について解説します。
エンジンオイル交換をしないといけない理由
エンジンオイルにはエンジンのコンディションを良好に保つ役割があります。
オイル交換せずに車に乗り続けるとエンジンオイルが徐々に劣化し、故障する恐れがあります。
万が一エンジンにトラブルが起こると、オーバーホールなどの修理に数十万円の費用が必要になります。
定期的なオイル交換は不意なエンジントラブルを防ぎ、快適な走行を楽しむために必要不可欠なメンテナンスです。
エンジンオイル交換が確認しやすいのは一番重要なメンテナンス項目だからこそなので「オイルが汚れすぎてないか?」「適正な量が入っているか?」については定期的に確認するようにしましょう。
エンジンオイルの役割と効果
エンジンオイルには重要な5つの役割があります。
- 潤滑作用
- 冷却作用
- 密封作用
- 洗浄作用
- 防錆作用
ここではこれらのエンジンオイルの役割についてそれぞれ詳しく解説していきます。
潤滑作用
エンジンオイルの潤滑作用はエンジン内のパーツが円滑に動くために必要です。
エンジン内部のパーツはほとんどが金属製品で、金属同士の摩擦を軽減しパーツの摩耗を抑えることで、エンジンが故障するリスクを防げます。
冷却作用
走行中のエンジン内部は非常に高温になりますが、エンジンオイルには熱を吸収しエンジン本体を冷却する機能があります。
エンジンが過熱しすぎると「オーバーヒート現象」が起こり、最悪の場合車両火災につながりますので、エンジン内部の冷却は車の安全走行に欠かせません。
ちなみに、エンジン内部を巡ったエンジンオイルはフィルターを通じて濾過され、オイルパンに戻ってエンジンオイル自体も冷却される構造になっています。
密封作用
エンジン内部にはピストンとシリンダーという部品があり、シリンダー内で燃料を燃焼させて得たエネルギーを利用してエンジンを動かしています。
そのエンジン内部にいきわたっているエンジンオイルはピストンとシリンダーの隙間を密封する役割があります。
隙間があるとエネルギーが外部に漏れてパワーロスにつながったり、ブローバイガスと呼ばれるガソリンの混じった空気が発生してしまい、公害の原因となります。
洗浄作用
エンジンオイルには摩耗やスパークによって発生する「スラッジ」と呼ばれる汚れを吸着し、洗い流す効果があります。
エンジン内部にスラッジが蓄積されると燃費性能の低下や最悪の場合エンジンストップにつながる原因となります。
エンジンの故障に発展する恐れもあるため、エンジン内部のスラッジを吸収するエンジンオイルの洗浄作用はとても重要な役割と言えるでしょう。
防錆作用
エンジン内部は高温になるため常温である外部との温度差が激しく、結露が発生しやすい環境です。
金属製パーツに水分と酸素が付着すると結合して「サビ」となってしまい、エンジンの性能低下につながります。
そのためエンジンオイルはエンジンには内部に酸素が入り込まないよう油膜を形成し、サビの発生を抑えてくれます。
エンジンオイルの交換時期
エンジンオイルの交換時期は、交換後からの経過日数と走行環境によって変化しますので、自身の環境に照らし合わせながらご覧ください。
交換後からの経過日数
車種にもよりますが、エンジンオイルの交換時期はオイル交換を行ってから約3ヶ月〜6ヶ月後、 走行距離にすると3,000km〜5,000kmが一般的です。
ただし、ターボエンジン車やディーゼル車はエンジンオイルが汚れやすいので、早めの交換をおすすめします。
走行環境
車の乗り方や周りの環境によって、オイル交換のタイミングは変化します。
具体的には一度に運転する距離が短いとエンジンが暖まりにくいので、エンジンオイルの劣化が進みやすく注意が必要です。
また、都市部など微細なゴミや汚れが舞う空気環境下での走行にも注意しましょう。
オイル交換と慣らし運転について
新車購入後1ヶ月あるいは1,000kmの慣らし運転後にオイル交換が必要、という話を聞いたことがあるでしょうか。
その理由は新車の走りはじめはエンジン内に金属粉やススが溜まりやすいため、とされています。
しかし、近年は製造技術が格段に発達しており「慣らし運転は必要ない」という認識が一般的です。とはいえ、車に負荷をかける運転は望まれませんので、慣らし運転の際は留意してください。
オイル交換にかかる費用と時間の目安は
ここではオイル交換にかかる費用をパターン別に解説しています。オイル交換を依頼する場合にかかる時間の目安は、繁忙期などを除きおよそ30分です。
エンジンオイルの料金相場
一般的によく使用するエンジンオイルには3つの種類があります
- 鉱物油ベース
- 部分合成油ベース
- 全合成油ベース
エンジンオイルはこれらの3種類に分けられ、それぞれ特徴や料金相場が異なります。
鉱物油ベースのオイル:費用
最も市場で使われている「鉱物油ベースのオイル」は原油を蒸留・精製することで不純物を取り除いた、低価格なエンジンオイルです。
カーショップやディーラーでも扱っていますが低価格ゆえ熱や外気に弱く、酸化しやすい欠点があります。
酸化が進んだエンジンオイルは燃費の低下やエンジンの焼き付きなどのリスクがありますので、定期的な交換を忘れずに行ってください。
料金相場は1Lあたり、約500円〜2,000円です。
部分合成油ベースのオイル:費用
「部分合成油ベースのオイル」とは鉱物油をベースに、化学合成油または水素化精製油を2〜3割ほど配合したエンジンオイルです。
オイルの性能と価格のバランスが良く、鉱物油の弱点である始動性や耐熱性の低さがある程度改善されているのがポイント。
料金相場は1Lあたり、約2,000円〜6,000円です。
全合成油ベースのオイル:費用
「全合成油ベースのオイル」は原油を蒸留したうえで高度な精製処理を施した高品質なエンジンオイルです。
始動性や耐熱性の向上、エンジン摩耗の低減などさまざまな条件下で安定したパフォーマンスを発生します。
ただし、クラシックカーをはじめ製造年代が古い車に全合成油を用いると、ゴム製のオイルシールが溶け出しオイル漏れの原因となりますので使用は控えてください。
オイルシールはパッキンの役割を果たしていますが、自身でオイル交換を行う際は必ずオイルシール適合表を確認しましょう。
料金相場は1Lあたり、3,000円〜10,000円です。
自分でエンジンオイル交換する場合:費用
自分でオイル交換する場合に必要な道具や費用をお伝えします。
作業時間は車のジャッキ上げや廃油処理などを含めも1時間ほどで作業完了するので、自分で交換する際は参考にしてみてください。
必要なもの
エンジンオイルを自分で交換する時に必要なのは下記です。
- 耐油手袋
- ジャッキ
- リジットラック
- ドレンワッシャー
- レンチ
- オイルジョッキ
- 廃油処理箱
- 拭き取りウエス
これらを揃えるにはおよそ2万円くらいのコストがかかりますが、エンジンオイル自体は上記の通り、1L数百円から買い揃えることができます。
オイル交換は車種によってジャッキアップした車体の下に入り込む必要があり、危険が伴いますので安全には十分に配慮してください。
また車の走行後はエンジンオイルの温度が高くなっていますので必ず耐油手袋を装着し、皮膚に直接付着しないように気をつけると良いでしょう。
オイル漏れを発見した場合の対処方法
自分の車のオイル漏れを発見した場合は下記の2つの対処法が役に立ちます。
- 漏れ止め剤を使用する
- エンジンオイルの継ぎ足し
この2つが応急処置として良いでしょう。
ただこの2つは物(漏れ止め剤とエンジンオイル)があればすぐ対処できますが、あくまでも応急処置なので過信しすぎるのは危険です。
またどちらにせよ原因の解決にならず、オイル自体も汚れていくためオイル交換や原因の根本を修理する必要があります。
さらに物が無く応急処置出来ない場合もあるかと思います。
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スマホで簡単に申し込みと決済が可能なので、場合によっては即日の対応が可能です。
またオイル交換時には簡易点検、オイル漏れの時は故障診断までサポートするので、原因の根本から解決することができるでしょう。
オイルが漏れている状態での走行はエンジンが壊れるなど危険を伴いますので、オイルトラブルになるまえにお気軽にご相談ください。
ディーラーの場合:費用
ディーラーでオイル交換を行う場合の費用は、およそ6,000円〜10,000円です。
そのうち工賃相場が2,000円と、他店より高く設定されていますが安心・安全性が高いのが特徴です。
カー用品店・専門店の場合:費用
カー用品店・専門店のオイル交換の費用相場は、およそ2,000円〜6,000円です。
工賃に関しては500円ほどとリーズナブルで、会員特典を設けているショップも存在します。
ガソリンスタンドの場合:費用
ガソリンスタンドでオイル交換を行う場合の費用は、およそ2,000円〜4,000円です。
工賃はカー用品店・専門店と同様500円ほどに抑えられており、自社製品のエンジンオイルを取り扱っている店舗もあります。
お店でエンジンオイル交換をするメリット・デメリット
エンジンオイル交換に関しては自分で作業する方と店舗にお願いする方がいますよね。
そこでここでは、エンジンオイルをお店で交換するメリット・デメリットをそれぞれ簡潔に紹介します。
メリット
お店にオイル交換を依頼するメリットは、安心かつ安全性が高いところです。
専門スタッフが適切なエンジンオイルを選択してくれますし、DIYで一番頭を悩ませる廃油処理まで行ってくれます。
デメリット
デメリットは選べるエンジンオイルの種類が少なく、実際に自分の目で車の状態を確認できないところです。
また、エンジンオイルの持ち込みは、作業料金の上乗せや断られる可能性もあります。
車の状態を自分で把握しておくことで車に少しでも興味が湧き、オイル交換のし忘れや不意なトラブルが防げるかもしれません。
まとめ
今回は定番メンテナンスでありながら車にとって重要な役割を果たしている、エンジンオイルの交換について解説しました。
オイル交換を行わないことで起こるリスクやエンジンオイルが担う5つの役割、「潤滑作用」「冷却作用」「密封作用」「洗浄作用」「防錆作用」が、それぞれ理解できたかと思います。
また、もし自分でオイル交換を行う場合は安全に配慮して行うようにしてください。不安な場合はプロに任せることをおすすめします。
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