こんにちは、seibiiメカニックの野仲です。
今回はタイヤローテーションについてご説明を行います。
タイヤローテーションとはタイヤを前後に入れ替える作業の事を言います。
なぜ、前後にタイヤローテーションが必要なのか、タイヤをクロスにローテーションしない理由やローテーションに無駄にお金が掛からないようにするための方法をお教えします!
目次
タイヤローテーション(位置交換)の考え方
タイヤは同じ位置に固定して長く装着していると、普段の走り方などの影響から一部分だけ摩耗してしまいます。
タイヤの偏摩耗は、走行時の振動や騒音の原因となります。
そのため、タイヤの摩耗は装着位置によって異なるため、摩耗のくせを均一化するために位置交換が必要です。
タイヤの寿命を延ばすためにも、5,000km走行で1回を目安に、定期的なタイヤローテーションをおすすめします。
タイヤローテーション(位置交換)のポイント
タイヤローテーションのポイントは、回転方向を逆にすることです。
ただし、これは回転方向の指定がないタイヤの場合にのみ限ります。
タイヤの回転方向を逆にすることで、偏摩耗を防げます。
また、油淋と駆動輪間の交換も実施しましょう。
その他にも、新品タイヤの装着時は、早めに位置交換を実施することでタイヤの寿命を伸ばせます。
タイヤローテーションの目的
なぜ、タイヤローテーションが必要なのか、なんとなく分かってる方もいらっしゃると思いますし、整備工場で進められるがままにローテーションを行う方もいると思います。
まずはタイヤローテーションの目的をご説明します。
目的
クルマが走行をするとタイヤがどんどんと摩耗していきます。摩耗が進んでいき、タイヤの溝が少なくなるとタイヤを交換をしないといけません。
しかし、タイヤの溝は均等に減っていくわけではありません。
そのため、ローテーションを行わないと、タイヤの溝が不均一に減っていき、通常よりも早くタイヤ交換を行わなければいけなくなります。
そこで、タイヤの場所を変えることによって、タイヤの摩耗を均等にしようとするのがタイヤローテーションの目的となります。
こまめにタイヤローテーションを行うことによって、経済的にも環境的にも優しいカーライフを送ることができます。
タイヤ摩耗の原因
タイヤローテーションはタイヤ溝の不均一な摩耗を減らすために行います。
それでは、なぜタイヤの溝が不均一に摩耗していくのでしょうか?
種類
タイヤの不均一な摩耗の種類は10種類あります。しかし、おおまかに不均一な摩耗の種類を挙げるとすると以下の3つになります。
・内側の摩耗
・真ん中の摩耗
・外側の摩耗
他には、内側と外側の溝の両方が摩耗するなど複合的な摩耗もあります。
タイヤの異常摩耗について詳しくは
タイヤの偏摩耗10種類とその原因-タイヤの基礎知識
タイヤの摩耗には2種類あります。早期摩耗と偏摩耗です。 そのタイヤの偏摩耗10種類とその原因についてまとめました。
https://seibii.co.jp/blog/contents/tire-malfunction-type/
原因
タイヤの溝が不均一な摩耗を起こす原因は幾つかあります。
主な原因として挙げられるのはタイヤの空気圧不足です。
空気圧が不足するとタイヤの外側と内側の両方が減るようになります。
また、事故を起こしたり、タイヤを縁石にぶつけたりするとホイールアライメントが狂います。
ホイールアライメントの狂いが原因で、タイヤの偏摩耗が進行することもあります。
クルマの構造上の原因
クルマの構造上の問題で、タイヤの摩耗具合も変わります。
その要因として挙げられるのが、タイヤの位置と荷重、駆動方式となります。
位置
位置とはタイヤが前に付いているか後ろに付いているかです。
前のタイヤはかじ取りを行う為、後ろのタイヤよりも摩耗の速度は速くなる傾向になります。
その為、タイヤの空気圧をしっかりと調整し、ホイールアライメントの狂いが無くても、前のタイヤは後ろのタイヤと比べて早く摩耗してしまうのです。
荷重
タイヤに掛かる荷重(重さ)によってタイヤの摩耗速度は変化します。
荷重が重いほどタイヤの減りは早く、軽いほど摩耗の速度は遅くなります。
そして、タイヤに掛かる荷重は前後左右、取りついている位置で異なります。
運転席に近いタイヤは毎回運転者の体重を支えることとなりますし、後ろにチャイルドシートを取り付けているクルマは、そこに近いタイヤに荷重が掛かってきます。
また、クルマの構造的に言うと、エンジンが一番重たい部品と言えるでしょう。
そして、一般的なクルマのエンジンはクルマの前方に付いています。
その為、後ろのタイヤに比べて前のタイヤに、より多くの荷重が掛かります。
このように、タイヤによって受ける荷重が変わってくるため、タイヤの摩耗速度が変わってきます。
駆動方式
タイヤを駆動する方式によっても摩耗の速度は変わってきます。
前のタイヤが駆動すれば前のタイヤが早く摩耗し、後ろのタイヤで駆動すれば後ろのタイヤがより早く摩耗します。
一般的にエンジンの搭載位置と駆動するタイヤの位置をローマ字で表します。
FFはフロントエンジン、フロントドライブ
FRはフロントエンジン、リヤドライブ
4WDは4輪駆動を意味します。エンジンは一般にはフロントにありますが、中には後ろに付いている4WDもあります。
この他にも、エンジンが車両の真ん中に置いてある後輪駆動MRやエンジンが後ろにある後輪駆動RRがあります。
しかし、どの駆動方式も、駆動輪のタイヤに一番負担が掛かり摩耗が早くなります
タイヤローテーションのやり方
タイヤローテーションは単純に前後を入れ替えるだけではありません。
基本は非駆動輪のタイヤをクロスに入れ替えます。
GOODYEARホームページより
FF車の場合だと後輪を左右入れ替えて前に持っていきます。
FR車や4WD車の場合だと前輪を左右入れ替えて後輪へ持っていきます。
タイヤに方向性がある場合は前後で入れ替えます。
方向性があるタイヤを逆向きに装着すると、タイヤノイズの増大やグリップ力の低下、排水性能の低下など、十分なタイヤの性能を発揮できませんので、気を付けましょう。
しかし、なぜ、駆動輪はクロスしてローテーションしないのでしょうか?
駆動輪をクロスしない理由
タイヤローテーションを行う場合、非駆動輪をクロスにしてタイヤを取り付けるのが基本となります。
例えば、FF車の場合なら後輪をクロスして前に取り付けます。
そして、前のタイヤはそのまま、後ろに取り付けます。
しかし、前に付いていたタイヤはクロスして、後ろには付けません。
それはなぜなのでしょうか?
駆動輪のタイヤには駆動時の負荷によりタイヤブロックの後ろ側が摩耗していきます。
これは、タイヤが路面を蹴りだすときに大きな負荷が掛かるためです。
ですので、駆動輪のタイヤは下図のようなタイヤ摩耗を起こします。
逆に非駆動輪のタイヤではタイヤブロックの前側が摩耗を起こします。
これは、ブレーキング時にタイヤブロックの前側に負荷が掛かるためです。
もし、駆動輪に装着されていたタイヤをクロスでローテーションした場合、タイヤブロックの減っている側が更に摩耗することになってしまいます。
そのため、駆動輪のタイヤはクロスにローテーションを行わないで、前後にタイヤを移動するのです
タイヤローテーションの目安はいつ?
タイヤローテーションの目安は走行距離で判断するのがわかりやすいです。
5,000〜10,000kmごとにタイヤローテーションを行うことで、タイヤの摩耗を均等できます
。
注意点として、いつローテーションをおこなったのか覚えておかなければいけません。
普段、車に乗る機会が少ない人は覚えておくのが大変なため、ある程度走行距離が多い人におすすめです。
また、スタッドレスタイヤからノーマルタイヤに履き替えるタイミングもおすすめです。
逆に、スタッドレスタイヤからノーマルタイヤに履き替えるタイミングでも問題ありません。
お店でタイヤ交換をしてもらっている場合は、買ってにトーテーションしてくれている可能性があります。
また、フロントタイヤの溝が半分以下になった場合にローテーションを行う方法もあります。
最近の車はリアよりもフロントの方が重い傾向にあるため、フロントタイヤのほうがすり減りやすいです。
フロントタイヤの溝が減ったタイミングでローテーションを行って、溝の多いリアタイヤをフロントに取り付けることで、溝のヘリ具合を均等にできます。
タイヤローテンションで余計なお金を払わない為に
タイヤローテーションだけをお店で頼むとおよそ3,000円から6,000円ぐらいの費用が掛かります。
しかし、タイヤを外す作業と一緒に行うことで、このタイヤローテンションの費用を無料にすることができます。
例えば、ブレーキパッドの交換をお店に頼みます。
そうすると、ブレーキパッドの交換はタイヤを外さないと行えない為、自然とタイヤを外すことになります。
そこで、一緒にタイヤローテーションを行ってもらうと、タイヤローテーション分の費用を浮かすことができます。
もちろん、ブレーキパッドの費用にタイヤを外す分の費用が含まれています。しかし、タイヤはすでに外れている状態なので、ローテーションをしてもしなくても、追加の費用は発生しないのです!
他にも車検や12か月点検などタイヤを外す点検と一緒にローテーションを頼むと、余計な費用を払わずに済みます!
タイヤローテーションを考えている方はぜひ、この方法をお試し下さい