エンジンVベルトの寿命と交換方法・費用を解説!

車は、エンジン動力を活用することで「発電」「エアコン」「エンジン冷却」などを行なっています。そして、エンジンと各部品を「つなぎ」「動力を伝える」のがVベルトです。ゴム製のVベルトは、熱に晒され、負荷を受け伸縮を繰り返していることから、消耗品です。5万キロを目安に定期交換が必要です。定期交換を怠ると、ベルト鳴きが発生し、ベルトが切れ、様々なトラブルを引き起こします。この記事では、Vベルトが寿命を迎えると起こる5つのこと、交換時期の目安、交換費用、交換時間について解説します。

エンジン動力を伝えるVベルト

車は多種多様な部品から構成されており、いくつかの部品は、エンジンの動力を利用して動いています。たとえば、カーーエアコン、オルタネーター(発電機)、冷却水を循環させるポンプなどです。これらの機器とエンジンをつなぎ、動力を伝達しているのが「Vベルト」です。近年の車には「Vリブドベルト」と呼ばれるリブ構造(凹凸形状)のVベルトが使用されていますが、この記事ではVリブドベルトを含めて「Vベルト」と呼びます。

なお、Vベルトの仕組みや種類については以下記事をご参照ください。

Vベルトって何?エンジン動力を伝達する重要な役割と仕組みを解説!

Vベルトってなに?聴き慣れない・何をしているのかわからない方も多いでしょう。ですが、車を快適・安全に使用する為に欠かせない重要部品で、定期交換が必要です。車にはいろいろな機能(「発電」「エアコン」など)がついていますが、それらは、エンジン動力によって動いています。Vベルトは、エンジン動力をそれら部品に伝達する役割を担っているのです。ベルトはゴム製ですので、定期的なメンテナンスと交換が必要です。そんなVベルトについて、ベルトの役割、種類、エンジン動力を伝達する仕組み、寿命、交換方法などをまとめました。

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交換目安は5万キロ、寿命は6-10万キロ

Vベルトは、ゴム製です。エンジンにプーリーを通して設置されているVベルトは、1)走行中の熱による影響を受けており、2) エンジン回転時のベルトの屈曲によりベルトの伸び縮が繰り返されるため、ゴムが劣化することを避けられません。車の使用と共に劣化していきます。

ゴムが劣化すると強度が無くなる

ゴムが劣化し硬化すると、ベルトに「クラック(亀裂・ヒビ割れ)」や「欠け」が入ります。クラック自体は、性能に直接影響を及ぼしません。しかし、ベルトのクラックが進行すると、ベルトの強度を出すために中に入っている心線(針金)が分離してしまい、ベルトの強度が一気に低下します。

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6-10万キロで寿命に到達

Vベルトの寿命は、およそ60,000~100,000Kmです。もちろん、使用環境によりベルトの劣化の進行度が変わる為、定期的な点検が必要です。

寿命到達前の5万キロ前後で交換が一般的

Vベルトを寿命まで使用するのは大変危険です。Vベルトが切れた場合の不具合は後述しますが、6万~10万Kmに達する前、つまり5万キロを目安に交換するのが一般的です。50,000kmに達していなくても、点検時にクラック(亀裂・ひび割れ)や欠けが見られた場合、交換することをオススメします。

ベルト鳴きはVベルト不具合・故障の前兆

ベルトが劣化すると、ゴムの柔軟性が低下するため、エンジン回転時にスリップを起こしやすくなります。その際「キュルキュル」「キー」などの、ゴムが摩擦する音、いわゆる「ベルト鳴き」が発生します。

この音は、エンジンを掛けた時や交差点を曲がるときによく出ます。これは、負荷が掛かったベルトがスリップしている為です。ベルトがスリップすると、その際に発生する熱により、さらにベルトの劣化が進みます。

ベルト鳴きが聞こえたら、放置せずに、早めの点検・調整・交換が必要です。

切れたVベルトが原因:車の不具合5つのこと

ベルト交換を怠り、劣化したベルトが切れてしまうとどうなるのでしょうか?

Vベルトが「動力伝達」の役割を果たせなくなりますので、エンジン動力を元にしている部品が動かなくなります。その結果、発生する車の故障は主に5つです。

  1. エンジン停止
  2. オーバーヒート
  3. パワステが効かない
  4. エアコンが効かない
  5. 切れたベルトが他の部品を破損する

Vベルトが切れると起こること1.エンジン停止

エンジンは、始動時に電力を必要とします。その電力は、直接的にはバッテリーから供給されますが、そのバッテリーを充電している部品が発電機・オルタネーター(ダイナモ)です。このオルタネーターは、エンジンとVベルトで繋がり、エンジン動力を使用して発電しています。従い、ベルトが切れるとオルタネーターが発電できなくなり、しばらくするとバッテリーが蓄えていた電力を消費して空になります。そして、エンジンが停止してしまうのです。

Vベルトが切れると起こること2.オーバーヒート

高熱を発するエンジンを冷却するために、冷却水が循環しています。この役割を担うのが「ウォーターポンプ」です。この部品も、Vベルトからのエンジン動力により駆動しています。

ベルトが切れてしまうと、ポンプが動かなくなります。結果、冷たい冷却水をエンジンに送ることができないため、オーバーヒートを起こしてしまいます。

オーバーヒートを防ぐ設計

ただし、多くの場合、オルタネーターとウォーターポンプは、同一のベルトで同時に駆動しているため、このベルトが切れた場合、オルタネーターが発電を停止するために、エンジンが止まるようになっています。

このため、万が一ベルトが切れても、オーバーヒートによってエンジンにダメージを追わないように作られています。

Vベルトが切れると起こること3.パワステが効かない

1トン近くある車は「ハンドル」を通すこで、ドライバーの意のままに左右に動いています。重さの割りに軽く左右にハンドルを切ることができるのは「パワーステアリング」のおかげです。

油圧式のパワーステアリングポンプシステム(パワステ)を使用しているクルマは、パワステのベルトが切れるとパワステが効かなくなり、ハンドル操作が重くなります。

油圧式の他に電動式のパワステシステムがありますが、こちらはパワステにベルトを使用していません。

もし、パワステのベルトが切れても、ハンドルが重くなるだけで、ハンドル操作は行えるような構造となっているので、安心して下さい。

Vベルトが切れると起こること4. エアコンが効かない

冷風を生み出すクーラーコンプレッサー(ACコンプレッサー)もVベルトで駆動しています。従い、ベルトが切れてしまうとエアコンが使用できなくなります。

Vベルトが切れると起こること5.切れたベルトが他部品を壊す

走行中にベルトが切れると、最悪エンジンが停止してしまい大変危険です。ただし、ベルトの取り替えれ自体は直ぐにできるため、比較的安い費用と時間で修理することができます。

しかし、怖いのは切れたベルトが他の部品に絡まってしまうことです。回転している部品に切れた部品が絡まり、そちらの部品が壊れてしまうのはよくある不具合です。

ベルトだけの交換なら1万円位の修理費用で済むところが、他の部品を巻き込んでしまい、10万円以上の修理費用が掛かってしまうなんてこともあります。

やはり、定期的にベルトを点検し、交換することをオススメします

Vベルトの「交換費用」と「作業時間」

一般的に、Vベルトの交換費用は「5千円から1万5千円」、作業時間は「30分から1時間」となります。車両によって使用しているベルトの「本数」に違いがあり、エンジンの種類によって作業時間・工数が変わります。

これらの変数から、最終的な金額が決まるため、車種によって修理費用に幅が出ます。

ベルトの調整・交換時の注意点3つ

ベルト調整・交換を行うときには正しく取り付けを行わないと、不要な不具合を引き起こします。注意点としては以下の3つです。

  1. 適切なテンションで取り付ける
  2. プーリーの溝にきちんとはめる
  3. ベルトの取り回しを間違わない

注意点1.適切なテンションで取り付ける

ベルトは適切なテンションでプーリーに掛かっていないと、滑ってしまったり、プーリーに過度な負荷が掛かってしまったりします。

新品ベルトの注意点

また、新品のベルトを取り付ける場合、新品の「初期伸び」を考慮に入れる必要があります。新品のベルトは、生産時の熱でわずかに縮んで出荷されます。その為、新品のベルトを取り付け、負荷がかかると、この縮んだ部分が元に戻るため、ベルトの張りが若干緩くなります。ですので、新品のベルトを取り付ける際には取り付けた後、負荷を掛けたあと、ベルトの張りを再度調整します。

注意点2.プーリーの溝にきちんとはめる

リブ構造(凹凸形状)になっている「Vリブドベルト」の場合、取り付けの際に溝がずれて取り付けてしまう可能性があります。うまくはまっていると思っていても、ずれて取り付けられており、エンジンを掛けたときにベルトに傷が入るなんてこともあります。当たり前の事ですが、いざ作業を行ってみると、起こしやすいミスの一つです。

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注意点3.ベルトの取り回しを間違わない

ベルトが1本だけ付いているタイプのエンジンは、ベルトがクネクネといろんな所を回っています。ベルトには長さがあり、正確なベルトの取り回しを行わないと、長さが足りなくなり、取り付けることはできません。

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ベルトの取り付けタイプ3つと各々の取付方法

ベルトの取り付けタイプは大きく3つです。取り付けタイプによりベルトの交換方法が変わります。

  1. アジャスタータイプ
  2. オートテンショナータイプ
  3. その他

タイプ1. アジャスタータイプ

昔からあるタイプがこのアジャスタータイプのベルト取り付けです。アジャスターボルトを閉めたり緩めたりすることで、プーリーを動かし、ベルトのテンションを変えることができます。

テンショナープーリー本体のボルトを緩め、アジャスターボルトを回します。車両によってはアジャスターボルトを緩めると、ベルトが緩むタイプとアジャスターボルトを締め付けつけるとベルトが緩むタイプがあるので、取り外す際は修理書を読んで取り外すのが確実です。

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タイプ2. オートテンショナータイプ

オートテンショナータイプとは、ベルトを張るためのテンショナープーリーが自動で動くタイプのものです。テンショナープーリーがダンパーの力で自動で動くため、ベルトが伸びたとしても自動で適正な張りの強さに調整してくれます。ベルトの取り外し時は、オートテンショナー本体に工具を掛け本体を動かし動かし、ダンパーを縮め、ベルトのテンションを取り外します。掛けている工具を外すとテンショナーは自動で動き、ベルトを張ります。

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タイプ3. その他のタイプ

上の2つ以外の方法でベルトが取り付けられているクルマもあります。

1つは、オルタネーターやエアコンコンプレッサーが動くタイプのものです。これらは一つの取り付けボルトを軸として動くようになっており、ベルトを取り付けた後にバールやマイナスドライバーでオルタネーター本体などを動かし、ボルトを締め付けて固定します。片手でバールにてベルトを張り、片手でボルトを締め付けるということを行います。

2つめは、SST(スペシャル・サービス・ツール)を使用するタイプの者です。最近ではアジャスターも付いていなく、補機類も動かないタイプのベルトの取り付けがあります。このタイプはSST(スペシャル・サービス・ツール)を使用し、取り付けと取り外しを行います。セレナなどは、オートテンショナータイプですが、オートテンショナーを緩めるボルトが付いていないため、SSTを使用しベルトを取り外します。

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