中古車市場の動向を正確に捉えるための新たな指標「中古車市場価格指数」の2025年2月版が公開されました。
発表したのは、循環型流通をテーマに中古車オークション事業などを展開する株式会社オークネットの企業内ラボ「オークネット循環型流通ラボ」です。
平均価格と実勢相場の違いを可視化
日本の中古車市場では「平均取引価格」がよく使われていますが、実際の相場感や市場の動きとのギャップが指摘されてきました。
そこで、東京大学エコノミックコンサルティング株式会社(UTEcon)と連携し、より精緻な統計モデルを用いた「中古車市場価格指数」が開発されました。
この指標は、車両の属性などを反映させた実勢に近い価格動向を示します。
2025年2月は0.98%の上昇、バン・トラックが堅調
2025年2月の中古車市場価格指数は、2008年7月を1.000とした場合「2.356」となり、前月の2.333から0.98%の上昇を記録しました。
中古車の「平均取引価格」も88万5,689円(1月)から91万8,414円(2月)へと上昇しており、市場全体に活気が戻ってきていることがうかがえます。
カテゴリ別に見ると、「バン・トラック」が前月比3.81%の上昇と特に好調で、コンパクトカーやミニバンなども堅調に推移しました。
一方、唯一「SUV」は0.55%の下落となり、やや弱含みの展開が見られます。
中古車市場の見通しと流通の革新へ
今回の指数から見えるのは、単なる価格の上下だけではなく、中古車流通の背後にある“需要と供給のバランス”や、カテゴリごとの市場感です。
とりわけバン・トラックのような業務用車両の需要が高まっていることは、物流需要の堅調さやビジネスニーズの変化とも関連していると考えられます。
業界関係者にとっては、より精度の高い市場分析ツールとして注目されることでしょう。
まとめ
オークネットの「中古車市場価格指数」によれば、2025年2月は前月比0.98%の上昇を記録し、市場は引き続き堅調な動きを見せています。
平均取引価格との違いからも、より実態に即した相場の可視化が進んでおり、バン・トラックなど業務用車両を中心に需要が拡大。
循環型流通の未来を見据えたデータ活用が、今後の中古車市場の成長を支えていくことが期待されます。