2025年4月に開幕する大阪・関西万博では、約2,820万人の来場が見込まれており、府内の交通需要が大幅に増加すると予測されています。
このような状況を受け、国土交通省と大阪府・大阪市は2024年12月に「日本版ライドシェア」の24時間運行を大阪府全域で実施することに合意。
さらに、全国初の試験運行として、2024年12月下旬より24時間対応のライドシェアが大阪府内全域でスタートしました。
この動きに対する市民の意識を探るため、大阪でタクシー・ライドシェア事業を展開するnewmo株式会社は、関西エリア在住の1,200名を対象にライドシェアに関する意識調査を実施しました。
本記事では、その調査結果をもとに万博でのライドシェア導入に対する市民の意向や期待、課題について詳しく解説します。
それでは、各項目の詳細を見ていきましょう。
目次
ライドシェア利用意向は5割超—経験者ほど前向きな姿勢
主な期待は「タクシー待ち時間の短縮」
(2025年大阪万博へのライドシェア導入についての利用意向:newmo調べ)N=ALL (1,200名)うち大阪府民664名
調査によると、大阪府民の約6割が万博期間中のライドシェア導入に賛成していることが分かりました。
一方、反対意見は約1割と少数派でした。
(大阪万博開催中のライドシェア導入で期待される効果:newmo調べ)
また、ライドシェア導入に期待する効果として、以下のような回答が上位に挙げられました。
- タクシー待ち時間の短縮
- タクシー車両不足の解消
- 働き手(タクシードライバー)不足の解消
大阪府は、万博期間中において1日最大1,880台のタクシーと3,250人のドライバーが不足すると試算しています。
このため、ライドシェア導入によって移動手段を確保できることへの期待が高まっていると考えられます。
ライドシェアの利用意向は5割強。利用経験者ほど前向きな姿勢を示す
(日本国内でのライドシェア利用意向:newmo調べ)
日本国内でのライドシェア利用に関しては、半数以上(約53%)が利用意向を示していることが分かりました。
しかし、利用経験の有無によって意識に大きな差が見られます。
(ライドシェア経験値別利用意向:newmo調べ)※利用経験者296名、未経験者904名
ライドシェア利用経験者の8割が「日本で利用したい」と回答。未経験者の利用意向は45.3%と半数以下にとどまる
ライドシェアに慣れている人ほど肯定的な傾向が強く、未経験者には依然として慎重な姿勢が見られます。
また、利用をためらう理由としては、以下のような懸念が挙げられました。
(「ライドシェアを利用したい/利用したくない」回答理由:newmo調べ)
- ドライバーの経験・スキルが不安
- 事故時の対応が不明確
- どのような車両が来るのか分からない
特にライドシェア未経験者の方が「ドライバーのスキル」や「事故対応」に不安を抱く傾向が強いことが分かりました。
ライドシェアの普及に向けた課題—「安全性への不安」が最大の障壁に
(ライドシェアを利用したくない人に対しての
「以下の条件下であれば利用意向がたかまるのか?」の調査結果:newmo調べ)
ライドシェアの普及を妨げる要因として、安全性に対する不安が大きな課題となっています。
利用意向が低い層に対して「以下の条件が整えばライドシェアを利用するか?」と質問したところ、半数以上が利用を検討すると回答しました。
- 国が定めた条件のもとでドライバーが採用される
- ライドシェアドライバーはタクシー会社が雇用する
- 事故時にはタクシー会社が補償対応を行う
実は、これらの条件はすでに「日本版ライドシェア」の制度として義務付けられており、タクシー会社の管理のもとで運行されるため、安全性や補償面でタクシーと同等の基準が適用されています。
しかし、調査結果からは、こうした制度の認知度が低いことが分かります。
正確な情報の周知が進めば、ライドシェアに対する不安が軽減され、利用意向が高まる可能性があると考えられます。
まとめ 万博でのライドシェア導入成功のカギは「安心感」の提供
今回の調査から、大阪府民の6割がライドシェア導入に賛成している一方で、安全性に対する懸念が利用を妨げる要因になっていることが明らかになりました。
万博でのライドシェア導入に関するポイント
- 万博期間中のタクシー不足を補う手段として期待が高い
- ライドシェア利用経験者ほど導入に前向き
- 未経験者の不安解消には正確な情報提供が不可欠
万博を契機に日本版ライドシェアが本格的に普及するかどうかは、安全性に関する透明性を高め、利用者に安心感を提供できるかにかかっていると言えるでしょう。
特にライドシェアの利用経験の有無が利便性を認識する上で大きな差を生んでいる傾向がうかがえます。
今後は利便性・安全性の啓蒙や広報活動も重要になると判断されます。
大阪・関西万博の開催を通じて、ライドシェアの利便性や実績が積み重なれば、日本全国での普及につながる可能性も十分にあると考えられます。
詳細は出典元の記事をご確認ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000137033.html