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新たなライフスタイルを象徴する“走るマイホーム”が拡大中
一般社団法人日本RV協会(JRVA)は、「日本RV協会 年次報告書2024」を発表し、2024年のキャンピングカー販売総額が過去最高の1,126.5億円に達したことを明らかにしました。
これは前年比107%の成長で、ここ10年間で市場規模が約4倍に拡大しているという注目すべき結果です。
累積保有台数も16.5万台に到達、文化としての定着進む
2024年の国内キャンピングカー保有台数は16.5万台を記録。
移動手段としての機能に加え、レジャー、災害時の避難、テレワークのオフィスなど、多用途での活用が進んでおり、新しいライフスタイルの一部として「キャンピングカー文化」が徐々に根づいてきている様子がうかがえます。
ただドイツでは日本と同規模の国土面積にも関わらず、キャンピングカーの保有台数が約160万台と、日本の10倍に達しています。
今後、日本でも同様に市場が拡大を期待したいところです。
生産台数は伸び悩み、原因は「ベース車不足」
2024年の国内生産台数は9,559台と、前年比95%でわずかに減少。
これは、自動車メーカーからのベース車両の納品遅延が主な要因とされており、供給面の課題が生産の足かせになっていることがうかがえます。
魅力は「自由」と「プライベート空間」
ユーザーアンケートによると、キャンピングカーの魅力として最も多く挙げられたのが、「プライベートな空間でリラックスできる」「時間を気にせず出かけられる」という2点でした。
家族旅行やペット連れの外出など、周囲を気にせずに楽しめる点が支持されているようです。
さらに、「外出の機会が増えた」「人生の楽しみが広がった」といった声も多く、キャンピングカーの所有がライフスタイルの変化や精神的な充足感につながっていることがみられます。
利用目的の8割は「旅行」、2泊以上が主流
購入後の主な使用目的は旅行(約8割)。なかでも「2泊3日以上」の旅行に使っているという回答が約7割を占め、キャンピングカーならではの長期旅行との相性の良さがうかがえます。
金曜夜の出発など、時間を有効活用できるのも魅力です。
旅行中の支出は「宿泊費以外」が中心に
旅行中の支出額は3~6万円が最多(43.7%)で、宿泊費を抑えた分、観光や食事にコストをかけて楽しむ傾向が見られます。
宿泊と移動が一体化したキャンピングカーならではの経済的な旅スタイルが広がっているといえます。
今後の展望
ベース車両の供給課題は残るものの、利用者のニーズは多様化・拡大を続けており、日本のキャンピングカー市場はさらなる成長が見込まれます。
レジャーだけでなく、災害対策・ワーケーション・移動型オフィスといった社会的ニーズにも対応できる点が、今後の注目ポイントとなるでしょう。