なぜ必要?エンジンオイルの役割理解と適切な交換頻度

なぜ重要? エンジンオイル交換

ガソリンスタンドに寄るたびに、あるいは、ディーラーから電話やDMで頻繁に「エンジンオイルの交換」を薦められませんか?「売上が欲しいから営業トークじゃないの?」と不信感を持ってしまったり。

その必要性は何となく認識していても「なぜ交換が必要なのか」「交換を怠るとどうなるのか」「エンジンオイルの種類が多すぎて良く分からない」等、理解していない方が殆どでしょう。

これから順番に分かりやすく解説していきます。

オイル交換を怠ると発生する4つの怖いこと

最初に怖い話からいきましょう!

実は交換不要では?などと侮ってはいけません。交換を怠ると、こんなトラブルの原因になります。

  1. 燃費が悪くなる
  2. クルマの寿命が短くなる
  3. エンジン故障を起こす
  4. 売却・下取り時の評価が下がる

怠ると発生1. 燃費悪化

高速で回るエンジン内の動きを滑らかにする為に、エンジンオイルが用いられています。この「潤滑作用」、徐々に劣化していきます(詳しくは後述)。潤滑作用が落ちると、エンジンにかかる負荷が増し、エネルギーロスが発生します。エンジンを動かす為に、より多くのガソリンを消費するのです。つまり、燃費が悪化し、本来の能力を出せなくなり、結果、ガソリン代が高くなります。

怠ると発生2. クルマの寿命短縮

エンジンオイルには「洗浄作用」があり、エンジン内の不純物を取り除いてくれる効果があります。エンジンオイルが写真の様に黒くなるのは、この清浄性能によるものです。オイルの洗浄能力には限りがあり、走行距離にして3,000-5,000kmです。従い、交換を怠ると、エンジン内の不純物を取り除けなくなり、エンジンが劣化し、クルマの寿命が短くなるのです。

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(画像:トヨタHP)

怠ると発生3. エンジン故障

エンジンそのものが故障することもあります。理由は既に説明した通りで、最悪のパターンと言えます。この場合の修理代は高額でし、走行中に急に車が止まると重大な事故に繋がりますので要注意です。

事前の症状に要注意

エンジン故障ほどの重症が起こる際には、事前に症状や兆候が出ていることが殆どです。
危ない順に以下の通りです。

  • 兆候レベル1. エンジンオイルを最後に交換した時期を覚えていない
  • 兆候レベル2. 車から異音がする
  • 兆候レベル3. 車から焦げ臭いにおいがする
  • 兆候レベル4. エンジンの急停止が起こる

これらの症状がある方は「すぐ」に、ディーラーや整備工場、あるいは出張サービスのSeibii(セイビー )にご連絡してください。

怠ると発生4. クルマの価値下落

新しくお車を買う場合、車を売却するケースが殆どですよね。これは言うまでもなく、エンジンの状態を適切に保っているお車の方が高く査定されます。ですので、オイル交換を適正に行った分の費用は余裕で回収できるでしょう。

エンジンオイル交換を怠ると発生する悪循環

「オイル交換なんてしたことない!」といったお客様が良くいらっしゃいます。

直近作業したケースでは、「2.5リットル容量」に対して「1.5リットル」しか古いオイルが残っていませんでした。

「エンジンオイルが減っている、、」これはなぜでしょうか。

交換を怠ると発生する悪循環

上記のケースでは以下のような悪循環に陥っていました。

  1. オイル交換をしない
  2. オイルが汚れる
  3. オイルの機能「潤滑性能」が落ち、エンジン内部の金属が摩耗する
  4. 磨耗したエンジン内部の隙間から、オイルがエンジン内部/燃焼室に入る
  5. エンジン内部に入ったオイルが燃えて無くなる -> つまり「燃やされてオイルを余計に消費する(オイルを食う)」
  6. オイルが汚れる速度が増す
  7. 更にエンジン内部が摩耗する
  8. オイル消費速度が増す(ますますオイルを食う)
  9. オイル交換の頻度が増す

エンジンオイルの7つの役割

既に説明た「潤滑作用」「清浄作用」以外にもエンジンオイルの役割があります。主なオイルの役割は7つです。

役割1.潤滑作用

もっともイメージが湧きやすいのが潤滑作用でしょう。

車の心臓とも言える「エンジン」は沢山の構成部品から成っており、各々部品が連動することで車を動かしています。そして、その構成部品物体が接触しながら運動すると、その接触面には「摩擦」が発生します。オイルはこの接触面に油膜を作ることによって摩擦を少なくし、部品を保護する役割を果たします。

役割2.冷却作用

物と物が接触して互いに動くことによって生じるのが摩擦です。

この摩擦がある所には、常に「摩擦熱」が発生します。エンジンオイルは、摩擦熱を吸収してエンジンやその構成部品を冷却する役割を果たします。

役割3.緩衝作用

エンジンの構成部品であるベアリングやギヤなどの部品は、その接触部分(点接触・線接触)に非常に大きな圧力が加わります。局部的に大きな圧力を長期間受けていると、部品が摩耗・損傷します。オイルは、この圧力を分散させ、衝撃を吸収する役目を果たします。

役割4.防錆作用

エンジンオイルは、金属の表面に薄い皮膜を作ります。この皮膜は、エンジン本体に空気や水分などが直接触れないようにして錆びの発生を防いでいる役目をします。

役割5.密封作用

エンジンやコンプレッサなどがきちんと動くためには気密性が重要になります。オイルは部品と部品の間に入り込み気密性を高める役割があります。

役割6.清浄作用

エンジンやギヤのような稼働する部品は、エンジンが稼働することによって発生する金属粉やカーボン・スラッジなどのゴミが堆積します。エンジンオイルには、これらの汚染物質などを文才浮遊させて油路に堆積しないようにする役割があります。

役割7.酸中和作用

エンジンは燃焼によって生成された腐食性の強い酸性ガスがオイルに混入します。そのため、オイルは金属部分を腐食、摩耗促進から守るために酸を中和する役割があります。

適切な交換頻度は5,000km or 半年

エンジンオイルの適正な交換頻度は「走行距離」「頻度」に関わらず「3,000〜5,000km」または「半年」で交換して下さい。

殆ど車に乗らない場合はエンジンオイル交換不要?

車は持っているけど、短距離しか乗らない、或は、月に数回しか乗らないため、「オイル交換は不要!」と思っている方も多くいらっしゃいます。これは大きな間違いです。

走行距離や頻度に関係なく、半年毎に交換する必要があります。

上記で説明した通り、エンジンオイルは放っておいても「酸化」します。これが原因となり、オイルの性能である「粘性」が下がってしまうからです。

ディーラー推奨は10,000km毎?

多くの正規ディーラー、特に外国車ディーラーの場合10,000km毎の交換を推奨していることが多いようです。
外国車の場合、Castrolなどの最上級エンジオイル(全合成油)を利用していることが多いですが、それと交換頻度は関係がありません。

「長距離」で頻度高く運転される方は10,000km、シビアコンディションと呼ばれる「短距離走行が多い」「埃など
多い」場合に5,000kmで設定をしているようです。

エンジンオイルの種類と選び方

カー用品店などにいくと、沢山の種類のエンジンオイルが様々な価格で販売されています。これらは、どのように分類されているのでしょうか。実は、エンジンオイルを検査・グレード分けしている協会が複数存在し、私たち消費者・カーオーナーにとって、非常に分かりづらくなっています。

エンジンオイル分類の基準は3つです。

  1. 種類:3種類
  2. グレード:12種類
  3. 粘度:数字によって粘度が変わります

一般の方は「1.3つの種類」のみ理解し、あとはプロに相談して選ぶのが良いでしょう。

オイルの種類3つ

エンジンオイルは、主に原油から精製されますが、その「精製方法」により「鉱物油」と「化学合成油」の2つに大分されます。この2つを混ぜたオイルが3種類目の「部分化学合成油」として分類されます。

「純正オイルを使用」なんて表現を良く見かけますが、これから説明する「鉱物油」「化学合成油」「部分化学合成油」のどれであっても「純正オイル」と呼べますので、正しく種類を確認することが大切です。

種類1.鉱物油:あまりオススメできない

鉱物油は、原油を蒸留し精製する方法で作られる最もベーシックなオイルになります。安価に製造できるため、価格は安いですが、オイルの分子が不均一なため化学合成油と比べると、性能で劣ることになります。不純物も多く、エンジンに着実にダメージを与えます。

実は、国産車ディーラーで最も多く使われている種類が鉱物油です。

種類2. 化学合成油:車好き向け

100%化学合成油とも呼ばれます。原油を化学分解し精製したものが化学合成油です。オイルの分子が均一に整えられており、不純物を含まず、潤滑性能が高く、エンジンへのストレスを軽減できます。性能では鉱物油を大きく上回ります。ただし、製造工程が複雑なため、価格が高価になります。

費用対効果を体感しにくいことから、割高に感じられるお客様がおられることも否定できません。1台の車を長期間に渡って大切に乗られたい方にオススメです。

高級車(外国車・輸入車)ディーラーで使われていることが多い種類です。

種類3.部分化学合成油:一般の方むけ

「鉱物油」と「化学合成油」を混ぜたオイルで、鉱物油の弱点を化学合成油の成分で補うように作られています。値段は「鉱物油」と「化学合成油」のちょうど中間。燃費の改善や走りの軽さを体感しやすく、コストパフォーマンスが良い種類です。エンジンへ与えるダメージを最小限に抑えることができ、お車を通常使いされる一般の方にオススメです。

ちなみに、部分化学合成油と謳うためには、化学合成油の割合が全体の20%以上となるように定められています。

具体的な銘柄(メーカー・グレード・粘土)はプロに相談して決めよう

一般的には「良いとこ取り」をしている「部分化学合成油」がオススメです。しかし、たくさんのブランドが「部分化学合成油」を生産販売しており、その中でもグレードや粘度で細かく別れます。また、クルマの「乗り方」「好み」「予算」により適正なオイルは異なります。

ここまできたら、プロに相談するのが一番です。

ディーラーの営業マン、カー用品店のスタッフ、ガソリンスタンドの店員さん、無料でチャット・LINE・電話相談をしてくれるSeibiiにアドバイスを聞いて選びましょう!

【もっと詳しく】 エンジンオイルの「グレード」

エンジンオイルに「100%化学合成油」「部分化学合成油」「鉱物油」の3種類あることは説明しました。ここでは更に踏み込んで「グレード」について解説します。

グレード(格付け)

日本国内では、エンジンオイルのグレード分け(格付け)は、主に3つの協会によって行われています。ただし、実際に使用されている格付けはアメリカ石油協会のAPIが一般的です。ローマ字による分類は分かりづらいですが、一目でそのオイルの品質を保証するものとなっています。

API アメリカ石油協会(American Petroleum Institute)

もっとも広く使用されている格付けの分類になります。現在は12種類に分かれており、SA~SNまでの記号で表されます。

SAが最低グレード、SNが最上級グレードです。

「SI」は1と間違えやすいため、「SK」は韓国にメーカーが存在するため、グレードを表す記号として使用されていません。

ILSAC 国際潤滑油標準化認証委員会(International Lubricant Standardization Approval Committee)

米自動車工業会(AMA)と日本自動車工業会(JAMA)が制定した規格で、API分類に省燃費性能を加えた規格です。GF-1からGF-5の5つのグレードに分かれています。

JASO 日本自動車規格(Japanese Automobile Standards Organization)

公益社団法人自動車技術会(JSAE)が、「2サイクルエンジン」「4サイクルエンジン」「ディーゼルエンジン」の規格を制定しています。2サイクル、4サイクルエンジン、ガソリンエンジンは「4グレード」、ディーゼルエンジンは「5グレード」を制定されています。

近年、ジーゼルエンジンでは、この規格によって使用できるオイルを指定しています。

【もっと詳しく】 エンジンオイルの「粘度(シングルグレードとマルチグレード)」

次に「粘度」を踏み込んで解説していきます。

エンジンオイルの粘度は、米国自動車技術者協会 - SAE(Society of Automotive Engineers)が定めた粘度分類が一般的に使用されています。

適正な粘度

適正な粘度は、使用しているエンジンや車の走行環境などによって異なります。従い、数字によってその性能の優劣を決めるものではありません。

適切なオイルの粘度は、メーカーによって指定されていることがありますので、調べてから使用されるオイル粘度を決めるのが適切と言えるでしょう。

SAEの表記

SAEが定める粘度の記号は数字によって表されます。

シングルグレード

  • SAE 40     
  • SAE 10W

数字が低いほど粘度が低く、数字が大きくなるにつれて粘度は高くなります。また、「W」という記号が付くことが多いですが、「WINTER(冬)」の「W」を表しており、冬場の低温での粘度を表しています。

上記のように「40」という数字や「10W」という数字が1つだけのオイルが販売されています。これを「シングルグレード」と言い、使用できる適切な温度が限られたオイルはこのような表示となります。

そのため、「夏場にはSAE40のオイル」を使い、「冬場にはSAE10Wのオイル」を使うというように、外気温の変化に合わせてオイル交換を行う必要があります。

マルチグレード(オールシーズンオイル)

  • 10 W - 40

「10」という数字と「40」という数字2つがありますが、「10W」は低温時の粘度、「40」は高温時の粘度の目安となります。このように、低温と高温2つを示す数字が与えられるオイルを「マルチグレード」といいます。
別名オールシーズンオイルとも言われるこのタイプのオイルは幅広い温度に対応できるため、外部環境によってオイルの交換をする必要はなく、現在販売されているオイルの主流となっています。

【もっと詳しく】 エンジンオイル劣化の仕組み

オイルは劣化する為、定期的が必要なことは理解できましたね。劣化したオイルは「7つの役割」を果たせなくなり、エンジン本体にダメージを与えます。

それでは、なぜエンジンオイルは劣化してしまうのでしょうか。劣化の中身は3つに分解できます。

  1. 物理的劣化
  2. 酸化劣化
  3. 乳化劣化

それぞれを詳しく解説します。

1.物理的劣化

剪断(せんだん)

オイルの中に含まれているポリマーが物理的に剪断(せんだん)されて劣化します。ポリマーはオイルの粘度を担っているもので、このポリマーが衝撃などで断ち切られるとオイルの性能が低下します。

*剪断(せんだん) : 挟み切るように、物体や流体の内部の任意の面に関して面に平行方向に力が作用すること

汚染

エンジンの内部では金属粉やオイルが燃やされたことによってできるカーボンやスラッジが溜まってしまいます。これらをオイルはきれいにする役割がありますが、これらの不純物はオイルの性能を低下せてしまいます。

2.酸化劣化

オイルは熱にさらされることにより酸化してしまいます。酸化することによってエンジン性能が低下していってしまいます。一般的に油温が70℃を超えて、そこから10℃上昇するごとにオイルの酸化速度は2倍になると言われています。

3.乳化劣化

水分

オイルに水分混ざると、本来は水と油は分離されるので影響はありませんが、長い間放っておくと化学反応が起こって結合してしまいます。それが、乳化現象です。
乳化現象が起こってしまうと本来のオイルの性能は発揮されません。
エンジンを長い間動かさないと、オイルは大気中の水分を取り込んでしまい乳化現象が起こります。

まとめ

エンジンオイルは、人間の血液と同じです。サラサラの状態を維持することで、目詰まりすることなく、エンジン内部の各機関を正常に動かしてくれます。

一方で、不摂生な食生活の結果、血液がドロドロになるのと同様に、エンジンオイルの交換を怠ると、ドロドロになってしまいます。 古くなったエンジンオイルをそのまま使用し続けると、オイル内に溜まった汚れは排出されずオイルがどんどん劣化していき、潤滑作用などの不具合が生じます。 エンジン内の汚れも蓄積され、次第にエンジンが潤滑に動かなくなっていき、負荷がかかっていまいます。

定期的に賢くオイル交換をしましょう!


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