【2020年4月号】車の整備・修理・アフターマーケット業界月報

緊急事態宣言が発令された4月。車の整備事業者は政府要請に基づき、営業を継続しています。4月は「外出自粛」等により、「マイカー利用率」「近距離走行」が増えたことで、車のトラブル内容に注目すべき変化が見られた月でした。JAFが公開する「ロードサービス救援統計」、カー用品販売最大手のオートバックスが公開する「月次売上速報」と共に、車の整備・修理業界2020年4月の概況に関し纏めました。

2020年4月:新車販売ランキング

  1. N-BOX(ホンダ):14,034台
  2. ヤリス(トヨタ):10,119台
  3. フィット(ホンダ):8,977台
  4. タント(ダイハツ):8,295台
  5. フィット(ホンダ):8,977台

2020年4月クルマの整備・修理・アフターパーツ業界概況

新型コロナ(COVID-19)と緊急事態宣言が発令された4月

緊急事態宣言が2020年4月7日に発令されました。これ以前から外出自粛要請が出ていましたが、いよいよ新型コロナ(COVID-19)の影響が、車のアフターマーケット業界に見える形で影響を及ぼし始めた月であったと言えます。

なお、自動車整備業は「国民の安定的な生活の確保」の為の重要な産業として、スーパーなどと共に「事業の継続を求める」との要請が出ており、多くの事業者が感染拡大に配慮した形で事業を継続しています。

緊急事態宣言と外出自粛により「車の総走行量」は減少

緊急事態宣言に基づく外出自粛により、道路を走る車の総量が減ったことが、JAFの4月統計、オートバックス4月速報からも読み取れます。

緊急事態宣言と外出自粛により「マイカー利用」と「近距離走行」が増加

一方で、着目すべき点は、「車のバッテリー」に関連するロードサービス救援・バッテリー販売量を見ると、JAFの救援件数、オートバックスの販売個数共に昨年比・前月比で大きく数字を伸ばしています。

事業用の車の稼働率が落ちた一方で、在宅勤務が増加したことで、久しぶりに車を動かした方が増え、かつ他県への移動が自粛された結果、近距離移動が増加したことが読み取れます。近距離走行を繰り返すと、バッテリーが上がり易くなる為です。

車検売上は減少し、リペア・軽整備需要は増加

緊急事態宣言を発端に、国土交通省から複数回にわたり、車検満了日の延長措置が発表されています。また、ディーラー含む店舗型で事業を行う整備・修理事業者の多くが、営業時間の短縮等を実施しています。従い、車検・整備関連の売上が減少しました。

また、オートバックスの月報によると「外出自粛により手洗い洗車、キズ補修の需要拡大。金額・数量ともに前年実績を上回った。」との記載があり、興味深い変化と言えます。日頃忙しかった方々の在宅勤務が増えた結果、後回しにしていたマイカーのリペアに時間を割いた、と言えるでしょう。

総救援出動(ロードサービス実施)件数

2020年4月の総救援件数は、前年比、前月比共に大きく減少しました。

全国JAF総救援出動件数:145,738件

  • 2020年3月比:▲12.66%
  • 2019年4月比:▲10.59%

件数前提

  • JAF救援実施件数(一般道路・四輪自動車) 総救援件数推移

バッテリー上がり(過放電)件数

総救援数が10%強「下げた」一方で、「バッテリー上がり」の件数は前月比プラスとなりました。週末ドライバーなど、久しぶりに車を動かす方が増えたことが主因と考えられます。

また「車内テレワーク」の増加なんかも原因かもしれません。確かに、車内電源を取ることはできますが、充電しない限り、バッテリー上がりの原因となります。

全国バッテリー上がり件数:60,863件

  • 2020年3月比:▲5.75%
  • 2019年4月比:+3.77%

件数前提

  • JAF救援実施件数(一般道路・四輪自動車) バッテリー上がり件数推移

バッテリーの劣化・破損(要バッテリー交換)

バッテリー上がりと同様の傾向が見られました。久しぶりに車を動かそうとした人が増えたことが背景にあるでしょう。3月比で件数が落ちるのは例年通りですが、昨年同月比では+26%と大きく需要が伸びています。

全国バッテリ−劣化・破損件数:9,868件

  • 2020年3月比:▲0.59%
  • 2019年4月比:+26.76%

オートバックスのバッテリー販売売上

全体として「新型コロナによる外出自粛の影響」で販売量に影響が出ているものの、特にアイドリングストップ車用バッテリーが好調で、金額ベースで前年を上回り、前年対比+3.6%増加となっています。

(参考)2020年3月期(2019年4月-2020年3月)のバッテリー売上

  • 95億82百万円

件数前提

  • JAF救援実施件数(一般道路・四輪自動車) バッテリーの劣化・破損件数推移

タイヤのパンク・バースト・エア不足

タイヤのトラブルは、前年比、昨年比共に大きく件数を下げました。緊急事態宣言により、車の走行台数(特に法人関係)、走行距離が短くなった(都道府県を超えた移動が激減した)ことが原因でしょう。

全国のタイヤのパンク・バースト件数:24,620件

  • 2020年3月比:▲12.94%
  • 2019年4月比:▲19.74%

件数前提

  • JAF救援実施件数(一般道路・四輪自動車) タイヤのパンク・バースト・エア不足件数推移

オルタネーター・ダイナモ故障

エンジンがかからない主要原因の1つであるオルタネーター(発電機)の故障。全体傾向と同様に、前月比、昨年比共に大きく件数が減りました。

全国のオルタネーター・ダイナモ故障件数:1,678件

  • 2020年3月比:▲18.46%
  • 2019年4月比:▲16.25%

件数前提

  • JAF救援実施件数(一般道路・四輪自動車) オルタネーター・ダイナモ故障件数推移

スターター・セルモーター故障

エンジンがかからない際の主要原因の1つです。全体傾向と同様に、前月比、昨年比共に大きく件数が減りました。

全国のスターター・セルモーター故障件数:1,590件

  • 2020年3月比 : ▲11.68%
  • 2019年4月比 : ▲16.58%

件数前提

  • JAF救援実施件数(一般道路・四輪自動車) スターター・セルモーター故障件数推移

スパークプラグ故障件数推移

エンジンが掛からない際の主因の1つです。スパークプラグと合わせてイグニッションコイルが故障しているケースも多いです。

全体傾向と同様に、前月比で大きく件数が減りました。昨年の数字が公表されていない為、昨年対比はわかりませんでした。

全国スパークプラグ故障故障件数:2,001件

  • 2020年3月比 : ▲21.74%
  • 2019年4月比 : N/A

件数前提

  • JAF救援実施件数(一般道路・四輪自動車)

カー用品・アフターパーツ等販売状況

オートバックスの月次速報を元に、各商品の販売状況を見ていきます。

タイヤ・ホイール販売状況

  • 夏タイヤへの履き替え需要の減少に加え、外出自粛の影響が見られた
  • 数量・金額ともに前年比▲25.6%減少

ドライブレコーダー・カーナビ等カーエレクトロニクス販売状況

  • 外出自粛と車販売不振によりナビゲーション、ドライブレコーダーが低調
  • 販売金額は前年比▲29.1%減少

エンジンオイル販売・交換状況

  • 販売金額は前年比▲14.7%減少

前提

  • オートバックスの店舗売上

参照サイト

この記事は以下2つの情報を基に作成しています。この場を借りて、情報公開に感謝申し上げます。